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ETERNUS SF Storage Cruiser 14.0 ユーザーズガイド

1.3.5 ストレージ容量の仮想化運用

以下の ETERNUS ディスクアレイ装置では、シン・プロビジョニング(Thin Provisioning)技術を利用したストレージ容量の仮想化機能が搭載されています。

装置名

対応ファームウェアの版数

ETERNUS4000 モデル400, 600

V20L30 以降

ETERNUS8000 モデル800, 1200, 2200

V20L30 以降

シン・プロビジョニングとはストレージ・リソースを仮想化して割当てることで、ストレージの物理容量を削減できる技術です。シン・プロビジョニングが導入された環境においては、物理ディスクは共有のディスクプールとして管理され、サーバへの割当ては仮想ボリュームとして割当てます。仮想ボリュームに書き込まれると、そのデータ量に応じてディスクプールから物理ディスクが割り当てられます。ディスクプールの使用量に応じてサーバに影響を与えずに物理ディスクを増設できます。これにより、少ない物理ディスク容量で大容量の仮想ディスクをサーバに割当てて運用を開始することができるため、初期投資の抑制(スモールスタート)が可能となります。

本製品では、シン・プロビジョニング機能を導入した上記の ETERNUS ディスクアレイ装置に対して、以下の機能を提供します。

構成管理

仮想ボリュームと物理ディスクとの関連付けを可視化します。関係管理ウィンドウにおいて、シン・プロビジョニングによって仮想化された構成(ディスクプール、仮想ボリューム)と物理構成(RAIDグループ、物理ディスク)との関連付けをグラフィカルに表示します。物理ディスクの故障などの障害発生時に、影響箇所が簡単に確認できます。

閾値監視、容量管理

ディスクプールの閾値監視と容量管理を行ないます。物理容量を消費してディスクプールの容量不足を起こさないよう、閾値を設けて物理ディスクプールの監視を行ないます。ディスク使用率が閾値に達すると、アラームで閾値超えを通知し、運用停止を防ぎます。また、物理ディスクプールの容量変化を可視化します。過去から現在までのディスクプール使用量をグラフ表示し、容量枯渇の予兆や物理ディスクの増設時期を把握できます。

参照

詳細は、「6.6 Thin Provisioning管理」を参照してください。

ストレージ容量の仮想化運用における留意事項

本製品を使用してストレージ容量の仮想化運用を管理する場合は、あらかじめ、以下について把握しておく必要があります。

シン・プロビジョニング環境の構築

本製品では、シン・プロビジョニング環境の構築(設計および設定)は行えません。あらかじめ、ETERNUSmgrを使用して構築してください。

実施できない操作

本製品では、シン・プロビジョニングに関する以下の操作が実施できません。

  • ディスクプール、仮想化ボリューム、およびディスクプールを構成するRAIDGroupの性能管理

  • ディスクプール、仮想化ボリューム、および仮想化ボリュームを含むAffinity Groupの設定、削除