Oracleデータベースを使用するリポジトリの作成方法を説明します。
サーバを構築するマシンのInterstage管理コンソールを使用します。Interstage管理コンソールの操作方法はInterstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
[システム] > [サービス] > [リポジトリ] > [新規作成]タブ(管理サーバの場合は、[一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [セキュリティ] > [リポジトリ] > [新規作成]タブ)を選択します。
以下のように、各項目を指定し、[作成]ボタンをクリックします。
[簡易設定]
リポジトリ名
リポジトリを識別するリポジトリ名を指定します。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
管理者用DN
作成するリポジトリを管理するための管理者のDN(識別名)をDN形式で指定します。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
管理者用DNのパスワード
作成するリポジトリを管理するための管理者のパスワードを指定します。
管理者用DNのパスワード(再入力)
作成するリポジトリを管理するための管理者のパスワードを再入力します。
公開ディレクトリ
リポジトリを公開するトップエントリをDN(識別名)形式で指定します。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
リポジトリのデータベース
“Oracle”を選択します。事前にRDB環境を作成する必要があります。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
ネット・サービス名
Oracleデータベースへ接続する際のネット・サービス名を指定します。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
Oracleホーム・ディレクトリ
Oracleデータベースのインストール時に設定した、Oracleホームのディレクトリを指定します。
Interstageディレクトリサービスを運用するマシンにインストールするOracleデータベース製品は、Interstageと同一のCPUのアーキテクチャをサポートしている製品を使用してください。製品の組み合わせについては“使用上の注意”の“アプリケーション実行時に必要なソフトウェア”-“ディレクトリサービス”を参照してください。
データベース接続ユーザID
リポジトリ用データベース接続ユーザを指定します。データベース構築時に、データベース接続ユーザとして、Oracleデータベースに登録したユーザアカウントを指定してください。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
データベース接続パスワード
リポジトリ用データベース接続ユーザのパスワードを指定します。データベース接続ユーザとして、Oracleデータベースに登録したユーザアカウントのパスワードを指定してください。本項目の値で、Oracleデータベースに登録されているパスワード情報を書き換えることはありません。
[詳細設定]接続設定
通常(非SSL)ポート番号
非SSL通信で使用するポート番号を指定します。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
SSLの使用
SSL通信を行うかどうかを指定します。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
SSLポート番号
SSL通信で使用するポート番号を指定します。リポジトリの新規作成時にだけ指定できます。作成後は値を変更できません。
SSL定義
SSL通信で使用するSSL定義を決定します。
その他の項目については、設定されている初期値を、通常変更する必要はありません。必要に応じて変更してください。
各項目の値に指定できる文字、文字数、範囲など定義詳細はInterstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
リポジトリの作成が完了すると、[システム] > [サービス] > [リポジトリ]の[リポジトリ:状態]画面(管理サーバの場合は、[一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [セキュリティ] > [リポジトリ]の[リポジトリ:状態]画面)に作成したリポジトリが追加されます。
作成したリポジトリは、下記の名前でWindows(R)のサービスにも追加されます。
Interstage Directory Service(リポジトリ名)
リポジトリ作成時に、[公開ディレクトリ]に指定したトップエントリ配下に初期ツリーが作成されています。各サービスで共通に使用できる初期のツリー構造です。
初期のツリー構造は、以下のサービスで使用できます。
Interstageシングル・サインオンのリポジトリサーバ
Interstage HTTP Serverのオンライン照合機能
J2EEアプリケーションのセキュリティ機能
公開ディレクトリに「ou=interstage,o=fujitsu,dc=com」(初期値)が指定された場合に作成される初期ツリーは以下のようになります。[公開ディレクトリ]を初期値から変更した場合は「ou=interstage,o=fujitsu,dc=com」の部分が指定されたディレクトリとなります。
作成されるツリー(DN形式) | 用途 |
---|---|
ou=User,ou=interstage,o=fujitsu,dc=com | 各サービス向けユーザ情報格納用ツリー |
ou=SSO ACI,ou=interstage,o=fujitsu,dc=com | Interstageシングル・サインオン向けアクセス制御情報格納用ツリー |
ou=Resource,ou=SSO ACI,ou=interstage,o=fujitsu,dc=com | Interstageシングル・サインオン向け保護リソース格納用ツリー |
ou=Role,ou=SSO ACI,ou=interstage,o=fujitsu,dc=com | Interstageシングル・サインオン向けロール定義格納用ツリー |
リポジトリの作成には数分程度の時間が必要です。リポジトリ内部で使用するデータベース情報の作成が含まれます。作成に要する時間はマシン性能により多少異なります。
パスワード暗号化方式を変更する場合は、リポジトリを起動する前に、irepadminコマンドを使用して変更してください。
運用を開始したあとは、パスワード暗号化方式を変更することはできません。詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“Interstage ディレクトリサービス運用コマンド”を参照してください。
Oracleデータベースをインストールしたサーバのスペックに応じて、リポジトリからRDBへの最大コネクション数を最適な値とすることで、多重検索性能を向上させることができます。
リポジトリからRDBへの最大コネクション数は、irepadminコマンドを使用して設定します。初期値は「16」です。OracleデータベースをインストールしたサーバのCPU数×4の値を推奨します。
設定方法の詳細は、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“Interstage ディレクトリサービス運用コマンド”を参照してください。
また、リポジトリからRDBへの最大コネクション数の設定に応じて、データベース側の最大コネクション数を設定、または変更する必要があります。
データベース側の最大コネクション数は、以下のデータベース初期化パラメタで指定します。パラメタの指定値は、Interstage ディレクトリサービスの使用時に必要となるコネクション数(リポジトリからRDBへの最大コネクション数 + 1)を考慮し、Oracleデータベースのマニュアルを参照して算出してください。
PROCESSES
または、
SESSIONS
TRANSACTIONS
[リポジトリ:状態]画面から、作成したリポジトリを起動します。
リポジトリの作成直後、リポジトリはOS起動時に自動起動するように設定されていますが、リポジトリを正常に起動するためには、リポジトリよりも先にOracleデータベースを起動しておく必要があります。リポジトリ、およびOracleデータベースの自動起動の設定は、“リポジトリの自動起動”を参照してください。