Interstage Application Server OLTPサーバ運用ガイド
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付録B サーバ運用に使用する定義ファイル

B.1 CORBAアプリケーション情報定義ファイル(OD_impl_instコマンド)

 CORBAアプリケーション(サーバアプリケーション)の情報をインプリメンテーションリポジトリに登録するための定義ファイルについて説明します。
 このファイルは、OD_impl_instコマンドの-axオプションで指定します。

形式

 (1) rep_id      = IDL:test1:1.0
 (2) lang        = CPP
 (3) type        = shared
 (4) binary      = /user/test1_s
 (5) param       = -x 100
 (6) env         = PATH=/user:$PATH;
 (7) uid         = 0
 (8) gid         = 3
 (9) IDL:test1/intf1:1.0 = /user/libINTF1.so
     IDL:test1/intf2:1.0 = /user/libINTF2.so,,IDL:test1/intf1:1.0
              :
 (10) proc_conc_max  = 10
 (11) thr_conc_init  = 5
 (12) mode           = COMPATIBLE
 (13) iswitch        = OFF
 (14) ior            = 1.1
 (15) locale         = EUC
 (16) ssl            = AUTO
 (17) (空行:セパレータ)

定義項目

(1)rep_id

サーバアプリケーションのインプリメンテーションリポジトリIDを指定します。

(2)lang

 サーバアプリケーションの開発言語を指定します。
 指定可能な開発言語は以下のとおりです。

指定値

開発言語

備考

C

C言語

(省略時)

CPP

C++言語

JAVA

Java言語

COBOL

COBOL(プロセスモード)

Linuxでは指定不可

COBOL_MT

COBOL(スレッドモード)

Linuxでは指定不可

OOCOBOL

OOCOBOL(オブジェクト指向COBOL)

Linuxでは指定不可

(3)type

 サーバアプリケーションの起動タイプを指定します。
 指定可能な起動タイプは以下のとおりです。

指定値

起動タイプ

shared

sharedサーバ

persistent

persistentサーバ

unshared

unsharedサーバ

server_per_method

server per methodサーバ

 lang=JAVA(開発言語がJava)指定時は、"persistent"を指定してください。

(4)binary

サーバアプリケーションのパス名を指定します。type=persistent以外のとき必須です。

(5)param

サーバアプリケーションの起動パラメタを指定します。type=persistentのときは無効です。省略時はパラメタなしでサーバアプリケーションを起動します。

(6)env

サーバアプリケーション実行時の環境変数を指定します。type=persistentのときは無効です。セパレータには";"を使用します。
UNIXの場合、省略時はシステム管理者(root)の環境が使用されます。

(7)uid

サーバアプリケーション実行時のユーザIDを指定します。省略時は0(root)です。(UNIXのみ有効)

(8)gid

サーバアプリケーション実行時のグループIDを指定します。省略時は3(sys)です。(UNIXのみ有効)

(9)インタフェースリポジトリID=...

 オブジェクト(インタフェースリポジトリID)に対して、以下の項目を設定します。

 インタフェースリポジトリIDごとに必要なだけ指定する必要があります。
 指定方法は以下のとおりです。

  intfID = [priority;]solib[,[prefix][,inherit[,..]]]
  intfID = priority;

intfID

オブジェクトのインタフェースリポジトリIDを指定。

priority

オブジェクトの優先度を指定(0〜255)。
優先度制御を使用しない場合は、0を指定します。0を指定すると、デフォルトの優先度である10を指定したことになります。

solib

ライブラリのパス名を指定。(ライブラリがない場合は省略可)

prefix

  • C言語の場合
    IDLcコマンドの-Sオプションで、関数名の先頭文字列prefixを指定した場合に指定。
  • COBOLの場合
    動的スケルトンインタフェースを使用している場合に"DSI"を指定。

inherit

継承するインタフェースリポジトリIDを指定。(複数指定時はカンマ(,)で区切る)

(10)proc_conc_max

アプリケーション実行時のプロセス最大多重度を指定します。省略時は1です。
指定可能な最大値は256です。256を超えた場合、256に設定されます。

(11)thr_conc_init

アプリケーション実行時のスレッド初期多重度を指定します。省略時は16です。
プロセスモードの場合は、1を指定してください。

(12)mode

サーバアプリケーションの活性化後(活性化メソッド発行後)の動作モードを指定します。

 指定可能な動作モードは以下のとおりです。

指定値

意味(活性化後の動作)

備考

COMPATIBLE

活性化後、サーバアプリケーションは復帰する。

(省略時)

SYNC_END

活性化しても、サーバアプリケーションは復帰しない。

CORBA_BOA_deactive_impl()発行時、またはサーバアプリケーション停止時に復帰する。

 対象となる活性化メソッドは以下のとおりです。

開発言語

活性化メソッド

備考

Java言語

org.omg.PortableServer.POAManager.activate()

Java言語 以外

CORBA_BOA_impl_is_ready()
CORBA_BOA_obj_is_ready()

(左記メソッド名はC言語)

 以下の場合は、必ず"SYNC_END"を指定してください。

(13)iswitch

サーバアプリケーションがクライアントアプリケーションごとにインスタンスデータを保持するか否かを指定します。lang=CPP,JAVA,OOCOBOL指定時に有効です。type=server_per_method指定時は無効です。

(14)ior

連携するバージョンを指定します。指定可能なバージョンは以下のとおりです。

(詳細は“OD_or_adm”を参照してください)

(15)locale

サーバアプリケーションのコード系を指定するオブジェクトリファレンスのコード系を指定します。ior=1.1指定時のみ指定可能です。

指定可能なコード系は、以下のとおりです。

指定値

コード系

SJIS

ShiftJIS

EUC

EUC

UNICODE

UNICODE

SJISMS

Windows(R)用ShiftJIS

U90

U90

JEF_LOWER

JEFコード(英小文字)

JEF_KANA

JEFコード(カナ)

JEF_ASCII

JEFコード(ASCII)

NONE

コード情報なし

省略時には、オブジェクトリファレンスのコード情報の暗黙値が設定されます。

(詳細は“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“OD_set_env”を参照してください)

(16)ssl

サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンス作成時、SSL情報付加のルールを指定します。ior=1.1指定時のみ、指定可能です。

 指定可能な値は以下のとおりです。

指定値

意味

備考

ON

常にSSL情報を付加する。

OFF

SSL情報を付加しない。
ただし、OD_or_admコマンドの-sオプションで作成したオブジェクトリファレンスには、SSL情報が付加される。

(省略時)

AUTO

オブジェクトリファレンスの動的生成時のSSL情報の有無を、クライアントアプリケーションとの接続状態により決定する。

クライアントアプリケーションからの呼出しにより、サーバアプリケーションがオブジェクトリファレンスを動的作成した場合、すでに確立しているサーバアプリケーションとクライアントアプリケーションとの接続でSSL通信を行う場合は、SSL情報を付加したオブジェクトリファレンスを作成し、SSL通信を行わない場合はSSL情報なしのオブジェクトリファレンスを作成します。

 本パラメタの指定値と、オブジェクトリファレンスの静的生成(OD_or_admコマンドなどにより生成)/動的作成(CORBA_BOA_create関数などにより生成)とのSSL情報の有無の関係は、以下のとおりです。

指定値

オブジェクトリファレンス生成方法

静的生成(OD_or_admなど)

動的生成(CORBA_BOA_create()の発行など)

SSL指定(-s)

なし

SSL通信を行う

SSL通信を行わない

"ON"

"OFF"

×

×

×

"AUTO"

×

×

 [○:SSL通信が有効、×:無効]

 クライアントアプリケーションごとにインスタンスデータを保持する場合(iswitch=ON指定時)、同一のクライアント/サーバアプリケーション間の接続で、SSL通信を行う接続とSSL通信を行わない接続とを同時に行うことはできません。
 このため、iswitch=ONを指定し、かつ、サーバアプリケーションがオブジェクトリファレンスを動的作成する場合は、異なる接続を回避するために本パラメタに"AUTO"を指定することを推奨します。

(17)空行(セパレータ)

セパレータとして空白行を指定します。


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