Interstage Application Server/Interstage Web Server チューニングガイド
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付録E Interstage HTTP Serverの環境定義

E.2 クライアントの同時接続数

 クライアントの同時接続数を設定する場合、環境定義ファイル(httpd.conf)の以下のディレクティブを編集します。
 クライアントの同時接続数の構成図については、“Interstage HTTP Server 運用ガイド”の“Webサーバのプロセス構成”を参照してください。

ThreadsPerChild クライアントの同時接続数

 Interstage HTTP Serverが、クライアント(Webブラウザ)からの接続要求を同時に受け付けることができる最大数を指定します。最大数は、1からThreadLimitディレクティブに指定した値までを指定できます。
 この値を大きくすることにより同時アクセス可能な数は多くなりますが、メモリ資源や一時ファイルなどの消費に伴いシステム全体の性能が劣化する可能性があります。
 同時アクセス最大数の初期値は“50”、省略値は“64”です。

ThreadLimit 通信スレッドの上限数

 ThreadsPerChildディレクティブに設定するクライアント数の上限値を設定します。1から15000までを指定できます。1より小さな値を指定した場合は、1で動作します。15000より大きな値を指定した場合は、15000で動作します。
 本ディレクティブは、ThreadsPerChildディレクティブに1920よりも大きな値に設定する必要がある場合にだけ使用してください。
 通信スレッドの上限数の初期値は、ありません。省略値は“1920”です。

MaxClients クライアントの同時接続数

 Interstage HTTP Serverが、クライアント(Webブラウザ)からの接続要求を同時に受け付けることができる最大数を指定します。最大数は、1からServerLimitディレクティブで指定した値までを指定できます。1より小さな値を指定した場合は、1で動作します。ServerLimitディレクティブで指定した値より大きな値を指定した場合は、ServerLimitディレクティブで指定した値で動作します。
 この値を大きくすることにより同時アクセス可能な数は多くなりますが、メモリ資源や一時ファイルなどの消費に伴いシステム全体の性能が劣化する可能性があります。
 クライアントの同時接続数の初期値は“50”、省略値は“256”です。
 なお、この設定値を超過するクライアントの接続要求があった場合は、接続待ちキューに保存されます。接続待ちキュー数は、ListenBacklogディレクティブで設定します。

ServerLimit 通信プロセスの上限数

 MaxClientsディレクティブに設定するクライアントの同時接続数の上限値を設定します。1から20000までを指定できます。1より小さな値を指定した場合は、1で動作します。20000より大きな値を指定した場合は、20000で動作します。
 本ディレクティブは、MaxClientsディレクティブに256よりも大きな値に設定する必要がある場合にだけ使用してください。
 通信プロセスの上限数の初期値は、ありません。省略値は“256”です。

ListenBacklog 接続待ちキューの最大数

 ThreadsPerChildディレクティブで設定したクライアントの同時接続数よりも多くの接続要求があった場合に、オペレーティングシステム内にキューイングする数の最大数を設定します。最大数には、1から200までを指定できます。
 接続待ちキューの最大数の省略値は、“200”です。

ListenBacklog 接続待ちキューの最大数

 MaxClientsディレクティブで設定したクライアントの同時接続数よりも多くの接続要求があった場合に、Solarisシステム内にキューイングする数の最大数を設定します。最大数には、1から2147483647までを指定できます。
 本ディレクティブの設定値がSolarisシステムに設定されている待機中TCPコネクションの最大値(tcp_conn_req_max_q)よりも大きい場合は、待機中TCPコネクションの最大値が有効となります。
 Solarisシステムに設定されている待機中TCPコネクションの最大値を確認する場合は、nddコマンドを使用して以下のように実行してください。
 /usr/sbin/ndd /dev/tcp tcp_conn_req_max_q
 なお、待機中TCPコネクションの設定およびnddコマンドの詳細については、Solarisシステムのドキュメントを参照してください。
 接続待ちキューの最大数の省略値は、“511”です。ただし、待機中TCPコネクションの最大値よりも大きい場合は、待機中TCPコネクションの最大値が有効となります。

ListenBacklog 接続待ちキューの最大数

 MaxClientsディレクティブで設定したクライアントの同時接続数よりも多くの接続要求があった場合に、Linuxシステム内にキューイングする数の最大数を設定します。最大数には、1から2147483647までを指定できます。
 本ディレクティブの設定値がLinuxシステムに設定されている待機中TCPコネクションの最大値(/proc/sys/net/core/somaxconn)よりも大きい場合は、待機中TCPコネクションの最大値が有効となります。
 Linuxシステムに設定されている待機中TCPコネクションの最大値を確認する場合は、sysctlコマンドを使用して以下のように実行してください。
 /sbin/sysctl -n net.core.somaxconn
 なお、待機中TCPコネクションの設定およびsysctlコマンドの詳細については、Linuxシステムのドキュメントを参照してください。
 接続待ちキューの最大数の省略値は、“511”です。ただし、待機中TCPコネクションの最大値よりも大きい場合は、待機中TCPコネクションの最大値が有効となります。


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