PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版)
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第6章 バックアップとリストア> 6.1 システムディスクのバックアップとリストア【Itanium】

6.1.2 バックアップ手順

バックアップ対象のファイルの整合性を確保するため、バックアップは、CD-ROM 装置からブートするか、または、シングルユーザモードに移行して行います。整合性を確実に確保するためには、CD-ROM 装置からブートしてバックアップを行うことを推奨します。

a) CD-ROM 装置からブートしてバックアップを行う場合

a1) バックアップの際に、バックアップ対象のスライスに対して書込みを行う可能性がある場合は、バックアップ対象のディスクのミラーリングを一時的に解除します。

たとえば、バックアップ対象のファイルシステムに対して mount(8) コマンドや fsck(8) コマンドを実行すると、これらのコマンドがバックアップ対象のスライスに書込みを行うことがあります。このような場合、事前に本手順を実行してミラーリングを一時的に解除しておく必要があります。

例として、ディスク Root1 とディスク Root2 がグループ Group1 に接続されてミラーリングされていて、Root1 をバックアップ対象とする場合に、Group1 から Root2 を切断する場合のコマンド行を示します。

# sdxdisk -D -c System -g Group1 -d Root2

グループ Group1 に接続されているディスク (GROUP フィールドに Group1 と表示されるディスク) が 1 つだけであることを確認します。

# sdxinfo -D -c System
OBJ    NAME    TYPE   CLASS   GROUP  DEVNAM  DEVBLKS  DEVCONNECT   STATUS
----   -----   ------ ------  ------ ------  -------  -----------  -------
disk   Root1   mirror System  Group1 sda     35368272 node1        ENABLE
disk   Root2   undef  System  *      sdb     35368272 node1        ENABLE


ディスク Root1 上に INVALID 状態のスライスがある場合は、Root1 の方を切断してください。keep タイプのディスクを切断した場合は、後でグループに接続できるように、タイプ属性を undef に変更してください (または、いったんクラスから削除してから、undef タイプのディスクとして登録しなおしてください)。ディスクのタイプ属性の変更方法は、「クラス構成」の「ディスク属性の変更」または「sdxattr - オブジェクトの属性値変更」を参照してください。


本手順を実行せずに、以降の手順でバックアップ対象のスライスに対して書込みを行ってしまった場合、バックアップ対象のボリュームの等価性は保証されません。この場合、「リストア手順 (システムがブートできない場合)」に従って、バックアップ対象のボリュームのリストアを行ってください。

a2) システムをシャットダウンします。

# shutdown -h now

a3) ノードの電源を投入し、OS のインストール CD を CD-ROM ドライブに挿入します。

a4) EFI ブートマネージャのブートオプション選択画面に表示されるブートデバイスの中から、CD-ROM 装置を選択し、レスキューモードで起動します。

Red Hat Enterprise Linux AS (v.4 for Itanium) の場合、以下の手順で起動します。
詳細は、OS のマニュアルを参照してください。

EFI Boot Manager ver 1.10

Please select a boot option

Root1
Root2
DVD/Acpi(PNP0A03,0)/Pci(1D|1)/Usb(0,0)←選択
...

Use ↑ and ↓ to change option(s). Use Enter to select an option

a5) バックアップ対象の物理スライス名を確認します。

バックアップ対象の物理ディスク名を確認します。

# ls -l /sys/block/sd*/device | grep 0000:06:02.0 | grep 0:0:0
lrwxrwxrwx  1 root root 0 Jun  1  2005 /sys/block/sda/device ->\
../../devices/pci0000:02/0000:02:1f.0/0000:06:02.0/host2/\
target0:0:0/0:0:0:0

grep コマンドの引数には、バックアップ対象のディスク (この例では Root1) の、「物理ディスク情報とスライス番号の確認」で確認した物理ディスク情報を指定します。

この例では、物理ディスク名は、sda です。

物理ディスク名と、「物理ディスク情報とスライス番号の確認」で確認したスライス番号を組み合わせることで、物理スライス名が分かります。

この例では、バックアップ対象の物理スライス名は、下記のとおりです。

用途

物理スライス名

/

sda1

/var

sda2

/usr

sda3

/boot

sda4

/boot/efi

sda5

a6) ファイルシステムのデータのバックアップをテープ媒体に採取します。

ここでは、dump(8) コマンドを使用して、ルートファイルシステムのデータをテープ装置 /dev/st0 のテープ媒体にバックアップする場合を例として示します。

# dump 0uf /dev/st0 /dev/sda2

dump コマンドの引数では、手順 a5) で確認した物理スライスを指定します。


バックアップ方法の詳細については、バックアップするファイルシステムや使用するコマンドのマニュアルを参照してください。

a7) レスキューモードを終了し、システムを起動します。

Red Hat Enterprise Linux AS (v.4 for Itanium) の場合、以下のコマンドでレスキューモードを終了します。
詳細は、OS のマニュアルを参照してください。

# exit

a8) 手順 a1) を実行した場合は、手順 a1) で切断したディスクをグループに再接続します。

# sdxdisk -C -c System -g Group1 -d Root2

ディスク Root2 がグループ Group1 に接続されたこと (Root2 の行の GROUPフィールドに Group1 と表示されること) を確認します。

# sdxinfo -D -c System
OBJ    NAME    TYPE   CLASS   GROUP   DEVNAM  DEVBLKS  DEVCONNECT STATUS
-----  ------- ------ ------- ------  ------- -------- ---------- -------
disk   Root1   mirror System  Group1  sda     35368272 node1      ENABLE
disk   Root2   mirror System  Group1  sdb     35368272 node1      ENABLE

等価性コピーが自動的に行われ、等価性コピーが完了するとミラーリング状態が復旧されます。


GDS 運用管理ビューを使用する場合は、「グループ構成」を参照してください。

 

b) シングルユーザモードに移行してバックアップを行う場合

b1) 動作中のアプリケーションプログラムを停止します。

b2) シングルユーザモードに移行します

# init 1

b3) バックアップするファイルシステムのボリュームを確認します。

ここでは、/ (ルート) ファイルシステムをバックアップする場合を例として説明します。

# mount | grep " / "
/dev/sfdsk/System/dsk/rootVolume on / type ext3 (rw)

この例では、/ (ルート) ファイルシステムのボリュームのデバイス特殊ファイルは、/dev/sfdsk/System/dsk/rootVolume です。

b4) ファイルシステムのデータのバックアップをテープ媒体に採取します。

ここでは、dump(8) コマンドを使用してテープ装置 /dev/st0 のテープ媒体にバックアップする場合を例として示します。

# dump 0uf /dev/st0 /dev/sfdsk/System/dsk/rootVolume

dump コマンドの引数には、手順 b3) で確認したボリュームのデバイス特殊ファイルを指定します。


バックアップ方法の詳細については、バックアップするファイルシステムや使用するコマンドのマニュアルを参照してください。

b5) システムを再起動します。

# shutdown -r now



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