サーバ内で何らかの事態が発生した場合、システム管理者にメッセージを通知します。これをシステムイベントと呼びます。システムイベントは、以下の4種類に分類できます。
エラー
データの消失や機能不全のような、重大な事態を通知するものです。たとえば、起動時にサービスがロードされなかった場合などには、エラーイベントが通知されます。
警告
重大とは限らないが、いつか問題を引き起こしかねないイベントに関する情報を通知するものです。たとえば、ディスク容量が残りわずかになったときなどには、警告イベントが通知されます。
情報
システムの変更や、操作が正常に終了したことなどについて通知するものです。たとえば、新しいサービスをインストールした場合などには、情報イベントが通知されます。
トレース
サービスの動作が不完全な場合など、障害の原因を調査する場合に使用するシステムイベントです。たとえば、メール転送がうまくいかない場合などには、Mailサービスのトレースイベントを採取し、エラーの原因をつきとめます。
システムイベントは、その発生源によっても分類されます。発生源による分類では、特定の数字を付けて区別します。Adminの[システムイベントログビューア]ウィンドウで、グループごとに同じID番号を用い、表示できます。システムイベントヘルプでは、各システムイベントに関する詳細な説明を記述しています。
オブジェクト操作イベント(004)
データベースのオブジェクト(データ)操作に関するシステムイベントです。
ゲートウェイAPIイベント(006)
Mailサービスや各種ゲートウェイが使用する共通のインターフェースが出力するイベントです。本イベントに続き、サービスのイベントが出力されます。
クライアント-サーバ プロトコルイベント(014)
アプリケーション(クライアント)-サービス(サーバ)間の交信に関係するシステムイベントです。
Notifierイベント(019)
Notifierに関するシステムイベントです。
システム管理プロトコルイベント(021)
システム管理プロトコルに関するシステムイベントです。
メールプリパラターイベント(025)
メールプリパラタープロセスに関係するシステムイベントです。メールプリパラターは、Mailサービスと連携してメールの配信を行います。
toconfigイベント(027)
toconfigに関するシステムイベントです。
tostartイベント(047)
tostartのタスクに関係するシステムイベントです。tostartは、サーバの実行時環境を初期化したり、プロセスを起動して稼働状態を保持したり、ディスク容量を監視したり、プロセスを停止して再起動したり、プロセスを閉鎖したりします。
toserverイベント(052)
toserverのタスクに関係するシステムイベントです。toserverは、サービスをロードして初期化したり、到着する接続要求を適切なサービスに転送したり、サービスを閉鎖したりします。
MIMEゲートウェイイベント(070)
MIMEゲートウェイに関係するシステムイベントです。
MailArchiveゲートウェイイベント(090)
MailArchiveゲートウェイに関するシステムイベントです。
Libraryサービスイベント(096)
Libraryサービスに関係するシステムイベントです。
Mailサービスイベント(097)
Mailサービスに関係するシステムイベントです。
Forumサービスイベント(098)
Forumサービスに関係するシステムイベントです。
Calendarサービスイベント(099)
Calendarサービスに関係するシステムイベントです。
Directoryサービスイベント(100)
Directoryサービスに関係するシステムイベントです。
メッセージルータイベント(103)
メッセージルータに関係するシステムイベントです。
POP3サービスイベント(105)
POP3サービスに関係するシステムイベントです。
IMAP4サービスイベント(109)
IMAP4サービスに関係するシステムイベントです。
Webサービスイベント(112)
Webサービスに関係するシステムイベントです。
差分バックアップ/リストアユーティリティイベント(115)
差分バックアップに関係するシステムイベントです。
資源移動ユーティリティ/組織再編成ユーティリティイベント(116)
資源移動ユーティリティ、または組織再編成ユーティリティに関係するシステムイベントです。
サーバウイルスチェックイベント(118)
サーバウイルスチェックに関係するシステムイベントです。
セキュリティオプション(SSL)イベント(120)
セキュリティオプション(SSL)に関係するシステムイベントです。
セキュリティオプション(PKI)イベント(121)
セキュリティオプション(PKI)に関係するシステムイベントです。
Taskサービスイベント(126)
Taskサービスに関係するシステムイベントです。
システムイベントの記録
Adminを使って、ログファイルに記録するシステムイベントの種類を定義することができます。Adminの[詳細情報]ウィンドウの[システムイベント処理]フォームで定義を行います。定義方法の詳細については、"14.4.2 サーバの詳細情報"の"システムイベントログの採取"、"14.4.3 サービスの詳細情報"の"システムイベントログの採取"を参照してください。システムイベントログか、あるいはOSログに情報が書き込まれるように設定できます。
システム管理者への通知
システムイベントログが採取されたあと、そのメッセージの内容をシステム管理者に通知することができます。通知には、Notifierのアラートメッセージが使用されます。
システム管理者がアラートメッセージを受信するには、以下の設定を行います。
システム管理者が使用するワークステーションのネットワークアドレスをアラート通知先に設定します。
設定方法は、"6.8 Notifier"を参照してください。
どのレベルのメッセージをアラートメッセージとして通知するかを指定します。
定義方法の詳細については、"14.4.2 サーバの詳細情報"の"システムイベントログの採取"、"14.4.3 サービスの詳細情報"の"システムイベントログの採取"を参照してください。
システム管理者にアラートを発信したり、ユーザにメッセージを通知する処理はtoalarmプロセスが行っています。TeamWARE Officeサーバを停止するときにはtoalarmプロセスも終了しますが、toalarmプロセスが終了した後で発生した事象についてはアラートが通知されず、次回のTeamWARE Officeサーバ起動後(toalarmプロセス起動後)に通知されます。
システムイベントの表示
ログを表示するには、[システムイベントログビューア]ウィンドウの左側にあるツリーで、イベントの発生源を選択します。全サービスに関する情報や、選択したサービスだけの情報を確認できます。また、いったん、Adminクライアントのローカルログファイルにシステムイベントをコピーしたあと、Adminで見ることもできます。
注意
システムイベントログが大量になると、TeamWARE Adminでの表示が遅くなります。また、「OSエラーが発生しました。」とのメッセージが表示されログの表示に失敗する場合があります。ログのサイズは運用環境によって異なりますが、表示は1日(24時間)以内をお勧めします。また、不要なログの削除、およびログファイルの退避(名前の変更)を頻繁に行ってください。
UNIX系システムではOSログファイルに出力する設定を行ってもOSログに出力されない場合があります。このようなときは、OSのsyslogデーモンの設定を確認してください。
Adminを使ってシステムイベントログを表示するには、以下のように操作します。
Adminにログインします。
Adminの[Admin]メニューの[システムイベントログビューア]コマンドをクリックします。
[システムイベントログビューア]ウィンドウが開きます。
[コンポーネント]メニューの[イベント種別の検索]コマンドをクリックします。[イベント種別の選択]ウィンドウが表示されたら、確認したいイベントの種別をクリックします。
[システムイベントログビューア]ウィンドウの左側にあるツリーで、[サイト]アイコンや[サーバ]アイコンをクリックして、イベントの発生源をクリックします。
[システムイベント間隔]ウィンドウが表示されたら、イベント発生の日付を指定します。
[OK]ボタンをクリックします。
[システムイベントログビューア]ウィンドウの右側に、イベントの詳細が表示されます。
以下の図に、基本サービスのシステムイベントの表示例を示します。
システムイベントに関する詳細情報を表示するには、リスト上のイベントをクリックします。システムイベントの詳細については、システムイベントヘルプを参照してください。
システムイベントログを、Adminクライアントのワークステーションにコピーし、Adminの[システムイベントログビューア]ウィンドウで確認できます。
サーバを選択して、[コンポーネント]メニューの[ローカルログファイルにコピー]コマンドをクリックします。コピーが完了したら、[システムイベントログビューア]ウィンドウの左側にあるツリーの中にある[ローカルログファイル]アイコンで、ファイルの内容を確認できます。
システムイベントログをAdminクライアントのワークステーションにテキストファイルの形式でコピーします。コピーしたファイルは、テキストエディタを使用して参照できます。ただし、時刻表示は、世界標準時刻となっている点に注意してください。
[システムイベントログビューア]ウィンドウで、[コンポーネント]メニューから[ファイルへコピー]コマンドを選択して、システムイベントログをクライアントのファイルに保存します。
システムイベントログの削除
システムイベントログは、サーバのファイルに蓄積されるため、定期的に退避し、削除する必要があります。退避する方法については、前述の"システムイベントログをローカルファイルにコピー"か、"システムイベントログをファイルにコピー"を参照してください。
システムイベントログを削除するには、以下のように操作します。
Adminにログインします。
Adminの[Admin]メニューの[システムイベントログビューア]コマンドをクリックします。
[システムイベントログビューア]ウィンドウが開きます。
[システムイベントログビューア]ウィンドウの左側にあるツリーで[サイト]アイコンをダブルクリックし、サーバを表示させます。
システムイベントログを削除するサーバの[サーバ]アイコンをクリックします。
[コンポーネント]メニューの[サーバから削除]コマンドをクリックします。
注意
システムイベントログビューアの[サーバ]以下に表示されないサービスをシステムイベントの発生源に指定したい場合は、[全サービス]を選択してください。選択後、システムイベントの一覧から、目的のサービスを選択すると、内容を表示できます。システムイベントが大量に存在し目的のサービスのシステムイベントを見つけにくい場合には、検索機能を使用してください。
以下に、セキュリティオプションの検索例を示します。
[イベント]メニューの[検索]で、検索文字列に「120」、「121」、「TOSSL」、「TOPKI」を指定して検索を行います。
コンポーネント名を確認し、セキュリティオプションのシステムイベントを特定します。