Interstage Studio プログラマーズガイド |
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第2部 Java編 | > 第3章 Webアプリケーションを開発する | > 3.2 開発の流れ |
ここでは、Webアプリケーションを作成する手順として、プロジェクトの作成からWARファイルの作成までをワークベンチの使い方を中心に説明します。
Webアプリケーションは、Webアプリケーションプロジェクトで作成します。
メニューから[ファイル] > [新規] > [プロジェクト]を選択し、[新規プロジェクト]ダイアログボックスから[J2EE] > [Webアプリケーションプロジェクト]を選択します。
プロジェクトウィザードでは、プロジェクト名、プロジェクト作成場所、使用するJREのバージョンを指定します。
プロジェクトが作成されると、パースペクティブがJ2EEパースペクティブに切り替わります。
J2EEパースペクティブでは、[IJServer]ビューによるInterstage Application Serverの操作が行え、Webアプリケーションのデバッグなどを行うのに便利です。また、Webアプリケーション作成時に頻繁に使うウィザードをメニューから直接起動することができます。
Webアプリケーションのフォルダ構成について説明します。
なお、Webサーバに配備する場合、運用時に必要なプロジェクト資産はすべてプロジェクトのContextRootフォルダ配下に格納します。
フォルダ |
説明 |
---|---|
ContextRootフォルダまたはWEB-INF以外のフォルダ |
HTMLファイル、イメージファイル、JSPファイルなどを格納します。フォルダは自由に作成できます。 |
ContextRoot/WEB-INF |
Webアプリケーション環境定義ファイル (web.xml)を格納します。 |
ContextRoot/WEB-INF/classes |
サーブレットなどのJavaソースのビルド結果が格納されます。 |
ContextRoot/WEB-INF/lib |
サーブレットやJSPが実行時に使用するJAR形式のクラスライブラリを格納します。 |
_jsp_src |
JSPファイルをサーブレットソースでデバッグしたい場合に、JSPデバッグ用サーブレット生成ビルダを使用しますが、その場合、フォルダが作成され、生成されるサーブレットソースが格納されます。 |
.tomcatWorkDir |
Tomcat起動構成を利用した場合にフォルダが作成され、Tomcatの動作時に必要なファイルが格納されます。ただし、ユーザがそれらのファイルを参照する必要はないため、プロジェクトエクスプローラビューなどにはこのフォルダは表示されません。 |
Webアプリケーションプロジェクトウィザードでは、Webアプリケーションを開発するために必要なビルドパスがデフォルトで設定されます。上記のWEB-INF/classesやWEB-INF/libを直接ビルドパスに設定する必要はありません。
アプリケーションから使用する一般のclassファイルやJARファイルは、サーブレットコンテナ起動時に指定されたクラスパスの配下に格納することもできます。ただし、このように格納されたクラスは、一般に自動リロードの対象にはなりません。また、クラスの静的(static)なフィールドは、すべてのサーブレットプログラムで共有されますので注意してください。
詳細については、各サーブレットコンテナの説明書("Interstage Application Server J2EEユーザーズガイド"など)を参照してください。
標準ではTomcat起動構成は利用できません。Tomcat起動構成を利用するにはTomcat起動構成の機能を有効にする必要があります。詳細については、"Webアプリケーションをデバッグする"を参照してください。
Webアプリケーションから使用するJAR形式のクラスライブラリがある場合、Webアプリケーションでは、WEB-INF/lib配下にJARファイルを格納して利用します。
Webアプリケーションプロジェクトでは、上記のJAR形式のクラスライブラリをWebライブラリとして以下から定義します。
プロジェクトのプロパティを表示し、左のペインから[J2EEモジュール依存関係]を選択します。右のペインに[Webライブラリ]が表示されるので、そこで必要なライブラリを選択します。
Webアプリケーションには以下のウィザードが用意されています。
ウィザード |
機能 |
---|---|
CSS |
テンプレートを選択してファイルを生成します。テンプレートは、設定ダイアログボックスの以下より、ユーザが追加やカスタマイズをすることができます。なお、JavaScriptファイルについては空のファイルのみが生成されます。
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JavaScript |
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HTML |
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JSP |
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サーブレット |
サーブレットクラスの作成とWebアプリケーション環境定義ファイルへのサーブレット・マッピングなどの定義を行います。 |
フィルタやリスナについては、専用のウィザードは用意されていませんので、Javaクラスウィザードを使って作成してください。フィルタやリスナについては"サーブレットについて"を参照してください。
Webアプリケーションのdeployment descriptor(web.xml)のことを、Webアプリケーション環境定義ファイルと言います。Webアプリケーション環境定義では、以下の情報などを定義します。
Webアプリケーション環境定義ファイルの概要はプロジェクトエクスプローラビューから参照することができます。編集する場合には、DDエディタ(Web)を使用します。
WebコンテナがInterstage Application Server V9.0.1以降の場合、以下のタグについては、DDエディタ(Web)のGUI画面での編集ができないため、[ソース]タブを選択して、XMLを直接更新してください。詳細については、"J2EE1.4 Message-driven Beanの呼び出し方法"、もしくは"J2EE1.4 Webサービスクライアントアプリケーションの開発方法"を参照してください。
- service-ref
- message-destination-ref
- message-destination
HTML、CSS、JavaScript、JSPを編集する専用のエディタを提供しています。
HTMLエディタでは、テキストモード、画面モードおよびプレビューモードの3つの表示モードを使用して、HTMLファイルを編集することができます。テキストモードでは、HTMLのコードを記述することができます。画面モードでは、テキスト、画像、表、フォームフィールドなどの要素を画面上で編集することができます。プレビューモードでは、HTMLのコードを画面のイメージで確認することができます。
画面モードで編集してからテキストモードへ切り替えた場合に、要素の順番や改行位置を変更することがあります。また編集内容によっては、テキストモードで設定したブックマークおよびタスクをずらすことがあるため、必要に応じて設定しなおしてください。
CSSエディタでは、入力補完などの機能を使用してCSSファイルを編集することができます。
[プレビュー]タブを選択すると、現在編集中のスタイルシートをページに適用してプレビューすることができます。
JavaScriptエディタでは、入力補完などの機能を使用してJavaScriptファイルを編集することができます。
JSPエディタでは、テキストモード、画面モードおよびプレビューモードの3つの表示モードを使用してJSPファイルを編集することができます。テキストモードでは、HTMLのコードやJSPアクションの設定を記述することができます。画面モードでは、テキスト、画像、表、フォームフィールドなどの要素を画面上で編集することができます。プレビューモードでは、HTMLのコードを画面のイメージで確認することができます。
なお、JSPページに記述するタグについては、"JSPタグについて"を参照してください。
画面モードで編集してからテキストモードへ切り替えた場合に、要素の順番や改行位置を変更することがあります。また編集内容によっては、テキストモードで設定したブレークポイント、ブックマークおよびタスクをずらすことがあるため、必要に応じて設定しなおしてください。
JSPページは、Webサーバ上でJavaプログラムに展開され、Webサーバの環境で実行されます。
JSPページ上のアクション定義やスクリプト定義を、JSPエディタおよびブラウザによるプレビューで実行することはできません。
JSPエディタでは、JSP2.0の標準タグを使用したファイルを編集することができます。
テキストモード、画面モードおよびプレビューモード共に、Expression Language(EL)の文字列はそのまま表示されます。
JavaScriptやJSP要素内に記述されたELの文字列は、それぞれJavaScriptやJSPの一部として認識されるため、画面モードとプレビューモードでは表示されません。
HTMLエディタ、JSPエディタでは、タグパレットからの要素の追加や入力支援機能を使用できます。
タグパレットから要素を追加する場合は、次のどちらかを行ってください。
入力支援機能を使用する場合は、テキストモードで次のどちらかを行ってください。
入力支援機能については、"Interstage Studio ユーザーズガイド"の"HTMLエディタ"を参照してください。
タグパレットはカスタマイズが可能ですが、カスタマイズした場合はテキストモードでのみ使用可能です。
HTML記述については、HTMLエディタやJSPエディタのプレビューモードでプレビューすることができます。
また、メニューから[ファイル] > [ブラウザでプレビュー]をクリックすると、HTMLファイルをブラウザ表示で確認することもできます。HTML記述は実行時に使用するブラウザによって表示結果が異なるので、実際のブラウザで確認する場合はメニューからの方法でプレビューしてください。
WARファイルの整合性と各Webリソースの妥当性を検証するために、以下のバリデータが用意されています。
これらをビルド時に実行する場合は、[検証]ビルダを選択した上で、[検証]プロパティで各バリデータを実行するように設定します。デフォルトではすべてのバリデータが実行されるように設定されています。
上記で設定されているバリデータについては、ビルド時以外にもリソースを選択時にコンテキストメニューから[検証]を選択することで検証を実施することができます。
Webアプリケーションは、WARファイルにアーカイブして配備します。
ワークベンチの初期状態では、ファイルの保存時に自動的にビルドが行われるようにオプションが設定されています。Webアプリケーションプロジェクトではビルド時にWARファイルを作成するようにビルダが設定されています。
自動的にビルドを行わないようにオプションを変更している場合には、手動でビルドを行ってください。
手動でビルドを行うには以下の方法があります。
個々の操作の詳細については、"Interstage Studioユーザーズガイド"を参照してください。
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