PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版) |
目次
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第6章 バックアップとリストア | > 6.6 ドメイン外サーバからのバックアップとリストア | > 6.6.3 プロキシボリュームによるスナップショットを使用したバックアップとリストア |
ここでは、バックアップサーバ Node3 からマスタボリューム Volume1 を構成するすべてのディスクにアクセスできる場合の例を示します。
ディスク装置のコピー機能を使用している場合
バックアップサーバ Node3 からマスタボリューム Volume1 を構成するすべてのディスクにアクセスでき、かつ、マスタとプロキシの間の等価性維持においてディスク装置のコピー機能を使用している場合は、手順 15) でプロキシボリュームを分離する必要はありません。
バックアップサーバからマスタボリュームを構成するディスクにアクセスできない場合
プロキシボリューム Volume2 を分離した状態で、テープからプロキシボリュームにデータをコピーした後、プロキシボリュームを用いてマスタボリュームのデータを復元します。
13) 業務の停止
運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、マスタボリューム Volume1 を使用しているアプリケーションを停止します。
Volume1 をファイルシステムとして使用している場合は、アンマウントします。
14) マスタボリュームの停止
運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、マスタボリューム Volume1 への不当な書込みを防止するため、Volume1 を停止します。以下のコマンドを Node1 または Node2 で実行します。
# sdxvolume -F -c Class1 -v Volume1 -e allnodes |
15) プロキシボリュームの分離
運用ドメインにおいて、プロキシボリューム Volume2 をマスタボリューム Volume1 から分離します。以下のコマンドを運用ドメインのノード Node1 または Node2 で実行します。
# sdxproxy Part -c Class1 -p Volume2 -a pjrm=off |
プロキシ用の高速等価性回復モード
バックアップサーバ Node3 において、マスタボリューム Volume1 のデータをテープからリストアした後、運用ドメインにおいて、プロキシボリューム Volume2 をマスタボリューム Volume1 に再結合します。このとき、Volume1 全体のデータを Volume2 にコピーする必要があります。このため、分離するプロキシボリュームの高速等価性回復モードをオフに設定しておく必要があります。
ディスク装置のコピー機能を使用している場合
マスタとプロキシの間の等価性維持においてディスク装置のコピー機能を使用している場合は、本手順 (プロキシボリュームの分離) を実施する必要はありません。
バックアップサーバからマスタボリュームを構成するディスクにアクセスできない場合
プロキシボリューム Volume2 を分離した後、Volume2 への不当な書込みを防止するため、Node1 および Node2 において Volume2 を停止してください。
16) マスタボリュームの構成と状態の確認
運用ドメインのノード Node1 および Node2 において、リストアの対象となるマスタボリューム Volume1 の構成と状態を確認します。Volume1 を構成するすべてのスライスが STOP 状態であることを確認します。スライスの状態が不当な場合は、「スライス状態に関する異常」を参照して状態を復旧してください。
# sdxinfo -S -c Class1 -o Volume1 OBJ CLASS GROUP DISK VOLUME STATUS ------ ------- ------- ------- ------- -------- slice Class1 Group1 Disk1 Volume1 STOP slice Class1 Group1 Disk2 Volume1 STOP |
ディスク装置のコピー機能を使用している場合
マスタとプロキシの間の等価性維持においてディスク装置のコピー機能を使用していて手順 15) でプロキシボリュームを分離しなかった場合は、プロキシボリューム Volume2 を構成するすべてのスライスも STOP 状態であることを確認します。
バックアップサーバからマスタボリュームを構成するディスクにアクセスできない場合
リストアの対象となるプロキシボリューム Volume2 の構成と状態を確認します。
17) リストア用シャドウボリュームの作成
バックアップサーバ Node3 において、リストア用のボリューム (シャドウボリューム) を作成します。
17-1) シャドウボリュームの作成
# sdxshadowdisk -M -c Class2 -d sda=Disk1,sdb=Disk2 # sdxshadowdisk -C -c Class2 -g Group1 -d Disk1,Disk2 # sdxshadowvolume -M -c Class2 -g Group1 -v Volume1 -s 1048576 |
不適切な構成のシャドウボリュームに書込みを行うと、マスタボリュームのデータが破損することあります。sdxinfo コマンドを使用して、シャドウボリュームの構成が適切であることを必ず確認してください。
手順 1) で作成したマスタボリュームと同じ構成にする必要があります。
シャドウディスクのディスク名は、運用ドメインで割り当てられているディスク名と同じにする必要があります。運用ドメインで割り当てたディスク名は、手順 16) の sdxinfo コマンドで表示されたディスク情報の NAME フィールドで確認できます。
クラス名、グループ名、ボリューム名は自由に割り当てることができます。
シャドウグループにシャドウディスクを接続する順序は、運用ドメインでグループにディスクを接続した順序と同じにする必要があります。運用ドメインのディスクの接続順序は、手順 16) の sdxinfo コマンドで表示されたグループ情報の DISKS フィールドで確認できます。
ストライプタイプのシャドウグループのストライプ幅は、運用ドメインのストライプグループのストライプ幅と同じにする必要があります。運用ドメインで設定したストライプ幅は、手順 16) の sdxinfo -e long コマンドで表示されたグループ情報の WIDTH フィールドで確認できます。
シャドウボリュームは、マスタボリュームと同じサイズで作成する必要があります。マスタボリュームのサイズは、手順 16) の sdxinfo コマンドで表示されたボリューム情報の BLOCKS フィールドで確認できます。
ボリュームが複数ある場合、手順 16) の sdxinfo コマンドで表示されたボリューム情報の 1STBLK フィールドの値 (先頭ブロック番号) が小さい順に、対応するシャドウボリュームを作成する必要があります。
バックアップサーバからマスタボリュームを構成するディスクにアクセスできない場合
リストア用シャドウボリュームは、手順 2) で作成したプロキシボリュームと同じ構成で作成します。
17-2) シャドウボリュームのアクセスモードの変更
シャドウボリューム Volume1 を読書き用のアクセスモード (rw) で起動します。
# sdxshadowvolume -F -c Class2 -v Volume1 # sdxshadowvolume -N -c Class2 -v Volume1 -e mode=rw |
17-3) シャドウボリュームの構成の確認
sdxinfo コマンドを実行し、グループ情報の DISKS フィールド、ボリューム情報の 1STBLK フィールドおよび BLOCKS フィールドなどから、グループ構成やボリューム構成が適切であることを確認します。
# sdxinfo -c Class2 |
18) テープからのリストア
バックアップサーバ Node3 において、シャドウボリュームのデータを手順 6) でバックアップしたテープからリストアします。シャドウボリューム Volume1 のデータをテープ装置 /dev/st0 のテープ媒体からリストアする例を示します。
リストア方法の詳細については、リストアするファイルシステムや使用するコマンドのマニュアルを参照してください。
18a) dd(1) コマンドを使用してデータをリストアする場合
# dd if=/dev/st0 of=/dev/sfdsk/Class2/dsk/Volume1 bs=32768 |
18b) tar(1) コマンドを使用して ext3 ファイルシステムをリストアする場合
18b-1) シャドウボリューム Volume1 に ext3 ファイルシステムを作成します。
# mkfs -t ext3 /dev/sfdsk/Class2/dsk/Volume1 |
18b-2) シャドウボリューム Volume1 上の ext3 ファイルシステムを、一時的なマウントポイント /mnt1 にマウントします。
# mkdir /mnt1 # mount -t ext3 /dev/sfdsk/Class2/dsk/Volume1 /mnt1 |
18b-3) ファイルシステムのデータをテープからリストアします。
# cd /mnt1 # tar xvf /dev/st0 |
18b-4) 手順 18b-3) でマウントしたファイルシステムをアンマウントします。
# cd / # umount /mnt1 # rmdir /mnt1 |
19) シャドウボリュームの削除
リストアが完了したら、シャドウボリュームへの不当なアクセスを防ぐため、シャドウボリュームを削除します。バックアップサーバ Node3 で以下の作業を実施します。
# sdxshadowvolume -F -c Class2 -v Volume1 # sdxshadowvolume -R -c Class2 -v Volume1 # sdxshadowgroup -R -c Class2 -g Group1 # sdxshadowdisk -R -c Class2 -d Disk1 # sdxshadowdisk -R -c Class2 -d Disk2 |
20) 業務の再開
運用ドメインで業務を再開します。業務を実行するノードで以下の作業を実施します。
バックアップサーバからマスタボリュームを構成するディスクにアクセスできない場合
業務を再開する前に、マスタボリューム Volume1 のデータをプロキシボリューム Volume2 からリストアします。手順については、「プロキシボリュームからのリストア手順」を参考にしてください。
20-1) マスタボリュームの起動
マスタボリューム Volume1 を起動します。
# sdxvolume -N -c Class1 -v Volume1 |
20-2) 業務の再開
手順 13) でマスタボリューム Volume1 上のファイルシステムをアンマウントした場合は、再度マウントします。
Volume1 を使用するアプリケーションを起動します。
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