Linkexpress Transactional Replication option説明書
目次 索引 前ページ次ページ

第2部 TRO> 第4章 環境作成> 4.3 逐次差分反映環境の作成

4.3.2 DB動作環境定義の作成

逐次差分反映機能において、コード変換エラーや文字あふれエラーなどが発生することがあります。また、データベースのロックの獲得に失敗することがあります。これらの現象が発生した場合の処理(異常終了する/代替文字に置き換えて処理を継続するなど)やデータベースのロックの獲得における待機時間などを、キーワードによりカスタマイズできます。これらのキーワードおよび指定値を記述したものを"DB動作環境定義"と呼びます。

DB動作環境定義に指定可能なキーワードを"表:DB動作環境定義のキーワード"に示します。

DB動作環境定義を記述したファイルを"DB動作環境定義ファイル"と呼びます。
DB動作環境定義ファイルの指定方法および優先順位は、以下のとおりです。

  1. lxrtmdbコマンドの-dオプション(DB動作環境定義ファイル配置ディレクトリ名)
  2. DBサービス定義のSTOREGROUP定義文のENVFILEオペランド(DB動作環境定義ファイル名)
  3. 環境変数LXRTMENV(DB動作環境定義ファイル名)

DB動作環境定義ファイルはユーザディレクトリ配下に配置してください。製品のインストールディレクトリ配下には配置しないでください。

なお、DB動作環境定義ファイルで使用する文字コード系は、以下のとおりにしてください。


DB動作環境定義ファイルで文字コード系としてUTF-8を使用した場合、DB動作環境定義ファイルの先頭にUCSを識別するための"印"(しるし)を使わないでください。

[表:DB動作環境定義のキーワード]

キーワード

概要

MESSAGE_LEVEL ※

メッセージの出力レベル

EDIT_MESSAGE_LEVEL ※

データ編集時のメッセージ出力レベル

CHARACTER_CONVERT_ERROR ※

コード変換エラー発生時の動作

ALTERNATE_CHARACTER1 ※

コード変換エラー発生時の代替文字(Unicode以外)

UNICODE_ALTERNATE_CHARACTER1 ※

Unicodeのコード変換エラー発生時の代替文字

CHARACTER_OVERFLOW ※

文字属性データの文字あふれ時の動作

ALTERNATE_CHARACTER2 ※

文字属性データの文字あふれ時の代替文字(Unicode以外)

UNICODE_ALTERNATE_CHARACTER2 ※

Unicodeの文字あふれ時の代替文字

NCHAR_SINGLEBYTE_ERROR ※

日本語文字列属性の1文字未満領域に対する動作

BLANK_TRUNCATION ※

可変長文字属性のデータ末尾の空白の格納方法

NUMERIC_CONVERT_ERROR ※

浮動小数点属性データの桁あふれ時の動作

PACK_CONTROL ※

パック10進数属性データ異常時の動作

PACK_CORRECT

パック10進数属性データ異常時の動作

PACK_LOG_OUTPUT_STOP

パック10進数属性データ異常時におけるエラー情報の出力の扱い

(PACK_NOERRORキーワードから変更しました。 PACK_LOG_OUTPUT_STOPキーワードおよびPACK_NOERRORキーワードに有効な値を指定した場合、PACK_LOG_OUTPUT_STOPキーワードの値が有効となります。)

ZONE_CORRECT

ゾーン10進数属性データ異常時の動作

ZONE_LOG_OUTPUT_STOP

ゾーン10進数属性データ異常時におけるエラー情報の出力の扱い

(ZONE_NOERRORキーワードから変更しました。 ZONE_LOG_OUTPUT_STOPキーワードおよびZONE_NOERRORキーワードに有効な値を指定した場合、ZONE_LOG_OUTPUT_STOPキーワードの値が有効となります。)

SYMFO_SYSTEM_NAME ※

Symfoware/RDBのRDBシステム名

ORACLE_LOCK_RETRY_INTERVAL

Oracleデータベースのロックの獲得の待機時間

SQLSERVER_LOCK_RETRY_INTERVAL

SQL Serverデータベースのロックの獲得の待機時間

SQLSERVER_USE_DELIMITED_IDENTIFIERS

SQL Serverデータベースの識別子の扱い

SQLSERVER_CASE_SENSITIVITY

SQL Serverデータベースの大文字/小文字の扱い

RETRY_COUNT

逐次差分反映処理のリトライ回数

RETRY_INTERVAL

逐次差分反映処理のリトライ間隔

LOGMODE

エラーログ情報採取時の動作モード

LOGSIZE

エラーログ管理ファイルの最大サイズ

LOGDIR

エラーログ管理ファイルを格納するディレクトリ名

LOG_OUTPUT_REDUNDANT_DATA_OPERATION

冗長なデータ操作情報を示すエラーログの出力の扱い

TRANSACTIONID_CONV_MODE

トランザクション識別子の変換モード

STOP_JNLCHECKPOINT_NAME

逐次差分反映処理の停止を指示するジャーナルチェックポイント名

※:LinkexpressのDB動作環境定義と共通のキーワードです。キーワードの詳細については、Linkexpressのマニュアルを参照してください。

■PACK_CORRECTキーワー

[内容]

パック10進数属性データ異常時の動作を指定します。
本キーワードが対象とする異常とPACK_CONTROLキーワードが対象とする異常の違いについて"図:PACK_CORRECTキーワードとPACK_CONTROLキーワードの違い"に示します。

[図:PACK_CORRECTキーワードとPACK_CONTROLキーワードの違い]

[形式]

PACK_CORRECT:動作種別

[記述例]

# correct error pack data and continue
PACK_CORRECT:ON

■PACK_LOG_OUTPUT_STOPキーワー

[内容]

パック10進数属性データ異常時におけるエラー情報の出力の扱いを指定します。
本キーワードは、PACK_CORRECTキーワードに"ON"を指定し、かつ、LOGMODEキーワードを指定した場合のみ有効になります。

[形式]

PACK_LOG_OUTPUT_STOP:動作種別

[記述例]

# not output error log(pack)
PACK_LOG_OUTPUT_STOP:ON

■ZONE_CORRECTキーワー

[内容]

ゾーン10進数属性データ異常時の動作を指定します。

[形式]

ZONE_CORRECT:動作種別

[記述例]

# correct error zone data and continue
ZONE_CORRECT:ON

■ZONE_LOG_OUTPUT_STOPキーワー

[内容]

ゾーン10進数属性データ異常時におけるエラー情報の出力の扱いを指定します。
本キーワードは、ZONE_CORRECTキーワードに"ON"を指定し、かつ、LOGMODEキーワードを指定した場合のみ有効になります。

[形式]

ZONE_LOG_OUTPUT_STOP:動作種別

[記述例]

# not output error log(zone)
ZONE_LOG_OUTPUT_STOP:ON

ORACLE_LOCK_RETRY_INTERVALキーワー

[内容]

Oracleデータベースのロックの獲得の待機時間を指定します。
待機時間を超えた場合は、逐次差分反映処理のデータベースのトランザクションをリトライします。
待機時間を0〜32767(秒)の範囲で指定します。
0(秒)を指定した場合は、ロックを獲得するまで待機します。
本キーワード省略時は、10(秒)となります。

[形式]

ORACLE_LOCK_RETRY_INTERVAL:待機時間

[注意]

ロックの待機をしている状態では、lxrtmdbコマンドで逐次差分反映処理を終了できません。
この状態でlxrtmdbコマンドを投入した場合、コマンドは受け付けられますが、ロックの獲得、または待機時間を超えるまで逐次差分反映処理は終了しません。

[記述例]

ORACLE_LOCK_RETRY_INTERVAL:10

SQLSERVER_LOCK_RETRY_INTERVALキーワー

[内容]

SQL Serverデータベースのロックの待機時間を指定します。
待機時間を超えた場合は、逐次差分反映処理のデータベースのトランザクションをリトライします。
待機時間を-1〜32767(秒)の範囲で指定します。
0(秒)を指定した場合は、ロックの獲得待ちを行わず、すぐにリトライします。
-1(秒)を指定した場合は、ロックを獲得するまで待機します。
本キーワード省略時は、10(秒)となります。

[形式]

SQLSERVER_LOCK_RETRY_INTERVAL:待機時間

[注意]

ロックの待機をしている状態では、lxrtmdbコマンドで逐次差分反映処理を終了できません。
この状態でlxrtmdbコマンドを投入した場合、コマンドは受け付けられますが、ロックの獲得、または待機時間を超えるまで逐次差分反映処理は終了しません。

[記述例]

SQLSERVER_LOCK_RETRY_INTERVAL:10

■SQLSERVER_USE_DELIMITED_IDENTIFIERSキーワー

[内容]

SQL Serverデータベースにおいて、標準ではない識別子を有効とするかどうかを指定します。
たとえば、"AAA-B"や"1月"は、標準では許されていません。これらの識別子を有効とする場合、"ON"を指定してください。

[形式]

SQLSERVER_USE_DELIMITED_IDENTIFIERS:動作種別

[記述例]

SQLSERVER_USE_DELIMITED_IDENTIFIERS:ON

■SQLSERVER_CASE_SENSITIVITYキーワー

[内容]

SQL Serverデータベースにおいて、大文字/小文字を区別するインスタンスを利用するかどうかを指定します。
"ON"を指定した場合、DBサービス定義のデータベースに関する値(データベース名、スキーマ名、表名、列名)は、格納先データベースに定義されている内容と大文字/小文字を含めて一致している必要があります。

[形式]

SQLSERVER_CASE_SENSITIVITY:動作種別

[注意]

データベースにアクセスするためのパスワードの扱いについては、SQL Serverのバージョンによって異なります。詳細については、SQL Serverのマニュアルを参照してください。

[記述例]

SQLSERVER_CASE_SENSITIVITY:ON

RETRY_COUNTキーワー

[内容]

逐次差分反映処理において、データベースの占有待ちが発生した場合にトランザクションのリトライを行う回数を指定します。
リトライ回数を0〜9999(回)の範囲で指定します。
0(回)を指定した場合には、データベースの占有待ちが解消されるまでリトライを繰り返します。
本キーワード省略時は、0(回)となります。

[形式]

RETRY_COUNT:リトライ回数

[記述例]

RETRY_COUNT:99

RETRY_INTERVALキーワー

[内容]

逐次差分反映処理において、データベースの占有待ちが発生した場合にトランザクションのリトライを行う間隔を指定します。
リトライ間隔を、0.1秒単位で1〜600の範囲(0.1〜60秒)で指定します。
本キーワード省略時は、0.5秒となります。

[形式]

RETRY_INTERVAL:リトライ間隔

[記述例]

RETRY_INTERVAL:10

LOGMODEキーワー

[内容]

本キーワードを指定した場合、エラーログ管理ファイル満杯時の動作モードに従ってエラーログ情報を採取します。本キーワード省略時は、エラーログ情報を採取しません。

"エラーログ情報"および"エラーログ管理ファイル"については、"第9章 エラーロギング機能"を参照してください。

[形式]

LOGMODE:エラーログ管理ファイル満杯時の動作モード

[記述例]

# exit when error log is full
LOGMODE:EXIT

LOGSIZEキーワー

[内容]

エラーログ情報採取時のエラーログ管理ファイルごとの最大サイズを指定します。エラーログ管理ファイルのサイズが本キーワードに指定した値を超えた場合は、LOGMODEキーワードで指定したモードに従います。
最大サイズを1〜100(メガバイト)の範囲で指定します。

"エラーログ情報"および"エラーログ管理ファイル"については、"第9章 エラーロギング機能"を参照してください。

[形式]

LOGSIZE: エラーログ管理ファイルごとの最大サイズ

[注意]

エラーログ管理ファイルには、編集エラーログ管理ファイルと格納エラーログ管理ファイルがあります。本キーワードではファイル1つあたりの最大サイズを指定してください。

1回のエラーで採取されるエラーログ情報のサイズによっては、本キーワードに指定したサイズを超えてエラーログ情報が出力されることがあります。エラーログ管理ファイルを格納するディレクトリには、1メガバイト程度あらかじめ余裕をもってディスクを割り当ててください。

[記述例]

LOGSIZE:10

LOGDIRキーワー

[内容]

エラーログ管理ファイルを格納するディレクトリ名を指定します。ディレクトリ名は230バイト以内の絶対パスで指定します。
本キーワードを省略した場合は、以下のディレクトリ配下にエラーログ管理ファイルを格納します。

エラーログ管理ファイルについては、"第9章 エラーロギング機能"を参照してください。

[形式]

LOGDIR: エラーログ管理ファイルを格納するディレクトリ名

[注意]

本ディレクトリ配下に出力されたエラーログ管理ファイルを直接参照/更新しないでください。直接参照/更新した場合、逐次差分反映処理の性能が劣化したり、逐次差分反映処理が停止する可能性があります。参照する場合は、エラーログ情報をlxrtmlogctlコマンドを使用して退避し、退避したファイルを参照してください。

[記述例]

LOGDIR:d:\log

■LOG_OUTPUT_REDUNDANT_DATA_OPERATIONキーワー

[内容]

冗長なデータ操作情報を示すログの出力の扱いを指定します。
本キーワードは、LOGMODEキーワードを指定した場合に有効になります。

[形式]

LOG_OUTPUT_REDUNDANT_DATA_OPERATION:動作種別

[記述例]

LOG_OUTPUT_REDUNDANT_DATA_OPERATION:ON

TRANSACTIONID_CONV_MODEキーワー

[内容]

システム取得項目のトランザクション識別子(TJNLTRNID)の変換モードを指定します。トランザクション識別子については"TJNL使用手引書"または"A.1.1 ジャーナル利用定義の規定"を参照してください。

[形式]

TRANSACTIONID_CONV_MODE:トランザクション識別子の変換モード

[記述例]

TRANSACTIONID_CONV_MODE:CHARCONV

STOP_JNLCHECKPOINT_NAMEキーワー

[内容]

逐次差分反映処理を終了するジャーナルチェックポイント名を指定します。本キーワードに指定したジャーナルチェックポイントを受信すると、RT70023メッセージを出力し、逐次差分反映処理は終了します。

[形式]

STOP_JNLCHECKPOINT_NAME:終了ジャーナルチェックポイント名

[記述例]

STOP_JNLCHECKPOINT_NAME:STOPJCHKPT


目次 索引 前ページ次ページ

Copyright FUJITSU LIMITED 2007-2009