Systemwalker Centric Manager 使用手引書 資源配付機能編 - UNIX/Windows(R)共通 -
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第2部 資源を配付する設定> 第10章 資源を配付する(資源配付)> 10.10 配付するシステムを選択する

10.10.2 部門単位に一斉に配付する(個別メンテナンス版数)

個別メンテナンス版数の運用について説明します。

◆個別メンテナンス版とは

個別メンテナンス版数は、配付するあて先ごとに業務が異なるシステムに適したメンテナンス版数です。

個別メンテナンス版数は、業務単位に資源グループを梱包して運用します。それぞれのメンテナンス版数は独立しており、メンテナンス版数ごとに保有世代および配付あて先を設定できます。1つのメンテナンス版数を複数のあて先に配付することも可能です。

個別メンテナンス版数のイメージを“図:個別メンテナンス版数”に示します。

[図:個別メンテナンス版数]

■個別メンテナンス版数の作成

個別メンテナンス版数の作成方法を以下に示します。個別メンテナンス版数は運用管理サーバまたは運用管理クライアントで定義、登録します。

  1. 個別メンテナンス版数名を指定する
    [メンテナンス版数名]:
    メンテナンス版数名をASCII(8文字以内)の英数字で指定します。メンテナンス版数名を省略した場合は、共通メンテナンス版数として定義されます。個別メンテナンス版数を定義する場合は、必ずメンテナンス版数名を指定してください。
    [版数]:
    メンテナンス版数の世代を指定します。
  2. 個別メンテナンス版数に含める[業務]を指定する

    個別メンテナンス版数を作成する場合は、どのメンテナンス版数にも含まれていない業務が指定できます。すでに別のメンテナンス版数に含まれている業務を重複して指定することはできません。

  3. [属性情報]を設定する

    [属性情報]は必須の設定項目ではありません。DRMS編集ファイルの指定値を利用せず、資源ごとに指定値を変更したい要件がある場合に[属性情報]を設定してください。

    個別メンテナンス版数に属性情報を設定します。資源グループごとに属性情報を設定していても、メンテナンス版数に指定した属性情報が有効になります。

    [属性情報]には、以下の内容を設定します。

    [自システム資源保有世代数]:
    自システム資源を受信した場合に、資源および受信・適用ステータスを何世代まで管理ファイルに保持しておくかを指定します。

    省略した場合は、DRMS編集ファイルのown_gennumオプションの指定値が有効になります。

    [他システム資源保有世代数]:
    中継資源を受信した場合にそれらの資源および受信ステータスを何世代まで管理ファイルに保持しておくかを指定します。

    省略した場合は、DRMS編集ファイルのother_gennumオプションの指定値が有効になります。

    [適用後の資源保有世代数]:
    自システム資源を適用したあともそれらの資源を削除しないで管理ファイル内に保持しておく場合に指定します。

    省略した場合は、DRMS編集ファイルのapply_gennumオプションの指定値が有効になります。

    [クライアントへの最新世代のみの配付]:
    サーバからクライアントに資源をダウンロードするときに、最新世代だけをダウンロードするかどうかを指定します。

    省略した場合は、DRMS編集ファイルのnewgenオプションの指定値が有効になります。

  4. 配付あて先を事前定義する

    個別メンテナンス版数登録時に、配付する部門管理/業務サーバを指定することができます。なお、配付あて先としてクライアントを指定することはできません。

    メンテナンス版数配付時には、作成時に指定したあて先が表示されます。配付時にあて先を変更した場合は、配付時のあて先が有効になります。

[属性情報]に設定した値は、メンテナンス版数の送信時に有効になるのではなく、メンテナンス版数の適用後に有効になります。

■個別メンテナンス版数の配付

配付あて先として部門管理/業務サーバを指定することにより、指定した部門管理/業務サーバに配付されます。

部門管理/業務サーバの上位に中継サーバがある場合は、自動的に最短の経路により配付されます。

中継サーバに特別な設定は不要です。

個別メンテナンス版数は、スケジュール情報ファイルによる資源中継を行うことはできません。

■スケジュール結果通知の設定

個別メンテナンス版数の適用結果は、必ずスケジュール結果通知により行ってください。中継サーバおよび部門管理/業務サーバでスケジュール結果通知を行う場合は、スケジュール情報ファイルを設定します。

メンテナンス版数による運用を行う場合は、rsc(rms),rms(rmsall)を指定することをお勧めします。

スケジュール情報ファイルについては、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“資源配付のスケジュール情報ファイル”を参照してください。

■クライアントの設定

資源配付クライアントの[資源配付クライアント設定]ウィンドウで、メンテナンス版数名を指定します。メンテナンス版数に含まれるすべての業務がダウンロードされます。業務名の指定は不要です。

クライアントに設定されていない業務についても、個別メンテナンス版数に含まれる業務はすべてクライアントにダウンロードされます。

■個別メンテナンス版数に含められない資源について

以下の資源については、個別メンテナンス版数に含めて運用することはできません。共通メンテナンス版数に含めるか、個別資源として運用してください。

■事前配付指定の資源について

以下の資源については、共通メンテナンス版数に含めずに個別メンテナンス版数に含めるか、個別資源として運用してください。

上記資源を共通メンテナンス版数に含めた場合は、クライアントに緊急で配付したい資源がある場合でも、即時にクライアントにダウンロードされないことがあります。

これは、クライアント側での資源のダウンロードが、以下の順序で行われるためです。

  1. 共通メンテナンス版数
  2. 個別資源
  3. 個別メンテナンス版数

事前配付指定の資源はクライアントのダウンロード時に分割転送の指定が行えるため、分割指定された資源を受信完了するまで、次の資源のダウンロードが行われません。

このため、緊急にクライアントに配付したい資源(個別資源など)があっても、分割転送が終わるまでクライアントに資源がダウンロードされないことがあります。


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