ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.2 - Microsoft(R) Windows(R) 2000 - - Microsoft(R) Windows Server(R) 2003 - |
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付録C レプリケーションの前後処理 | > C.2 レプリケーションの前後処理 |
複写元ボリュームのレプリケーション前処理では、他アプリケーションとの一時的なアクセス競合を回避するために、ロック処理に失敗した場合、ロック処理のリトライが実施されます。複写元ボリュームとしてLogical Unit(ディスク)が指定された場合は、Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションに対してロック処理を行います。ロック処理に失敗した場合、ロック処理のリトライが実施されます。
標準のリトライ動作は以下のとおりです。
ロック処理に失敗した場合は、1秒間待った後、再度、ロック処理を実施します。
ロック処理のリトライを20回(初回と合わせて計21回)実施しても、ロックが取得できない場合は、処理を中断してコマンドを異常終了させます。
リトライ上限(デフォルト値=20回)とリトライ間隔(デフォルト値=1秒)は、複写元ボリュームロック動作指定ファイルと呼ばれる設定ファイルを作成することにより変更できます。また、この設定ファイルでは、複写元ボリュームの前処理に対して、以下の動作を指示することもできます。
ロック処理のリトライを行う前に、そのボリューム内の全てのファイルハンドルを無効にすることを指定する(強制ロック機能)。
複写元前処理において、ロック/ロック解除の代わりにファイルシステムバッファのフラッシュを行うことを指定する(Xflushオプションと同等の機能)。
AdvancedCopy Managerが13.1以降の場合は、複写元ボリュームロック動作指定ファイルで、レプリケーションの前後処理を実施しないよう指定することができます。
複写元ボリュームロック動作指定ファイルは以下のファイル名で複写元ボリュームが存在するサーバ上に作成してください。
ファイル名 |
[クラスタ運用でない場合] 環境設定ディレクトリ\etc\repl\data\SRCLOCK.INI [クラスタ運用の場合] <共用ディスク>:\etc\opt\swstorage\etc\repl\data\SRCLOCK.INI |
複写元ボリュームロック動作指定ファイルの設定例を以下に示します。
[g1d1p1] BufferFlushOnly=off LockForceMode=on LockRetryNumber=10 LockRetryInterval=10 [g1d1p2] BufferFlushOnly=on [ANY] BufferFlushOnly=off LockForceMode=off LockRetryNumber=20 LockRetryInterval=100 |
複写元ボリュームロック動作指定ファイルの作成方法は以下のとおりです。
ロック動作を変更するボリュームのセクションを作成し、パラメーターを記述します(上記の例ではg1d1p1、g1d1p2のセクションが作成されています)。変更可能なパラメーターは下表に示された4つのパラメーターですが、4つ全てを記述する必要はなく、変更したいパラメーターのみを記述してください。記述しなかったパラメーターについては、デフォルト値が使用されます。
また、デフォルトのロック動作を変更するためには「ANY」というセクションを作成し、パラメーターを記述します。これにより、複写元ボリュームロック動作指定ファイルに明示的に記述されているボリューム以外の全てのボリュームのロック動作を変更することができます(上記の例ではg1d1p1、g1d1p2以外の全てのボリュームのロック動作は「ANY」セクションの値にしたがって動作します)。
キー |
説明 |
---|---|
BufferFlushOnly |
複写元ボリュームのロックを実施する代わりに、複写元ボリュームのファイルシステムバッファのフラッシュを実施することを指定します。 off(デフォルト値)=バッファフラッシュを実施しない(ロックを実施する) on=バッファフラッシュを実施する(ロックを実施しない) swsrpmake、swsrpbackup_exchangeにXflushオプションが指定され、かつ、BufferFlushOnly=offの場合は、Xflushオプションが優先されます。 また、BufferFlushOnlyがonに指定されている場合は、他のパラメーター(LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)は全て無効となります。 本設定項目をonに指定する場合、複写元ボリュームに対する書き込み処理を事前に全て停止する必要があります。書き込み処理を停止しない状態で複製作成を実施した場合、複写元ボリュームのデータ内容は保証されません。 NoPrePostがonに指定されている場合は、本パラメーターは無効となります。 NoPrePostがonに指定されておらず、かつ、BufferFlushOnlyがonに指定されている場合は、その他のパラメーター(LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)は無効となります。 |
LockForceMode |
複写元ボリュームのロックに失敗した場合、ロック処理のリトライを実施しますが、リトライを実施する前にボリュームのマウントを解除することを指定します。 off(デフォルト値)=ロックのリトライ前にマウント解除を実施しない on=ロックのリトライ前にマウント解除を実施する ボリュームのマウントが解除されると、そのボリュームに対して開いているハンドルは、全て無効となります。 ※マウント解除後にすぐにボリュームが使用中になってしまう場合には、ロックが取得できないことがあります。 BufferFlushOnlyまたはNoPrePostがonに指定されている場合は、本パラメーターは無効となります。 |
LockRetryNumber |
複写元ボリュームのロックに失敗した場合、ロック処理のリトライを実施しますが、本パラメーターでリトライ回数を指定します。指定可能な数値は、1から10000までです。 デフォルトの設定値は20(回)です。 指定されたリトライ回数、リトライを実施しても複写元ボリュームのロックができない場合は、処理を中断してコマンドを異常終了させます。 BufferFlushOnlyまたはNoPrePostがonに指定されている場合は、本パラメーターは無効となります。 |
LockRetryInterval |
複写元ボリュームのロックに失敗した場合、ロック処理のリトライを実施しますが、本オプションでリトライの間隔(ミリ秒単位)を指定します。指定可能な数値は、1から600000(10分)までです。デフォルトの設定値は1000(1秒)です。 BufferFlushOnlyまたはNoPrePostがonに指定されている場合は、本パラメーターは無効となります。 |
NoPrePost |
レプリケーションの前後処理を実施しないことを指定します。 off(デフォルト値)=レプリケーションの前後処理を実施する on=レプリケーションの前後処理を実施しない NoPrePostがonに指定されている場合は、他のパラメーター(BufferFlushOnly、LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)はすべて無効となります。 本パラメーターはAdvancedCopy Managerが13.1以降の場合に指定することができます。 |
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