個々の運用管理サーバで必要な環境設定について説明します。
運用管理サーバと仮想化スイッチとの間は、IP(Internet Protocol)のTCP(Transmission Control Protocol)を使用して通信するため、以下のシステム構成ファイルを変更する必要があります。
%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥hosts
%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥services
%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥hostsファイル
%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥hosts ファイルに仮想化スイッチのhost名と仮想化管理用EthernetポートのIPアドレスを登録します。
仮想化スイッチのhost名の先頭4文字は“vsce”固定です。その後ろに1から128の数字を昇順に付加します。
仮想化スイッチが冗長LAN構成の場合は、仮想化スイッチに設定された代表の仮想化管理用EthernetポートのIPアドレスを記述します。
例
%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥hosts ファイルの記述例
仮想化スイッチのそれぞれのIPアドレスが192.168.1.2と192.168.1.3の場合、%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥hosts ファイルへの記述例を以下に示します。
192.168.1.2 vsce1 # VS900 Model 300 No.1 192.168.1.3 vsce2 # VS900 Model 300 No.2
%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥servicesファイル
%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥services ファイルにservice名とポート番号を登録します。
以下の2つのserviceを登録します。
service名 | port番号 | protocol |
---|---|---|
ssvscme | 7420 | tcp |
service名は変更できません。
ポート番号 7420が、すでに他のサービスで使用されている場合、ポート番号を変更できます。この場合、動作設定ファイルの“VSCE_PORT”で指定するポート番号と仮想化スイッチに設定したポート番号も変更します。ポート番号は、すべてのサーバ装置、周辺装置などのシステムを考慮して一意のポート番号を指定します。
例
%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥services ファイルの記述例
以下に、%SystemRoot%¥system32¥drivers¥etc¥servicesファイルの記述例を示します。
ssvscme 7420/tcp # VSC Manager - VSC Engine(TCP) ssvscme 7420/udp # VSC Manager - VSC Engine(UDP)
動作設定ファイルは、$ENV_DIR¥Manager¥etc¥opt¥FJSVssmgr¥current¥FJSVssvsc.ini です。
($ENV_DIR は、マネージャーをインストールした時の「環境設定ディレクトリ」です。)
なお、動作設定ファイルのひな形は、$ENV_DIR¥Manager¥opt¥FJSVssmgr¥lib¥sample¥vsc¥FJSVssvsc.ini.sample にあります。
# # All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2006 # # Storage Software Virtual Storage Conductor # # FJSVssvsc.ini: configuration file # ######################################################## LOG_LEVEL=4 COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER=2
動作設定ファイルを作成しなかった場合、すべての設定項目は、省略値が指定されたものとみなされます。
注意
動作設定ファイルの変更について
マネージャーが動作している状態では、動作設定ファイルの内容を変更できません。必ず、マネージャーを停止してから、動作設定ファイルの変更を行ってください。
動作設定ファイルを変更する手順は、以下のとおりです。
記述形式
動作設定ファイルの記述形式は以下のとおりです。
1項目を1行に記述します。1項目を複数行にまたがって記述、または複数の項目を1行内にまとめて記述することはできません。
1カラム目に'#'を記述した行は注釈行として扱われます。
項目名と“=”、“=”と設定値との間は空白などの文字を挿入せずに記述します。
設定項目
動作設定ファイルの設定項目を、以下の表に示します。
項目 | 項目名 | 項目の設定概要 | 項目省略 |
---|---|---|---|
LOG_LEVEL | ログレベル | メッセージの出力レベルを指定します。 | 可能 |
COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER | コピー履歴世代数 | コピー履歴ログファイルの保持する世代数を指定します。 | 可能 |
出力するメッセージのエラー種類を指定します。
メッセージは、syslogd(1M)を経由して出力します。したがって、メッセージが実際に出力されるか否か、または出力されるファイルなどはイベントログの設定で決まります。イベントログの設定方法は、syslog.conf(4)を参照してください。
当項目を省略した場合、メッセージのエラー種類“ERR”のメッセージが出力されます。
LOG_LEVEL={1 | 2 | 3 | 4}
1: メッセージのエラー種類“ERR”のメッセージを出力します。
2: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”のメッセージを出力します。
3: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”、“NOTICE”、および、“INFO”のメッセージを出力します。
4: メッセージのエラー種類“ERR”、“WARNING”、“NOTICE”、“INFO”、および、“DEBUG”のメッセージを出力します。
コピー履歴ログファイルの保持する世代数を指定します。
当項目を省略した場合、世代数は2となります。
COPY_HISTORY_ROTATE_NUMBER={2|3|4|5}
2から5の数値で指定します。
VSCマネージャーに対して何らかの操作を実行し、仮想ストレージの構成情報が変更となった場合、VSCマネージャーは、仮想化ストレージの構成情報のバックアップ、または複製を作成することを目的としたプログラム、またはスクリプトを実行します。これを「コミットスクリプト(Commit Script)」と呼びます。
仮想ストレージの構成情報が何らかの原因で失われた場合、業務サーバに対して仮想ディスクを供給できなくなります。このような不測の事態が発生した場合は、仮想ストレージの構成情報を復元し、運用を再開させなければなりません。コミットスクリプトは、不測の事態に備えて、仮想ストレージの構成情報のバックアップ、または複製を作成します。
コミットスクリプトは、$ENV_DIR¥Manager¥etc¥opt¥FJSVssmgr¥current¥VscCommitScript.bat に作成し、実行権を付与しなければなりません。
コミットスクリプトのひな形は、$INS_DIR¥Manager¥opt¥FJSVssmgr¥lib¥sample¥vsc¥VscCommitScript.bat.sample にあります。
参考
$INS_DIR は、マネージャーをインストールした時の「プログラムディレクトリ」です。
$ENV_DIR は、マネージャーをインストールした時の「環境設定ディレクトリ」です。
$TMP_DIR は、マネージャーをインストールした時の「作業用ディレクトリ」です。
コミットスクリプトのひな形
@echo off rem # rem # All Rights Reserved, Copyright (c) Fujitsu Ltd. 2006-2009 rem # rem # Storage Software Virtual Storage Conductor rem # rem # CommitScript Sample rem # rem ######################################################## setlocal set VARDIR=$TMP_DIR¥Manager if not exist "%VARDIR%" goto fail set CURRENT_DIR=%VARDIR%¥var¥opt¥FJSVssmgr¥current set BKUP_DIR=vsclog¥VSCCOMPOSE_BAK set COMPOSE_DIR=vsccompose set /a listflag=0 set /a delflag=0 set /a copyflag=0 cd "%CURRENT_DIR%" :: backup check if not exist "%BKUP_DIR%" mkdir "%BKUP_DIR%" if errorlevel 1 goto fail if not exist "%BKUP_DIR%¥*.repository" goto allbackup :: commitlist check set COMMITLIST_DIR=commitlist set INSERT_UPDATE_FILE=%COMMITLIST_DIR%¥addlist.vsc set DELETE_FILE=%COMMITLIST_DIR%¥deletelist.vsc if not exist "%COMMITLIST_DIR%" goto allbackup if not exist "%COMMITLIST_DIR%¥*.vsc" goto allbackup if exist "%INSERT_UPDATE_FILE%" (for %%F in ( %INSERT_UPDATE_FILE% ) do if not %%~zF==0 set /a listflag = 1 && set /a copyflag = 1) if exist "%DELETE_FILE%" (for %%F in ( %DELETE_FILE% ) do if not %%~zF==0 set /a listflag = 1 && set /a delflag = 1) if %listflag% == 0 (goto allbackup) else goto diffbackup :allbackup if exist "%BKUP_DIR%¥*.repository" del "%BKUP_DIR%¥*.repository" copy /y "%COMPOSE_DIR%¥*.repository" "%BKUP_DIR%" > nul if errorlevel 1 goto fail if errorlevel 0 goto success :diffbackup if %delflag% == 1 (for /f "tokens=* delims=" %%F in ( %DELETE_FILE% ) do ((del "%BKUP_DIR%¥%%F") & (if exist "%BKUP_DIR%¥%%F" goto allbackup))) if %copyflag% == 1 (for /f "tokens=* delims=" %%F in ( %INSERT_UPDATE_FILE% ) do ((copy /y "%COMPOSE_DIR%¥%%F" "%BKUP_DIR%" > nul) & (if errorlevel 1 goto allbackup))) :success if exist "%INSERT_UPDATE_FILE%" (del "%INSERT_UPDATE_FILE%") if exist "%DELETE_FILE%" (del "%DELETE_FILE%") echo "Backup Complete." exit 0 :fail echo "Backup failed." exit 1
注意事項
VSCマネージャーの構成情報は、$TMP_DIR¥Manager¥var¥opt¥FJSVssmgr¥current¥vsccompose ディレクトリにあります。
このディレクトリ配下のすべてのディレクトリとファイルを退避します。復元時は、$TMP_DIR¥Manager¥var¥opt¥FJSVssmgr¥current¥vsccompose ディレクトリ配下のディレクトリ構成、ファイル構成が退避時と同じになるように退避してください。
コミットスクリプトは、仮想ストレージのリソース状態に変更が生じた際、常に動作するので、スクリプトの内容によっては、VSCマネージャーの処理時間遅延を引き起こす要因となることに注意してください。
$INS_DIR¥Manager¥opt¥FJSVssmgr¥lib¥sample¥vsc¥VscCommitScript.bat.sample の内容を書き換えないでください。
使用上の留意点