PRIMECLUSTER 活用ガイド <コマンドリファレンス編> (Solaris(TM)オペレーティングシステム/Linux版) |
目次
索引
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コマンド |
機能 |
Solaris |
Linux |
備考 |
---|---|---|---|---|
RMS オブジェクトの状態をチェックする |
○ |
○ |
4.1A20 以降 |
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RMS のリソース状態を診断する |
○ |
○ |
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BM(ベースモニタ)を起動する |
○ |
○ |
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RMS 構成ファイルを表示または保存する |
○ |
○ |
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RMS のリソース情報を表示する |
○ |
○ |
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RMS に関するデバッグ情報を収集する |
○ |
○ |
4.2A30以降"-w"オプション追加 |
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RMS ローカル環境変数ファイル |
○ |
○ |
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RMS ログファイルを削除する |
○ |
○ |
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RMS rc スクリプトで起動するかどうかの指定、または AutoStartUp 属性の制御を行う |
○ |
○ |
4.1A30 以降 |
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RMS を停止する |
○ |
○ |
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RMS ユーザアプリケーションリソースの制御を他のシステムノードへ切替える |
○ |
○ |
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RMS リソースの可用性を操作する |
○ |
○ |
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RMS オブジェクトの状態をチェックする
/etc/opt/FJSVcluster/bin/clchkoffline [ -y | -n ] resource
-y、-n オプションを省略した場合、resource で指定された RMS オブジェクトが、本コマンド実行ノードで Offline、または Online 状態かをチェックします。
-y または、-n オプションを指定した場合、resource で指定された RMS オブジェクトを、本コマンド実行ノードで Offline、または Online 状態にします。
本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。
0:
-n、-y オプションが指定された場合は、正常終了を示します。
-n、-y オプションが省略された場合は、resource に指定された RMS オブジェクトが Offline 状態であることを示します。
1:
-n、-y オプションが指定された場合は、異常終了を示します。
-n、-y オプションが省略された場合は、resource に指定された RMS オブジェクトがOnline 状態であることを示します。
RMS のリソース状態を診断する
hvassert [-h SysNode] [-q] -s resource_name resource_state
hvassert [-h SysNode] [-q] -w resource_name resource_state seconds
hvassert [-h SysNode] [-q] -d resource_name resource_StateDetails [seconds]
本コマンドは、RMS リソースが指定されたリソース状態かどうかの診断を行います。スクリプトにおいて、リソースが特定の状態である必要がある場合、本コマンドで診断することができます。
0 :診断結果が true であることを示します。
0以外:診断結果が true でない、またはなんらかの原因でコマンドが異常終了したことを示します。
次の例では、リソース RESOURCE1がOnline状態であることを診断します。
hvassert -s RESOURCE1 Online
hvdisp(1M)
BM(ベースモニタ)を起動する
hvcm {-a | -s SysNode } 形式1
hvcm -c config_file {-a | -s SysNode } [-m] [-h time] [-l level] 形式2
hvcm -V 形式3
BM(ベースモニタ)は、すべての RMS リソースの設定およびアクセスを制御します。リソースに障害が発生すると、BM は障害を分析し、構成定義ファイルに定義されているリソースの設定に従って適切な措置をとります。本コマンドは、すべての監視リソースに対する構成モニタとディテクタを起動します。通常は、本コマンドにオプションを指定する必要はありません。
hvshutコマンド実行後に本コマンドを実行する場合には、hvshutコマンドで指定したノードのRMSが完全に停止してから実行してください。
形式 1 では、デフォルトの起動ファイル "CONFIG.rms" で指定された構成とオプションで RMS を起動します。
RMS 環境変数 RELIANT_PATH で指定されたパスのサブディレクトリ "etc" から、CONFIG.rms を検索します。RELIANT_PATH が指定されていない場合は、/opt/SMAW/SMAWRrms/etc で CONFIG.rms を検索します。
CONFIG.rms の中の RMS 起動コマンドは、形式 2 で指定する必要があります。
構成は、ローカルの CONFIG.rms ファイルの指定に従って起動されます。リモートノードのファイルは無視されます。
構成は、ローカルの CONFIG.rms ファイルの指定に従って、すべてのノードで起動されます。リモートノードのファイルは無視されます。
形式 2 は、CONFIG.rms で指定された構成およびオプション以外の、構成定義ファイルまたはコマンドラインオプションで RMS を起動する際に使用します。CONFIG.rms の中のデフォルトの起動コマンドを指定する場合にも、この形式を使用します。形式 2 を使用すると、CONFIG.rms の -c 以外のオプションはすべて無視されます。CONFIG.rms の -c オプションで指定された引数は、整合性チェックのために使用されます(以下を参照)。
複数のログレベルを指定して BM(ベースモニタ)を起動すると、システム性能が低下する可能性があります。有効なログレベルは以下のとおりです。0 すべてのログレベルをオンにします 1 未使用 2 ディテクタ履歴をオンにします 3 未使用 4 mskx 履歴(BM のスタック履歴)をオンにします 5 エラーメッセージまたは注意メッセージ 6 ハートビートおよび通信のレベル 7 BM レベル 8 ディテクタエラー 9 管理コマンドメッセージ 10 基本タイプレベル 11 未使用 12 未使用 13 トークンレベル 14 ディテクタメッセージ 15 ローカルキューレベル 16 ローカルキューレベル 17 スクリプトレベル 18 userApplication コントラクトレベル 19 一時的なデバッグ履歴 20 SysNode 履歴 21 メッセージレベル 22 bm トレースログ
形式 3 は、RMS のバージョンを調べるために使用します。本オプションで RMS を起動することはできません。
次のコマンドは、BM(ベースモニタ)を sample1 構成定義ファイルで起動します。
hvcm -c sample1
次のコマンドは、ログレベル 1、2、3、および 4 を有効にして、sample1 構成定義ファイルで BM(ベースモニタ)を起動します。
hvcm -l 1-4 -c sample1
次のコマンドは、CONFIG.rms で指定されたデフォルトの構成とデフォルトのオプションで、すべてのクラスタノード上で BM(ベースモニタ)を起動します。
hvcm -a
0 :正常終了
0 以外:異常終了
hvassert(1M), hvdisp(1M), hvshut(1M), hvswitch(1M), hvutil(1M)
RMS 構成定義ファイルを表示または保存する
hvconfig -l | -o config_file
本コマンドには、現在の RMS 構成を表示する、または現在の RMS 構成を出力ファイルに保存する、という 2つの機能があります。本コマンドで出力される内容は RMS 構成定義ファイルとほぼ同じですが、元のファイルに記述されているコメントは出力されません。また、リソース一覧の出力順序は構成定義ファイルと異なる場合があります。
次のコマンドは、現在の RMS 構成を newconfig.us というファイルに保存します。
hvconfig -o newconfig.us
次のコマンドは、現在の RMS 構成を表示します。
hvconfig -l
0 :正常終了
0 以外:異常終了
"PRIMECLUSTER RMS 導入運用手引書" を参照してください。
RMS のリソース情報を表示する
hvdisp [-o out_file] {-h | -l | -n| -z resource_name} 形式1
hvdisp [-o out_file] {resource_name | ENV | ENVL} 形式2
hvdisp [-o out_file] [-c] [-u] [-i]
{-a | -T resource_type | -S resource_name} 形式3
hvdisp [-o out_file] [-c] [-u] [-i] {-c | -u | -i} 形式4
本コマンドは、RMS リソースの現在の構成に関する情報を表示します。本コマンドは、システム管理者権限以外のユーザでも実行することができます。
これらの変数は、クラスタ内のすべてのノードで同一である必要があります。
これらの変数は、クラスタ内の各ノードで異なる可能性があります。
<STATE DETAILS 情報>(4.1A30 以降)
オブジェクトがある特定の状態にある場合には、更に StateDetails 情報が表示されます。ディテクタを保持するリソースが Faulted 状態にある場合は、実際の有効なディテクタレポートが表示されます。
userApplication が Faulted 状態にある場合は、障害発生後に呼び出されたフォローアップ処理が表示されます。表示される値としては、次のものがあります。
userApplication が保守モードにある場合、保守モードに入ったときに有効であった userApplication の状態が表示されます。保守モードを終了するとき、RMS はこの "あるべき状態" を再確立しようと試みます。グラフ中のリソースの実際の状態が、あるべき状態と異なる場合は、更に次の情報が表示されます。表示される値としては、次のものがあります。
SysNode が Faulted 状態にある場合、次の値が表示されます。
SysNode が Offline 状態にある場合、次の値が表示されます。
次のコマンドは、RESOURCE2 という名前のリソースのタイプと状態を、hvdisp.out というファイルに保存します。
hvdisp RESOURCE2 -o hvdisp.out
RMS 起動コマンドを表示し、更に構成定義ファイルの場所を表示します。
% hvdisp -h hvcm -c r_d_k
% hvdisp -n /opt/SMAW/SMAWRrms/build/r_d_k.us
0 :正常終了
0 以外:異常終了
hvassert(1M).
RMS に関するデバッグ情報を収集する
hvdump {-g | -f outfile | -t waittime| -w workdirectory }
0 :正常終了
0 以外:異常終了
hvcm(1M), ps(1), ipcs(1), cp(1), find(1), tar(1), compress(1)
RMS ローカル環境変数ファイル
hvenv.local は、ksh 形式の構文で記述された行からなる RMS ローカル環境変数ファイルです。RMS 内の特定の動作を制御する各種環境変数を設定します。RMS で使用されるすべての環境設定は、デフォルト値でほとんどの状況に適切に対応できます。RMS の稼動中にファイルが変更された場合に、その変更を有効にするには、RMS を停止し、再起動する必要があります。
ここでは、すべての関連する環境変数の説明、タイムアウト値、および hvenv.local ファイルの記述例を示します。hvenv.local ファイルは、ディレクトリ /opt/SMAW/SMAWRrms/bin に格納する必要があります。
hvenv.local ファイルでは、ハッシュ記号 "#" で始まる行はすべて無視されます。それ以外の各行には、1つの環境変数が設定されています。次の例では、rc スクリプトからの RMS の起動を禁止します。
# do not start RMS from within the rc script
export HV_RCSTART=0
クラスタアプリケーションを Online 状態にする前に、構成をテストしておくことが重要です。各種ディテクタ、自動起動、およびコマンドタイムアウト値のテストを行ってください。特定のタイムアウト値を設定または変更する必要がある場合は、その一部は hvenv.local ファイルで行うことができます。
次の環境変数は、hvenv.local ファイルで設定することができます。
HV_AUTOSTARTUP
HV_AUTOSTARTUP_IGNORE
HV_AUTOSTART_WAIT
HV_CHECKSUM_INTERVAL
HV_CM_EXIT_WAIT(4.2A00以降削除)
HV_CONNECT_TIMEOUT
HV_LOG_ACTION
HV_LOG_ACTION_THRESHOLD
HV_LOG_WARN_THRESHOLD
HV_LOH_INTERVAL
HV_MAX_HVDISP_FILE_SIZE
HV_MAXPROC
HV_MLOCKALL(4.2A00以降追加)
HV_RCSTART
HV_REALTIME_PRIORITY
HV_SCRIPTS_DEBUG
HV_SYSLOG_USE
HV_USE_ELM(4.2A00以降追加)
HV_WAIT_CONFIG(4.2A30以降削除)
RELIANT_HOSTNAME
RELIANT_INITSCRIPT
RELIANT_LOG_LIFE
RELIANT_LOG_PATH
RELIANT_SHUT_MIN_WAIT
RELIANT_STARTUP_PATH
SCRIPTS_TIME_OUT
HV_AUTOSTARTUP は、ローカルノードのすべての userApplication の RMS 起動時の自動起動処理を定義します。AutoStartUp 属性の設定は、この変数が優先されることがあります。 値が '0' ならば、すべての userApplication オブジェクトの自動起動は禁止されます。値が '1' ならば、すべての userApplication オブジェクトが自動起動されます。
デフォルト値: 1
設定値: 0/1
HV_AUTOSTARTUP_IGNORE は、RMS 起動時に無視されるクラスタノードのリストです。デフォルトでは、この環境変数は設定されていません。AutoStartUp 属性が設定され、ユーザアプリケーションで定義されているすべてのクラスタノードが Online であると報告すると、ユーザアプリケーションが自動起動処理を開始します。クラスタノードがこのリストに含まれている場合は、このノードがまだ Online 状態を報告していなくても、自動起動処理が開始されます。1つ以上のクラスタノードを一定期間以上クラスタから切り離す必要があり、かつ、RMS は現在の構成(.us)ファイルを続行して使用しなければならない場合、この環境変数が使用されます。デフォルトの RMS の動作では、特定のアプリケーションで定義されたすべてのクラスタノードが Online 状態を報告した後にはじめて、Online 処理が開始されます。クラスタノードが HV_AUTOSTARTUP_IGNORE リストに存在する場合は、このノードがまだ Online 状態を報告していなくても、自動起動処理が開始されます。このリストですべての利用不可能なクラスタノードを指定すれば、すべてのユーザアプリケーションが起動時に自動的に Online となることが保証されます。リストは、クラスタノードの列が空白、カンマ、コロン、または改行で区切られたものです。
環境変数 HV_AUTOSTARTUP_IGNORE の使用には十分な注意が必要です。必ず有効なクラスタ情報を使用し、最新の状態に保ってください。クラスタノードを RMS クラスタに戻すときは、必ずこの環境変数からそのノードを削除します。削除しない場合は、データが破損したり失われる危険性があります。原因は、RMS は起動処理時にこのリスト中のすべてのノードを無視し、このリストに指定されたノードでアプリケーションがすでに実行されているかどうかを確認しないためです。システム管理者は、このリストを最新の状態に保つ必要があります。デフォルト値: -設定値: 任意の RMS クラスタノードのリスト
HV_AUTOSTART_WAIT は、アプリケーションを Online にする際に、すべてのクラスタノードが Online を報告しなければならない時間を秒数で指定します。この時間が経過してもすべてのクラスタノードが Online でない場合は、どのクラスタノードがまだ Online 状態を報告していないか、また、なぜユーザアプリケーションはまだ Online 処理を開始できないのかを示すメッセージが switchlog ファイルに書き込まれます。警告メッセージのみが switchlog ファイルに出力されます。特定のユーザアプリケーションで定義されたすべてのクラスタノードが Online 状態を報告すると、影響を受けるアプリケーションは直ちに自動的に Online となります。
デフォルト値: 60 (秒)
設定値: 任意の数値
HV_CHECKSUM_INTERVAL は、各 Online のノードが各自のチェックサムとローカルチェックサムが同じであることを確認するのを RMS が待つ時間を秒数で指定します。この時間内にチェックサムが確認されると、ローカルノード上の RMS が通常どおり動作し続けます。一方、リモートノードのチェックサムが確認されない場合、またはチェックサムが異なることが確認された場合は、HV_CHECKSUM_INTERVAL の今回の待機時間中に起動されたローカルモニタはシャットダウンします。また、リモートノードのチェックサムが確認されない場合、またはチェックサムが異なることが確認された場合、HV_CHECKSUM_INTERVAL の今回の待機時間前に起動されていたローカルモニタはそのノードを Offline と認識します。
デフォルト値: 120 (秒)
設定値: 任意の数値
HV_CM_EXIT_WAIT は、RMS 起動後、hvcm コマンドが終了する前に待つ時間を秒数で指定する環境変数です。RMS がこの時間内に正しく起動されないと、hvcm はこの障害を検出し、エラーメッセージを生成して、0 以外の終了ステータスで終了します。
本環境変数は4.2A00以降では使用できません。
デフォルト値: 2 (秒)
設定値: 任意の数値
RMS がスクリプト(rc2.d スクリプトなど)から自動的に起動される場合は、この時間を、デフォルトの 2 秒から 10 または 15 秒ぐらいの値に増加させる必要があります。起動時の問題がすべて認識され、正しく報告されることを保証するためです。
HV_CONNECT_TIMEOUT は、リモートクラスタノードが Offline になったと判断する前に、BM(ベースモニタ)がリモートクラスタノードからのメッセージを待つ秒数の最大値です。通常は、この値のデフォルト設定を変更する必要はありません。ただし、アプリケーションがマシンリソースを多用する場合には、誤った障害報告や、その結果誤ってアプリケーションを切替えたり、稼動中のマシンを停止する事態を防止するために、この設定を調整する必要があります。RMS がマシンまたはアプリケーションの障害に対処するまでの待ち時間を過ぎても、メッセージが受信されない場合に、このような状況が起こり得ます。
環境変数 HV_CONNECT_TIMEOUT の使用には十分な注意が必要です。値を大きくしすぎると、アプリケーションの切替えやリモートクラスタノードの停止が遅れてしまう可能性があります。デフォルト値: 5 (秒)設定値: 5より大きい任意の数値
HV_LOG_ACTION は、ログディスク上の使用済み領域が HV_LOG_ACTION_THRESHOLD で定義されたしきい値以上で、すべてのサブディレクトリがすでに削除されている場合の、hvlogcontrol の動作を定義します。値が "on" ならば、現在のログファイルも削除されます。"off" ならば、ログファイルは削除されませんが、警告メッセージが定期的にコンソールに表示されます。
デフォルト値: off
設定値: off/on
HV_LOG_ACTION_THRESHOLD は、hvlogcontrol の動作を定義します。ログディスク上の使用済み領域がこのしきい値以上になると、ログ以下のサブディレクトリはすべて削除されます。
デフォルト値: 98 (パーセント)
設定値: 0 以上 100 以下の任意の数値
HV_LOG_WARN_THRESHOLD は、hvlogcontrol の動作を定義します。ログディスク上の使用済み領域がこのしきい値以上になると、警告メッセージがコンソールに表示されます。
デフォルト値: 95 (パーセント)
設定値: 0 以上 100 以下の任意の数値
HV_LOH_INTERVAL は、最終 Online ノード(LOH)を特定するためにタイムスタンプを比較する際の、最小時間差を秒数で指定します。最終 Online ノード(LOH)とは、userApplication が最後に Online 状態であったノードを意味します。本設定は OnlinePriority 属性が設定されている場合に使用されます。
クラスタノードが異なる 2つの userApplication を比較して、LOH タイムスタンプエントリの差がこの属性で指定する時間よりも小さかった場合、RMS は自動起動せず、優先順位の変更は行われません。この場合はコンソールにメッセージを送信し、オペレータ介入が必要になります。
この値を設定する場合は、そのクラスタ内部での時刻同期精度を考慮に入れる必要があります。クラスタノード間で発生しうる時間差よりも大きい値を指定してください。
デフォルト値: 30 (秒)
設定値: 任意の数値
HV_MAX_HVDISP_FILE_SIZE は、内部の一時ファイル(/usr/opt/reliant/locks/.rms.$$)の最大サイズを指定します。このファイルは、BM(ベースモニタ)から hvdisp コマンドへデータを送信する際に使用されます。サイズはバイト数で指定します。一時ファイルが最大サイズに達したことを検出すると、BM はファイルを閉じ、削除して、現在の hvdisp と同一の新しい hvdisp 要求を発行します。新しい hvdisp は、新しく開かれたファイルを介して BM からデータを受信を開始します。再初期化の際、BM は、現在の構成を hvdisp 要求(-u または -m)に適切なフォーマットでダンプします。一時ファイルは、1つの hvdisp セッション中に何度でも初期化することができます。
デフォルト値: 20 000 000 (バイト)
設定値: 任意の数値 <= 設定されたノードファイルサイズの制限値
HV_MAXPROC は、RMS が一度にフォークできるスクリプトの最大数を定義します。ほとんどの場合は、デフォルト値で十分です。
デフォルト値: 30 (フォークするプロセス数)
設定値: 任意の数値 <= 設定されたノードフォーク数の制限値
HV_MLOCKALL は、BM(ベースモニタ)とBMが割当てたメモリをロックするかどうか定義します。1 に設定するとベースモニタおよび割当てた全てのメモリは、メモリ内でロックされます。0 (デフォルト) に設定すると、ベースモニタはスワップアウトする場合があります。
本環境変数は4.2A00以降で使用できます。
デフォルト値: 1
設定値: 0/1
HV_RCSTART は、S99RMS rc スクリプトの動作を定義します。HV_RCSTART が 1 に設定され、ファイル /opt/SMAW/SMAWRrms/etc/CONFIG.rms が存在し、有効なエントリを含む場合は、BM(ベースモニタ)がシステムのブート時に起動されます。
デフォルト値: 1
設定値: 0/1
HV_REALTIME_PRIORITY は、BM(ベースモニタ)およびそのディテクタの RT クラス内の優先順位を定義します。デフォルトでは、BM が非リアルタイムフラグ '-R' を指定して起動されない限り、BM とディテクタはリアルタイムプロセスです。HV_REALTIME_PRIORITY のデフォルト値を調整する場合は、高すぎる値、または低すぎる値を設定しないよう注意してください。優先順位を高く設定すると、他の OS のリアルタイムプロセスが、プロセッサのタイムスライスを取得できなくなる可能性があります。低く設定すると、BM がディテクタからの通知に反応できなくなったり、コマンドラインからの要求を実行できなくなったりする可能性があります。BM を非リアルタイムフラグ '-R' を指定して起動すると、HV_REALTIME_PRIRORITY の値は無視されます。
デフォルト値: 50
設定値: 1 以上 99 以下の任意の数値
HV_SCRIPTS_DEBUG は、RMS スクリプトのデバッグの開始を可能とする環境変数です。この変数が設定されている場合、各スクリプトは、実行した OS コマンドなどのデバッグ情報を詳細に記録します。この設定は、PRIMECLUSTER 製品提供のスクリプトにのみ適用されます。また、各スクリプトによって記録される情報の種類は、スクリプトによって異なる可能性があります。
デフォルト値: 未設定
設定値: 任意の値
HV_SYSLOG_USE は、syslog 機能による RMS メッセージのログを開始および停止します。デフォルトでは、すべての RMS ERROR、FATAL ERROR、および NOTICE メッセージがシステムログに記録されます。
デフォルト値: 1(ログ開始)
設定値: 0/1
HV_USE_ELM は、RMS ベースモニタによるハートビート監視モードを定義します。
0 に設定すると、リモートノードとベースモニタの状態は、ネットワークを通じて UDP ハートビートパケットを定期的に送信することにより検出されます。 HV_CONNECT_TIMEOUT で定義した間隔内にリモートノードからのハートビートが受信されなかった場合、 RMS はノードがダウン状態にあると判断します。リカバリタイムアウトの間待って復旧しない場合、ノード停止処理を開始します。 CF が設定されており ELM を無効にすると、リカバリタイムアウトは600秒になります。リモートノードのダウンを効率的に検出するには長い時間であるため、hvcm -h <timeout> -c <config_file> コマンドを使用して、リカバリタイムアウト値を調整してください。
1 (デフォルト)に設定すると、 ELM (Enhanced Lock Manager) と UDP ハートビート方式を組み合わせて使用します。この設定は、CF がインストールされ構成設定が完了している場合にのみ有効です。ELM のロックは、ローカルノードによって取得され、ELM がリモートノードまたはベースモニタのDOWN 状態を通知するまで、ローカルノードにより保存されます。ELM がリモートノードの DOWN状態を通知すると、リモートノードは直ちに停止されます。また、 ELM がリモートノードの状態の変化を通知しない間も RMS は UDP ハートビート方式の監視をしています。リカバリタイムアウトの間 UDP ハートビートが受信できない場合は、リモートノードは停止されます
本環境変数は4.2A00以降で使用できます。
デフォルト値: 1(推奨)
設定値: 0/1
HV_WAIT_CONFIGは、RMS が hvcm -c で起動された場合に Online ノードから構成ファイルを受信するまでRMSが待ち合わせる時間を秒数で指定します。構成定義ファイルが HV_WAIT_CONFIG 秒内に受信されなかった場合は、ローカルモニタは最小構成で処理を継続します。
本環境変数は4.2A30以降では使用できません。
デフォルト値: 120 (秒)
設定値: 任意の数値
RELIANT_HOSTNAME は、RMS クラスタ内のローカルクラスタノードの名前です。この変数は変更しないでください。
この変数のデフォルト値は、CF 内で定義されたローカルノードのノード名(cftool -l の出力の最初のフィールド)の末尾に "RMS" を付加した名前です。RMS が正しく動作するためには、この変数が、すべてのクラスタノードで正しく設定されている必要があります。
この変数にデフォルト値以外の値を設定すると、「RMS 命名規則」に反することになります。それでも RMS は正常に動作しますが、いくつかの便利な機能が使用できなくなります。例えば、命名規則に従った設定をしていれば、すべての RMS コマンドは、CF 名と SysNode 名の両方を有効なノード名とみなします。デフォルト値: `cftool -l 2>/dev/null | tail -1 | awk '{print $1}' | grep . || uname -n`RMS設定値: 任意の文字列
RELIANT_INITSCRIPT は、起動時に RMS によって実行される初期化スクリプトを指定します。このスクリプトは、他のプロセスが起動する前に実行されます。これはグローバルスクリプトで、RMS 起動時にすべてのクラスタノードで 1 度実行されます。スクリプトが失敗すると、RMS は正常に起動されず、0 以外の終了ステータスで異常終了します。
デフォルト値: RELIANT_PATH/bin/InitScript
設定値: 任意の実行可能な <path>/<filename>
RELIANT_LOG_LIFE は、RMS ログを保持する日数を指定します。RMS が起動される度に、その前に RMS が起動した時間に基づく名前でディレクトリが作成されます。ディレクトリ名のフォーマットは、年-月-日_時:分:秒です。前に RMS が起動した時間からのすべてのログファイルが、このディレクトリに移動されます。すべての RMS ログファイルはこの方法で保持されます。RELIANT_LOG_LIFE 変数で指定された日数よりも古いログファイルはすべて、cron ジョブによって削除されます。
デフォルト値: 7(日)
設定値: 任意の数値
RELIANT_LOG_PATH は、すべてのログファイルを格納するディレクトリを指定します。デフォルトのパスは /var/opt/SMAWRrms/logです。
デフォルト値: /var/opt/SMAWRrms/log
設定値: 任意のディレクトリ名
RELIANT_PATH は、RMS ディレクトリ階層のルートへのパスです。デフォルトでは、/opt/SMAW/SMAWRrms です。この変数を明示的に変更する必要はありません。
デフォルト値: /opt/SMAW/SMAWRrms
設定値: RMS インストールディレクトリ
RELIANT_SHUT_MIN_WAIT は、hvshut コマンドがタイムアウトするまでに待つ時間を秒数で指定する環境変数です。この値は、アプリケーションが(hvshut の -a オプションを使用している場合は、すべてのクラスタノード上で)Offline になるのに必要な最大時間に相当します。hvshut タイムアウトが生じると、RMS は異常終了します。実行中のスクリプトはすべて直ちに終了されます。RMS の管理下にあるリソースは、制御が失われた状態になります。タイムアウト時の影響は大きいため、RELIANT_SHUT_MIN_WAIT の値の設定には注意が必要です。デフォルト値は PRIMECLUSTER 4.1A30 以降では 900 秒、それ以前のバージョンでは 150 秒です。
デフォルト値: 900(秒)
設定値: 任意の数値
RELIANT_STARTUP_PATH は、起動時に構成ファイル(.us ファイル)を検索するディレクトリを指定します。この変数を明示的に変更する必要は決してありません。
デフォルト値: /opt/SMAW/SMAWRrms/build
設定値: 任意のディレクトリ名
SCRIPTS_TIME_OUT は、RMS で開始したスクリプトが完了するまでのグローバル時間を秒数で指定する環境変数です。スクリプトがこの時間内に終了しない場合は、失敗したとみなされ、RMS は適切な Fault 処理を開始します。この変数に、各アプリケーションに適切な値を設定することが非常に重要です。また、RMS インストール時およびテストフェーズにおいて、十分にテストする必要があります。個々のスクリプトのタイムアウト値は、必要なノードの ScriptTimeout 属性で設定することができます。この値が小さすぎると、RMS はスクリプトが失敗したと誤って判断し、Fault 処理を開始してしまいます。これによりアプリケーションは正常に Offline または Online となることができなくなります。また、この値が極端に大きくても、スクリプトの失敗を認識するまでの RMS の待ち時間が長くなりすぎるため、不適切です。アプリケーションの使用不可能な時間が長くなってしまうからです。
デフォルト値: 300(秒)
設定値: 任意の数値
0 :正常終了
0 以外:異常終了
hvcm(1M)
RMS ログファイルを削除する
hvlogclean [-d]
本コマンドを実行すると、古いログファイルがサブディレクトリに保存されます。サブディレクトリの名前は RMS を最後に起動した時刻です(-d オプションを指定すると、古いログファイルが削除されます)。本コマンドは、RMS の稼動中でも新しいログファイルを作成します。夜間の cron プロセスが、hvlogclean プロセスを実行し、指定された削除時間間隔よりも古いバックアップログファイルをすべて削除します。削除時間間隔は、環境変数 RELIANT_LOG_LIFE を設定することにより、変更できます。
次のコマンドは、すべての RMS ログファイルを /var/opt/SMAWRrms/log/last_cm_start に保存し、新しいログファイルを作成します。
hvlogclean
0 :正常終了
0 以外:異常終了
RMS rc スクリプトで起動するかどうかの指定、または AutoStartUp 属性の制御を行う
hvsetenv {HV_RCSTART|HV_AUTOSTARTUP} [ 0 | 1 ]
本コマンドにより、RMS の rc 起動や、ローカルノードのすべての userApplication の自動起動に関する現在の設定の表示、設定の変更が可能です。HV_RCSTART または HV_AUTOSTARTUP のみを引数として使用すると、本コマンドは、それぞれ RMS 環境変数 HV_RCSTART または HV_AUTOSTARTUP の現在の設定を返します。第 2 引数に '0' または '1' を指定すると、その値が RMS 環境変数に設定されます。
hvenv.local(4)
RMS を停止する
hvshut {-f | -L | -a | -l | -s SysNode | -A}
本コマンドは、構成内の 1つ以上のノード上で RMS を停止します。ローカルノード上の構成モニタは、どのノードが停止されるかを伝えるメッセージを他の Online ノードに送信します。本コマンドは、RMS のみ停止し、オペレーティングシステムは停止しません。Online のユーザアプリケーションオブジェクトが存在するときに、-f、-L、または -A オプションを使用すると、アプリケーションは稼動し続けますが、RMS によって監視されなくなります。hvshut が正常な停止を待つ時間は、構成のサイズに基づいて計算されます。この時間は、環境変数 RELIANT_SHUT_MIN_WAIT を使用して変更することができます。
-a、-l、-s、または -L オプションにより、クラスタが正常で、かつ強制停止を試みた後にのみ、-f オプションを使用してください。-f オプションは Offline スクリプトを省略するため、リソースの状態を保証するために Offline スクリプトの実行が必要な場合は、手動で起動しなければなりません。
hvshut -f により、クラスタの整合性が破壊される可能性があります。特に、ローカルノード上で Online であった userApplication は、hvswitch の強制オプションを使用しない限り、他のノードに切替えることができません。
hvshut -L により、クラスタの整合性が破壊される可能性があります。特に、ローカルノード上で Online であった userApplication は、hvswitch の強制オプションを使用しない限り、他のノードに切替えることができません。
ユーザアプリケーションが Faulted または Offline 状態の場合は、その子リソースを Offline にしようと試みます。
hvshut -l は1ノードごとに RMS を停止する場合に使用してください。
すべてのノードの RMS を同時に停止する場合は、-a オプションを使用してください。
次のコマンドは、システムノード node1RMS の RMS を停止します。
hvshut -s node1RMS
0 :正常終了
0 以外:異常終了
hvcm(1M).
RMS ユーザアプリケーションリソースの制御を他のシステムノードへ切替える
hvswitch [-f] userApplication [SysNode] 形式1
hvswitch -p userApplication 形式2
本コマンドは、ユーザアプリケーションリソースの制御を、RMS 構成内のノード間で手動で切替えます。切替えるリソースのタイプは userApplication である必要があります。システムノードのタイプは SysNode である必要があります。
-f オプションを使用すると、整合性が失われたりデータが破損する場合があるので、注意が必要です。
-f オプションを使用する場合は、強制的に起動するクラスタアプリケーション配下のリソースが、他の故障ノード上で動作中でないことを確認してください。
次のコマンドは、ユーザアプリケーション App1 をシステムノード node1RMS に切替えます。
hvswitch App1 node1RMS
0 :正常終了
0 以外:異常終了
hvassert(1M), hvcm(1M), hvdisp(1M)
RMS リソースの可用性を操作する
hvutil {-a | -d | -f | -c | -s } userApplication 形式 1
hvutil {-t n | -N string } resource 形式 2
hvutil {-o | -u} SysNode 形式 3
hvutil -l level 形式 4
hvutil -L level resource 形式 5
hvutil {-w | -W} 形式 6
hvutil {-i { userApplication | all } | -r} 形式 7
hvutil {-m { on | off | forceoff } userApplication |
-M { on | off | forceoff } } 形式 8
hvutil {-E | -C} SatNode 形式 9
本コマンドは、RMS に対する汎用のインタフェースです。
次の管理操作を実行します。
形式 6 で呼び出した場合は、停止要求が競合する場合に備えて、ノードの現在の重みを出力します。
形式 7 で呼び出した場合は、RMS の継続状態のデバイスの最終 Online ノード(LOH)のエントリを、無効にするか、または更新します。
形式 8 で呼び出した場合は、userApplication に保守モードを設定、または解除します。
形式 9 は未サポートです。
-s オプションを使用した後、userApplication を Offline に戻すには、hvutil -f コマンドを使用します。
-f オプションを使用した後、userApplication を Online に戻すには、hvswitch コマンドを使用します。
複数のログレベルを指定して BM(ベースモニタ)を実行すると、システム性能が低下する可能性があります。有効なログレベルは以下のとおりです。0 すべてのログレベルをオンにします1 未使用2 ディテクタ履歴をオンにします3 未使用4 mskx スタック履歴をオンにします5 エラーメッセージまたは警告メッセージ6 ハートビートおよび通信のレベル7 BM レベル8 ディテクタエラー9 管理コマンドメッセージ10 基本タイプレベル11 動的再構成コントラクトレベル12 未使用13 トークンレベル14 ディテクタメッセージ15 ローカルキューレベル16 ローカルキューレベル17 スクリプトレベル18 userApplication コントラクトレベル19 一時的なデバッグ履歴20 SysNode 履歴21 メッセージレベル22 bm トレースログoff すべてのログレベルをオフにします
ログをオフにします
ログをオンにします
保守モードを設定します
保守モードを解除します
適切な状態にないリソースが存在する場合でも、保守モードを解除します
保守モードを設定します
保守モードを解除します
適切な状態にないリソースが存在する場合でも、保守モードを解除します
Online 以外の状態にある userApplication の重みは 0 と定義されます。
次のコマンドは、App1 ユーザアプリケーションを Deact 状態にします。
hvutil -d App1
次のコマンドは、App2 ユーザアプリケーションを Offline にします。
hvutil -f App2
0 :正常終了
0 以外:異常終了
hvassert(1M), hvcm(1M), hvdisp(1M), hvswitch(1M)
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