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Systemwalker Desktop Keeper V14g 運用ガイド 管理者編

7.5 指定したUSBデバイスだけにファイルを持ち出す

情報漏洩のリスクを低くするため、持出しユーティリティを使用したファイルやフォルダの持出しを行う場合に、使用できるUSBデバイスを個別に制限することができます。
使用を許可するUSBデバイスは、管理コンソールでポリシー設定します。
これらの手順は、“USBデバイスを登録する”および“使用を許可するUSBデバイスをポリシーに設定する”を参照してください。

エクスプローラなどを利用して持出す場合は、USBデバイス個別の使用制限は有効になりません。通常のドライブレターまたはデバイス種別ごとの持出し禁止動作が行われます。

持出された情報、使用した媒体、持出し日時、持出した人物などが、ファイル持出しログとして採取されます。
また、USBデバイスを個別に使用制限する場合、使用許可されていないUSBデバイス(リムーバブルと認識するものに限る)を装着したとき、「違反」としてデバイス構成変更ログに記録されます。この情報は、管理者へメール通知することができます。また、イベントログとして記録できます。

登録したUSBデバイス情報は、CSVファイルに出力できます。以下の用途があります。

手順は、“登録されているUSBデバイス情報をCSVファイルに出力する”および“登録されているUSBデバイス情報を変更する”を参照してください。


USBデバイスを登録する

登録は、システム管理者または部門管理者が行います。
サーバ設定ツールの[管理者情報設定]画面の[詳細権限]で、[USBデバイス登録/更新/削除]権限が設定されている必要があります。

登録は、管理コンソールで行います。
3階層のシステム構成の場合は、統合管理サーバに接続する管理コンソールで登録します。ユーザー情報の一元管理の実施には関係ありません。

登録可能なUSBデバイスは、10,000個です。
以下の条件をすべて満たすUSBデバイスを登録できます。

登録できるUSBデバイスの例は、以下のとおりです。

USBデバイス

説明および注意

USBフラッシュメモリ

USB-HUB経由も登録できます。

USBハードディスク

USB-HUB経由も登録できます。

USBカードリーダ/ライタ経由SDカード、など

装置自身を登録可能なUSBデバイスとして認識します。 装着したメモリ媒体を個々に認識することはできません。

USBフロッピーディスク装置

装置自身を登録可能なUSBデバイスとして認識します。 装着したフロッピーメディアを個々に認識することはできません。

USB MO装置

装置自身を登録可能なUSBデバイスとして認識します。 装着したMOメディアを個々に認識することはできません。


登録したデバイス情報は、ポリシーに「許可デバイス」として設定後、CTポリシーまたはユーザーポリシーとして配信することができます。


登録する

[USBデバイス登録]画面で1個ずつ登録します。

以下に手順を示します。

  1. [管理コンソール]を起動します。

  2. [動作設定]メニューから[USBデバイス登録]を選択します。

    →[USBデバイス登録]画面が表示されます。

    項目名

    説明

    [登録されているUSBデバイス一覧]

    登録されているUSBデバイスの内容が表示されます。

    [ドライブ名]

    [USBデバイス情報を取得]ボタンによりUSBデバイス情報を読み込む場合、そのデバイスが装着されているドライブを選択します。
    初期値:Cドライブ以降で、最初のデバイス未接続のドライブです。

    [USBデバイス情報を取得]

    クリックすると、指定されたドライブに挿入されているUSBデバイスから情報を読み込みます。

    [設定項目]

    [USB装置名]

    半角で80文字まで入力できます。ただし、以下の文字は入力できません。
    ・制御コード
    ・UNICODE文字
    ・半角空白のみ、または、全角空白のみ(半角空白または全角空白を、先頭または最後尾に設定した場合は、その空白は削除されます)

    本項目は、必ず入力してください。

    [備考]

    半角で128文字まで入力できます。ただし、以下の文字は入力できません。
    制御コード、UNICODE文字

    [USBデバイス情報]

    [メーカー ID]
    [製品 ID]
    [デバイス名]
    [内部シリアル番号]

    読み込んだUSBデバイス情報が表示されます。

    [USBデバイスの識別方法]

    [完全一致]
    (初期値)

    持出しユーティリティを使用してUSBデバイスにファイルを持ち出すときに、許可されたUSBデバイスかどうかを識別する方法です。
    メーカーID + 製品ID + 内部シリアル番号で識別します。
    [USBデバイスの識別方法]が[完全一致]で、[メーカーID]、[製品ID]、[内部シリアル番号]の3項目が一致する媒体が、[完全一致]ですでに登録されている場合、登録することができません。

    [製品一致]

    持出しユーティリティを使用してUSBデバイスにファイルを持ち出すときに、許可されたUSBデバイスかどうかを識別する方法です。
    メーカーID + 製品IDでUSBデバイスを識別します。
    [登録されているUSBデバイス一覧]において、[内部シリアル番号]が、グレイアウトされます。

    [使用不可]

    登録されたUSBデバイスを、一時的に使用できない設定とします。
    使用許可されたUSBデバイスとしてポリシーに設定されている場合も使用できなくなります。
    以下のような場合に本項目を選択します。
    【例】
    ・いずれ使用可能とするが、今は登録だけ実施するとき
    ・一時的に遊休資産となり、利用者がいないとき
    ・該当USBデバイスが紛失したとき

    [登録されているUSBデバイス一覧]において、その行全体が、グレイアウトされます。

    [設定内容の出力/取込]

    [ファイル出力]

    [USBデバイス情報出力ファイル指定]画面が表示されます。
    USBデバイス情報のCSV出力条件を設定し、出力します。

    [ファイル取り込み]

    [USBデバイス情報取り込みファイル指定]画面が表示されます。
    USBデバイス情報を別の管理サーバに移行する場合に使用します。

    [追加]

    USBデバイスを登録します。
    10,000個まで登録できます。

    [更新]

    USBデバイス情報を更新します。

    [削除]

    登録されているUSBデバイスを削除します。

  3. 登録するUSBデバイスを、管理コンソールのPCに挿入します。

  4. [ドライブ名]で、PCが認識したドライブを選択し、[USBデバイス情報を取得]ボタンをクリックします。

    →[USBデバイス情報]に、挿入されているUSBデバイスの情報が表示されます。
      媒体からUSBデバイス情報を読み込めない場合は、登録できません。

  5. [USBデバイスの識別方法]を選択します。

  6. [USB装置名]、[備考]を入力します。

    登録情報は、3階層の場合は統合管理サーバで保存し、2階層の場合は管理サーバ単位で保存し、配下の複数部門の情報が混在します。このため、ポリシー設定時は、自部門で許可するUSBデバイスを、大量の登録情報の中から選択することが予想されます。[登録されているUSBデバイス一覧]に表示される各項目はソートできますが、[備考]に部門や利用者名などの識別情報を設定し、選択しやすくすることを推奨します。

  7. [追加]ボタンをクリックします。

    →[登録されているUSBデバイス一覧]に登録内容が表示されます。


変更する
  1. [管理コンソール]を起動し、[USBデバイス登録]画面を表示します。

  2. [登録されているUSBデバイス一覧]で、更新するUSBデバイスを選択します。

    →登録内容が表示されます。

  3. 該当する項目を更新し、[更新]ボタンをクリックします。

    →[登録されているUSBデバイス一覧]に更新内容が反映されます。


削除する
  1. [管理コンソール]を起動し、[USBデバイス登録]画面を表示します。

  2. [登録されているUSBデバイス一覧]で、削除するUSBデバイスを選択します。

    →登録内容が表示されます。
    情報を削除する場合は、[備考]の部門や利用者名などの識別情報も参考に、自部門のUSBデバイス情報であることを確認してから実施してください。

  3. [削除]ボタンをクリックします。

    →[登録されているUSBデバイス一覧]から情報が削除されます。

使用を許可するUSBデバイスポリシーに設定する

ポリシー設定は、システム管理者または部門管理者が行います。

ファイル持出し禁止のポリシーの設定項目と、採取されるデバイス構成変更ログの情報との関係について、以下に示します。

ファイル持出し禁止ポリシーの設定項目

ユーザーの操作

デバイス構成変更ログの情報

ファイルアクセス制御

持出しユーティリティのUSBデバイス使用制限

指定USBデバイスのみ許可する

ログを取得する設定の場合

ログを取得しない設定の場合

ログ取得

区分に記録される情報

ログ取得

区分に記録される情報

する

する

チェックする

許可されたUSBデバイスを装着する

正規

×

不許可のUSBデバイスを装着

違反

違反

チェックしない

USBデバイスを装着する

違反

違反

しない

USBデバイスを装着する

正規

×

しない

する

チェックする

許可されたUSBデバイスを装着する

正規

×

不許可のUSBデバイスを装着する

正規

×

チェックしない

USBデバイスを装着する

正規

×

しない

USBデバイスを装着する

正規

×

使用を許可するUSBデバイスを指定して情報漏洩のリスクを低くするには、黄色に網がけされているポリシー設定を実施してください。

設定項目の詳細は、“2.4.1.2 [ファイル持出し禁止]タブの設定”を参照してください。

[次回起動時に更新する]ボタンまたは[即時更新を行う]ボタンをクリックして、ポリシーを設定します。
CTポリシーの場合は、CT起動時に反映されます。ユーザーポリシーの場合は、ログオン時に反映されます。
また、ポリシーの即時更新でも反映されます。


登録されているUSBデバイス情報をCSVファイルに出力する

  1. [管理コンソール]を起動し、[USBデバイス登録]画面を表示します。

  2. [ファイル出力]ボタンをクリックします。

    →[USBデバイス情報出力ファイル指定]画面が表示されます。

    • [出力ファイル](必須):USBデバイス情報を出力するCSVファイルを、フルパスで指定します。

      半角で218文字まで入力できます。ただし、以下の記号はファイル名として使用できません。
      使用できない記号:「¥」「/」「:」「*」「?」「"」「<」「>」「|」

    • [実行ログファイル](必須):実行結果を保存するファイルを、フルパスで指定します。

      半角で218文字まで入力できます。ただし、以下の記号はファイル名として使用できません。
      使用できない記号:「¥」「/」「:」「*」「?」「"」「<」「>」「|」

    • [実行ログファイルが存在する場合]:既存の実行ログファイルが存在する場合は必ず設定してください。
      [追記する]:既存の実行ログファイルに追記する場合に選択します。
      [上書きする]:既存の実行ログファイルに上書きする場合に選択します。

  3. 上記の情報を設定し、[出力開始]ボタンをクリックします。

  4. 出力が完了するとメッセージが表示されますので、[OK]ボタンをクリックします。


登録されているUSBデバイス情報変更する

登録済みのUSBデバイス情報を出力したCSVファイルを利用して、以下の操作を行えます。

手順を以下に示します。

  1. [ファイル出力]ボタンをクリックし、USBデバイス情報をCSVファイルに出力します。
    出力方法は、“登録されているUSBデバイス情報をCSVファイルに出力する”を参照してください。

  2. 必要に応じてCSVファイルの内容を変更します。

    入力用CSVファイルは、テキストファイルとして編集してください。Excelなどのソフトウェアを使用して編集すると、ダブルクォーテーションなど必要な情報がなくなってしまうことがあります。

    手順1.で出力したCSVファイルの各行の1項目めは、空白になっています。この状態のまま、同じ管理サーバにUSBデバイス情報を取り込んだ場合、“新規”として情報が追加されます。識別方法に“製品一致”を指定している場合は、同じ情報が複数登録されます。したがって、登録情報の重複を避けるため、変更や削除を行わない行を削除してから、管理サーバに取り込むことを推奨します。

    CSVファイルの詳細は、“Systemwalker Desktop Keeper リファレンスマニュアル”の“USBデバイス一覧ファイル”を参照してください。

    USB装置名、備考、または識別方法を変更する場合
    1. 1項目目(処理フラグ)に“U”を指定します。

    2. USB装置名、備考、または識別方法を変更します。CSVファイルを取り込むときは、全項目が記載されている必要があります。USB装置名、備考、または識別方法以外は、変更しないでください。

    USBデバイス情報を削除する場合
    1. 1項目目(処理フラグ)に“D”を指定します。

    2. 2項目目(GUID)が指定されていることを確認します。

    USBデバイス情報を別の管理サーバに移行する場合

    移行後の管理サーバに登録するUSBデバイス情報を変更する場合は“USB装置名、備考、または識別方法を変更する場合”または“USBデバイス情報を削除する場合”を参照してください。

  3. CSVファイルを保存します。

  4. USBデバイス情報を取り込む管理サーバで、[ファイル取り込み]ボタンをクリックします。

    →[USBデバイス情報取り込みファイル指定]画面が表示されます。

    • [取り込みファイル](必須):USBデバイス一覧ファイルを、フルパスで指定します。

      半角で218文字まで入力できます。ただし、以下の記号はファイル名として使用できません。
      使用できない記号:「¥」「/」「:」「*」「?」「"」「<」「>」「|」

    • [実行ログファイル](必須):実行結果を保存するファイルを、フルパスで指定します。

      半角で218文字まで入力できます。ただし、以下の記号はファイル名として使用できません。
      使用できない記号:「¥」「/」「:」「*」「?」「"」「<」「>」「|」

    • [実行ログファイルが存在する場合]:既存の実行ログファイルが存在する場合は必ず設定してください。
      [追記する]:既存の実行ログファイルに追記する場合に選択します。
      [上書きする]:既存の実行ログファイルに上書きする場合に選択します。

  5. 上記の情報を設定し、[取り込み開始]ボタンをクリックします。

    →[USBデバイス情報取り込み状態表示]画面が表示されます。

  6. USBデバイス情報の取り込みが終了すると、[処理状態]に「登録完了」と表示されます。[OK]ボタンをクリックします。

注意

取り込みに使用したCSVファイルは再利用できません

取り込みに使用したCSVファイルは再利用できません。CSVファイルを使用してUSBデバイス情報を変更する場合は、再度、手順1.のCSVファイルの出力から操作を行ってください。