Network AssistはSNMP/HTTP/pingを使用して定期的にポーリングを行い、装置状態を監視するため、ポーリング間隔の見積もりが必要です。
ポイント
ポーリング設定時、状態ポーリング/統計ポーリングの各ポーリング間隔は、以下で算出されるポーリング間隔を設定します。
ポーリング設定の詳細はSystemwalker Network Assist操作手引書を参照してください。
SNMPを使用する場合
状態ポーリング間隔
状態ポーリング間隔の算出式は以下のとおりです。
状態ポーリング間隔[分] = {([1ノードの状態ポーリング間隔] × [状態ポーリング実施ノード数]) + ([1FDDIリングの状態ポーリング間隔] × [状態ポーリング実施リング数])} × [処理効率] ÷ 60 処理効率 : Network Assistでは内部的にスレッド(並列)処理を使用しており、その処理効率は50%程度となります。
1ノードの状態ポーリング間隔
1ノードあたりの状態ポーリング間隔の算出式は以下のとおりです。
1ノードあたりの状態ポーリング間隔[秒] = [状態監視MIB数] × [1MIB当たりの採取時間] ・状態監視MIB数 = 40 + (30 × インタフェース数) ・1MIB当たりの採取時間 = 0.125[秒](最大負荷平均)
1FDDIリングの状態ポーリング間隔
1FDDIリングあたりの状態ポーリング間隔の算出式は以下のとおりです。
1FDDIリングあたりの状態ポーリング間隔[秒] = [状態情報MIB数] × [1MIB当たりの採取時間] ・状態監視MIB数 = [ProxySMT情報MIB数] + [リング構成情報MIB数] ・ProxySMT情報MIB数 = 10 + (2 × [ProxySMT装置に実装されているインタフェース数]) ・リング構成情報MIB数 = 36 × [FDDIリング内ノード数] ・1MIB当たりの採取時間 = 0.125[秒](最大負荷平均)
統計ポーリング間隔
統計ポーリング間隔の算出式は以下のとおりです。
統計ポーリング間隔[分] = {([1ノードの統計ポーリング間隔] × [統計ポーリング実施ノード数]) + ([1FDDIリングの統計ポーリング間隔] × [統計ポーリング実施リング数])} × [処理効率] ÷ 60 処理効率 : Network Assistでは内部的にスレッド(並列)処理を使用しており、その処理効率は50%程度となります。
1ノードの統計ポーリング間隔
1ノードあたりの統計ポーリング間隔の算出式は以下のとおりです。
1ノードあたりの統計ポーリング間隔[秒] = [統計監視MIB数] × [1MIB当たりの採取時間] ・統計情報MIB数 = 指定した統計MIB個数 × インタフェース数 ・1MIB当たりの採取時間 = 0.125[秒](最大負荷平均)
1FDDIリングの統計ポーリング間隔
1FDDIリングあたりの統計ポーリング間隔の算出式は以下のとおりです。
1FDDIリングあたりの統計ポーリング間隔[秒] = [統計情報MIB数] × [1MIB当たりの採取時間] ・統計情報MIB数 = [指定した統計MIB個数] × [FDDIリング内ノード数] ・1MIB当たりの採取時間 = 0.125[秒](最大負荷平均)
例
ポーリング間隔見積もりの例
状態ポーリング
1ノードの状態ポーリング間隔算出
(インタフェース数 = 10個の場合)
{40 + (30 × 10[インタフェース])} × 0.125[秒] = 42.5[秒]
1FDDIリングの状態ポーリング間隔算出
(ProxySMT装置に実装されているインタフェース数 = 10、FDDIリング内ノード数 = 10台の場合)
{10 + (2 × 10[インタフェース]) + (36 × 10[台])} × 0.125[秒] = 48.75[秒]
状態ポーリング間隔算出
(状態ポーリング実施ノード数 = 50台、状態ポーリング実施FDDIリング数 = 2、インタフェース数 = 各10の場合)
{(1ノードの状態ポーリング間隔 42.5[秒] × 50[台]) + (1FDDIリングの状態ポーリング間隔 48.75[秒] × 2)} × 0.50 = 1111.25[秒] = 19[分]
統計ポーリング
1ノードの統計ポーリング間隔算出
(インタフェース数 = 10、指定した統計MIB個数 = 5個の場合)
{(5[個] × 10[インタフェース])} × 0.125[秒] = 6.25[秒]
1FDDIリングの統計ポーリング間隔算出
(FDDIリング内ノード数 = 10台、指定した統計MIB個数 = 5の場合)
{(5[個] × 10[台])} × 0.125[秒] = 6.25[秒]
統計ポーリング間隔算出
(統計ポーリング実施ノード数 = 50台、統計ポーリング実施FDDIリング数 = 2、FDDIリング内ノード数 = 各10台、インタフェース数 = 各10の場合)
{(1ノードの統計ポーリング間隔 6.25[秒] × 50[台]) + (1FDDIリングの統計ポーリング間隔 6.25[秒] × 2)} × 0.50 = 162.5[秒] = 3[分]
HTTPを使用する場合
ONA状態ポーリング間隔
通常動作でのONA状態ポーリング所要時間の算出式は以下のとおりです。
ONA状態ポーリング所要時間[秒] =(状態データ取得時間 + 性能データ取得時間) × [2(処理効率)] ・状態データ取得時間 = 1秒 ・性能データ取得時間 = 1秒 ・処理効率 : Network Assistでは内部的にスレッド処理を使用しており、その処理効率は50%程度となります。
通信異常発生状態でのONA状態ポーリング所要時間の算出式は以下のとおりです。
ONA状態ポーリング所要時間[秒] = (ONAタイムアウト時間) ・ONAタイムアウト時間 = タイムアウト時間×リトライアウト回数 ・タイムアウト時間 = 保守マネージャ 自動情報収集タイマー(ONA)のタイムアウト ・リトライアウト回数 = 保守マネージャ 自動情報収集タイマー(ONA)のリトライアウト
ONA統計ポーリング間隔
通常動作でのONA統計ポーリング所要時間の算出式は以下のとおりです。
ONAの統計情報は3種類のまとまったデータで取得するため採取データ数にはあまり左右されません。
ONA統計ポーリング所要時間[秒] = (統計データ取得時間 × 3) × [2(処理効率)] ・統計データ取得時間 = 1秒 ・処理効率 : Network Assistでは内部的にスレッド処理を使用しており、その処理効率は50%程度となります。
通信異常発生状態でのONA統計ポーリング所要時間の算出式は以下のとおりです。
ONA統計ポーリング所要時間[秒] = (ONAタイムアウト時間) ・ONAタイムアウト時間 = タイムアウト時間×リトライアウト回数 ・タイムアウト時間 = 保守マネージャ 自動情報収集タイマー(ONA)のタイムアウト ・リトライアウト回数 = 保守マネージャ 自動情報収集タイマー(ONA)のリトライアウト
例
ONAポーリング所要時間の見積りの例
すべての登録ONAの通信が正常な場合のポーリング所要時間の算出例を以下に示します。ただし、ポーリングは設定に従った定期タイマーにより開始されるので所要時間分ずれるようなことはありません。
ONA状態ポーリング
ONA 1台の所要時間の算出
(1[秒] + 1[秒]) × 2 = 4[秒]
ONA状態ポーリング所要時間の算出
状態ポーリングは5台同時にスレッド処理されます。
(ONA 50台の場合)
4[秒] × 50[台] ÷ 5 = 40[秒]
ONA統計ポーリング
ONA 1台の所要時間の算出
(1[秒] × 3) × 2 = 6[秒]
ONA統計ポーリング所要時間の算出
状態ポーリングは5台同時にスレッド処理されます。
(ONA 50台の場合)
6[秒] × 50[台] ÷ 5 = 60[秒]
例
ONAポーリング間隔の見積りの例
通信異常でのONAタイムアウト時間とノード数から適切なポーリング時間を見積もります。見積もったONAポーリング間隔は監視ポリシーで設定します。
ONA状態ポーリング
タイムアウト時間の算出
(タイムアウト時間 5秒、リトライアウト回数 3回 の場合)
5[秒] × 3[回] = 15[秒]
ONA状態ポーリング間隔の算出
状態ポーリングは5台同時にスレッド処理されます。
(ONA 50台の場合)
15[秒] × 50[台] ÷ 5 = 150[秒]
上記の場合、3分より短いポーリング時間を設定すべきではありません。
ONA統計ポーリング
タイムアウト時間の算出
(タイムアウト時間 5秒、リトライアウト回数 3回 の場合)
5[秒] × 3[回] = 15[秒]
ONA統計ポーリング間隔の算出
統計ポーリングは5台同時にスレッド処理されます。
(ONA 50台の場合)
15[秒] × 50[台] ÷ 5 = 150[秒]
上記の場合、3分より短いポーリング時間を設定すべきではありません。
注意
ONA以外のGS/PRIMEFORCEネットワークアダプターについては、ルータ(SNMP)で見積もってください。
ディレイ監視
ディレイ監視は装置側に蓄積されたデータをポーリングでまとめて収集します。したがって、装置側で蓄積可能な時間内でポーリングできるように設定すべきです。監視台数が多い場合は、装置側の蓄積サイクルを変更して調整します。
装置側で蓄積可能な時間は以下のように算出します。
polling interval[秒] × 10 × 128
デフォルトの1秒インターバルでは蓄積可能時間は以下のとおりです。
1[秒] × 10 × 128 = 1280秒(約21.3分)
この場合はNetwork Assistのポーリング設定は最も長くて20分までとすべきです。ただし、ポーリング設定を長くすると異常を検出するまでの時間が遅くなります。
ディレイ監視はSNMP監視やHTTP監視とは独立です。
通信異常発生状態でのディレイ監視所要時間の算出式は以下のとおりです。
ディレイ監視所要時間[秒] = (ディレイ監視タイムアウト時間) ・ディレイ監視タイムアウト時間 = タイムアウト時間×リトライアウト回数 ・タイムアウト時間 = 保守マネージャ 自動情報収集タイマーのタイムアウト ・リトライアウト回数 = 保守マネージャ 自動情報収集タイマーのリトライアウト
ディレイ監視は同時に5スレッド動作しますので、ポーリング間隔で指定できる最短時間は以下のように算出します。
(監視台数 10台の場合, タイムアウト 7秒, リトライアウト 3回の場合)
(7[秒] × 3[回]) × 10[台] ÷ 5 = 42秒
上記の場合、ポーリング間隔は1分に設定してください。
稼働監視
稼働監視の状態ポーリング間隔
状態ポーリング間隔の算出式は以下のとおりです。
状態ポーリング間隔[分] = ([1インターフェースIPの状態ポーリング間隔] × [監視インターフェース数]) ÷ 60
1インターフェースIPの状態ポーリング間隔
1インターフェースIPあたりの状態ポーリング間隔の算出式は以下のとおりです。
1インターフェースIPの状態ポーリング間隔[秒] = [1pingコマンド当たりの応答時間] ・1pingコマンド当たりの応答時間 = 0.125[秒](最大負荷平均)
注意
稼働監視で常時停止しているノードを登録すると、上記応答時間の平均値は増加します。