リストアの前後処理のシェルスクリプトについて、カスタマイズ方法を以下に説明します。
ボリュームグループをリストアする場合
ファイルシステムが構築された論理ボリュームを含むボリュームグループがリストア対象の場合は、前後処理のシェルスクリプトを修正する必要があります。
シェルスクリプトを修正後、前処理のシェルスクリプト(OpcRestore.pre)の71行目のexit文をコメント(“#”)化してください。
前処理のシェルスクリプト(OpcRestore.pre)の75~141行目、および後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)の95~170行目について、ファイルシステムが構築された全ての論理ボリュームに対してアンマウント/マウント処理が実施されるように記述を適宜修正してください。(“X”で示す箇所は実際の環境に合わせて変更してください。また、複数の論理ボリュームが対象となる場合は、前処理のシェルスクリプト(OpcRestore.pre)の111~140行目の処理および、後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)の133~164行目のコメントをはずし、これらの処理をボリューム数分記述してください。)
バックアップボリュームをマウントする運用を行う場合は、バックアップボリュームのLVM管理情報が書き換わるため、通常の手順でリストアできなくなります。その場合、後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)の65~79行目と95~170行目をコメント(“#”)化してください。またリストア処理完了後にも追加手順が必要となります。「10.1.4 リストアの注意事項」を参照してください。
注意
カスタマイズをしていない状態では、ボリュームグループに対する前処理はエラーとなります。
注意
mountコマンドなどのOSコマンドのパラメーターやオプションなどは運用に合わせて、適宜修正してください。
VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用する場合
VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用を行う場合で、業務ボリュームのマウントポイントがクラスタ業務に登録されている場合は、前後処理のカスタマイズが必要となります。
前後処理のシェルスクリプト内のマウント/アンマウント処理を、マウントポイントリソースのオフライン/オンライン処理に変更してください。
また、マウントポイントリソースのオフライン/オンラインを行ってから、実際にボリュームがアンマウント/マウントされるまでに時間差があります。そのため実際にアンマウント/マウントされるまで待ち合わせる処理(sleepやdfコマンドの結果を監視するなど)をオフライン/オンラインの成否を判定する個所の後に追加してください。
以下に前後処理のシェルスクリプトの変更例を示します
[例] リストア前処理のシェルスクリプト(OpcRestore.pre)のアンマウント処理変更
[81、90、112、121行目]
(変更前) | /usr/sbin/umount $mount_point |
(変更後) | /opt/VRTSvcs/bin/hares -offline リソース名 -sys システム名 |
[例] リストア前処理のシェルスクリプト(OpcRestore.pre)のアンマウント待ち処理追加
[110、141行目]
(追加) | mount_status="mounted" |
[例] リストア後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)のマウント処理変更
[105、114、138、147行目]
(変更前) | /usr/sbin/mount $lvname $lv_mount_point |
(変更後) | /opt/VRTSvcs/bin/hares -online リソース名 -sys システム名 |
[例] リストア後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)のマウント待ち処理追加
[132、165行目]
(追加) | mount_status="not_mounted" |