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Systemwalker Operation Manager  リファレンスマニュアル

15.3.3 file文

記述形式

【Windows版】

file{[ファイル名],ac(アクセス名)|* ,ac(アクセス名),dlm(区切り文字)}
         [,prt({プリンタ名|* })
        [,prtform([fontname=フォント名] [,fontsize=フォントサイズ]
                   [,orient={port|land}][,form=用紙サイズ])]]

【UNIX版】

file{[ファイル名],ac(アクセス名)|*,ac(アクセス名),dlm(区切り文字)}
     [,prt({プリンタ名|*})]

機能説明

該当ステップで実行されるプログラムが使用するファイルを指定します。

prtオペランドを指定すると印刷を行うことができます。

オペランド

[ファイル名],ac(アクセス名)

ファイル名

実行プログラムまたはバッチファイル【Windows版】/シェルスクリプト【UNIX版】で使用する入力ファイル/出力ファイルのファイル名を指定します。

指定したファイル名は、アクセス名と同名の環境変数に設定されます。ファイル名の一部に他の環境変数“%文字列%”【Windows版】/“$文字列”【UNIX版】が記述されていても置き換わりません。exec制御文に指定した実行プログラムまたはバッチファイル【Windows版】/シェルスクリプト【UNIX版】は、環境変数からファイル名を取得できます。

本オペランドは、prtオペランドを指定した場合のみ省略できます。

本オペランドを省略した場合、ジョブ実行制御は、作業用一時ファイルを生成します。作業用一時ファイルには、システムで一意なファイル名が設定されます。なお、この作業用一時ファイルは、ファイル内容がプリンタに出力された後、ジョブがキューから削除される時に削除されます。

ac(アクセス名)

任意のアクセス名を指定します。アクセス名は、最大64バイトまで指定できます。

ネットワークジョブを投入する場合は、前述の“ファイル名”にネットワークジョブを制御するコマンド列を格納したファイル名を指定し、アクセス名として“mjsin”を指定します。

ネットワークジョブを投入するジョブステップの構成については、“図15.1 ネットワークジョブのジョブステップ構成”を参照してください。

*,ac(アクセス名),dlm(区切り文字)

*

“*”を指定した場合、本制御文の次の行から区切り文字が現れる直前の行までが、ジョブ実行制御によって生成される一時ファイルに保存されます。

“*”を指定した本制御文は、実行プログラムまたはバッチファイル【Windows版】/シェルスクリプト【UNIX版】が入力パラメタをファイルから取得する場合に使用します。

入力パラメタをJCL中に記述することができるため、入力パラメタを記述したファイルを別途作成する必要がありません。

dlm(区切り文字)

JCL中に展開するデータの終了行を意味する任意の文字列を指定します。本オペランドで指定した区切り文字列が現れる直前の行までが、ジョブ実行制御によって生成される一時ファイルに保存されます。

区切り文字は、行の先頭から指定してください。空白などの区切り文字以外から始まる行は、データの最終行として扱われません。

区切り文字は、最大8バイトまでの英数字で指定します。英字の大文字と小文字は区別されます。

prt{プリンタ名|*}

ジョブの終了後、本制御文の第1引数に指定したファイルの内容をプリンタに出力します。ただし、出力できる内容は、テキストファイルのみです。

プリンタ名を指定した場合は、指定したプリンタへ出力されます。指定するプリンタ名は以下の条件を満たしている必要があります。

(*)を指定した場合は、jobstart文のprtオペランドで指定したプリンタに出力されます。

プリンタ名は本名の他にジョブ実行制御の[運用情報の定義]ウィンドウの[印刷形式]シートで定義した別名も指定することができます【Windows版】

prtform【Windows版】

印刷形式に関する属性を指定します。サブオペランドは必ず1つ以上指定してください。サブオペランドの指定値には、プリントマネージャで許されている値を指定します。

印刷形式に関する属性を指定した場合、以下のように印刷形式が決定されます。

本オペランドを省略した場合は、以下のように印刷形式が決定されます。

fontname=フォント名

フォント名を指定します。

本オペランドを省略した場合は、初期化パラメタ“prt”で指定したフォント名が有効となります。

fontsize=フォントサイズ

フォントサイズを指定します。単位は“ポイント”です。

本オペランドを省略した場合は、初期化パラメタ“prt”で指定したフォントサイズが有効となります。

orient={port|land}

印刷方向を指定します。縦に印刷する場合はport、横に印刷する場合はland を指定します。

本オペランドを省略した場合は、初期化パラメタ“prt”で指定した印刷方向が有効となります。

form=用紙サイズ

用紙サイズを指定します。

本オペランドを省略した場合は、初期化パラメタ“prt”で指定した用紙サイズが有効となります。

記述例

【Windows版】

以下の記述例では、ファイル“d:¥result¥data1”をアクセス名“out1”という名前で割り当て(ジョブプロセスからは、“out1”という名前の環境変数を参照することで、ファイル名を獲得することができます)、ジョブ終了後“prt1”に出力することを指定しています。また、出力属性として、フォント名は「system」、フォントサイズは「10ポイント」、印刷方向は「縦」を指定しています。

file d:¥result¥data1,ac(out1),prt(prt1),
prtform(fontname=system,fontsize=10,orient=port)

【UNIX版】

ファイル“/result/data1”をアクセス名“output1”という名前で割り当て(ジョブプロセスからは、“output1”という名前の環境変数を参照することで、ファイル名を獲得することができます)、ジョブ終了後“printer1”に出力することを指定する場合の記述例を以下に示します。

file /result/data1,ac(output1),prt(printer1)

また、上記の条件でファイル名を省略する場合は、以下のように記述します。

file ,ac(output1),prt(printer1)

  

ファイル名に“*”を指定することで、JCL中に任意のデータをインライン展開することを指定しています。インライン展開の終了を示す区切り文字列は“ZZZ”を使用している場合の記述例を以下に示します。

file *,ac(indata1),dlm(ZZZ)
・・・・
・・・・
・・・・
ZZZ

・・・・:  任意のデータ

15.3.3.1 connectコマンド

記述形式

connect host(ホスト名)

機能説明

connectコマンドは、ジョブの実行を依頼する他サーバとの回線を接続します。

オペランド

ホスト名

ジョブの実行を依頼する他サーバのホスト名を指定します。ホスト名は、ネットワークセットアップのTCP/IP構成で定義したホスト名です。

構成の変更を特に行っていない場合は、コンピュータ名を小文字に変換した文字列がホスト名です。【Windows版】

記述例

connect host(host1)

host1 :回線を接続する他サーバのホスト名

15.3.3.2 sendコマンド

記述形式

send アクセス名 [,file(送信先ファイル名) ]

機能説明

sendコマンドは、ジョブを投入したサーバ上のファイルを、connectコマンドで指定した他サーバに送信します。

オペランド

アクセス名

送信するファイルを指定したfile文のアクセス名を指定します。JCLに記述されていないアクセス名を指定した場合は、エラーとなり、ジョブは終了します。

file(送信先ファイル名)

送信先のファイル名をフルパスで指定します。本オペランドを指定すると指定された名前でファイルが作成され、ジョブの実行が終了した後もファイルは削除されません。

本オペランドを省略した場合は,一時ファイルとして送信され、ジョブからのアクセスは通常と同様(アクセス名と環境変数に一時ファイル名が設定される)に扱えます。ジョブの実行が終了すると一時ファイルは削除されます。

記述例

【Windows版】

アクセス名“data1”が定義されているfile文で指定されたファイルを、fileオペランドで指定した“d:¥userinfo¥data1”へ送信する場合の記述例を以下に示します。

send data1,file(d:¥userinfo¥data1)

【UNIX版】

アクセス名“data1”が定義されているfile文で指定されたファイルを、fileオペランドで指定した“/userinfo/data1”へ送信する場合の記述例を以下に示します。

send data1,file(/userinfo/data1)

15.3.3.3 receiveコマンド

記述形式

receive アクセス名 [,file(受信元ファイル名) ]

機能説明

receiveコマンドは、connectコマンドで指定した他サーバ上のファイルを、ジョブを投入した自サーバで受信します。

オペランド

アクセス名

受信するファイルを指定したfile文のアクセス名を指定します。JCLに記述されていないアクセス名を指定した場合は、エラーとなり、ジョブは終了します。

file(受信元ファイル名)

connectコマンドで接続したホスト上に存在するファイル名をフルパスで指定します。指定したファイルが受信されます。

本オペランドを省略した場合は,アクセス名に対応したファイルが受信されます。

記述例

【Windows版】

fileオペランドで指定した“d:¥userinfo¥list1”から、アクセス名“list1”が定義されているfile文で指定されたファイルを受信する場合の記述例を以下に示します。

receive list1,file(d:¥userinfo¥list1)

【UNIX版】

fileオペランドで指定した“/userinfo/list1”から、アクセス名“list1”が定義されているfile文で指定されたファイルを受信する場合の記述例を以下に示します。

receive list1,file(/userinfo/list1)

15.3.3.4 executeコマンド

記述形式

execute (実行ファイル名 実行オプション) [,queue(キュー名)]

機能説明

executeコマンドは、オペランドで指定された内容に従って、connectコマンドで指定した他サーバ上でジョブを実行します。

オペランド

実行ファイル名 実行オプション

他サーバで実行する実行ファイル名および実行オプションを指定します。

ジョブファイル名にqsubコマンドを指定することで、突放し形態のネットワークジョブの依頼ができます。なお、実行ファイル名と実行オプションの間に1つ以上の空白を置きます。

queue(キュー名)

他サーバへ依頼するジョブを、どのキューで実行するかを指定します。

本オペランドを省略した場合は、以下の手順でキューが決定されます。

  1. 投入元ジョブの実行キュー(投入時に指定したキュー名、または省略値)と同一名のキュー名。

  2. 同一のキュー名が存在しない場合は、ジョブを依頼する他サーバで[運用情報の定義]ウィンドウの“ジョブ投入先のキューの省略値を指定する”(systemパラメタのdfltqueueオペランド)に定義されたキュー名。

  3. [運用情報の定義]ウィンドウで“ジョブ投入先のキューの省略値を指定する”(systemパラメタのdfltqueueオペランド)が指定されていない場合は、ジョブの投入に失敗します。

記述例

アプリケーション“appl1.exe”を、キュー“queue1”で実行する場合の記述例を以下に示します。

execute (appl1.exe),queue(queue1)

15.3.3.5 disconnectコマンド

記述形式

disconnect

機能説明

disconnectコマンドは、connectコマンドで接続した他サーバとの回線を切断します。

本コマンドは、省略できます。省略した場合、他サーバとの回線は、ジョブステップ終了時または、次のconnectコマンド実行時に自動切断されます。

なお、接続されていない状態でdisconnectコマンドを実行した場合、本コマンドは無視され処理が続行されます。

本コマンドには、オペランドはありません。