Systemwalker Network Managerの運用管理サーバの環境設定について説明します。
Systemwalker Network Managerの運用管理サーバの環境ファイルの修正方法について説明します。
$DIR1/FJSVipm/etc/ipmproperty.ini ファイルを修正します。
($DIR1は、運用管理サーバのインストールディレクトリです。インストーラのデフォルトディレクトリは /opt となります)
運用管理サーバまたは、運用管理サーバ(エージェント)によって設定方法が異なります。
以下の修正方法を参照して、運用管理サーバの種類に応じた修正を行って下さい。
運用管理サーバのipmproperty.ini修正方法
以下に ipmproperty.ini の内容および、設定が必要な項目について説明します。なお、説明のない設定項目については、編集しないで下さい。
[Install] [Identity] [Manager] [LogExpire] CustomDoubleInterfaceMonitor=none,6 [Event] [SnmpTrap] |
■Identity セクション
IdentityName=myhost
自ホスト (運用管理サーバ) を識別する名前を指定します。[Manager]セクションのManagerNameと同じ名前を指定して下さい。通常は、ホスト名を指定します。
クラスタシステム上で運用している場合は、プライマリノードとセカンダリノードで同じ名前を指定して下さい。通常は、論理ホスト名を指定します。
IdentityAddress=xxx.xxx.xxx.xxx
自ホストのIPアドレスを IPv4 形式で指定します。
クラスタシステム上で運用している場合は、論理IPアドレスを指定します。
(例)10.10.10.1
■Manager セクション
ManagerName=managerhost
運用管理サーバ名を指定します。[Identity]セクションのIdentityNameと同じ名前を指定して下さい。
ManagerAddress=xxx.xxx.xxx.xxx
自ホストのIPアドレスを IPv4 形式で指定します。
クラスタシステム上で運用している場合は、論理IPアドレスを指定します。
[Identity]セクションのIdentityAddressと同じIPアドレスを指定して下さい。
■LogExpire セクション
各監視ポリシーが収集した収集データの保存期間を、監視ポリシー単位に定義します。保存期間を過ぎた収集データは自動的に削除されます。複製された監視ポリシーには、複製元となった監視ポリシーの定義が適用されます。
<監視/統計監視ポリシー名>=<分類>,<保存日数>[[,<分類>,<保存期間>]・・・]
<監視/統計監視ポリシー名>が以下の場合、<分類>は“none”のみとなり保存期間は日単位となります。
・IPOperationMonitor
・RTTMonitor
・CPUBusyMonitor
・DropPacketMonitor
・CRCErrorMonitor
・CollisionMonitor
・NetworkTraffic32Monitor
・NetworkTraffic64Monitor
・NetworkPktsMonitor
・NetworkDiscardPktsMonitor
・NetworkErrorPktsMonitor
・CustomIntInterfaceMonitor
・CustomIntNodeMonitor
・CustomDoubleInterfaceMonitor
・CustomDoubleNodeMonitor
統計監視ポリシーは、各監視ポリシーが収集したデータ(収集データ)を元に、月報等の統計データを作成します。任意の監視ポリシーに対して設定を行う場合、必ず組となる統計監視ポリシーの保存期間も設定して下さい。各統計監視ポリシーに指定できる<分類>は固定となっています。下の表を参考にして、各分類について定義して下さい。
監視ポリシー名 | 統計監視ポリシー名 | 定義可能な分類 |
IPOperationMonitor | IPOperationStatistics | month, year |
RTTMonitor | RTTStatistics | week, month |
CPUBusyMonitor | CPUBusyStatistics | day, week, month, year |
DropPacketMonitor | DropPacketStatistics | day, week, month, year |
CRCErrorMonitor | CRCErrorStatistics | day, week, month, year |
CollisionMonitor | CollisionStatistics | day, week, month, year |
NetworkTraffic32Monitor | NetworkTraffic32Statistics | day, week, month, year |
NetworkTraffic64Monitor | NetworkTraffic64Statistics | day, week, month, year |
NetworkPktsMonitor | NetworkPktsStatistics | day, week, month, year |
NetworkDiscardPktsMonitor | NetworkDiscardPktsStatistics | day, week, month, year |
NetworkErrorPktsMonitor | NetworkErrorPktsStatistics | day, week, month, year |
CustomIntInterfaceMonitor | CustomIntInterfaceStatistics | day, week, month, year |
CustomIntNodeMonitor | CustomIntNodeStatistics | day, week, month, year |
CustomDoubleInterfaceMonitor | CustomDoubleInterfaceStatistics | day, week, month, year |
CustomDoubleNodeMonitor | CustomDoubleNodeStatistics | day, week, month, year |
なお、保存期間は分類で指定した単位となります。また、保存期間の最小値は“0”です。
例
ネットワークパケット監視において、日報を30日間、週報を30日間、月報を6ヶ月間、年報を3年間保存したい場合は、以下のように定義して下さい。
NetworkPktsMonitor=none,30
NetworkPktsStatistics=day,6,week,30,month,6,year,3
■Eventセクション
CollaborationKind=default | trap
イベントの通知方法を指定します。trapを指定すると、外部のSNMPマネージャにイベントをSNMPトラップに変換して送信します。SNMPトラップのバージョンはv1です。
■SnmpTrapセクション
任意のSNMPマネージャと連携する場合、SNMPトラップに関する定義を行います。
EventセクションでのCollaborationKindが"trap"の場合にのみ有効となります。
Managers=127.0.0.1
SNMPトラップの通知先IPアドレスを指定します。カンマ(,)区切りで複数定義可能です。
通知先IPアドレスは最大で10個まで定義することができます。
Code=SJIS | EUC | ASCII
SNMPトラップ通知先のSNMPマネージャがサポートしている文字コードを指定します。
Community=public
SNMPトラップのSNMPコミュニティ名を指定します。省略された場合は"public"となります。
運用管理サーバ(エージェント)のipmproperty.ini修正方法
以下に ipmproperty.ini の内容および、設定が必要な項目について説明します。なお、説明のない設定項目については、編集しないで下さい。
[Install] [Identity] [Manager] |
■Identityセクション
IdentityName=myhost
自ホスト (運用管理サーバ(エージェント)) を識別する名前を指定します。通常は、ホスト名を指定します。
IdentityAddress=xxx.xxx.xxx.xxx
自ホストを識別するIPアドレスを IPv4 形式で指定します。
(例)10.10.20.1
■Managerセクション
ManagerName=managerhost
運用管理サーバ名 (運用管理サーバの ipmproperty.ini の[Manager]セクション-ManagerName キーに指定した値) を指定します。
ManagerAddress=xxx.xxx.xxx.xxx
運用管理サーバのIPアドレスを IPv4 形式で指定します。LANが多重化されている場合、カンマ(',')で区切って複数のIPアドレスを指定することができます。
(例)10.10.10.1,10.10.10.2,10.10.10.3
Systemwalker Network Managerの障害履歴やコンフィグ管理操作履歴などの履歴機能を使用する場合は、Webサーバが必要となります。
注意
Webサーバの環境設定は、運用管理サーバ(エージェント)では不要です。
Systemwalker Network Managerでは、Webサーバとして「Interstage Application Server」(富士通製)に含まれる以下のパッケージを推奨致します。
Solarisの場合
パッケージ名 | バージョン | 機能名 |
---|---|---|
FJSVihs | 5.1以降 | Interstage HTTP Server |
Linuxの場合
パッケージ名 | バージョン | 機能名 |
---|---|---|
FJSVihs | 6.0以降 | Interstage HTTP Server |
以下に、FJSVihsパッケージを使用してWebサーバ環境を構築する場合の手順について説明します。
1. 環境設定を行う運用管理サーバのコンソール上で、スーパーユーザでログインして下さい。
2. FJSVihsパッケージをインストールします。Interstage Application Serverの「インストールガイド」を参照し、インストールして下さい。FJSVihsのインストールディレクトリは次の手順で必要となりますので、忘れないで下さい。Webサーバのポート番号は80を推奨します。
3. Systemwalker Network Managerのインストールディレクトリを確認します。
[Solarisの場合]
以下のコマンドを実行すると、Systemwalker Network Managerのインストールディレクトリが確認できます。
インストーラのデフォルトディレクトリを使用している場合は、コマンドの結果が「/opt」と表示されます。
# pkgparam FJSVnett BIN_BASEDIR |
[Linuxの場合]
Systemwalker Network ManagerがLinux上にインストールされている場合は、「/opt」固定となります。
4. httpd.confファイルを修正します。
$DIR1/FJSVihs/conf/httpd.confファイルを修正します。
$DIR1は、FJSVihsパッケージのインストールディレクトリに置き換えて下さい。Linux上にインストールされている場合、FJSVihsパッケージのインストールディレクトリは、「/opt」固定となります。
(1) Groupの設定を変更します。 (2) ServerAdminの設定を変更します。 (3) cgi-scriptの設定を変更します。 (4) ディレクトリの設定を追加します。 |
5. Webサーバを自動起動させる起動スクリプトを作成します。起動スクリプトの作成方法は、Interstage Application Serverのマニュアルを参照して下さい。
注意
FJSVihsのバージョンによっては、環境定義ファイルのパスや設定方法が異なる場合があります。設定方法の詳細については、Interstageのマニュアルを参照して下さい。
参考
Webサーバのポート番号を推奨値(80)から変更する場合、以下の手順で運用管理クライアントの設定を変更して下さい。なお、本設定は接続する運用管理サーバに合せて変更して下さい。
(1) 運用管理クライアントを終了します。
(2) クライアントをインストールしたディレクトリに移動します。
例) C:¥SystemwalkerNM¥client_root
(3) iniディレクトリに移動し、その中のVV_user.iniをエディタで開きます。
(4) 以下の記述がありますので、変更して下さい。
PrimaryURL = http://XX.XX.XX.XX/sw-nm/
※ XX.XX.XX.XXは運用管理サーバのIPアドレス
↓
PrimaryURL = http://XX.XX.XX.XX:ポート番号/sw-nm/
例:ポート番号を8080にしたい場合
PrimaryURL = http://XX.XX.XX.XX:8080/sw-nm/
(5)ファイル修正後、運用管理クライアントを起動して下さい。
Systemwalker Network Managerの運用管理サーバの環境設定コマンドの実施手順について説明します。なお、運用管理サーバ(エージェント)では、本手順を実施しないで下さい。
1. 環境設定を行う運用管理サーバのコンソール上で、スーパーユーザでログインして下さい。
2. 環境構築コマンドを実施します。以下のコマンドを実施して下さい。
# cd /opt/systemwalkerNM |
3. 初期画面が表示されます。Returnキーを入力して下さい。
============================================================================ Welcome to Systemwalker Network Manager setup. Please press the return key |
4. 環境の構築方法を選択します。環境設定を実施するため“1”を入力して下さい。環境設定コマンドを終了する場合は“q”を選択します。
[select the environment] 1 : Set the environment SELECT No ==> |
5. トポロジ収集機能の定期収集処理の開始時刻を入力します。00:00~23:59の値を入力して下さい。Returnキーを入力した場合は、defaultの値が設定されます。環境設定コマンドを終了する場合は“q”を選択します。
Please input the topology start time (default 03:00) [00:00-23:59] ==> [?,q] |
参考
定期収集の開始時刻を変更する場合あるいは定期収集を停止する場合は、toposcheduleコマンドを使用して下さい。詳細は8.2.17 toposchedule(トポロジ収集機能の定期収集処理の開始時刻の設定)を参照して下さい。
6. Systemwalker Centric Managerに通知するネットワーク障害の通知レベルを入力します。警告(= warning)の場合は“1”を、軽度障害(= minor alarm)の場合は“2”を、重度障害(= major alarm)の場合は“3”を入力します。例えば、Systemwalker Centric Managerに通知するネットワーク障害を「ノード状態不明」および「重度障害」とする場合は、“3”を入力します。Returnキーを入力した場合は、defaultの値が設定されます。環境設定コマンドを終了する場合は“q”を選択します。
[select action level] 1 : warning SELECT No (default 3) ==> [?,q] |
7. Systemwalker Network Managerで必要なポート(vvRshポート)の番号を入力します。Returnキーを入力した場合は、defaultの値が設定されます。環境設定コマンドを終了する場合は“q”を選択します。
Please input vvRsh port no (default 50100) ==> [?,q] |
8. 入力した値の確認画面が表示されます。入力した値が正しい場合は“y”を、入力した値が間違っている場合は“n”を、環境設定コマンドを終了する場合は“q”を選択します。“n”を選択した場合、トポロジ収集機能の定期収集処理の開始時刻の画面に戻ります。
+--------------------------------------------------------------------------+ Are you sure ? [y,n,?,q] |
注意
システムパラメタの設定が正しくされていない場合、環境設定コマンドで監視対象機器の台数を投入後、エラーメッセージが表示されます。エラーメッセージの内容に従い、運用管理サーバの導入準備(システムパラメタの設定値)を再度設定後、環境設定コマンドを実施して下さい。
9. 注意事項として、「本コマンドが実行中の間は、Ctrl+Cキーを入力しないで下さい」という内容のメッセージが表示されます。環境設定を続ける場合は、Returnキーを入力して下さい。
+***************************** CAUTIONS *********************************+ Please press the return key |
注意
上記の注意画面でReturnキー入力前に、Ctrl+Cキーを入力した場合は、環境設定コマンドが強制終了しますので、環境設定を初めから行って下さい。
Returnキーを入力後、環境設定が開始します。環境設定の終了画面が表示される前にCtrl+Cキーを入力した場合は、環境設定コマンドが強制終了しますので、2.4.3 運用管理サーバの環境削除を行った後、環境設定を初めから行って下さい。
nmsetupコマンドでエラーが発生した場合は、2.4.3 運用管理サーバの環境削除を行った後、エラーの原因を解決して再度環境設定を行って下さい。
10. 環境設定の終了画面が表示されます。Returnキーを入力して下さい。
+--------------------------------------------------------------------------+ The setup of Systemwalker Network Manager was finished successfully. [description] |
11. 運用管理サーバを再起動します。以下のコマンドを実行して下さい。
[Solarisの場合]
# /usr/sbin/shutdown -y -i6 |
[Linuxの場合]
# /sbin/shutdown -r now |
監視対象とする機種毎にElement Access Module(以降EAMと表記します)と呼ぶプロセスが存在します。実運用を行う機種にあったEAMを起動する必要があります。2.7 EAMの追加・削除に従って、実運用に合ったEAMを選択して下さい。
注意
環境設定完了後、EAMの追加が必要ない場合も必ず起動EAM選択コマンドを実施して下さい。