PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版)
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付録F トラブルシューティング> F.1 トラブルへの対処方法

F.1.7 プロキシオブジェクトに関する異常

プロキシオブジェクトに関する異常について、以下に該当する場合は、それぞれに記載されている対処を行ってください。

 

(1) マスタ、プロキシ間のコピー処理においてアドバンスト・コピー機能が使用できない。

[説明]

マスタ、プロキシ間のコピー処理がどの方式で行われているかは、sdxinfo コマンドで表示される CPTYPE フィールドで確認できます。CPTYPE フィールドに soft と表示される場合は、富士通ストレージシステム ETERNUS のアドバンスト・コピー機能ではなく、GDS のソフトコピー機能によってコピーが行われています。

# sdxinfo -S -e long -o pv1
OBJ    NAME         CLASS   GROUP   DISK    VOLUME  JRM MODE STATUS   COPY CURBLKS  COPYBLKS DLY CPTYPE CPSOURCE
------ ------------ ------- ------- ------- ------- --- ---- -------- ---- -------- -------- --- ------ --------
slice  *            Class1  Group1  Disk1   pv1     *   *    COPY     run  93952    10027008 0   soft   *

アドバンスト・コピー機能が使用されない原因として、以下の 8 通りの原因が考えられます。

(原因 a)
ディスクアレイ装置のアドバンスト・コピー機構の設定が正しく行われていない。
(原因 b)
GDS Snapshot をインストールした後、ノードを再起動していない。
(原因 c)
マスタと他のプロキシとの間に EC または REC のセッションが存在するため、OPC または ROPC が使用できない。
(原因 d)
マスタボリュームに複数のプロキシボリュームが関連付けられていて、EC または REC のセッションが設定されているプロキシボリュームの個数が上限 (16 個) に達している。
(原因 e)
プロキシボリュームが多重度 2 以上のミラーリング構成である。
(原因 f)
マスタボリュームまたはプロキシボリュームが属しているグループに、下位グループが接続されている。
(原因 g)
マスタまたはプロキシが属しているディスクアレイ装置が、アドバンスト・コピー機能をサポートしていない。
(原因 h)
ディスクアレイ装置、または、ファイバチャネルの経路に異常がある。

詳細については、「プロキシ構成におけるアドバンスト・コピー機能の利用」を参照してください。

[対処]

ディスクアレイ装置の設定と GDS のオブジェクト構成を確認し、原因を特定し、原因に応じて以下の対処を行ってください。

 

(2) 代替ブート環境の設定が 60305 番のエラーで失敗する。【Itanium】

[説明]

ルートクラスのマスタグループに、ファイルシステムやスワップ域として /etc/fstab ファイルに記述されていないボリュームが存在する場合、プロキシグループを指定して sdxproxy Root コマンドを実行すると、以下のエラーメッセージが出力されて、エラーとなります。

sdxproxy: ERROR: プロキシボリューム名: corresponding volume not specified in /etc/fstab

プロキシグループからブートしている場合には、上記の説明の「マスタ」と「プロキシ」を入れ替えた現象が発生します。この場合は、以下の [対処] の「マスタ」と「プロキシ」を入れ替えて対処を行ってください。

[対処]

以下の構成の場合を例として説明します。

この構成では、以下のエラーが発生します。

# sdxproxy Root -c Class1 -p pg1
sdxproxy: ERROR: pv2: corresponding volume not specified in /etc/fstab

以下の対処 a、b のいずれかの方法で対処を行ってください。

(対処 a)

プロキシグループ内のプロキシボリュームのうち、以下の条件を満たすボリュームだけを指定して、sdxproxy Root コマンドを実行します。

例)

# sdxproxy Root -c Class1 -p pv1,pv3

(対処 b)

以下の手順に従い、マスタグループ内のすべてのボリュームを /etc/fstab に記述し、sdxproxy Root コマンドを実行した後、fstab から不要な記述を削除します。

1) マスタグループ内のマスタボリュームのうち、/etc/fstab に記述されていないボリュームを、/etc/fstab に記述します。

例) /etc/fstab に mv2 の記述を追加する。

2) 代替ブート環境を作成します。

例)

# sdxproxy Root -c Class1 -p pg1

3) /etc/fstab から、1) で追加したボリュームの記述を削除します。

4) 代替ルートボリュームを一時的なマウントポイント (たとえば /work) にマウントし、/work/etc/fstab から、1) で追加したボリュームの代替ボリュームの記述を削除します。

例) pv1 を /work にマウントし、/work/etc/fstab から pv2 の記述を削除する。

5) 代替ルートボリュームをアンマウントします。

例) pv1 をアンマウントする。



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