ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.2 - Microsoft(R) Windows(R) 2000 - - Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 -
目次 索引 前ページ次ページ

付録C レプリケーションの前後処理> C.2 レプリケーションの前後処理

C.2.4 複写元ボリュームロック動作指定ファイル

複写元ボリュームのレプリケーション前処理では、他アプリケーションとの一時的なアクセス競合を回避するために、ロック処理に失敗した場合、ロック処理のリトライが実施されます。複写元ボリュームとしてLogical Unit(ディスク)が指定された場合は、Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションに対してロック処理を行います。ロック処理に失敗した場合、ロック処理のリトライが実施されます。

標準のリトライ動作は以下のとおりです。

リトライ上限(デフォルト値=20回)とリトライ間隔(デフォルト値=1秒)は、複写元ボリュームロック動作指定ファイルと呼ばれる設定ファイルを作成することにより変更できます。また、この設定ファイルでは、複写元ボリュームの前処理に対して、以下の動作を指示することもできます。

AdvancedCopy Managerが13.1以降の場合は、複写元ボリュームロック動作指定ファイルで、レプリケーションの前後処理を実施しないよう指定することができます。

C.2.4.1 複写元ボリュームロック動作指定ファイルの作成方法 

複写元ボリュームロック動作指定ファイルは以下のファイル名で複写元ボリュームが存在するサーバ上に作成してください。

ファイル名

[クラスタ運用でない場合]

環境設定ディレクトリ\etc\repl\data\SRCLOCK.INI

[クラスタ運用の場合]

<共用ディスク>:\etc\opt\swstorage\etc\repl\data\SRCLOCK.INI


複写元ボリュームロック動作指定ファイルの設定例を以下に示します。

[g1d1p1]

BufferFlushOnly=off

LockForceMode=on

LockRetryNumber=10

LockRetryInterval=10

[g1d1p2]

BufferFlushOnly=on

[ANY]

BufferFlushOnly=off

LockForceMode=off

LockRetryNumber=20

LockRetryInterval=100

複写元ボリュームロック動作指定ファイルの作成方法は以下のとおりです。

■SRCLOCK.INIの設定項目

キー

説明

BufferFlushOnly

複写元ボリュームのロックを実施する代わりに、複写元ボリュームのファイルシステムバッファのフラッシュを実施することを指定します。

off(デフォルト値)=バッファフラッシュを実施しない(ロックを実施する)

on=バッファフラッシュを実施する(ロックを実施しない)

swsrpmake、swsrpbackup_exchangeにXflushオプションが指定され、かつ、BufferFlushOnly=offの場合は、Xflushオプションが優先されます。

また、BufferFlushOnlyがonに指定されている場合は、他のパラメーター(LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)は全て無効となります。

本設定項目をonに指定する場合、複写元ボリュームに対する書き込み処理を事前に全て停止する必要があります。書き込み処理を停止しない状態で複製作成を実施した場合、複写元ボリュームのデータ内容は保証されません。

NoPrePostがonに指定されている場合は、本パラメーターは無効となります。

NoPrePostがonに指定されておらず、かつ、BufferFlushOnlyがonに指定されている場合は、その他のパラメーター(LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)は無効となります。

LockForceMode

複写元ボリュームのロックに失敗した場合、ロック処理のリトライを実施しますが、リトライを実施する前にボリュームのマウントを解除することを指定します。

off(デフォルト値)=ロックのリトライ前にマウント解除を実施しない

on=ロックのリトライ前にマウント解除を実施する

ボリュームのマウントが解除されると、そのボリュームに対して開いているハンドルは、全て無効となります。

※マウント解除後にすぐにボリュームが使用中になってしまう場合には、ロックが取得できないことがあります。

BufferFlushOnlyまたはNoPrePostがonに指定されている場合は、本パラメーターは無効となります。

LockRetryNumber

複写元ボリュームのロックに失敗した場合、ロック処理のリトライを実施しますが、本パラメーターでリトライ回数を指定します。指定可能な数値は、1から10000までです。

デフォルトの設定値は20(回)です。

指定されたリトライ回数、リトライを実施しても複写元ボリュームのロックができない場合は、処理を中断してコマンドを異常終了させます。

BufferFlushOnlyまたはNoPrePostがonに指定されている場合は、本パラメーターは無効となります。

LockRetryInterval

複写元ボリュームのロックに失敗した場合、ロック処理のリトライを実施しますが、本オプションでリトライの間隔(ミリ秒単位)を指定します。指定可能な数値は、1から600000(10分)までです。デフォルトの設定値は1000(1秒)です。

BufferFlushOnlyまたはNoPrePostがonに指定されている場合は、本パラメーターは無効となります。

NoPrePost

レプリケーションの前後処理を実施しないことを指定します。

off(デフォルト値)=レプリケーションの前後処理を実施する

on=レプリケーションの前後処理を実施しない

NoPrePostがonに指定されている場合は、他のパラメーター(BufferFlushOnly、LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)はすべて無効となります。

本パラメーターはAdvancedCopy Managerが13.1以降の場合に指定することができます。



目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2000-2008