PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.2 (伝送路二重化機能編) (Linux版) |
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付録D トラブルシューティング | > D.3 運用中に異常が発生(シングル構成/クラスタ構成で共通) |
以下のようなメッセージがsyslogに出力されました。
hanet: WARNING: 87500: standby interface failed. (sha1) |
NIC切替方式の待機パトロールは、待機NIC(eth1)から隣接HUBを経由し、運用NIC(eth0)に対して監視フレームを送受信することにより行っています(プライマリNICを現用NICとして通信に使用している場合)。メッセージは監視フレームの送受信が途絶した場合に出力されますが、主な出力パターンとしては以下の4つがあります。
パターン1:
システム起動時に毎回、待機パトロールで異常を検出した旨のメッセージが出力され、dsphanetコマンドで出力される待機パトロールの状態がFAILとなった。
hanet: WARNING: 87500: standby interface failed. (sha1) |
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/dsphanet [IPv4,Patrol] Name Status Mode CL Device +----------+--------+----+----+------------------------------------------------+ sha0 Active d OFF eth0(ON),eth1(OFF) sha1 Active p OFF sha0(FAIL) |
パターン1の場合、HUBの設定誤りやケーブルの接続誤りになどにより待機パトロールの監視フレームがプライマリNIC(eth0)に到達していない可能性があります。
パターン2:
システム起動時に待機パトロールが正常に動作していることを示すメッセージが出力されたが、運用中に待機パトロールの異常を示すメッセージが出力され、dsphanetコマンドで出力される待機パトロールの状態がFAILとなった。
hanet: INFO: 89600: path to standby interface is established. (sha1) ・ ・ hanet: WARNING: 87500: standby interface failed. (sha1) |
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/dsphanet [IPv4,Patrol] Name Status Mode CL Device +----------+--------+----+----+------------------------------------------------+ sha0 Active d OFF eth0(ON),eth1(OFF) sha1 Active p OFF sha0(FAIL) |
パターン2の場合、ネットワーク障害が発生した可能性があります。
パターン3:
運用中に待機パトロールの異常を示すメッセージが出力されたが、しばらくすると復旧を示すメッセージが出力された、または、異常を示すメッセージと復旧を示すメッセージが交互に出力される。
hanet: INFO: 89600: path to standby interface is established. (sha1) ・ ・ hanet: WARNING: 87500: standby interface failed. (sha1) hanet: INFO: 88500: standby interface recovered. (sha1) ・ ・ hanet: WARNING: 87500: standby interface failed. (sha1) hanet: INFO: 88500: standby interface recovered. (sha1) |
パターン3の場合、HUBやGLSの設定誤り、ネットワーク負荷の増大などにより、一時的な監視フレームのロストが発生している可能性があります。
パターン4:
システム起動時に毎回、待機パトロールで異常を検出した旨のメッセージが出力され、その後、即座に復旧を示すメッセージが出力される。また、運用中は待機パトロールの状態はONとなっている。
hanet: WARNING: 87500: standby interface failed. (sha1) hanet: INFO: 88500: standby interface recovered. (sha1) |
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/dsphanet [IPv4,Patrol] Name Status Mode CL Device +----------+--------+----+----+------------------------------------------------+ sha0 Active d OFF eth0(ON),eth1(OFF) sha1 Active p OFF sha0(ON) |
パターン4の場合、運用上の問題はありません。HUBにおいてSTP(スパニングツリープロトコル)が有効となっている場合、STPの転送遅延タイマのためインタフェースがリンクアップしても約30秒間は監視フレームの送受信ができません。このため、待機パトロールで一時的にエラーを検出しますが、転送遅延タイマが満了すれば正常に通信ができるようになります。また、設定の変更によりメッセージの出力を抑止することが可能です。
メッセージ出力パターンに応じて、以下の項目の確認を行ってください。
メッセージ出力パターン |
確認項目 |
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パターン1 |
HUBの設定 |
イーサフレームタイプ |
自ノードおよびネットワークの状態 |
HUBの状態 |
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ケーブル |
接続確認 |
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パターン2 |
自ノードおよびネットワークの状態 |
HUBの状態 |
ケーブル |
接続確認 |
|
パターン3 |
HUBの設定 |
通信モード |
自ノードおよびネットワークの状態 |
保守作業 |
|
パターン4 |
HUBの設定 |
STPの設定 |
各確認項目の詳細は以下のとおりです。
確認項目 |
内容 |
|
ケーブル |
接続確認 |
1) プライマリNIC、セカンダリNICが接続されているHUBのポートに誤りがないか確認してください。プライマリNIC、セカンダリNICが異なるHUBに接続されている場合は、HUB-HUB間でカスケード接続が行われていることを確認してください。また、NICおよびHUBのLEDによりケーブルの断線等が発生していないことを確認してください。 |
種別 |
1) 使用しているケーブルの種類(ストレートケーブル、クロスケーブル)が正しいことを確認してください。なお、ケーブルの種別を自動認識する機能(Auto-MDIX)は、通信モードをオートネゴシエーションに設定しないと有効にならない場合があります。詳細は、HUBのマニュアルを確認してください。 |
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HUBの設定 |
イーサフレームタイプ |
待機パトロールは監視フレームを送受信することにより監視を行っています。多くのHUBでは監視フレームでの通信が可能ですが、まれに、デフォルトの設定では監視フレームの通信を遮断するHUBが存在します。その場合は、任意のイーサフレームが通過可能となるようにHUBの設定を見直してください。 |
通信モード |
自ノードで使用しているインタフェースとHUBのポートに設定されている通信モードに不整合がないか確認してください。HUBと自ノードのNICで通信モードの設定が異なる場合、コリジョンによるパケットロストが多発する場合があります。(例:自ノード側をオートネゴシエーション、HUB側を全二重固定に設定した場合など)。なお、Ethernetで接続する機器同士は以下の通信モードである必要があります。 |
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STPの設定 |
STP(スパニングツリープロトコル)を有効にしている場合、待機パトロールの起動後の約30秒間は、監視フレームの送受信ができません。システム起動時に待機パトロールの異常を検出し、その後、即座に復旧を検出する場合は、以下の方法で対処を行ってください。 |
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VLAN ID |
ポートVLANをサポートするHUBを使用している場合は、プライマリNICが接続されているポートとセカンダリNICが接続されているポートのVLAN IDが同一であることを確認してください。VLAN IDが異なる場合、監視フレームが待機NICから現用NICに到達しません。 |
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自ノードおよびネットワークの状態 |
保守作業 |
待機パトロールで異常を検出した時間帯に監視先に設定しているHUBの再起動や交換等の保守作業を行っていないことを確認してください。HUBの交換を行う場合は待機パトロールを停止する必要があります。 |
HUBの状態 |
HUBが故障した場合は、監視フレームが間欠的にロストすることがあります。HUBのログに異常メッセージが出力されていないことを確認してください。 |
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syslog |
1) 待機パトロール監視を行っていたNICがリンクダウンした可能性があります。異常が検出された時間帯でsyslogにリンクダウンメッセージが出力されているか確認してください。 |
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通信負荷 |
ネットワークのトラフィックが増加し高負荷状態となった場合、監視フレームの遅延やロストが発生する場合があります。HUBの統計情報やログから、コリジョンやパケットロストの有無を確認してください。Linuxの場合は、sarコマンドで、切替えが発生した時間帯の送受信パケット数等を確認してください。なお、異なる速度(1Gbpsと100Mbps等)のネットワークが混在している環境では、高速なネットワークで帯域に余裕があっても、低速なネットワークに中継するHUBでパケットロストが発生する場合があります。トラフィックの見積もりが正しく行われているかを確認してください。 |
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