Interstage Portalworks 管理者ガイド
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付録B 参考情報> B.6 負荷分散運用について

B.6.1 負荷分散運用の設定

ここでは、負荷分散運用の設定手順を説明します。

負荷分散運用には、マルチワークユニット構成とマルチサーバ構成があります。
以下に、それぞれの構成にするための手順と設定方法を説明します。

■マルチワークユニット構成にする場合

マルチワークユニット構成にする場合は、Portalworksおよびすべての関連製品をインストールし、環境設定を行ったあとで、ワークユニットの追加を行います。

◆ワークユニットの追加手順

ワークユニットを追加するには、以下の操作を行います。

操作

  1. Portalworksの停止
    Interstage管理コンソールから動作しているPortalworksのワークユニットをすべて停止します。
  2. InterstageのWebサーバとApplicationサーバの分離
    Interstage管理コンソールから、WebサーバとApplicationサーバを分離する設定を行います。Interstage管理コンソールから、[システム] > [環境設定]画面を表示させて、[詳細設定] > [Servletサービス詳細設定]内の[Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する]の項目で、「運用しない」を選択し、[適用]ボタンをクリックします。
  3. マスタワークユニットのパラメータ設定
    初めてワークユニットを追加する場合は、マスタワークユニットのパラメータ設定を行う必要があります。
    Interstage管理コンソールから、マスタワークユニット(PortalServer)の環境設定画面を開きます。
    [Webサーバコネクタ(コネクタ)設定] > [要求を受け付けるWebサーバのIPアドレス]に、ループバックIPアドレス(127.0.0.1)と、グローバルIPアドレス(サーバのIPアドレス)を登録し、[適用]ボタンをクリックします。
    【記述例】

    127.0.0.1
    10.10.10.100


  4. ワークユニット数制御コマンドの実行
    ワークユニット数制御コマンドを、以下のように増加(add) オプションで実行します。1回の実行で、ワークユニットが1つ追加されます。
  5. Java実行環境のパラメータの設定
    追加されたワークユニットのJava実行環境のパラメータを、Interstage管理コンソールから設定します。
    設定方法と設定内容の詳細については、“Portalworksセットアップガイド”の“Java実行環境のパラメータ設定”を参照してください。
  6. Webサーバコネクタへのワークユニットの登録
    Interstage管理コンソールから、追加したワークユニットのアクセス先をWebサーバコネクタに登録します。
    Interstage管理コンソールから、[システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [FJapache] >[Webサーバコネクタ] > [PortalServer] > [環境設定] 画面を表示させて、[簡易設定]内の[ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号]の項目に、追加したワークユニットのアクセス先を登録します。
    【記述例】

    127.0.0.1:9001 PortalServer_001
    127.0.0.1:9002 ←行を追加する

    追加した行の右側には、設定適用後、自動的にセッション識別子が付与されます。
    適用後は、以下の状態になります。

    127.0.0.1:9001 PortalServer_001
    127.0.0.1:9002 PortalServer_002

    また、[Webアプリケーション名]の項目に、「pwadmin」が存在する場合は削除してください。
    削除することで、以下の設定値になります。

    wscontrol
    webcontrol
    portalworks
    s2kcontrol

    設定が完了したら、[適用]ボタンをクリックします。

  7. Webサーバコネクタへ管理画面用のアクセス先を登録
    Interstage管理コンソールから、管理画面用のアクセス先(/pwadmin)をWebサーバコネクタへ登録します。
    Interstage管理コンソールから、[システム] > [サービス] > [Webサーバ]> [FJapache] > [Webサーバコネクタ]画面を表示させて、「PortalAdmin」という名前のWebサーバコネクタがあるかを確認します。この名前が一覧にない場合は、同画面で新規作成を選択して、「PortalAdmin」という名前のWebサーバコネクタを新規に作成します。
    ワークユニットの項目には、「PortalAdmin」 を入力します。PortalAdmin の[ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号]の項目には、マスタワークユニット「PortalServer」の環境設定で追加したグローバルIPアドレスと、マスタワークユニットの[環境設定] > [Servletコンテナ設定] > [ポート番号]の設定内容を複写します。
    【記述例】

    10.10.10.100:9001

    追加した行の右側には、設定適用後、自動的にセッション識別子が付与されます。
    適用後は、以下の状態になります。

    10.10.10.100:9001 PortalAdmin_001

    また、[Webアプリケーション名]の項目に、「pwadmin」が存在しない場合は追加してください。
    追加することで、以下の設定値になります。

    pwadmin

    設定が完了したら、[作成]ボタンをクリックします。

  8. ワークユニット起動の確認
    Portalworksのワークユニットの起動を1つずつ確認します。
    Interstage管理コンソールから、「PortalServer」*「PortalServer1」*「PortalServer2」の順に、起動*確認*停止の作業を行い、ワークユニットが正しく起動することを確認します。
  9. 負荷分散用サービス定義情報設定簡易化ツールにより、環境情報を1つのファイルに集約します。
  10. 負荷分散用サービス定義情報設定簡易化ツールにより、集約されたファイルから環境情報を取得し、復元します。
  11. Portalworksの起動
    Interstage管理コンソールから、Portalworksのワークユニットをすべて起動します。

  • 各ワークユニットの環境設定で、[Webサーバコネクタ(コネクタ)設定]内の[コネクタとServletコンテナ間のSSLの使用]には、「使用しない」を必ず指定してください。
  • 本手順に従ってPortalworksをマルチワークユニット構成に変更すると、Webサーバとワークユニットが分離されます。これ以降、新たにPortalworks以外のワークユニットを作成する場合、WebサーバコネクタとServletコンテナ間の通信に関する設定を、Webサーバとワークユニットに対してそれぞれで行う必要があります。または、「ワークユニットの削除手順」に従ってPortalworksのワークユニットを1つに戻してから、Portalworks以外のワークユニットを追加し、再度、Portalworksのマルチワークユニット構成の設定を行ってください。

 


追加されるワークユニットは、ワークユニット「PortalServer」のサブワークユニット「PortalServer1」、「PortalServer2」として定義されます。

◆ワークユニットの削除手順

マルチサーバ構成の負荷分散運用に変更するなどの理由により、追加したワークユニットを削除するには、以下の操作を行います。

操作

  1. Portalworksの停止
    Interstage管理コンソールから動作しているPortalworksのワークユニットをすべて停止します。
  2. ワークユニット数制御コマンドの実行
    ワークユニット数制御コマンドを 以下のように削除(del) オプションで実行します。
    1回のコマンド実行で、PortalServer2 → PortalServer1 の順に、ワークユニットが1つ削除されます。
  3. Webサーバコネクタからのワークユニットの削除
    Interstage管理コンソールから、削除するワークユニットのアクセス先をWebサーバコネクタから削除します。
    Interstage管理コンソールから、[システム] > [サービス] > [Webサーバ]> [FJapache] > [Webサーバコネクタ] > [PortalServer] > [環境設定] 画面を表示させて、[簡易設定]内の[ServletコンテナのIPアドレス:ポート番号]の項目から、ワークユニット数制御コマンドで削除したワークユニットのアクセス先を削除し、[適用]ボタンをクリックします。
    【記述例】3ワークユニットから2ワークユニットに変更する場合

    127.0.0.1:9001 PortalServer_001
    127.0.0.1:9002 PortalServer_002
    127.0.0.1:9003 PortalServer_003 ←行を削除

    【記述例】2ワークユニットから1ワークユニットに変更する場合

    127.0.0.1:9001 PortalServer_001
    127.0.0.1:9002 PortalServer_002 ←行を削除

  4. InterstageのWebサーバとApplicationサーバの分離を元に戻す
    マルチワークユニット構成をやめ、ワークユニットを1つにする場合は、InterstageのWebサーバとApplicationサーバの分離設定を元に戻します。Interstage管理コンソールから、[システム] > [環境設定]画面を表示させて、[詳細設定] > [Servletサービス詳細設定]内の[Webサーバとワークユニットを同一のマシンで運用する]の項目で、「運用する」を選択し、[適用]ボタンをクリックします。
  5. Portalworksの起動
    Interstage管理コンソールから、Portalworksのワークユニットをすべて起動します。

◆運用管理コンソールからの設定変更

マルチワークユニット構成時に、運用管理コンソールから設定情報を変更する場合は、変更内容によってワークユニットの再起動や負荷分散用サービス定義情報設定簡易化ツールの実行などが必要になります。
以下の表は、変更する設定情報に必要な作業をレベル付けしたものです。
運用管理者は、変更内容に対応するレベルの設定手順に従って、作業を行ってください。
なお、複数の内容を同時に変更する場合は、個々のレベルの設定手順を行うのではなく、最もレベルの高い設定手順に従って、作業を行ってください。
例えば、「Proxyサーバ」の設定変更と「HTTPS設定」の設定変更を同時に行う場合は、レベル2の設定手順に従ってください。

運用管理コンソール機能

レベル1

レベル2

レベル3

システム全般

状態監視

 

 

アクセス制御

 

 

Proxyサーバ

 

 

自サーバ

 

 

認証サーバの設定

 

 

ログオンポリシー

 

 

HTTPS設定

 

 

言語設定

 

 

画面カスタマイズ
(拡張ログオンページ)

 

 

画面カスタマイズ
(ポータルページ)

 

 

コンテンツカスタマイズ
関連付け管理

 

 

簡易SSO設定

 

 

ログオフURL

 

 

利用者情報

利用者情報作成

 

 

利用者情報 参照削除

 

 

利用者情報変更

 

 

ログオン中の利用者一覧表示

表示のみ

利用者アカウントロック解除

 

 

利用者情報関連付け

 

 

カスタムフィールド

 

 

サービス

別名登録

 

 

別名 変更/参照/削除

 

 

シナリオ登録

 

 

シナリオ 変更/参照/削除

 

 

USP一覧

 

 

USP追加

 

 

USP 変更/参照/削除

 

 

Portletアプリケーション登録

 

 

Portletアプリケーション
変更/参照/削除

 

 

ブリックの設定

 

 

ロール

登録/変更/削除
(画面構成のカスタマイズ以外)

 

 

登録/変更/削除
(画面構成のカスタマイズ)

 

 

グルーピング
(パネルタブの変更以外)

 

 

グルーピング
(パネルタブの変更)

 

 

ログ

アクセスログ

 

 

実行ログ

 

 

レベル1の設定手順

  1. 運用管理コンソールからの設定変更
    通常の手順に従って、運用管理コンソールから設定を変更してください。


    通常の手順でサーブレットの再起動が必要な場合は、「PortalServer」の再起動だけでなく、「PortalServer1」、「PortalServer2」についても再起動してください。

レベル2の設定手順

  1. サブワークユニットの停止
    Interstage管理コンソールから、動作しているPortalworksのすべてのサブワークユニットを停止します。
  2. 運用管理コンソールからの設定変更
    運用管理コンソールから、変更したい設定を行ってください。


    通常の手順でサーブレットの再起動が必要な場合は、「PortalServer」の再起動を行ってください。


  3. サブワークユニットの起動
    Interstage管理コンソールから、Portalworksのすべてのサブワークユニットを起動します。

レベル3の設定手順

  1. サブワークユニットの停止
    Interstage管理コンソールから、動作しているPortalworksのすべてのサブワークユニットを停止します。
  2. 運用管理コンソールからの設定変更
    運用管理コンソールから、変更したい設定を行ってください。
  3. マスタワークユニットの停止
    Interstage管理コンソールから、動作しているPortalworksのマスタワークユニットを停止します。
  4. 負荷分散用サービス定義情報設定簡易化ツールにより、環境情報を1つのファイルに集約します。
  5. 負荷分散用サービス定義情報設定簡易化ツールにより、集約されたファイルから環境情報を取得し、復元します。
  6. すべてのワークユニットの起動
    Interstage管理コンソールから、Portalworksのすべてのワークユニットを起動します。

ワークユニットを停止すると、接続していたユーザのセッションは切断されます。

■マルチサーバ構成にする場合

マルチサーバ構成にする場合は、まず始めにPortalworksおよびすべての関連製品がインストールされた1台目のサーバ(マスタサーバ)に対して環境設定を行い、そしてDB格納ツールを使用してマスタサーバの設定情報を2台目以降のサーバに設定します。

◆マルチサーバ構成の環境作成手順

操作

  1. 1台目のサーバ(マスタサーバ)にPortalworksを通常どおりインストールします(仮にAサーバとします)。
    このとき、認証はLDAP、リポジトリはRDB を使用することとし、設定を行う。
  2. 起動し、動作の確認を行います。
  3. 別のサーバに Portalworksを"負荷分散を意識した2台目以降のインストール"のモードでインストールを行います(仮にBサーバとします)。
    インストール先のフォルダはAサーバと同等とします。
  4. インストールするPortalworksサーバ分“2”を繰り返します。
  5. Aサーバでロールやサービスの設定を行います。
  6. Aサーバの負荷分散用サービス定義情報設定簡易化ツールにより、環境情報を1つのファイルに集約します。
  7. Bサーバの負荷分散用サービス定義情報設定簡易化ツールにより、集約されたファイルから環境情報を取得し、復元します。
  8. Bサーバを起動します。


マルチサーバ構成における各Portalworksサーバは、Interstageシングル・サインオンの利用、または同一のLDAPシステム、RDBシステムにアクセスする形態となります。

 

  • Traffic Directorの設定については、“Interstage Traffic Director オンラインマニュアル”を参照してください。
  • LDAPサーバの設定は通常の設定と変わりません。
  • RDBの設定は通常の設定と変わりません。

◆マルチサーバ構成における設定操作


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