PowerReplication ユーザーズガイド V3.0 - Microsoft(R) Windows(R) 2000, Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003 - |
目次
索引
![]() ![]() |
第2章 PowerReplicationの機能と仕組み | > 2.2 レプリケーションサービスの機能 |
レプリケーション機能が備える2種類の同期方式を説明します。
一括方式は、データ反映元のすべてのデータを反映先データファイルに反映する方式です。抽出条件が指定されている場合は、抽出条件に一致しているデータを反映先データファイルに反映します。
データファイルの大部分を更新する場合、データが定期的に初期化される場合、または、ビュー表を使用して加工した表(集計結果)を配布する場合などに有効な方式です。
抽出条件を設定することで、不要なデータを除き反映元データを絞り込むことができます。
一括方式には、データ反映時の処理モードが4種類あり、マスタグループの定義時に処理モードを設定します。
以下に、各処理モードを説明します。
反映先のデータファイルが初期化された後に、反映するデータが追加されます。データ件数の制限はありません。反映先のデータファイルが占有獲得されます。
また、処理の途中でエラーが発生した場合、反映先のデータファイルが初期化されます。
創成を選択しても、自動的にデータファイルは作成されません。DBMSのユーティリティなどを使用して、あらかじめデータファイルを作成してください。
複数のレプリカから1つのマスタにデータを集約する場合は、創成で一括同期を実施しないでください。
PowerRW+を使用する場合、反映先の動作環境設定で"データ退避後に同期処理を行う"を指定した場合、エラー発生時は同期実行直前の状態となります。
当指定は、自サーバが反映先となり、PowerRW+を使用する場合のみ有効です。
反映元の抽出条件に合致した反映先のデータは、一旦すべて削除されてから、データが追加されます。反映先のデータファイルは占有獲得されます。
反映先のマスタ定義またはレプリカ定義に設定した主キーの値と反映するデータの主キーの値が一致する場合は無効とし、一致する主キーの値が存在しない場合は、データが追加されます。追加の場合は、主キーの設定がマスタとレプリカの両方に必要となります。反映先のデータファイルはレコード単位で排他されます。
反映元の主キーの値と反映するデータの主キーの値が一致する場合、データを項目単位で更新し、一致する主キーの値が存在しない場合は、データが追加されます。
また、更新の場合は、主キーの設定がマスタとレプリカの両方に必要となります。
反映先のデータファイルはレコード単位で排他されます。
以降、一括方式の同期を、一括同期と呼びます。
一括同期の実行中は、同期対象となる反映元のデータファイルは占有獲得されます。
したがって、その間は、利用者プログラムなどからこのデータファイルを操作できません。
複数のレプリカから1つのマスタにデータ集約する場合は、マスタ側で反映データが重ならないようにするため、必ずレプリカ側に抽出条件を設定してください。
差分方式は、前回の同期から更新されたデータだけを反映先のデータファイルへ反映する方式です。
差分方式は一般的にデータの転送量が少なく済むため、一括同期と比較して、処理時間を短縮できます。マスタまたはレプリカのデータファイルの全体サイズに対して更新する量が少ない場合に有効となります。
差分方式の場合、更新内容を登録する更新情報をレプリケーションサービスが作成します。
更新情報には、データ操作時の種別(更新、追加、削除)と更新データが含まれます。この更新情報が反映先のレプリケーションサービスに受け取られ、同じデータ操作が反映先データファイルに対して再現されます。
反映元のデータファイルに対する更新、追加、削除が行われた場合、反映先でのレプリケーションサービスの処理を、以下に説明します。
更新種別 |
反映先での処理 |
更新 |
転送されてきた更新データの主キーの値と一致するデータを更新します。転送されてきた更新データと主キーの値が一致しない場合※、更新データを破棄します。 |
追加 |
転送されてきた更新データの主キーの値と一致するデータが存在しない場合、データを追加します。主キーの値と一致するデータが存在する場合※、データを更新します。 |
削除 |
転送されてきた更新データの主キーの値と一致するデータを削除します。主キーの値と一致するデータが存在しない場合※、削除しません。 |
※)競合が発生します。競合の詳細は、"2.2.5 競合検出"を参照してください。
以降、差分方式の同期を、差分同期と呼びます。
差分同期では、マスタとレプリカのデータが一致していることを前提に同期処理を行うため、初回の同期は一括方式の同期を行ってデータを一致させることが必要です。
また、システム異常などが発生し、データが一致しない状態となった場合、一括方式の同期を行って復旧することが必要です。
差分同期で一括方式の同期を実行できます。このとき、以下のいずれかの処理モードを設定します。
- 創成
反映先のデータファイルが初期化された後に、反映するデータが追加されます。
なお、複数のレプリカから1つのマスタにデータ集約する場合は、[創成]を選択しないでください。- 置換
反映元の抽出条件に該当する反映先のデータを削除し、反映するデータが追加されます。
差分同期の場合は、主キーの設定がマスタとレプリカの両方に必要となります。
主キーとする項目は、マスタおよびレプリカを定義するときに指定します。
目次
索引
![]() ![]() |