MessageQueueDirector説明書
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第3部 クラスタシステム編> 第5章 クラスタサービス機能> 5.2 環境設定> 5.2.7 クラスタサービスの設定

5.2.7.2 クラスタサービスの設定(PRIMECLUSTERの場合)

 以下の順序で設定します。

MQDの基本機能用の状態遷移プロシジャを登録する

 PRIMECLUSTER上で動作するMQDでは、状態遷移プロシジャを利用して、MQDの起動や停止を行います。状態遷移プロシジとは、クラスタ制御からの状態遷移指示を受け取り、リソースの活性化や非活性化を制御(アプリケーションの起動や停止など)するものです。状態遷移プロシジャの詳細に関しては、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

 状態遷移プロシジャの登録方法について、以下の順に説明します。

状態遷移プロシジャファイルの修正

 MQDは状態遷移プロシジャファイルのひな型を提供します。MQD基本機能用のひな型は以下のファイルで提供しています。
/opt/FJSVmqd/sample/MQD001.MQD_INTERSTAGE

 状態遷移プロシジャファイルのひな型は、以下の内容に設定しています。

 複数のMQDシステムを使用する場合は、状態遷移プロシジャをMQDシステムごとに用意する必要がありますので、ひな型を複写して使用してください。なお、状態遷移プロシジャファイル名は以下の規約に従ってください。
 MQDシステム名.MQD_INTERSTAGE

 例えば、MQDシステム名が“MQDSYS01”の場合には、“MQDSYS01.MQD_INTERSTAGE”となります。

 また、上記以外の設定でMQDシステムの起動と停止を行う場合は、ひな型の修正が必要です。状態遷移プロシジャファイルの修正内容の例を以下に示します。

MQDシステム名がMQDABCの場合

SYSNAME="MQD001"

SYSNAME="MQDABC"

MQD起動時に拡張機能を連動して起動する場合

START_OPT="-s $SYSNAME -p"

START_OPT="-s $SYSNAME"

MQD起動時にMQD資源を回収しMQDを起動する場合

START_OPT="-s $SYSNAME -p"

START_OPT="-s $SYSNAME -p -r"

状態遷移プロシジャの格納とリソース登録

 各ノードに状態遷移プロシジャファイルを格納とリソース登録を行います。それぞれPRIMECLUSTERのコマンドを使用して行います。格納はclsetprocコマンド、リソース登録はcladdprocrscコマンドでおこないます。コマンドの詳細は“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。格納と登録を一括して行うスクリプトのひな型を以下のファイルで提供しています。
/opt/FJSVmqd/sample/ADDPROC_MQD_INTERSTAGE

 ひな型では、以下の内容に設定しています。別の設定で登録する場合はひな型を編集して使用してください。

 修正の例を以下に示します。

状態遷移プロシジャファイル名がMQDABC.MQD_INTERSTAGEの場合

PROC_NAME="MQD001.MQD_INTERSTAGE"

PROC_NAME="MQDABC.MQD_INTERSTAGE"

起動優先度を変更したい場合

PRIORITY="100"

PRIORITY="150"

MQD拡張機能用の状態遷移プロシジャを登録する

 MQDの拡張機能を使用する場合は、MQDの拡張機能(以下、サービスと呼びます)の状態遷移プロシジャを登録します。

 状態遷移プロシジャの登録方法について、以下の順に説明します。

 イベントチャネル連携サービスは、イベントチャネルの起動を前提としています。したがって、イベントチャネル連携サービスの起動前にイベントチャネルが起動されるように起動優先度を設定してください。

 クラスタ環境でのイベントサービスの環境設定については、“高信頼性システムガイド”を参照してください。

状態遷移プロシジャファイルの修正

 MQDは状態遷移プロシジャファイルのひな型を提供します。サービス用のひな型は、以下のファイルで提供しています。
 /opt/FJSVmqd/sample/MQD001.MQDNSGW_INTERSTAGE

 状態遷移プロシジャファイルのひな型は、以下の内容に設定しています。

 状態遷移プロシジャファイルを、使用するサービスに合わせて修正します。状態遷移プロシジャファイル名は以下の規約に従ってください。

 MQDシステム名.MQDNSGW_INTERSTAGE

 例えば、MQDシステム名が“MQDSYS01”の場合は、“MQDSYS01.MQDNSGW_INTERSTAGE”となります。

 状態遷移プロシジャファイルの修正内容の例を以下に示します。

MQDシステム名がMQDABCの場合

SYSNAME="MQD001"

SYSNAME="MQDABC"

サービス起動時に定義反映を行う場合

START_OPT="-s $SYSNAME $SERVICE"

START_OPT="-s $SYSNAME -n $SERVICE"

状態遷移プロシジャの格納とリソース登録

 各ノードに状態遷移プロシジャファイルを格納とリソース登録を行います。それぞれPRIMECLUSTERのコマンドを使用して行います。格納はclsetprocコマンド、リソース登録はcladdprocrscコマンドでおこないます。コマンドの詳細は“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。格納と登録を一括して行うスクリプトのひな型を以下のファイルで提供しています。
 /opt/FJSVmqd/sample/ADDPROC_MQDNSGW_INTERSTAGE

 ひな型では、以下の内容に設定しています。別の設定で登録する場合はひな型を編集して使用してください。

 修正の例を以下に示します。

状態遷移プロシジャファイル名がMQDSYS01.MQDNSGW_INTERSTAGEの場合

PROC_NAME="MQD001.MQDNSGW_INTERSTAGE"

PROC_NAME="MQDSYS01.MQDNSGW_INTERSTAGE"

起動優先度を変更したい場合

PRIORITY="200"

PRIORITY="180"

MQDのリソースを登録する

 各ノードにアプリケーションリソースをPRIMECLUSTER用のリソースとして登録します。操作はCUI(RMS Wizard)より行います。

 CUI(RMS Wizard)については、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。表 5.3に登録するリソースの一覧を示します。

 なお、必要に応じて、業務アプリケーションなどのリソースも登録してください。

[表 5.3 MQDのリソース一覧]

リソース

リソースクラス

切替えディスク

DISK

MACアドレス

MAC_Address

ネットノード名

NetNodename

IPアドレス

IP_Address

CORBAサービスの状態遷移プロシジャ

BasicApplication

イベントサービスの状態遷移プロシジャ

BasicApplication

MQDの基本機能用状態遷移プロシジャ

BasicApplication

MQDの拡張機能用状態遷移プロシジャ

BasicApplication

MQDクラスタサービスを設定する

 クラスタ運用管理ビューを使用して、サービスの設定を行います。クラスタ運用管理ビューの詳細については“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。

MQDクラスタサービスの設定内容

 MQDクラスタサービスの設定内容は表 5.4のとおりです。

[表 5.4 サービス設定内容]

設定項目

設定内容

サービス名

任意

運用形態

Standby

ノード

運用ノード

運用インスタンスを登録するノード

待機ノード

待機インスタンスを登録するノード

リソース

上表 MQDのリソース一覧を参照

アプリケーション依存関係

下図 リソース起動優先度を参照

共用ディスク装置の使用種別

切替えディスク

起動優先度

 サービスを構成するアプリケーションが複数からなり起動優先度を設定する必要がある場合は、起動順番の優先度を設定します。下図に、MQDに関するリソースの起動優先度を示します。使用するリソースについて、図5.8の順に起動するように優先度を設定します。

[図5.8 リソース起動優先度]


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