ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.3 - Microsoft(R) Windows(R) 2000 -,- Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 -, - Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 -
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第8章 レプリケーション運用> 8.2 運用設計

8.2.3 SnapOPC/SnapOPC+運用を行う場合の設計時の注意事項

8.2.3.1 セッション設定に関する注意事項 

SnapOPC/SnapOPC+のコピー先ディスクであるSnap Data Volumeに対して、設定可能なセッションは1つです。

[図:Snap Data Volumeに対してセッションを1つ設定した場合]

そのため、以下の図のように1つのSnap Data Volumeに対して複数のセッションを設定することはできません。

[図:Snap Data Volumeに対して複数のセッションを設定した場合]

また、以下の制限があります。

[図: Snap Data Volumeから複製元以外のディスクに対してコピーした場合]

8.2.3.2 Snap Data Volume作成 

Snap Data Volumeの作成は以下の手順で行います。

  1. Snap Data Volumeの物理容量の算出

  2. Snap Data Volumeの定義と初期化

  3. ホストへの接続

  4. パーティション作成、ファイルシステム作成

■Snap Data Volumeの物理容量の算出

Snap Data Volumeの物理容量の見積り式を以下に示します。

物理容量=(複製元ボリュームに対して発生する更新ブロック数)×(安全係数)

正確にはSnapOPC/SnapOPC+前にSnap Data Volumeに対して更新されたブロック数およびハードウェアが使用する管理領域(論理容量の0.1%程度)についても考慮する必要がありますが、安全係数を大きくすることでカバーできます。

複製元ボリュームに対して発生した更新ブロック数の見積りは更新量測定コマンド(swstestupdate)で測定することができます。

測定は以下の手順で行います。

  1. 複製元ボリュームに対して、擬似セッションを設定することにより、更新量の測定を開始します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate start g1d1p1
    g1d1p1 swstestupdate completed
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>

  2. 業務を開始します。業務によって発生した更新ブロックがハードウェア上に記録されます。

  3. 測定期間が経過した後、更新ブロック数を確認します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate status g1d1p1
    Volume-Name Update
    g1d1p1      644333
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>

  4. 測定完了後、擬似セッションを解除します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate stop g1d1p1
    g1d1p1 swstestupdate completed
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>

■Snap Data Volumeの定義と初期化

ETERNUSmgrを使用して、Snap Data Volumeの定義と初期化を行います。その際、論理容量は複製元ディスクの容量と同一に設定します(複製元ディスクと複製先ディスクのパーティション構成を同一にするため)。

■ホストへの接続

作成したSnap Data Volumeをホストに接続します。手順については、ETERNUS ディスクアレイのマニュアルを参照してください。

■パーティション作成、ドライブ文字の割り当て

Snap Data Volumeに複製先ボリュームを作成するため、パーティションの作成とドライブ文字の割り当てを行います。

Snap Data Volumeの物理容量を無駄に消費することを避けるため、パーティションの作成とドライブ文字の割り当てのみを行い、ファイルシステムの作成は行わないようにしてください。

8.2.3.3 Snap Data Poolの作成 

ETERNUSmgrを使用してSnap Data Poolを作成します。

Snap Data Poolの作成には、以下の点に注意してください。

8.2.3.4 Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの監視 

Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足が発生した場合、コピー先のボリューム(Snap Data Volume)へはアクセスが一切できなくなります。(コピー先データの読み出し、コピー先へのデータの書き込みが一切できない状態になります。)SnapOPC+の場合、読み書きができなくなったコピー先だけではなく、それ以前の世代のコピー先の読み書きもできなくなります。

このため、運用時はSnap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足が発生しないように監視する必要があります。

なお、Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足が発生した場合は、「Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足が発生した場合の対処方法」を参照してください。

アクセスパスの作成

Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足が発生した場合、コピー先のボリューム(Snap Data Volume)へのアクセスが一切できなくなります。

また、Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足以外でも、次のような場合は、Snap Data Volumeへのアクセスができなくなります。

このため、事前に、Snap Data Volumeとは別のボリューム(アクセスパス)を準備しておくことを推奨します。

アクセスパスとして利用するボリュームは、Snap Data Volumeと同じETERNUS ディスクアレイ上に作成します。データの格納に使用しないため、容量は少なくても問題ありません。任意のサイズで作成してください。

アクセスパスにより、以下の操作が可能となります。

8.2.3.5 クラスタ運用 

Snap Data Volumeをクラスタの共用ディスクにしないでください。物理容量不足が発生した際に、クラスタシステムがフェイルオーバする危険性を回避するためです。

クラスタ運用の場合は、以下のいずれかの方法によってSnap Data Volumeを共用ディスクにしない必要があります。

  1. Snap Data Volumeをクラスタシステムの全ノードから参照できるようにします

  2. クラスタシステムと非クラスタシステムのサーバ間レプリケーション運用にします


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