通常の運用では、ジョブネットやジョブの定義情報と、スケジュール情報はシステム(サブシステム)ごとに1つのデータベースで管理されています。スケジュール情報は、運用日が変わるごとに更新されます。
Systemwalker Operation Manager スケジュール分散機能(以降、スケジュール分散機能と呼びます)を有効にすることにより、ジョブネットやジョブの定義情報とスケジュール情報は、システム(サブシステム)ごとに1つ、マスタ情報として管理されます。スケジュール情報は、マスタ情報を基に運用日ごとに分散して作成されます。
通常の運用
スケジュール分散機能を有効にした運用
Systemwalker Operation Manager スケジュール分散機能を有効にすることにより、以下の運用が可能になります。
運用日管理スケジュール
スケジュール情報を運用日単位で持つことができます。過去のスケジュール情報、当日のスケジュール情報、未来のスケジュール情報が、日付ごとに管理できます。
スケジュール情報の配付【UNIX版】
スケジュール情報を、5台までのスケジュールサーバに配付して利用できます。ジョブネットやジョブの定義情報は管理サーバに格納しておき、スケジュールサーバに格納されたスケジュールで、分散してジョブを実行できます。
運用変更
業務内容の大幅な変更など、ジョブネットやジョブの情報が大幅に変更されるような場合、あらかじめ変更後の定義情報やスケジュール情報を登録できます。リリース日が到来したら、それまで利用していたマスタ情報が、新しいマスタ情報に自動で置き換わり、新しい定義情報やスケジュール情報でジョブネットやジョブが実行されます。
持ち越しジョブネット
ジョブネットを運用日ごとに管理します。運用日をまたがるジョブネット(持ち越しジョブネットと呼びます)は、どの運用日のジョブネットか、どの状態で運用日をまたいだかなどの情報を持ち、ユーザが運用日をまたがるジョブネットの扱いを指定したり、対処したりできます。そのため、運用日を意識した業務の制御が可能です。
スケジュールの監視/操作
運用日単位で管理されている、スケジュール情報の状況を、ウィンドウから監視でき、スケジュールに関する操作ができます。また、運用日をまたがるジョブネットについても、ウィンドウからの監視、操作が可能です。
スケジュール分散機能を有効にした場合の運用形態を、以下に分けて説明します。
複数のサーバで運用する形態
1台のサーバで運用する形態
複数のサーバで運用する形態【UNIX版】
管理サーバに定義情報を格納し、スケジュールサーバにスケジュール情報を配付する形態です。スケジュール情報は、5台までに配付可能です。
1台のサーバで運用する形態
1台のサーバで管理サーバもスケジュールサーバも兼ねる形態です。
ポイント
スケジュール分散機能を利用する目安について
ジョブやジョブネットが実行された運用日のうちに終了し、次の運用日にまたがって実行されることが少ない場合は、通常の運用をお薦めします。
以下のような場合に、スケジュール分散機能の利用をお薦めします。
大量のジョブやジョブネットが存在してその運用日のうちに他の業務の実行が阻害されてしまうような場合
運用日のうちに起動条件が整わないジョブネットや、長時間実行するジョブネットが存在し、運用日のうちに完了しないことが多い場合
運用日のうちに完了しないジョブネットが存在したときに、翌日のスケジュールを制御したい場合
1サブシステムでのジョブネット/ジョブの処理数は、2000ジョブネット/2万ジョブ、1サーバ当たり、1万ジョブネット/10万ジョブを目安として、それを越える場合には、スケジュール分散機能でスケジュールサーバを分散することでシステム全体としての性能は向上します。
ただし、動作環境や運用要件により、処理数は変動します。大量のジョブネットやジョブを扱う場合には、“Systemwalker Operation Manager 使用手引書”の“性能のチューニングについて”を参照し、運用設計時に十分な検証を実施してください。
複数のZoneで運用する形態
Solaris 10でサポートされるZone機能を利用して、Global Zoneに定義情報を格納し、Non-global Zoneにスケジュール情報を配付する形態です。
スケジュール分散機能の運用方法は、“Systemwalker Operation Manager スケジュール分散機能説明書”を参照してください。