Interstage Studio プログラマーズガイド
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第2部 Java編> 第4章 Enterprise JavaBeans (EJB)を開発する> 4.2 開発の流れ

4.2.1 Enterprise Beanを作成する

Enterprise Beanの開発手順を以下に示します。

[Enterprise Bean の開発手順]

ここでは、ワークベンチの使い方を中心にプロジェクトの作成からビルドまでの手順を説明します。

+Enterprise JavaBeansプロジェクトを作成する

メニューバーから[ファイル] > [新規] > [プロジェクト]を選択し、[新規プロジェクト]ダイアログボックスから[J2EE] > [Enterprise JavaBeansプロジェクト]を選択します。

次画面以降で、プロジェクト名、プロジェクト作成場所、使用するJREのバージョンおよび、Enterprise JavaBeansバージョンを指定します。

EJBアプリケーションをリモート環境からアクセスする場合は、Enterprise JavaBeansバージョンで"2.0"を指定してください。


プロジェクトの作成が完了すると、パースペクティブがJ2EEパースペクティブに切り替わります。
J2EEパースペクティブでは、[IJServer]ビューによるInterstage Application Serverの操作が行えます。また、J2EEアプリケーション作成時に頻繁に使われるウィザードがメニューから選択することができます。

+Enterprise Beanウィザード

Enterprise Beanウィザードは、Enterprise Beanのソースの骨格や、deployment descriptorの情報を生成する機能です。
Enterprise Beanウィザードは、以下の手順で起動します。

J2EEパースペクティブから操作する場合:

その他のパースペクティブから操作する場合:

Enterprise BeanウィザードではEJB2.0/EJB2.1規約のEnterprise Beanを作成します。

Enterprise Beanは単一のソースフォルダに作成してください。deployment descriptorファイルはソースフォルダ配下に格納されるため、以下のような場合にdeployment descriptorが複数作成されてしまいます。
この場合には、ビルドでJAR化すると、同じ名前のファイルが存在することでエラーが発生します。

Enterprise Beanウィザードの詳細については、"Interstage Studioユーザーズガイド"を参照してください。

以下にEnterprise Beanウィザードで生成されるファイルを示します。

これらのソースやdeployment descriptorファイルをワークベンチが提供している機能で編集します。

ワークベンチでは、ウィザードなど生成されるEJB関連のクラス名の命名規則をカスタマイズすることができます。カスタマイズを行うには、メニューバーから[ウィンドウ] > [設定]を選択し、[設定]ダイアログボックスで、[EJB]を選択してください。

+CMP2.0リレーション定義ウィザード

CMP2.0リレーション定義ウィザードは、Entity Bean間の関係を定義することで、deployment descriptor、CMP拡張情報ファイル、Enterprise Beanソースにリレーションに関する定義を出力します。

CMP2.0リレーション定義ウィザードは、以下のように起動します。

CMP2.0リレーション定義ウィザードを起動する前に、リレーションを定義するEntity Beanを作成しておく必要があります。

リレーション定義の概要については、"EJBのプログラミング"を、詳細については、"Interstage Application Server J2EEユーザーズガイド"を参照してください。

+Enterprise Beanを編集する

Enterprise Beanの編集には、JavaエディタとEJB Deployment Descriptorエディタを使用します。
Enterprise Beanのプログラミングの概要については、"EJBのプログラミング"を、詳細については、"Interstage Application Server J2EEユーザーズガイド"を参照してください。

ここでは、Enterprise Bean編集時に使うことができるワークベンチの機能について説明します。

++Home/Componentインタフェース作成機能

ワークベンチでは、deployment descriptorに記述されている情報に基づいて、Home、Remote、LocalHome、Localの各インタフェースを生成することができます。
Enterprise Bean クラスに対して、メソッドの追加・削除や、メソッド宣言(メソッド名、復帰型、パラメタ型、例外)の変更などを行った場合は、対応する Homeインタフェース、Remoteインタフェース、LocalHomeインタフェース、Localインタフェースも合わせて変更する必要があります。

  1. Enterprise BeanクラスのソースをJavaエディタで開きます。
  2. Javaエディタ上でコンテキストメニューから[Home/Componentインタフェースクラス作成]を選択します。

CMP(Container-managed persistence)のEntity Beanの場合には、findByPrimaryKeyなどのfinderメソッドの定義は、Homeインタフェースに直接定義する必要があります。

++EJB deployment descriptor作成機能

Enterprise Beanクラスのソースを自分で作成した場合など、何らかの理由で、Enterprise Beanに対応するdeployment descriptorの情報が存在しない場合、EJB deployment descriptorを単体で生成することができます。

  1. メニューバーから[ファイル] > [新規] > [その他]を選択し、[新規]ダイアログボックスから[J2EE] > [Deployment] > [deployment descriptor(EJB)]を選択します。
    EJB deployment descriptorウィザードが起動されます。
  2. クラス名、Enterprise Bean種別などを指定します。EJB Deployment Descriptorエディタが起動されます。Session BeanやMessage-driven Beanでは、トランザクション管理種別はContainerとして生成されますので、必要に応じて編集してください。

++deployment descriptor編集機能

deployment descriptor (ejb-jar.xml)と、CMP(Container-managed persistence)の場合のマッピング情報などを格納したCMP拡張情報ファイル(FJCMP_Bean名.xml)を編集する機能です。

EJB deployment descriptorの編集

  1. [プロジェクトエクスプローラ]ビューからDeployment Descriptorを選択するか、ejb-jar.xmlを選択します。
  2. ダブルクリックまたはコンテキストメニューから[開く]を選択することでEJB Deployment Descriptorエディタが起動します。

EJBバージョンが"2.1"の場合、以下のタグについては、DDエディタ(EJB)のGUI画面での編集ができないため、[ソース]タブを選択して、XMLを直接追加、更新する必要があります。 [Interstage Studioテンプレート]でテンプレートが提供されているタグについては、テンプレートビューからタグおよび値を挿入することができます。詳細については、"Message-driven Beanのクライアントプログラミング"または"JNDIを使用してServiceオブジェクトをlookupしたスタブの取得"を参照してください。

タグ

Interstage Studioテンプレートの提供

service-endpoint

なし

service-ref

あり

message-destination-ref

あり

message-destination

なし

CMP拡張情報エディタの編集

  1. [プロジェクトエクスプローラ]ビューから、FJCMP_(Enterprise Beanクラス名).xmlを選択します。
  2. ダブルクリックまたはコンテキストメニューから[開く]を選択することでCMP拡張情報エディタが起動します。

EJB deployment descriptorは、Enterprise Beanの動作の特性やクラス名などの名前、種別、変更可能な環境プロパティなどのカスタマイズ情報を定義するファイルです。また、CMP(Container-managed persistence)の場合には、実行時にEJBコンテナがデータベースアクセスするために必要な永続化フィールドとデータベースのカラムとの対応付けや、EJB1.1のContainer-managed persistenceの場合には、finderメソッドの検索条件などの情報をCMP拡張情報ファイルに記述しています。

これらの情報をEJB Deployment DescriptorエディタとCMP拡張情報エディタで編集することができます。
編集方法の詳細については、"Interstage Studioユーザーズガイド"の"エディタ"の"EJB Deployment Descriptorエディタ"、"CMP拡張情報エディタ"を参照してください。

+EJBアプリケーションの妥当性を検証する

EJBアプリケーションの妥当性を検証するために、以下のバリデータが用意されています。

これらをビルド時に実行する場合は、[検証]ビルダを選択した上で、[検証]プロパティで各バリデータを実行するように設定してください。通常は設定されています。
上記で設定されているバリデータについては、ビルド時以外にもリソースを選択時にコンテキストメニューから[検証]を選択することで検証を実施することができます。

+EJB JARファイルを作成する

作成、編集したEnterprise Beanクラスのソースファイルや、Home/Componentインタフェースのソースファイルを翻訳し、EJB deployment descriptorやCMP拡張情報ファイルと一緒にEJB JARファイルにアーカイブすることができます。
EJB JARファイルへのアーカイブはプロジェクトをビルドすることで行われます。ワークベンチの初期状態では、ファイルの保存時に自動的にビルドが行われるようにオプションが設定されており、手動でビルドする必要はありません。
自動的にビルドを行わないようにしたい場合には、メニューより、[プロジェクト] > [自動的にビルド]を選択し、オプションを解除してください。
手動でビルドを行うには以下の方法があります。

ビルド時に行う処理をプロジェクトのプロパティの[ビルダ]で指定します。

  1. プロジェクトを選択し、メニューバーから[ファイル] > [プロパティ]を選択します。
  2. [プロパティ]ダイアログボックスから[ビルダ]を選択します。

Home/Componentインタフェースクラスを一括生成する場合は、「Home/Componentインタフェース生成ビルダ」を選択します(プロジェクト生成後の初期値では選択されていません)。Enterprise BeanソースからHome/Componentインタフェースクラスが作成されます。

プロジェクト新規作成時に[Enterprise JavaBeansプロジェクト]を指定している場合には、必要なビルダが設定されています。

Stateless Session BeanをWebサービス化した場合は、EARファイルで配備する必要があります。[新規 エンタープライズアプリケーションプロジェクト]ウィザードを実行して、エンタープライズアプリケーションプロジェクトを作成します。このとき、エンタープライズアプリケーションに追加するJ2EEモジュールとして、Enterprise JavaBeansプロジェクトを選択します。
EARファイルの作成の詳細については、"J2EEアプリケーションの開発(EARファイルの作成)"を参照してください。

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