マルチサーバ管理機能では、IJServerタイプが“IJServer(Web Only) ”のIJServer(以下Web OnlyのIJServer)と、“IJServer(EJB Only) ”のIJServer(以下EJB OnlyのIJServer)を結合して、多階層の“IJServer(Web + EJB[別VM])”のIJServerを作成することができます。
本機能は、主に管理サーバと管理対象サーバのバックアップ資源の同期が取れていない場合の復旧時、およびマルチサーバ管理環境の旧バージョンからの移行時に利用する機能です。
利用時の手順については、それぞれ“3.8.3 管理サーバと管理対象サーバのバックアップ資源の同期が取れていない場合の復旧”、および移行ガイドの“マルチサーバ管理環境の移行”を参照してください。
結合するWeb OnlyのIJServerと、EJB OnlyのIJServerは以下の定義情報が同一である必要があります。
画面 | 定義情報 |
ワークユニット > 状態 | バージョン ※1 |
ワークユニット > [IJServer名] > 環境設定 | ワークユニット自動起動 |
ワークユニット起動待ち時間 | |
プロセス強制停止時間 | |
リトライカウント | |
デバッグ起動 | |
退避するカレントディレクトリの世代数 | |
アプリケーション自動再起動失敗時の制御 | |
共通定義 | |
ワークユニット > [IJServer名] > ログ定義 | すべて |
ワークユニット > [IJServer名] > 実行クラス > [実行クラス名] > 環境設定 | 名前 |
実行するクラス名 | |
例外発生時のワークユニット起動 | |
ワークユニット多重時の呼び出し | |
ワークユニット > [IJServer名] > [J2EEアプリケーション名] > 環境設定 | すべて |
※1 「8.0(*)」(V8.0互換モードのIJServer)の場合は、両方のIJServerが「8.0(*)」である必要があります。
※2 定義情報が同一である必要があるのは、同じ実行クラス名の場合のみです
※3 定義情報が同一である必要があるのは、同じJ2EEアプリケーション名の場合のみです
Web OnlyのIJServerと、EJB OnlyのIJServerのいずれかに環境設定エラーが存在している場合は、IJServerの結合を行なうことができません。環境設定エラーを解決してからIJServerの結合を行なってください。
IJServerの結合の操作手順は以下です。
管理サーバのInterstage管理コンソールにログインします。
Interstage管理コンソールの
[一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [ワークユニット] の結合タブで、IJServerの結合操作を行います。
“Servletコンテナ”欄と“EJBコンテナ”欄で、それぞれIJServerタイプが“IJServer(Web Only) ”のIJServerと“IJServer(EJB Only) ”のIJServerを選択します。“Servletコンテナ”、 “EJBコンテナ”の順番で選択します。
各欄で選択できるIJServerには以下の条件があります。
画面入力欄 | 選択できるIJServerの条件項目 | 条件内容 |
Servletコンテナ | IJServerタイプ | Web Only |
Servletコンテナの配置先の[一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム]の環境設定タブの“ネーミングサービス詳細設定” | リモートホスト | |
EJBコンテナ | IJServer名 | Servletコンテナと同一 |
IJServerタイプ | EJB Only | |
バージョン | Servletコンテナと同一 | |
配置先 | ・Servletコンテナの配置先のネーミングサービス詳細設定が“ライン”の場合 ・“IPCOMを使用する”の場合 |
結合ボタンをクリックします。
■ J2EEアプリケーション
ServletコンテナとEJBコンテナに同名のJ2EEモジュール(モジュールの種別:EAR)が配備されている場合、結合したIJServerでは、1つのJ2EEモジュールとして表示されます。
ServletコンテナとEJBコンテナにおいて、J2EEモジュールに含まれる、Webモジュール、EJBモジュール、RARモジュールについては結合したJ2EEモジュールに含まれます。
■ 起動・停止時実行クラス
結合したIJServerでは、起動・停止時実行クラスの“クラスを実行するコンテナ”は変更不可となります。
“クラスを実行するコンテナ”を変更する場合は、一度実行クラス定義を削除して、“クラスを実行するコンテナ”を変更して実行クラス定義を再度追加してください。
■ 異常時の動作について
IJServerの結合に失敗した場合、結合前のWeb OnlyおよびEJB OnlyのIJServerのままになります。環境設定エラーに失敗時の情報は保存されません。
Interstage管理コンソールに出力されるメッセージを参照して、問題を解決した後、再度実行してください。
■ 注意事項
一度結合したIJServerは、管理コンソールからの操作ではもとに戻すことはできません。もとに戻す必要がある場合は、結合前に、予め管理サーバおよび結合対象のIJServerが配置されているすべてのサーバのバックアップ資源を取得しておください。結合後にそれらすべてのサーバのバックアップ資源をリストアすることにより、結合前の状態に戻すことができます。
EJBのクライアント配布物は、本操作ではServletコンテナの配置先に配布されません。Servletコンテナの配置先にEJBクライアント配布物を配布する方法については、“J2EE ユーザーズガイド”の“EJBを参照する場合の環境設定”を参照してください。
また、Servletコンテナに配備するEARファイル内のSharedディレクトリ内に、あらかじめクライアント配布物を格納しておくことでも対応可能です。EARファイル内のSharedディレクトリについては“J2EE ユーザーズガイド”の“IJServerで使用するクラスの設定について”の“アプリケーションのクラス”を参照してください。