Symfoware Active DB Guard 設計・セットアップガイド
目次 索引 前ページ次ページ

付録A 資源の見積り> A.3 RLP連携環境の資源見積り

A.3.3 RLCの容量見積り

RLCの容量として、以下の2種類の値を決定する必要があります。

RLCの容量は、以下の観点から見積りを行います。

被災または保守運用などでセンタ切り替えを行う場合に、通常は(ネットワーク障害や抽出/反映処理の遅延が起きていない場合)最終のRLCファイルのRERUNログを抽出・反映する時間がセンタ切り替え時間に含まれます。このためセンタ切り替え時間の要件を考慮して、RLCのサイズを設計する必要があります。

■RLCファイル1つあたりの容量見積

複写元システムの利用者業務と、複写先システムのRERUNログ反映処理が、ほぼ連動して運用できている場合においても、複写元システムの停止後に最低1つのRLCファイルからRERUNログの抽出・反映を行う必要があります。
このため、複写元システムの停止後に行うRLCのRERUNログ抽出・反映に要する時間が、センタの切り替えの中でRERUNログ抽出・反映に割り当て可能な時間を越えないように設計する必要があります。
RLCファイル1つあたりの容量の見積り式を以下に示します。

RLCファイル1つあたりの容量 < (RERUNログ抽出性能 × RERUNログ反映性能)
                             ÷ (RERUNログ反映性能 + RERUNログ抽出性能)
                             × RERUNログ反映処理の割り当て時間
                             × 安全係数

RERUNログ抽出性能

事前にRLCファイルの容量を10メガバイトなど一定量に決めてテスト運用を行い、RERUNログ抽出性能を計測してください。
RERUNログ抽出性能 = RLCファイルの容量 ÷ 処理時間

RERUNログ反映性能

事前にRLCファイルの容量を10メガバイトなど一定量にし、平均的な1トランザクションあたりのRERUNログ量でテスト運用を行い、RERUNログ反映性能を計測してください。
RERUNログ反映性能 = 1RERUNログ抽出ファイルの容量 ÷ RERUNログ反映処理時間

安全係数

以下の式で見積ります。
安全係数 = 複写元システムの停止時点からRERUNログ抽出・反映が
            必要と想定されるRLCファイル数の逆数
RLCファイルの容量は、最低10メガバイトです。
保守運用では、見積りの結果、RLCファイルの容量が少なくなる場合に以下の対処を行うことも可能です。

■RLCファイル数の見積

一定期間の利用者業務内で発生するRERUNログ量から、RLCファイル数を設計します。

RLCファイル数 = (1トランザクションあたりのRERUNログ量
                  × 単位時間あたりのトランザクション件数
                  × 一定の利用者業務の区切り時間)
                ÷ RLCファイル1つあたりの容量  (小数切り上げ)

一定の利用者業務の区切り時間

回線障害やRERUNログ反映処理の遅延などを考慮し、未抽出RLCファイルの循環使用が発生しないようにする必要がある時間を表します。

なお、RLCファイル数の最小値は、3です。
また、RLCファイル数が最大値の64を超える場合、利用者業務の区切り時間を短く取るか、RLCファイルの容量を大きく取るよう見直しを行ってください。

■例

以下の条件の見積り例を示します。

  1. RLCファイル1つあたりの容量見積り

    RLCファイル1つあたりの容量 < (10メガバイト/秒 × 0.17メガバイト/秒 )
                                 ÷ (10メガバイト/秒+0.17メガバイト/秒)
                                 × 900 秒 × 0.5
                               = 0.17メガバイト/秒 × 900 秒 × 0.5
                               = 76.5メガバイト
  2. RLCファイル数の見積り

    1より、RLCファイル1つあたりの容量を72メガバイトとすると、

    RLCファイル数 = ( 0.001メガバイト × 50 件 × 43200 秒 ) ÷ 72 メガバイト
                  = 30

目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2007