あらかじめジョブ定義変数を使用したジョブを定義しておき、ジョブが実行される時点でジョブ定義変数の値を一括置換することができます。ジョブ定義のパス環境など、簡単に一括置換できるため、運用環境が異なるシステム間での資産移行をスムーズに行うことができます。
ジョブ定義変数“@変数名@”とジョブ定義変数の値を設定し、ジョブ定義変数を利用したジョブの定義を行っておきます。ジョブ定義内にあるジョブ定義変数“@変数名@”は、ジョブが実行される時点で設定されているジョブ定義変数の値に置換されます。
ジョブ定義変数の追加/変更/削除は、システム管理者(Windows版の場合は、Administratorsグループ所属ユーザ、UNIX版の場合は、スーパーユーザ)だけが行うことができます。
なお、ジョブネットの実行中にジョブ定義変数を変更した場合、ジョブネットの途中から変更されたジョブ定義変数の値で動作する可能性があります。ジョブ定義変数の変更は、ジョブネットが動作していないときに行ってください。
操作手順
[ジョブ定義変数]ウィンドウの表示
[業務選択]ウィンドウでジョブスケジューラを選択し、以下のいずれかの操作によって、[ジョブ定義変数]ウィンドウを表示します。
[ファイル]メニューの[ジョブ定義変数]を選択します。
右クリックで表示されるポップアップメニューから[ジョブ定義変数]を選択します。
[ジョブ定義変数の設定]ウィンドウの表示
[ジョブ定義変数]ウィンドウの[追加]ボタンをクリックし、[ジョブ定義変数の設定]ウィンドウを表示します。
図4.44 [ジョブ定義変数]ウィンドウ
設定されているジョブ定義変数の一覧が表示されます。
ジョブ定義変数とジョブ定義変数の値の設定
ジョブ定義変数名(“@変数名@”の変数名部分)とジョブ定義変数の値を設定し、[OK]ボタンをクリックします。
図4.45 [ジョブ定義変数の設定]ウィンドウ
ジョブ定義変数名を指定します。
ジョブ定義変数の値を指定します。
ジョブ情報の定義
[登録-ジョブ]ウィンドウの[基本情報]シートまたは[詳細情報]シートでジョブ定義変数を使用する項目に“@変数名@”を指定し、ジョブ情報を設定します。(または、jobschsetnetコマンドを利用して定義します。)
ジョブ定義変数(@変数名@)について
ジョブ定義変数は“@変数名@”の形式で記述します。
ジョブ定義変数“@変数名@”は、以下の項目で利用できます。なお、変数を指定する項目の上限値はありません。複数の項目に指定することも、1項目内に変数を複数指定することも可能です。
[基本情報]シート
コマンド
パラメタ
ディレクトリ
依頼ホスト名
キュー名
[詳細情報]シート
実行ユーザ名
標準出力ファイル名
標準エラー出力ファイル名
以下の属性のジョブおよびバッチフレームワークジョブでは、変数を使用できません。
Interstage属性
PowerAIM属性
旧バージョン互換(旧・標準)属性
また、以下のジョブについては、[基本情報]シートの項目に対して変数を使用できません。
グローバルサーバMSPジョブ
グローバルサーバXSPジョブ
[ジョブ定義変数]ウィンドウで設定されていないジョブ定義変数形式の文字列“@変数名@”については、通常の文字列として扱われます。
ジョブ定義変数値について
[ジョブ定義変数]ウィンドウのジョブ定義変数の値に別のジョブ定義変数“@変数名@”や可変パラメタの文字列“@.VPARAM@”が存在していた場合、これらはジョブ定義変数や可変パラメタの変数として扱われません。通常の文字列として扱われます。例えば、ジョブ定義変数「a」の値が「aa @b@ cc」、ジョブ定義変数「b」の値が「dd」だった場合、「@a@」の置き換え結果は「aa @b@ cc」になります。
ジョブ定義変数の値には、起動するジョブネットのジョブ定義中にあるジョブ定義変数“@変数名@”が置き換えられたときに、その定義項目の使用不可文字が使われたり、文字列長の上限値を超えることがないようにしてください。置き換えの結果、ジョブの定義が不正になった場合には、ジョブは実行されず異常終了となります。