Interstage Application Server チューニングガイド
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付録A CORBAサービスの動作環境ファイル

A.1 config

概要

 configファイルは、CORBAサービスの各種動作環境に関する定義が格納されたファイルです。

ファイル名

 Linuxサーバ(インストールパスはデフォルト):
  /etc/opt/FJSVod/config
 Windows(R)クライアント(インストールパスはデフォルト):
  C:\INTERSTAGE\ODWIN\etc\config

ファイル内情報

形式:

 configは、以下の形式で値を設定します。

 パラメタ名 = 設定値

パラメタ:

 以下の動作環境について、パラメタ設定値を変更することができます。

ホスト情報に関する動作環境

パラメタ名

初期値

意味

備考

最大値

IIOP_hostname

-

マシンにIPアドレス(またはホスト名)が複数設定されている場合に、CORBAサーバアプリケーションで使用するIPアドレスを限定した運用を行う場合に設定します。
IPアドレス(またはホスト名)を設定すると、サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスの生成時には、ここで設定したIPアドレスが組み込まれ、クライアントからの接続時に使用されます。

サーバ機能のみ有効。
Web-J Editionでは指定不可。
(注1)

-

IIOP_port

8002

CORBAサービスが使用するポート番号。
初期値(8002)以外を指定する場合は必ず指定してください。

(注2)

-

(注1)
 例えばLANカードが複数装着されたマシンにおいて、1つのLANカードからのみ接続要求を受け付けることができます。

(注2)
 この値が無効になると/etc/servicesの設定値が有効になります。

ネットワーク環境に関する動作環境

パラメタ名

初期値

意味

備考

最大値

client_bind

default

クライアント/サーバ間のデータ通信でIPアドレスのバインド(ソケット通信における自ホストのIPアドレスの特定)を行う場合、そのIPアドレスを指定。
"default"を指定すると、OSで決定されるデフォルトのIPアドレスで通信を行います。自ホストのIPアドレス以外を指定すると、"default"が設定されているものとして通信を行います。また、ローカルループバック用IPアドレス(127.0.0.1)を指定すると、リモートホストとの接続ができなくなります。
ネットワーク(LAN,ネットワークカード)の二重化などで複数IPアドレスが割り当てられており、クライアント側のIPアドレスを固定する必要がある場合に指定してください。
IIOP_hostnameが設定されている場合、自ホストへの接続においては、client_bindの設定値は無視され、IIOP_hostnameで指定されたIPアドレスで通信します。

クライアント側で設定

-

con_accept

all

クライアントからの接続受付けを自ホストに制限する場合に"localhost"を指定。
"localhost"を指定すると、自ホストからの接続のみを受け付け、他ホストからの接続を受け付けません。"all"を指定すると、すべてのマシンからの接続を受け付けます。
システムセキュリティなどの理由で、他ホストからの接続要求を許可しない場合に"localhost"に指定してください。

サーバ機能のみ有効。
Web-J Editionでは指定不可。

-

read_interval_timeout

0

ソケットに対する読み込みの待機時間。
この時間を超えても読み込みできない状態が持続する場合、アプリケーションにシステム例外(COMM_FAILURE)が通知されます。
この値が実際の時間(秒)となります。0を設定した場合、ブロッキングモードで動作します。

 

100000000

write_interval_timeout

0

ソケットに対する書き込みの待機時間。
この時間を超えて書き込みできない状態が持続する場合、アプリケーションにシステム例外(COMM_FAILURE)が通知されます。
この値が実際の時間(秒)となります。0を設定した場合、ブロッキングモードで動作します。

 

100000000

アプリケーション資源に関する動作環境(プロセス/スレッド多重度、使用コネクション数など)

パラメタ名

初期値

意味

備考

最大値

max_exec_instance

512

サーバアプリケーションのリクエスト実行用スレッド(またはプロセス)の最大数。

サーバ機能のみ有効。
Web-J Editionでは指定不可。
(注1) (注2)

2147483647
(longの最大値)

max_file_descriptors

0

CORBAサービスが使用するファイルディスクリプタ数が1024を超える場合、その超えた数。

(注3)

OSの最大socketコネクション数−1024

max_IIOP_init_con

8

クライアントアプリケーションとサーバホストへのコネクション数。

ポイント参照
(注2)

OSの最大socketコネクション数
(注4)

max_IIOP_req_per_con

16

クライアントアプリケーションが1コネクションで同時に接続(送信)できるリクエスト数、またはサーバアプリケーションが1コネクションで同時に接続(受信)できるリクエスト数の最大数。

(注2)

512

max_IIOP_resp_con

8
(注5)

(サーバホスト上で)接続するクライアントアプリケーションのプロセス数の合計。

サーバ機能のみ有効。
Web-J Editionでは指定不可。
ポイント参照
(注2)

OSの最大socketコネクション数
(注4)

max_processes

20

最大プロセス数。(起動クライアント/サーバ数)

サーバ機能のみ有効。
(注2) (注6)

2147483647
(longの最大値)

max_impl_rep_entries

512

インプリメンテーションリポジトリの最大登録数。

サーバ機能のみ有効。
Web-J Editionでは指定不可。

-

number_of_common_buffer

0

CORBAサービスのキュー制御用のバッファ数を指定します。
ワークユニット運用されているCORBAアプリケーションでワークユニット定義の“Buffer Number:通信バッファ数”を指定しているCORBAアプリケーションを除く、CORBAサービスの通信で使用します。
サーバマシン上で同時に処理される最大リクエスト数を指定してください。
0を指定した場合は、以下の値が設定されます。
−max_IIOP_req_per_conがmax_IIOP_resp_con以上の場合、(max_IIOP_req_per_con+1)×2
−上記以外の場合、max_IIOP_resp_con×2
また、サーバマシン上で同時に処理される最大リクエスト数は、max_IIOP_resp_con*max_IIOP_req_per_conを超えることはないので、max_IIOP_resp_con*max_IIOP_req_per_conを超える値を設定しないでください。

サーバ機能のみ有効。
Web-J Editionでは指定不可。

2147483647
(longの最大値)
(注7)

(注1)
 設定値の目安:
  スレッドアプリケーション数×スレッド初期多重度(*1)+プロセスアプリケーション数+64
  +接続クライアント数(*2)

  *1) OD_impl_instコマンドで指定するthr_conc_init値
  *2) isgendefコマンドのscale-valueに対応した接続クライアント数。

(注2)
 サーバ機能では、本パラメタの設定値および実際の消費量をodprtcurparamコマンドにより確認することができます。

(注3)
 Linuxシステムでは、max_file_descriptorsパラメタの設定は有効になりません。
 bashまたはボーンシェルの場合はulimitコマンドを、Cシェルの場合はlimitコマンドを使用して、ファイルディスクリプタ数を“max_IIOP_init_con値+max_IIOP_resp_con値+max_processes値”だけ拡張してからCORBAサービスおよびCORBAアプリケーションを起動してください。

(注4)
 Web-J Editionでは、初期値より大きい値は指定しないでください。

(注5)
 初期値より増加させる場合、システム資源(共用メモリなど)のチューニングが必要です。詳細については、“CORBAサービスのシステム環境の設定”を参照してください。

(注6)
 CORBAサービスのプロセス(CORBAサービス、ネーミングサービス、インタフェースリポジトリサーバ、インタフェースリポジトリキャッシュサーバ)も含みます。

(注7)
 設定可能な値はSEMVMXのOS実装値(32767)が最大値になります。

max_IIOP_init_con、max_IIOP_resp_conについて

 CORBAサービスは、サーバアプリケーションが動作しているマシンごとに1つのコネクションを使用します。

 max_IIOP_init_con, max_IIOP_resp_conは、各ホストで使用するアプリケーション間のコネクション数を指定します。

 原則として、アプリケーション間のコネクションはクライアントアプリケーションのプロセス単位に生成されます。例えば、クライアントアプリケーションから1つのサーバアプリケーションに複数のリクエストが同時に発行されても、コネクション数は1になります。

 なお、CORBAサービスのコマンド実行時およびインタフェースリポジトリ動作時にも、それぞれ1コネクションを使用するため、必要に応じて加算する必要があります。コマンドを同時に複数起動する場合は、その数を加算して指定しておいてください。

 以下に、各パラメタのコネクション数のカウント方法を示します。

max_IIOP_init_con:

 クライアントアプリケーションが動作しているホスト上で、クライアントアプリケーション(プロセス単位)からサーバアプリケーション(ホスト単位)へのコネクション数を合計した値を指定します。同一ホスト上でクライアントアプリケーションとサーバアプリケーションが接続する場合も、そのコネクション数を加算する必要があります。
  設定値の目安(インタフェースリポジトリ動作時):
   
max_IIOP_init_con = クライアントアプリケーションのプロセス数×接続するサーバホスト数+2

max_IIOP_resp_con:

 サーバアプリケーションが動作しているホスト上で、接続するクライアントアプリケーションのプロセス数の合計を指定します。同一ホスト上でクライアントアプリケーションとサーバアプリケーションが接続する場合も、そのコネクション数を加算する必要があります。

  設定値の目安(インタフェースリポジトリ動作時):
   max_IIOP_resp_con = 接続するクライアントアプリケーションのプロセス数 + 2

タイムアウト監に関する動作環境

パラメタ名

初期値

意味

備考

最大値

period_client_idle_con_timeout

0

クライアントにおける、無通信状態(サーバへのリクエスト送信なし)の監視時間(リクエスト返信完了後のコネクション維持時間)。
この時間を超えてもサーバへのリクエスト送信がない場合、次回リクエスト送信時に、サーバとのコネクションの切断・再接続を行います。
この値に5を乗じた値が実際の時間(秒)となります。0を設定すると無通信監視を行いません。

 

20000000

period_idle_con_timeout

120 (600秒)

サーバにおける、無通信状態(クライアントからのリクエスト送信なし)の監視時間(リクエスト返信完了後のコネクション維持時間)。
この時間を超えてもクライアントからのリクエスト送信がない場合、クライアントとのコネクションを切断し、リクエスト処理に使用したメモリ資源を解放します。
この値に5を乗じた値が実際の時間(秒)となります。0を設定すると無通信監視を行いません。

サーバ機能のみ有効。
Web-J Editionでは指定不可。

20000000

period_receive_timeout

12 (60秒)

クライアントにおける、リクエスト送信から返信までの待機時間。この時間を超えてもサーバからの返信がない場合、クライアントにタイムアウトが通知されます。
この値に5を乗じた値が実際の時間(秒)となります。

 

20000000

period_server_timeout

12 (60秒) (注1)

サーバアプリケーション(Persistentタイプ以外)における、サーバメソッド起動からCORBA_ORB_initメソッド発行までの監視時間。この時間内にCORBA_ORB_initメソッドが発行されないと、クライアントにシステム例外(NO_IMPLEMENT)が通知されます。
この値に5を乗じた値が実際の時間(秒)となります(0は指定できません)。

サーバ機能のみ有効。
Web-J Editionでは指定不可。

20000000

(注1)
 初期値より減少させた場合は、インタフェースリポジトリの起動に失敗することがあります。


 タイムアウト時間は、連携するアプリケーションに適用されるタイムアウト時間を考慮して設定する必要があります。詳細は“OLTPサーバ運用ガイド”(Enterprise EditionおよびStandard Editionで提供)の“CORBAアプリケーションのタイマ監視”、または“J2EEユーザーズガイド”の“ワークユニットの設計”−“タイマ監視”−“CORBAアプリケーションのタイマ監視”を参照してください。

セキュリティ機能に関する動作環境(アプリケーション間通信)

パラメタ名

初期値

意味

備考

最大値

UNO_IIOP_ssl_use

no

SSL連携の有効/無効を選択(yes:有効、no:無効)。

 

-

UNO_IIOP_ssl_port

4433

SSL連携で使用するポート番号。UNO_IIOP_ssl_useが"yes"の場合に有効です。

 

-

ssllib

SMEE3

使用するSSLライブラリを指定。以下のみ指定可能。

  • SMEE3:SMEE 3.x以降のSSLライブラリを使用。UTF-8証明書が使用できます。

 

-

(注1)
 プレインストール型ランタイム(Portable-ORB以外の実行環境)でHTTPプロキシサーバを経由してHTTPトンネリングを使用する場合に指定します。http_proxy、http_proxy_portは、"http_proxy_use=yes"のときに有効であり、WWWブラウザで使用しているHTTPプロキシサーバのホスト名とポート番号を指定します。

セキュリティ機能に関する動作環境(資源保護)

パラメタ名

初期値

意味

備考

最大値

iss_use

no

資源保護機能の有効/無効を指定。"yes"を指定すると、CORBAアプリケーションはiss_uidのユーザID(またはroot)のみが起動可能となります。

(注1)

-

iss_uid

root

資源保護機能有効時(iss_use=yes指定)のアプリケーション動作のユーザIDを指定。

(注2)

-

iss_gid

-

資源保護機能有効時(iss_use=yes指定)のアプリケーション動作のグループIDを指定。省略時は、iss_uidのプライマリグループIDとみなされます。

 

-

(注1)
 資源保護機能を有効(iss_use=yes)に設定する場合には、Interstage (CORBAサービス)の環境設定前後で手順が異なります。詳細は“セキュリティシステム運用ガイド”の“セキュリティの強化(Interstage資源の保護)”を参照してください。
 Web-J Editionでは、iss_use=yesを指定した場合、すでに以下のファイルが生成(動的生成)されていたら、ファイルの権限属性を変更してください。

動的生成ファイル

 /var/opt/FJSVod 配下
  .log_pipe
  .share
  .named_pipe
  log
  log.old
  pid

権限属性手順

 # chown 特定ユーザID <動的生成ファイル>
 # chmod 0644 <動的生成ファイル>

(注2)
 CORBAアプリケーションの実行は、iss_uidに指定したユーザまたは"root"に限定され、他の一般ユーザは実行できなくなりますので、アプリケーションの実行ユーザに注意してください(“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“OD_impl_inst”を参照)。

保守機能に関する動作環境

パラメタ名

初期値

意味

備考

最大値

access_log_policy

start
(初期値を推奨)

CORBAサービス起動時のアクセスログの採取/非採取の状態。
(start:起動時からログ採取する、standby:ログ採取しない)

サーバ機能のみ有効
(注1)

-

access_log_size

3000000

アクセスログファイルの最大サイズ。(バイト単位)

サーバ機能のみ有効
(注1)

2147483647
(longの最大値)

access_log_level

send_stex:
recv_stex:
send_userex:
recv_userex

アクセスログ採取レベルのキーワードを連結して指定(区切り文字はコロン(":")、空白は指定不可)。
"all"を指定すると、すべての採取レベルを指定したものとみなされます。

サーバ機能のみ有効
(注1) (注2)

-

error_log_policy

start
(初期値を推奨)

CORBAサービス起動時のエラーログの採取/非採取の状態。
(start:起動時からログ採取する、standby:ログ採取しない)

(注1)

-

error_log_size

3000000

エラーログファイルの最大サイズ。(バイト単位)

(注1)

2147483647
(longの最大値)

logging

no

内部ログの採取を指定。(yes:採取する、no:採取しない)

(注3)

-

log_file_size

1000000

内部ログのファイルサイズの上限値。(バイト単位)

(注3)

-

process_log_policy

start
(初期値を推奨)

CORBAサービス起動時のプロセスログの採取/非採取の状態。
(start:起動時からログ採取する、standby:ログ採取しない)

(注1)

-

process_log_size

3000000

プロセスログファイルの最大サイズ。(バイト単位)

(注1)

2147483647
(longの最大値)

snap_size

40000

スナップショットサイズの上限値。(バイト単位)

サーバ機能のみ有効

2147483647
(longの最大値)
(注4)

snap_use

yes

スナップショットの採取を指定。(yes:採取する、no:採取しない)

サーバ機能のみ有効

-

trace_file_synch_level

stop

トレースファイルへの出力タイミングを指定。複数指定可能(セパレータは"&")。

  • none:odformtraceコマンド実行時のみ出力。
  • exit:アプリケーション正常終了時、終了したアプリケーションのトレース情報を出力。
  • vanish:アプリケーション異常終了時、終了したアプリケーションのトレース情報を出力。
  • stop:CORBAサービス終了時、すべてのアプリケーションのトレース情報を出力。
  • loop:メモリ上に採取されたトレース情報のサイズがtrace_size_per_processを超えた場合に出力。

サーバ機能のみ有効

-

trace_size_per_process

10000

プロセスごとのトレース情報サイズの最大値(バイト単位)。

サーバ機能のみ有効

2147483647
(longの最大値)
(注4)

trace_use

yes
(初期値を推奨)

トレース情報の採取を指定(yes:採取する、no:採取しない)。

サーバ機能のみ有効

-

(注1)
 アクセスログ・プロセスログ・エラーログは、以下のパスに採取されます。また、ディスク領域として、以下のログファイルサイズの合計分が必要となります。

ログファイル格納パス

 /var/opt/FJSVod 配下

ログファイル名とファイルサイズ

ログ名

ログファイル名

ログファイルサイズ

アクセスログ

accesslog
accesslog.old

access_log_size×2

プロセスログ
(サーバ用ライブラリ(ODSV.DLL)をリンクしている場合)

proclog
proclog.old

process_log_size×2

プロセスログ
(クライアント用ライブラリ(ODWIN.DLL)をリンクしている場合)

proclogcl
proclogcl.old

process_log_size×2

エラーログ
(サーバ用ライブラリ(ODSV.DLL)をリンクしている場合)

errlog
errlog.old

error_log_size×2

エラーログ
(クライアント用ライブラリ(ODWIN.DLL)をリンクしている場合)

errlogcl
errlogcl.old

error_log_size×2

(注2)
 access_log_level(アクセスログ採取レベル)に指定可能なキーワードは、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”(Enterprise EditionおよびStandard Editionで提供)の“CORBAサービスのログ採取機能”を参照してください。

(注3)
 “logging=yes”を指定した場合、内部ログは以下のファイルに出力されます。

 プレインストール型Javaライブラリ使用時は、上記に加えて、以下のファイルに出力されます。

(注4)
 Web-J Editionでは、初期値より大きい値は指定しないでください。


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