Linkexpress Transactional Replication option説明書
目次 索引 前ページ次ページ

第2部 TRO> 第4章 環境作成

4.8 異常発生時の対処

異常発生時の対処について説明します。

■対処の手順

対処の基本的な手順は、以下のとおりです。

■異常の種類と対処

発生するおもな異常と対処について説明します。
異常時に採取/確認すべき情報については、"A.4 異常発生時に採取する情報"を参照してください。

異常の種類

確認または対処

概要

詳細

エラーメッセージが出力されている。

"第10章 メッセージ"を参照してください。

エラーログ情報が出力されている。

エラーログ情報をもとに、データや各種定義を確認してください。
エラーログ情報については、"第9章 エラーロギング機能"を参照してください。

逐次差分反映が開始されない。

エラーメッセージが出力されていない。
lxrtmdspsvコマンドの出力内容においてstatusが"inact"。

以下を確認してください。

- 必須製品がインストールされていること
- 環境変数の設定(PATH、LD_LIBRARY_PATH)が正しいこと
- OracleまたはSQL Serverの場合、バージョンレベルが正しくエントリされていること(詳細はインストールガイドを参照)

データが反映されない。

エラーメッセージが出力されていない。
lxrtmdspsvコマンドの出力内容においてstatusが"act"だが、msg-countの値が変化しない。
trmqdprtqコマンドで確認した結果、メッセージキュー上にメッセージが格納されている。

抽出側システムのトランザクションの単位を確認してください。
msg-countの値は、トランザクションのコミットを契機に変化します。このため、1トランザクションの単位が大きい場合、msg-countの値が長時間変化しないことがあります。この場合、トランザクションがコミットされるまで待ってください。
トランザクションの単位による問題でない場合、以下を確認してください。

- 他のアプリケーションが対象の表を使用していないこと(例:データベースへアクセスするツールから対象の表をロック)
- Symfoware/RDBの場合、Symfowareの動作環境ファイルのWAIT_TIMEの内容
- Oracleデータベースの場合、ORACLE_LOCK_RETRY_INTERVALキーワードの内容
- SQL Serverデータベースの場合、SQLSERVER_LOCK_RETRY_INTERVALキーワードの内容

エラーメッセージが出力されていない。
lxrtmdspsvコマンドの出力内容においてstatusが"act"だが、msg-countの値が変化しない。
trmqdprtqコマンドで確認した結果、メッセージキュー上にメッセージが格納されていない。

以下を確認してください。

- JournalTransferの状態(trjtdisplayコマンド)
- 抽出側システムの状態

動作環境や定義の変更内容が有効にならない。

DBサービス定義を変更したが、その内容が有効にならない。

DBサービス定義の内容を確認してください。
DBサービスグループを再度登録してください。

DB動作環境定義を変更したが、その内容が有効にならない。

DB動作環境定義の内容を確認してください。
逐次差分反映を再度開始してください。

コード変換の設定を変更したが、その内容が有効にならない。

コード変換の設定内容を確認してください。
逐次差分反映を再度開始してください。

■よくある異常

よくある異常と、対処の手順について説明します。

◆RT14102メッセージ(DBMS message)が出力された場合

  1. 原因の特定
    1. 各種情報を採取します。詳細は"A.4 異常発生時に採取する情報"を参照してください。
    2. おもな原因として以下が考えられます。詳細はRT14102メッセージの説明を参照してください。
      • DBサービス定義が誤っている。
      • 格納側データベースの環境(表の定義など)が誤っている。
      • データが誤っている。(データが列の属性と合っていない。)
    3. エラー箇所/原因を特定します。
      • エラーメッセージ中に、エラーの発生箇所(表名など)が示されていることがあります。
      • エラーログ情報から、DBサービス定義内のエラー発生箇所/原因および対象データを特定できます。詳細は"第9章 エラーロギング機能"を参照してください。
      • エラー箇所/原因をもとに、抽出側システムを含めて、各種定義や環境を確認します。
  2. 修正

    エラーの原因を修正します。

  3. 復旧

    逐次差分反映を開始します。
    また、修正内容によっては、別途必要な操作があります。詳細は"4.7 環境作成における注意事項"を参照してください。

◆RT70019メッセージ(Input record and definition unmatched)が出力された場合

  1. 原因の特定
    1. 各種情報を採取します。詳細は"A.4 異常発生時に採取する情報"を参照してください。
    2. おもな原因として以下が考えられます。詳細はRT70019メッセージの説明を参照してください。
      • DBサービス定義が誤っている。
      • 抽出側システムの定義(TJNLの定義)が誤っている。
    3. エラー箇所/原因を特定します。
      • エラーメッセージ中に、エラーの発生箇所/原因が示されています。
      • エラーログ情報から、DBサービス定義内のエラー発生箇所/原因および対象データを特定できます。詳細は"第9章 エラーロギング機能"を参照してください。
      • エラー箇所/原因をもとに、抽出側システムを含めて、各種定義や環境を確認します。
  2. 修正

    エラーの原因を修正します。

  3. 復旧

    逐次差分反映を開始します。
    また、修正内容によっては、別途必要な操作があります。詳細は"4.7 環境作成における注意事項"を参照してください。


目次 索引 前ページ次ページ

Copyright FUJITSU LIMITED 2007-2009