GDSのSDXオブジェクトをスライス単位で複製することが可能です。
GDS Snapshotとは連携しない複製が行われます。
GDSの論理ボリュームを構成する物理ディスクを指定しなければなりません。
GDSの詳細については、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)』を参照してください。
図8.52 スライス単位のレプリケーション運用
注意
筐体間ミラーを行っている場合、筐体障害の場合もOPCにより複製元へコピーをする必要がある場合は、ミラーの両系を複写する必要があります。この場合、複製先ボリュームは論理ボリュームの容量ではなく、物理ボリュームの容量分が必要です。
AdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、論理ボリューム名とAdvancedCopy Managerデバイス名を組み合わせた以下の形式の名前を使用します。
/dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名:sdxinfoのDEVNAMの値
注意
スライス単位の運用において使用可能なSDXオブジェクトは以下の通りです。
シングルボリューム
階層化されていないミラーボリューム
ポイント
使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、 “sdxinfo -e long”を実行したときに表示されるボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。
【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】
single : シングルボリューム(運用可能)
mirror : ミラーボリューム(運用可能)
stripe : ストライプボリューム(運用不可)
concat : コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)
switch : スイッチボリューム(運用不可)
レプリケーション運用の設計を行う場合の注意事項については、「11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)」を参照してください。
ミラースライスをコピー先ボリュームとするレプリケーションは、現在サポートされていません。したがって、複製元ボリューム、複製先ボリュームのどちらか一方がミラースライスの場合は、ミラースライスから物理スライスへのレプリケーションのみが利用可能です。
ミラースライスへデータをコピーする際はddコマンドを使用してください。論理ボリュームを構成する全てのミラースライスに対してコピーを実施する必要があります。
レプリケーション運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。
デバイスの情報の取得については、「8.4.4 Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を参照してください。
GDS/SafeDISKのミラーボリュームを構成するミラースライスを複製ボリュームとして登録します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:c1t0d1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:c1t0d2 swsrpsetvol completed #
[スナップショット型レプリケーションの例]
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:c1t0d1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:c1t0d2 FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:c1t0d1, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:c1t0d2 swsrpmake completed #
複製作成時のオブジェクトの状態
複製作成を実行できるのは、論理ボリュームを構成するSDXオブジェクトの状態が以下の状態になっている場合です。これ以外の状態になっている場合は、複製作成を実行することはできません(SDXオブジェクトの状態は、GDS/SafeDISKのsdxinfoコマンドを用いてAdvancedCopy Managerが確認します)。
ミラーボリュームの状態が、“ACTIVE(起動中)”または“STOP(停止)”のとき
物理ディスクの状態が、“ENABLE(動作可)”のとき
ミラースライスの状態が、“ACTIVE(起動中)”または“TEMP(切り離し中)”のとき
レプリケーションの前後処理
次のような場合、前後処理スクリプトは実行されません。
SDXオブジェクトのスライスがTEMP