ページのトップに戻る
ETERNUS SFAdvancedCopy Manager 13.4 運用手引書

4.8.3 スライス単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用しない方式)

GDS Snapshotと連携せず、AdvancedCopy Managerの機能だけで行う運用です。論理ボリュームがどの物理ボリュームから構成されているかを把握した設計・運用が必要です。

図4.11 スライス単位のバックアップ運用

AdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、論理ボリューム名とAdvancedCopy Managerデバイス名を組み合わせた以下の形式の名前を使用します。

/dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名:sdxinfoのDEVNAMの値

注意

スライス単位の運用において使用可能なSDXオブジェクトは以下の通りです。

  • シングルボリューム

  • 階層化されていないミラーボリューム

ポイント

使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、 “sdxinfo -e long”を実行したときに表示されるボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。

【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】

  • single : シングルボリューム(運用可能)

  • mirror : ミラーボリューム(運用可能)

  • stripe : ストライプボリューム(運用不可)

  • concat : コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)

  • switch : スイッチボリューム(運用不可)

注意

SDXオブジェクトの運用上の注意点については、「11.1.5 SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」、「11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)」を参照してください。

注意

筐体間ミラーを行っている場合、筐体障害の場合も、OPCによりリストアする必要があるときは、ミラーの両系をバックアップする必要があります。この場合、バックアップボリュームは、論理ボリュームの容量ではなく、物理ボリュームの容量分が必要です。

SymfowareのDBSPを筐体間ミラーしている場合、業務ボリュームとしてはどちらか一方の筐体にあるボリュームしか登録できません。したがって、バックアップ運用している筐体が筐体障害となった場合は、筐体障害から回復するまでバックアップ/リカバリができません。

4.8.3.1 バックアップ運用の設計

バックアップ運用の設計を行う場合の注意事項については、「11.1.5 SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

4.8.3.2 Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み

バックアップ運用を行うサーバをStorageサーバとして登録し、Storageサーバ配下のデバイスの情報を取得します。

デバイス情報の取得については、「4.4.5 Storageサーバ配下のデバイス情報の取り込み」を参照してください。

4.8.3.3 デバイスの運用種別設定

業務ボリューム

業務で使用している論理ボリュームを構成するスライスを、業務ボリュームとして登録します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1
swstdevinfoset completed
#

バックアップボリューム

SDXオブジェクトのスライスをバックアップボリュームに登録することはできません。

一般スライスのバックアップボリュームを使用します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/dsk/c1t0d2s6
swstdevinfoset completed
#

4.8.3.4 バックアップ

バックアップの例

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1
/dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 swstbackup completed
#

バックアップ時の状態

バックアップを実行できるのは、論理ボリュームを構成するSDXオブジェクトの状態が以下の状態になっている場合です。

これ以外の状態になっている場合は、バックアップを実行することはできません。

SDXオブジェクトの状態は、SafeDISK/PRIMECLUSTER GDSのsdxinfoコマンドを用いてAdvancedCopy Managerが確認します。

  1. ボリュームの状態が、“ACTIVE(起動中)”または“STOP(停止)”のとき

  2. 物理ディスクの状態が、“ENABLE(動作可)”のとき

  3. スライスの状態が、“ACTIVE(起動中)”または“TEMP(切り離し中)”のとき

バックアップの前後処理

次のような場合、前後処理スクリプトは実行されません。

4.8.3.5 リストア

スライス単位の運用時、業務ボリュームがシングルボリュームの場合のみリストアが可能です。

シングルボリューム以外のSDXオブジェクトにはリストアはできません。

シングルボリューム以外のSDXオブジェクトのリストア方法については、「11.1.5 SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

リストアの例

# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore  /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1
/dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:c1t0d1 swstrestore completed
#