Systemwalker Centric Manager/Systemwalker Software Delivery 業務サーバクラスタ適用ガイド UNIX編 - UNIX共通 -
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第5章 利用機能別に必要な設定

5.1 運用形態名を定義する場合

運用形態名を定義することで、[Systemwalkerコンソール]にクラスタ名の代わりに運用形態名を表示することができます。運用形態名の定義を行うことで、クラスタのフェールオーバに連動して、運用形態名を動的に変化させることができます。

使用しているクラスタソフトウェアに応じてプライマリ、およびセカンダリで設定を行ってください。

■PRIMECLUSTERを使用する場合

業務サーバ(プライマリとセカンダリ)に運用形態名を定義することで、クラスタ名の代わりに運用形態名が、[Systemwalkerコンソール]に表示されます。また、クラスタのフェールオーバに連動して、運用形態名を動的に変化させることができます。

◆定義ファイル

定義ファイルは、以下の場所に格納されています。

/etc/opt/FJSVsagt/oparuntype


◆ファイルの形式

定義ファイルの形式は以下のとおりです。

DEFRUNTYPE ON | OFF
RUNTYPE "運用形態名"
GROUP "サービス名" ON | OFF
GROUP "サービス名" ON | OFF
        :
RUNTYPE "運用形態名"

DEFRUNTYPE

クラスタ名表示を指定します。

RUNTYPE、GROUP

グループの状態が、RUNTYPEの定義行の次行以降に定義したグループの状態になると、RUNTYPEに定義した運用形態とみなされます。上の行にある定義が優先されます。RUNTYPE定義は、64行まで定義することができます。

グループを定義していない場合は、“ON”でも“OFF”でも一致とみなされます。

運用形態名:

最大16バイトの文字列で定義します。

サービス名:

ON:グループの状態が、オンラインです。

OFF:グループの状態が、オフラインです。

DEFRUNTYPE、RUNTYPEおよびGROUPの組み合わせと表示結果を、以下の表に示します。

DEFRUNTYPE

RUNTYPE,GROUP

表示

ON

一致する運用形態名なし

クラスタ名

一致する運用形態名あり

運用形態名

OFF

一致する運用形態名なし

なし

一致する運用形態名あり

運用形態名

 

◆定義ファイルの設定例

以下に設定例を示します。以下の設定例では、サービスAが運用系で動作している場合、運用形態名は“正常”と表示され、フェールオーバによりサービスAが待機系に移行した場合、運用形態名は“異常”と表示されます。

運用系

DEFRUNTYPE ON
RUNTYPE "正常"
GROUP "サービスA" ON

RUNTYPE "異常"
GROUP "サービスA" OFF

待機系

DEFRUNTYPE ON
RUNTYPE "正常"
GROUP "サービスA" OFF

RUNTYPE "異常"
GROUP "サービスA" ON

 

■Sun Clusterを使用する場合

運用管理サーバに運用形態名を通知することで、[Systemwalkerコンソール]にクラスタ名の代わりに運用形態名を表示することができます。運用形態名は、クラスタのスイッチオーバ/スイッチバックに連動して、動的に変化させることができます。

スイッチオーバ/スイッチバック時に、ユーザが作成したリソースグループのメソッドを実行するために、以下のコマンドを実行してください。なお、リソースグループのメソッドの登録方法については、Sun Clusterのマニュアルを参照してください。

/opt/systemwalker/bin/opapostr 運用形態名

予期しないshutdown後に、運用形態名が表示されない場合

電源異常や瞬間的なダウンなど、予期しないshutdown後に起動しても、[Systemwalkerコンソール]に上記で定義した運用形態名が表示されない場合があります。
このような場合に対処するために、起動時に上記で定義した運用形態名を通知するための、起動スクリプトを作成します。起動スクリプトの中では、上記のopapostrコマンドを実行してください。
また、起動スクリプトは、/etc/rc2.d/S73XXX(※:“XXX”はシステムで一意になる任意の名前)という名前で作成します。
以下に作成例を示します。例では運用形態名の初期状態が“SUB”とし、“/etc/rc2.d/S73opapostr”という起動スクリプトを作成します。

#!/bin/sh

LANG=ja

export LANG

case $1 in

'start')

/opt/FJSVsagt/usr/lib/opapostr SUB > /dev/null 2>&1

exit 0

;;

'stop')

exit 0

;;

*)

exit 1

esac

■MC/ServiceGuardを使用する場合

運用管理サーバに運用形態名を通知することで、[Systemwalkerコンソール]にクラスタ名の代わりに運用形態名を表示することができます。運用形態名は、クラスタのフェールオーバに連動して、動的に変化させることができます。

パッケージ制御スクリプトに、運用形態名通知コマンド(opapostr)コマンドを登録します。

◆定義ファイルの設定例

以下に、登録例を示します。

パッケージ起動時に運用形態名“unyou”、停止時に運用形態名“taiki”を通知する設定の例を示します。

運用系

# START OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS

 # This function is a place holder for customer define functions.
 # You should define all actions you want to happen here, before the service is
 # started. You can create as many functions as you need.

 function customer_defined_run_cmds
 {
 # ADD customer defined run commands.
 : # do nothing instruction, because a function must contain some command.
 /opt/systemwalker/bin/opapostr unyou
 
test_return 51
 }
 
 # This function is a place holder for customer define functions.
 # You should define all actions you want to happen here, before the service is
 # halted.

 function customer_defined_halt_cmds
 {
 # ADD customer defined halt commands.
 : # do nothing instruction, because a function must contain some command.
 /opt/systemwalker/bin/opapostr taiki
 
test_return 52
 }
 
 # END OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS

待機系

# START OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS

 # This function is a place holder for customer define functions.
 # You should define all actions you want to happen here, before the service is
 # started. You can create as many functions as you need.

 function customer_defined_run_cmds
 {
 # ADD customer defined run commands.
 : # do nothing instruction, because a function must contain some command.
 /opt/systemwalker/bin/opapostr taiki
 
test_return 51
 }
 
 # This function is a place holder for customer define functions.
 # You should define all actions you want to happen here, before the service is
 # halted.

 function customer_defined_halt_cmds
 {
 # ADD customer defined halt commands.
 : # do nothing instruction, because a function must contain some command.
 /opt/systemwalker/bin/opapostr unyou
 
test_return 52
 }
 
 # END OF CUSTOMER DEFINED FUNCTIONS

■HACMPを使用する場合【AIX版】

運用管理サーバに運用形態名を通知することで、[Systemwalkerコンソール]にクラスタ名の代わりに運用形態名を表示することができます。運用形態名は、クラスタのスイッチオーバ/スイッチバックに連動して、動的に変化させることができます。

ユーザが作成するリソース・グループに登録されているアプリケーション・サーバーの始動スクリプト、および停止スクリプトには、以下のコマンドを登録してください。なお、アプリケーション・サーバーの始動スクリプト、および停止スクリプトへの登録方法についてはHACMPのマニュアルを参照してください。

/opt/systemwalker/bin/opapostr 運用形態名

 


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