Systemwalker Centric Manager 使用手引書 グローバルサーバ運用管理ガイド - UNIX共通 -
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第4章 監査ログを管理/分析する

4.6 被監視システムのログを収集する運用

被監視システムのログを運用管理サーバに収集し、監査ログを管理/分析する運用について説明します。

各システム上にある自動化機能、OSのスケジュール機能、スケジュール製品の使用により、自動運用によるログ収集が可能です。

また、被監視システム上での処理結果出力メッセージ、ログ収集の処理結果出力メッセージを監視することで、ログ出力処理の異常監視、処理の再開などのアクションも可能となります。

■被監視システムのログを出力し運用管理サーバへ転送する

被監視システムの自動化・省力化機能のAOF(Advanced Operation Facility:MSP)、SCF(System Control Facility:XSP)を利用し、被監視システム上へ出力したログ(RACF/AIM)を運用管理サーバに転送します。

被監視システム上で行う作業を以下に示します。

以下に、それぞれの作業について説明します。

それぞれの作業は、OP(Operation Procedure)/SCFを使い自動運用します。被監視システムの監査ログの採取は定期的に実施してください。

◆1)ファイルの切替/交替

OS上で管理しているファイルの切替/交替を行います。

RACF(アクセスログ)の場合

以下のコンソールコマンドを使用します。

[MSP]の場合

SWITCH SMF コマンド


OPを使い、上記のコマンドを発行してください。
コマンドが正しく終了したことを確認するために、OPで以下のメッセージを待ち合わせてください。

SWITCHコマンドの詳細は、“OSIV/MSP コンソールコマンド文法書 AFII”を参照してください。

[XSP]の場合

FDUMP DA,SW,FILE=file名 コマンド


SCFを使い、上記のコマンドを発行してください。
コマンドが正しく終了したことを確認するために、SCFで以下のメッセージを待ち合わせてください。

FDUMP指令(システム管理ロギングファイルの磁気テープ又は直接アクセスボリュームへの掃き出し)の詳細は、“OSIV/XSP 操作手引書 AFII”を参照してください。

AIM(業務ログ)の場合

以下のコンソールコマンドを使用します。

SWITCH HLF コマンド

OP/SCFを使い、上記のコマンドを発行してください。
コマンドが正しく終了したことを確認するために、OP/SCFで以下のメッセージを待ち合わせてください。

SWITCH [HLF]コマンド(HLFファイルの交替)の詳細は、“OS IV AIM操作コマンド文法書”を参照してください。

◆2)出力ファイルへの抽出

CSV出力ユーティリティを使い、RACF(アクセスログ)、AIM(業務ログ)の情報を抽出します。

RACF(アクセスログ)を抽出の場合

以下のユーティリティを実行し、RACFログを抽出します。

[MSP]の場合

  1. KDKSMFDP ユーティリティ

    SMFダンプデータセットの作成処理

    OPを使い、KDKSMFDP ユーティリティを動作させてください。(注1)
    KDKSMFDP ユーティリティの復帰値が“0”の場合が正常終了です。(注2)

  2. KDSARCSV ユーティリティ

    CSV出力処理

    OPを使い、手順1.で作成したSMFダンプデータセットを入力として、KDSARCSV ユーティリティを動作させてください。(注1)
    KDSARCSV ユーティリティの復帰値が“0”の場合が正常終了です。(注2)

    注1)
    OPを使い、ユーティリティを動作させる方法について、以下に例を示します。

    1. 順データセットの複写・編集ユーティリティ(JSDGENER)でユーティリティのJCL(Job Control Language)をインタナルリーダ(INTRDR)に複写するバッチジョプを作成します。
    2. 上記のJSDGENERのバッチジョブをスターテッドタスクジョブ(STCジョブ)で動作できるように修正し、プロシジャライブラリに格納します。
    3. OPでSTARTコマンドを発行することで、上記のステーテッドタスクジョブを起動します。

    注2)
    OPを使い、ユーティリティが正常終了したかどうかを判定する方法について、以下に示します。
    以下のメッセージを使い、OPを作成してください。
    ユーティリティが正常に終了した場合には“KDS401I”のメッセージが出力されます。正常に終了していない場合は、“KDS402E”が出力されます。

[XSP]の場合

  1. FDUMP コマンド

    SMFファイルの作成処理
    SCFを使い、上記のコマンドを発行してください。

  2. KDSARCSV ユーティリティ

    CSV出力処理
    SCFを使い、手順1.で退避したSMFファイルを入力として、KDSARCSV ユーティリティを動作させてください。(注3)
    KDSARCSV ユーティリティの正常終了は、“KDS401I”のメッセージで確認します。(注4)

    注3)
    SCFを使い、ユーティリティを動作させる方法について、以下に例を示します。
    SCFで“:STACK指令”(システム入力制御プログラムの発生)を発行することで、ユーティリティを動作させます。

    注4)
    SCFを使い、ユーティリティが正常終了したかどうかを判定する方法について、以下に示します。
    以下のメッセージを使い、SCFを作成してください。
    ユーティリティが正常に終了した場合には“KDS401I”のメッセージが出力されます。正常に終了していない場合は、“KDS402E”が出力されます。

KDKSMFDPプログラム(SMFダンプデータセットの複写とSMFデータセットのクリア)の詳細は、“OSIV/MSP SMF説明書 AFII”を参照してください。

FDUMP指令(システム管理ロギングファイルの磁気テープ又は直接アクセスボリュームへの掃き出し)の詳細は、“OSIV/MSP 操作手引書 AFII”を参照してください。

KDSARCSV ユーティリティ(SMFレコードのCSV変換)の詳細は、“OS IV/MSP RACFユーティリティ使用手引書”、“OSIV/XSP RACF運用手引書”を参照してください。

JSDGENER ユーティリティ(順データセットの複写・編集ユーティリティ)の詳細は、“OS IV/MSP データセットユーティリティ使用手引書 AFII”を参照してください。

インタナルリーダ(INTRDR)、スターテッドタスクジョブ(STCジョブ)、プロシジャライブラリの詳細は、“OS IV/MSP 運用手引書 JES編 AFII”を参照してください。

:STACK 指令(システム入力制御プログラムの発生)の詳細は、“OS IV/XSP 操作手引書 AFII”を参照してください。

AIM(業務ログ)を抽出する場合

以下のユーティリティを実行し、AIMログを抽出します。

  1. JXALEDIT ユーティリティ

    イメージコピーの取得

  2. JXALEDIT ユーティリティ

    ログ出力処理(分類機能)

上記の2つのユーティリティの動作方法、復帰値は、以下を参照してください。

[MSP]の場合

OPを使い、JXALEDIT ユーティリティを動作させてください。(注1)
JXALEDITユーティリティが終了した場合は、“JXA237I”のメッセージが出力され、正常終了の場合は、メッセージ内の“RCODE=nn”欄に“RCODE=00”と出力されます。
“JXA237I”はJXALEDITユーティリティの終了メッセージであり、ユーティリティ実行制御文のUIDパラメタに1.または2.の処理を区別できるよう、UIDパラメタ値の設定が必要です。

注1)詳細については、“RACF(アクセスログ)を抽出の場合”の“注1)”を参照してください。

[XSP]の場合

SCFを使い、JXALEDIT ユーティリティを動作させてください。(注2)
JXALEDITユーティリティが終了した場合は、“JXA237I”のメッセージが出力され、正常終了の場合は、メッセージ内の“RCODE=nn”欄に"RCODE=10"と出力されます。
“JXA237I”はJXALEDITユーティリティの終了メッセージであり、ユーティリティ実行制御文のUIDパラメタに1.または2.の処理を区別できるよう、UIDパラメタ値の設定が必要です。

注2)詳細については、“RACF(アクセスログ)を抽出の場合”の“注3)”を参照してください。

JXALEDITユーティリティ(履歴ログデータの編集)の詳細は、[MSP]と[XSP]の場合共に“AIM操作手引書” 、“AIMユーティリティ使用手引書”を参照してください。

◆3)ファイル転送の実施

運用管理サーバ上のあらかじめ指定した転送先ディレクトリ上へ、抽出したファイルを転送します。

ファイル内の文字コードは変換が必要です。転送元システム(被監視システム)のファイル内の文字コードはEBCDIC(ASCII)です。ファイル転送後、転送先システム(運用管理サーバ)のファイル内の文字コードを(EBCDIC(ASCII)から)ASCIIに変換しておく必要があります。

Linkexpress File Transferを使用した場合の例

以下の条件でファイルを転送する時のコマンド例を示します。

OP/SCFを使い、以下のコマンドを発行してください。

[MSP]の場合

MODITY LXP,SEND NODE(UNKAN) LINK(NO)
FILE(USER1.RACF.LOG) VFILE('/var/tokyo/racf/racflog')
ADD(YES) DOCTYPE(TX) CKRTN(YES) CNVT(A)

[XSP]の場合

JALT JN=LXP,SEND NODE(UNKAN) LINK(NO)
FILE(USER1.RACF.LOG) VFILE('/var/tokyo/racf/racflog')
ADD(YES) DOCTYPE(TX) CKRTN(YES) CNVT(A)

ファイル転送コマンドが正常に終了した場合、"KGFV368I "で始まるメッセージが出力されます。ファイル転送コマンドが失敗した場合、"KGFV369I"で始まるメッセージが出力されます。

転送コマンドは、Linkexpress File Transferのコンソールコマンド(SENDコマンド)を使用します。SENDコマンド(ファイル送信コマンド)の詳細は、“OSIV Linkexpress File Transfer 使用手引書”を参照してください。

 

■監査ログ分析への活用、保管を行う

OSのスケジュール機能(crontab)、スケジュール製品(Systemwalker Operation Manager)を使用し、運用管理サーバ上に転送した被監視システムのログの収集、分析への活用、二次媒体への保管を行います。

  1. ログ収集の実施

    mpatmlog(ログ収集コマンド)を使用して、被監視システムのログを収集します。

    mpatmlog -H UNKAN -A GSRACFTokyo

    以下の条件で被監視システムのログを収集します。

    転送先ノード: UNKAN
    ログ識別名 : GSRACFTokyo
    正常終了の場合、“0121”で始まるメッセージがコマンドの標準出力に出力されます。またOSログ(syslog、イベントログ)に出力されます。

    mpatmlog(ログ収集コマンド)を使用したログ収集処理については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 セキュリティ編”の“監査ログを収集する”を参照してください。

  2. 後処理
  3. 正規化処理の実施

    mpatalogcnvt(監査ログ正規化コマンド)を使用し、正規化ログを作成します。

    mpatalogcnvt -H UNKAN -A GSRACFTokyo -F 1 -T 1 -R /var/tokyo/rule/gsracflog.ini

    転送先ノード: UNKAN
    ログ識別名 : GSRACFTokyo
    正規化ルールファイル名 : /var/tokyo/rule/gsracflog.ini
    正規化条件 1日前のログについて正規化を行う

    正常終了の場合、“3200”で始まるメッセージがコマンドの標準出力に出力されます。
    mpatalogcnvt(監査ログ正規化コマンド)を使用した正規化処理については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 セキュリティ編”の“監査ログを正規化する”を参照してください。

  4. 集計の実施

    mpatareportput(集計レポート出力コマンド)を使用し、事前に作成した「問い合わせファイル」にもとづいて集計した結果を、集計レポート結果ファイルへ出力します。

    mpatareportput -O CSV -F /var/tokyo/total/racfreport1.rne /var/tokyo/report/GSSystemReport1

    出力形式 : CSV形式、固定ファイル
    問い合わせファイル : /var/tokyo/total/racfreport1.rne
    集計ファイル出力先 : /var/tokyo/report/GSSystemReport1

    正常終了の場合、“3300”で始まるメッセージがコマンドの標準出力に出力されます。

    mpatareportput(集計レポート出力コマンド)を使用した集計処理については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 セキュリティ編”の“監査ログを集計/検索する”を参照してください。

  5. 二次媒体退避の実施

    収集した被監視システムのログをETERNUS NR1000Fシリーズなどのストレージ装置、またはテープ装置などの二次媒体へ保管します。

    運用管理サーバ上のディスク領域(格納ディレクトリ)、また監査ログ分析機能の活用(検索)期間を考慮し、二次媒体退避を行ってください。

     


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