PRIMECLUSTER 活用ガイド <コマンドリファレンス編> (Solaris(TM)オペレーティングシステム/Linux版)
目次 索引 前ページ次ページ

第11章 プロシジャリソース

本コマンドは、一部の富士通ミドルウェア製品のみ使用可能です。

コマンド

機能

Solaris

Linux

備考

claddprocrsc(1M)

状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースを登録する

 

cldelproc(1M)

状態遷移プロシジャを削除する

 

cldelprocrsc(1M)

状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースを削除する

 

cldspproc(1)

状態遷移プロシジャを使用するリソースの情報を出力する

 

clgetproc(1M)

状態遷移プロシジャを取り出す

 

clsetproc(1M)

状態遷移プロシジャを登録する

 

clsetprocrsc(1M)

状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースの登録情報を変更する

 


 

■ claddprocrsc(1M)

状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースを登録する

◆形式

/etc/opt/FJSVcluster/bin/claddprocrsc -k key -m procname [ -c class ] [ -s nodename ] [ -i ] [ -p priority-level ] [ -t time ] [ -u count ] [ -w ] [ -K timing ] [ -L timing ] [ -S timing ] [ -T timing ] [ -V timing ] [ -W timing ]

◆機能説明

本コマンドは、状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースをリソースデーベースに登録します。登録に成功すると、標準出力にリソース ID を出力します。リソースの登録は、状態遷移プロシジャを実行するすべてのノードに対して行ってください。
本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。

◆オプション

-K、-L、-S、-T、-V、-W オプションで、リソースが処理する状態遷移指示を指定します。各オプションの timing には、以下の値の組み合わせを指定します。

意味

BEFORE

システム切替えリソース(業務 LAN、切替えディスクなど)の切替え前

AFTER

システム切替えリソース(業務 LAN、切替えディスクなど)の切替え後

COMPLETE

状態遷移の完了

各オプションに状態遷移指示タイミングを複数指定する場合は、状態遷移指示タイミングをカンマで区切る(-K timing1,timing2)か、空白で区切って二重引用符で囲む(-K "timing1 timing2")かのいずれかの方法で指定してください。

 

-K、-L、-S、-T、-V、-W オプションの指定がない場合は、該当する状態遷移指示で状態遷移プロシジャは起動されません。
状態遷移を速やかに行うために、-K、-L、-S、-T、-V、-W オプションは、状態遷移プロシジャに対応する処理がある場合のみ指定してください。

 

-K timing
状態遷移指示種別が START、クラスタサービスインスタンス種別が RUN の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-L timing
状態遷移指示種別が START、クラスタサービスインスタンス種別が WAIT の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-S timing
状態遷移指示種別が STOP、クラスタサービスインスタンス種別が RUN の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-T timing
状態遷移指示種別が STOP、クラスタサービスインスタンス種別が WAIT の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-V timing
状態遷移指示種別が FAIL、クラスタサービスインスタンス種別が RUN の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-W timing
状態遷移指示種別が FAIL、クラスタサービスインスタンス種別が WAIT の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-c class
登録するリソースのリソースクラスを指定します。オプション省略時はアプリケーションクラスです。
-i
アプリケーション監視を行う場合の、監視対象アプリケーションの再起動回数の初期化の有無を指定します。本オプションを指定すると、監視対象アプリケーションの再起動回数は、-u オプションで指定した監視対象アプリケーションの再起動回数と、-t オプションで指定した監視対象アプリケーションの再起動間隔の積の時間経過後に初期化されます。
-k key
登録するリソースのリソースキーを以下の命名規約に従い指定します。
文字種:ASCII 英大文字、英小文字、数字、ハイフン(-)、アンダーライン(_)、ピリオド(.)、スラッシュ(/)、コロン(:)だけからなる文字列とする。ただし、リソースキーの先頭は ASCII 英大文字、英小文字、または数字に限る。
文字数:256 文字以下
-m procname
登録するリソースが使用する状態遷移プロシジャを 31 文字以内のファイル名で指定します。
-p priority-level
リソースのリソースクラス内の起動優先度を指定します。指定できる値は 1 から 65535 です。
クラスタサービスの起動時は、priority-level が 1 のリソースのすべてが状態遷移プロシジャを実行した後、priority-level が 2 のリソースが状態遷移プロシジャを実行します。以降、priority-level の昇順にリソースが状態遷移プロシジャを実行します。クラスタサービスの停止時は、priority-level の降順に状態遷移プロシジャを実行します。
リソースにリソースクラス内の起動優先度を指定する必要がない場合は、オプションを指定する必要はありません。オプション省略時は 65535 です。
-s nodename
リソースを登録するノードのノード識別名を指定します。オプション省略時は自ノードです。
-t time
アプリケーション監視を行う場合の、監視対象アプリケーションの再起動間隔を秒単位で指定します。指定できる値は 0 から 3600 です。オプション省略時は 3 秒です。
-u count
アプリケーション監視を行う場合の、監視対象アプリケーションの再起動回数を指定します。指定できる値は 0 から 99 です。オプション省略時は 3 回です。
-w
スタンバイ型のクラスタサービスに、組込み、切捨ての状態遷移が発生した場合に、運用クラスタサービスインスタンス側で状態遷移指示を受け取る場合(待機クラスタサービスインスタンスと同期を取るため)に指定します。

◆終了ステータス

0:正常終了

1:異常終了


 

■ cldelproc(1M)

状態遷移プロシジャを削除する

◆形式

/etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelproc [ -c class ] procname

◆機能説明

本コマンドは、clsetproc(1M) コマンドで登録した状態遷移プロシジャを削除します。本コマンドは、削除する状態遷移プロシジャを登録した各ノードで実行してください。
状態遷移プロシジャファイルを削除する前に、削除する状態遷移プロシジャを使用するリソースを cldelprocrsc(1M) コマンドで削除してください。
本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。

◆オプション

-c class
削除する状態遷移プロシジャを使用するリソースのリソースクラスを指定します。オプション省略時は、アプリケーションクラスです。

◆オペランド

procname
削除する状態遷移プロシジャを指定します。状態遷移プロシジャは、cldspproc(1) コマンドで参照できます。

◆終了ステータス

0:正常終了

1:異常終了


 

■ cldelprocrsc(1M)

状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースを削除する

◆形式

/etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelprocrsc -n rsc_name [ -c class ] [ -s nodename ]
/etc/opt/FJSVcluster/bin/cldelprocrsc -r rid

◆機能説明

本コマンドは、状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースを削除します。
本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。

◆オプション

-c class
削除するリソースのリソースクラスを指定します。オプション省略時はアプリケーションクラスです。
-n rsc_name
削除するリソースをリソース名で指定します。
-r rid
削除するリソースをリソース ID で指定します。リソース ID は clgettree(1) コマンドで参照できます。
-s nodename
削除するリソースが属するノードのノード識別名を指定します。オプション省略時は自ノードです。

◆終了ステータス

0:正常終了

1:異常終了


 

cldspproc(1)

状態遷移プロシジャを使用するリソースの情報を出力する

◆形式

/etc/opt/FJSVcluster/bin/cldspproc [ -c class ] [ -s nodename ]
/etc/opt/FJSVcluster/bin/cldspproc [ -c class ] all

◆機能説明

本コマンドは、all を指定しない場合、状態遷移プロシジャを使用するリソースの情報を標準出力に出力します。

all を指定した場合、クラスタシステムに格納されている状態遷移プロシジャを標準出力に出力します。

◆オプション

-c class
情報を出力するリソースのリソースクラスを指定します。オプション省略時はアプリケーションクラスです。
-s nodename
情報を出力するリソースが属するノードのノード識別名を指定します。オプション省略時は自ノードです。

◆オペランド

all
クラスタシステムに格納されている状態遷移プロシジャを取得したい場合に指定します。

◆終了ステータス

0:正常終了

1:異常終了


 

■ clgetproc(1M)

状態遷移プロシジャを取り出す

◆形式

/etc/opt/FJSVcluster/bin/clgetproc [ -c class ] [ -f file ] procname

◆機能説明

本コマンドは、登録されている状態遷移プロシジャを取り出します。
本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。

◆オプション

-c class
取り出す状態遷移プロシジャを使用するリソースのリソースクラスを指定します。オプション省略時はアプリケーションクラスです。
-f file
取り出す状態遷移プロシジャを格納するファイル名を絶対パスで指定します。オプション省略時は、"カレントディレクトリ+procname" です。

◆オペランド

procname
取り出す状態遷移プロシジャを指定します。現在登録されている状態遷移プロシジャは、cldspproc(1) コマンドで参照できます。

◆終了ステータス

0:正常終了

1:異常終了


 

■ clsetproc(1M)

状態遷移プロシジャを登録する

◆形式

/etc/opt/FJSVcluster/bin/clsetproc [ -c class ] [ -m procname ] [ -o ] file

◆機能説明

本コマンドは、状態遷移プロシジャを登録します。
本コマンドは、状態遷移プロシジャを登録するすべてのノードで実行してください。
本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。

◆オプション

-c class
登録する状態遷移プロシジャを使用するリソースのリソースクラスを指定します。オプション省略時はアプリケーションクラスです。
-m procname
登録後の状態遷移プロシジャ名を指定します。オプション省略時は、file に指定された値です。
-o
指定された状態遷移プロシジャと同名の状態遷移プロシジャがすでに存在している場合は上書きします。

◆オペランド

file
登録する状態遷移プロシジャを指定します。

◆終了ステータス

0:正常終了

1:異常終了


 

■ clsetprocrsc(1M)

状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースの登録情報を変更する

◆形式

/etc/opt/FJSVcluster/bin/clsetprocrsc -n rsc_name [ -c class ] [ -s nodename ] [ -i flg ] [ -m procname ] [ -p priority-level ] [ -t time ] [ -u count ] [ -w flg ] [ -K timing ] [ -L timing ] [ -S timing ] [ -T timing ] [ -V timing ] [ -W timing ]
/etc/opt/FJSVcluster/bin/clsetprocrsc -r rid [ -i flg ] [ -m procname ] [ -p priority-level ] [ -t time ] [ -u count ] [ -w flg ] [ -K timing ] [ -L timing ] [ -S timing ] [ -T timing ] [ -V timing ] [ -W timing ]

◆機能説明

本コマンドは、状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースの情報を変更します。
本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。

◆オプション

-K、-L、-S、-T、-V、-W オプションで、リソースが処理する状態遷移指示を指定します。各オプションの timing には、以下の値の組合わせを指定します。

意味

BEFORE

システム切替えリソース(業務 LAN、切替えディスクなど)の切替え前

AFTER

システム切替えリソース(業務 LAN、切替えディスクなど)の切替え後

COMPLETE

状態遷移の完了

各オプションに状態遷移指示タイミングを複数指定する場合は、状態遷移指示タイミングをカンマで区切る(-K timing1,timing2)か、空白で区切って二重引用符で囲む(-K "timing1 timing2")かのいずれかの方法で指定してください。
timing に NULL を指定すると、各オプションに対する状態遷移指示タイミングの指定が解除されます。

-K timing
状態遷移指示種別が START、クラスタサービスインスタンス種別が RUN の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-L timing
状態遷移指示種別が START、クラスタサービスインスタンス種別が WAIT の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-S timing
状態遷移指示種別が STOP、クラスタサービスインスタンス種別が RUN の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-T timing
状態遷移指示種別が STOP、クラスタサービスインスタンス種別が WAIT の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-V timing
状態遷移指示種別が FAIL、クラスタサービスインスタンス種別が RUN の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-W timing
状態遷移指示種別が FAIL、クラスタサービスインスタンス種別が WAIT の状態遷移指示を処理する場合に指定します。
-c class
登録情報を変更するリソースのリソースクラスを指定します。オプション省略時はアプリケーションクラスです。
-i flg
アプリケーション監視を行う場合の、監視対象アプリケーションの再起動回数の初期化の有無を指定します。flg に ON を指定した場合、監視対象アプリケーションの再起動回数は、-u オプションで指定した監視対象アプリケーションの再起動回数と、-t オプションで指定した監視対象アプリケーションの再起動間隔の積の時間経過後に初期化されます。flg に OFF を指定した場合、監視対象アプリケーションの再起動回数は初期化されません。
-m procname
リソースが使用する状態遷移プロシジャを 31 文字以内のファイル名で指定します。
-n rsc_name
登録情報を変更するリソースをリソース名で指定します。
-p priority-level
リソースのリソースクラス内の起動優先度を指定します。指定できる値は 1 から 65535 です。
クラスタサービスの起動時は、priority-level が 1 のリソースのすべてが状態遷移プロシジャを実行した後、priority-level が 2 のリソースが状態遷移プロシジャを実行します。以降、priority-level の昇順にリソースが状態遷移プロシジャを実行します。クラスタサービスの停止時は、priority-level の降順に状態遷移プロシジャを実行します。
-r rid
登録情報を変更するリソースをリソース IDで指定します。リソース ID は clgettree(1) コマンドで参照できます。-s nodename 登録情報を変更するリソースが属するノードのノード識別名を指定します。オプション省略時は自ノードです。
-t time
アプリケーション監視を行う場合の、監視対象アプリケーションの再起動間隔を秒単位で指定します。指定できる値は 0 から 3600です。
-u count
アプリケーション監視を行う場合の、監視対象アプリケーションの再起動回数を指定します。指定できる値は 0 から 99 です。
-w flg
スタンバイ型のクラスタサービスに、組込み、切捨ての状態遷移が発生した場合に、運用クラスタサービスインスタンス側で状態遷移指示を受け取る場合(待機クラスタサービスインスタンスと同期を取るため)は、flg に ON を指定します。それ以外の場合は、flg に OFF を指定してください。

◆終了ステータス

0:正常終了

1:異常終了

◆注意事項

本コマンドは保守作業の一貫として当社技術員(SE または CE)によって使用されます。それ以外の用途には使用してはいけません。


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2008