Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (CORBAサービス編)
目次 索引 前ページ次ページ

付録D 保守情報の採取> D.1 トレース機能

D.1.3 トレース情報採取の前準備

 トレース情報採取のための前準備ついて説明します。

インストール時

 トレース情報を採取するためには、本製品の“サーバ機能”のCORBAサービスをインストールする必要があります。“クライアント機能”(CORBAサービスクライアント)をインストールしても、トレース機能が有効になりませんので注意してください。

アプリケーション開発時

IDLコンパイ

 IDLファイルから生成されるスタブ・スケルトンにロギング機能を組み込むため、IDLコンパイルを行います。

プログラミング

 静的起動インタフェース・静的スケルトンインタフェースを使用してプログラミングすることにより、スタブ・スケルトンでもトレース情報を採取できます。
 静的起動インタフェース・静的スケルトンインタフェースを使用しない場合は、CORBAサービス、およびライブラリのみでトレース情報が採取されます。

ライブラリのリンク

 トレース情報を採取するためには、アプリケーションにCORBAサービスのサーバ用ライブラリをリンクする必要があります。以下に必要となるサーバ用ライブラリを示します。

開発言語

ライブラリ名

C・C++

ODSV.LIB

Java (JDK1.1)

ODjava.jar

Java (JDK1.2/1.3)

ODjava2.jar

Java (JDK1.4)

ODjava4.jar

COBOL (スレッドタイプ)

ODCOBCBLMTSV.LIB または ODCOBCBLSVUC.LIB

COBOL (プロセスタイプ)

ODCOBCBLSV.LIB または ODCOBCBLSVUC.LIB

OOCOBOL

ODOOCOBSV.LIB または ODOOCOBSVUC.LIB

開発言語

ライブラリ名

C・C++

libOM.so

Java (JDK1.1)

ODjava.jar

Java (JDK1.2/1.3)

ODjava2.jar

Java (JDK1.4)

ODjava4.jar

COBOL (スレッドタイプ)

libOMcblMT.so

COBOL (プロセスタイプ)

libOMcbl.so

OOCOBOL

libOMoocob.so

開発言語

ライブラリ名

C・C++

libOM.so

Java (JDK1.3)

ODjava2.jar

Java (JDK1.4)

ODjava4.jar

アプリケーション運用時

configファイルの設定

 トレース情報を採取するためのconfigファイルのパラメタについて説明します。

trace_use(初期値:yes)
トレース情報を採取するかどうかを指定します。
trace_size_per_process(初期値:10000バイト)
 トレース情報を採取する最大メモリサイズ(バイト:プロセス単位)を指定します。この値は1プロセスごとの最大サイズのため、プロセス数分のメモリ容量を確保する必要があります。
 詳細は“共用メモリ容量”を参照してください。
trace_file_synch_level(初期値:"stop")
 トレースファイルへの出力タイミングを指定します。指定可能な値を以下に示します。セパレータとして"&"を使用することで、複数指定することができます。

設定値

意味

none

odformtraceコマンド実行時のみトレースファイルに出力します。

exit

アプリケーション正常終了時に、終了したアプリケーションのトレース情報をトレースファイルに出力します。

vanish

アプリケーション異常終了時に、終了したアプリケーションのトレース情報をトレースファイルに出力します。

stop

CORBAサービス終了時にすべてのアプリケーションのトレース情報をトレースファイルに出力します。

loop

メモリ上のトレース情報のサイズがtrace_size_per_processを超えた場合にトレースファイルに出力します。

 なお、本パラメタにどの値が設定されていても、odformtraceコマンドを実行するとトレース情報が出力されます。

共用メモリ容量

 トレース情報は、共用メモリに採取されるため、以下のメモリサイズを確保しておく必要があります。
 なお、トレース情報のサイズがメモリサイズの上限値に達した場合、メモリ上の古い情報に上書きされます。

  trace_size_per_process(最大メモリサイズ)(注) × max_processes(最大プロセス数)(注)+20Kバイト

  注)configファイルのパラメタです。


目次 索引 前ページ次ページ

Copyright 2005 FUJITSU LIMITED