PowerSORTでは、富士通のNetCOBOLでサポートしているCOBOLファイルを富士通COBOLファイルという名称でマニュアルに記載しています。
ここでは、富士通COBOLファイルを処理する場合の留意事項について説明します。
富士通COBOLファイルの共用・排他に関する留意事項
富士通COBOLファイルを入力ファイル、または出力ファイルとして指定した場合、PowerSORTは富士通COBOLのファイルシステムを使用して富士通COBOLファイルの入出力を行います。このため、富士通COBOLのファイルシステムにより、ファイルの共用・排他の制御が行われます。富士通COBOLファイルを入力ファイルとした場合は共用モード、出力ファイルとした場合は排他モードでファイルをオープンします。
富士通COBOLのファイルシステムの詳細については、お使いの富士通COBOLのマニュアルを参照してください。
富士通COBOL順ファイル対応のファイルアクセスライブラリに関する留意事項
富士通COBOL順ファイル対応のファイルアクセスライブラリには、2種類のファイルアクセスライブラリが用意されています。以下に、各ファイルアクセスライブラリの処理概要を示します。
なお、富士通COBOLにおけるBSAM指定の詳細は、お使いの富士通COBOLのマニュアルを参照してください。
ファイルアクセスライブラリ名 | 処理概要 |
---|---|
libbscblrt64.so | ファイルのオープン、クローズ、入出力全てに富士通COBOLのファイルシステムを使用します。1レコードずつ入出力を行うため低速です。 |
libbscblfast64.so | ファイルのオープン、クローズには富士通COBOLのファイルシステムを使用し、入出力にはreadシステムコール/writeシステムコールを使用します。複数レコードをまとめて入出力するため高速です。富士通COBOLにおけるBSAM指定と同等です。 |
bsortコマンド、bsortexコマンドではファイルシステムの識別子にcob1、cob2、cob3、BSORT関数ではファイルシステムの定義値にBSFS_COB1、BSFS_COB2、BSFS_COB3のいずれかを指定し、スタートアップファイルのBSORT_FILESYS_fsで使用するファイルアクセスライブラリを定義することにより、2種類のファイルアクセスライブラリを選択して使用することができます。
また、bsortコマンド、bsortexコマンドではファイルシステムの識別子にcobs64、BSORT関数ではファイルシステムの定義値にBSFS_COBS64を指定することにより、スタートアップファイルのBSORT_FILESYS_fsで使用するファイルアクセスライブラリを定義することなく、以下に示すファイルアクセスライブラリを使用することができます。
識別子 | 定義値 | 使用するファイルアクセスライブラリ |
---|---|---|
cobs64 | BSFS_COBS64 | libbscblfast64.so |
富士通COBOL行順ファイルに関する留意事項
富士通COBOLファイルシステムの行順ファイルは、PowerSORTではテキストファイルとして処理することができます。
富士通COBOLファイルシステムの行順ファイルを処理する場合は、以下のように指定してください。ただし、富士通COBOLファイルシステムがオープン処理で行っているファイルの共用・排他などの制御は行われないため、ファイルの指定には注意してください。
ファイルシステムの指定は「システムの標準ファイルシステム」とします。
指定方法については以下を参照してください。
bsortコマンドの場合
入出力ファイルシステムオプション(-F)
bsortexコマンドの場合
入力ファイル情報オプション(-input)のfilesysオペランド、および出力ファイル情報オプション(-output)のfilesysオペランド
BSORT関数の場合
BSRTFILE構造体のinpfsys_tbl、およびoutfsys
入力ファイル種別の指定は「テキストファイル固定フィールド指定」とします。
指定方法については以下を参照してください。
bsortコマンドの場合
テキストファイルオプション(-T)
bsortexコマンドの場合
入力レコード情報オプション(-record)のrecformオペランド
BSORT関数の場合
BSRTPRIM構造体のfieldmode