Linkexpress SSL通信環境導入説明書
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第2章 SSL通信の環境設定

2.5 秘密鍵の管理環境の作成

証明書管理パッケージのコマンドを実行して、秘密鍵の管理環の作成と設定を行います。以下の手順で操作を行ってください。

■スロッの生成

スロット情報ディレクトリに対して、mksltコマンドを実行してスロットを生成します。

■トークの生成

mksltコマンドを実行して生成したスロットに対して、mktknコマンドを実行してトークンを生成し組み込みます。

■サンプル(UNIXサーバの場合)

スロットをmksltコマンドで生成する時の対話入力の例は以下のとおりです。以下の例では、スロット情報ディレクトリを"/home/slot"で作成しています。

Example# mkslt -sd /home/slot
Setting Slot-password.
Slot-password:                             ← スロットパスワードの設定
Retype:                                    ← スロットパスワードの再入力
mkslt: Succeeded. New Slot-ID Is 1.        ← 終了メッセージ
Example#

トークンをmksltコマンドで生成するときの対話入力の例は以下のとおりです。以下の例では、スロットIDが1のスロットに対して、トークン"Token01"を作成します。

Example# mktkn -sd /home/slot/ -sn 1 -tl Token01
Slot-password:                               ← スロットパスワードの入力
Setting SO-PIN(also used as Token-password).
SO-PIN:                                      ← SO-PINの設定
Retype:                                      ← SO-PINの再入力
Setting User-PIN.
User-PIN:                                    ← ユーザPINの設定
Retype:                                      ← ユーザPINの再入力
Example#

■スロット、トークンについて

秘密鍵の管理では、秘密鍵を「スロット」と「トークン」の2つの概念で扱います。

スロットとは、暗号装置を装着する物理的な口を抽象化したもので、トークンとは、スロットに装着する暗号装置を抽象化したものです。

1つのスロットには、対応する1つのトークンが割り当てられます。1つのトークンには複数の秘密鍵を登録することができます。このスロット、トークンおよび秘密鍵の関係を以下の図に示します。

■秘密鍵のセキュリティ保護について

秘密鍵の操作にはセキュリティ保護のため、パスワードを必要とします。スロットの作成、トークンの作成時に指定する以下の情報は利用者が管理してください。(注1)

スロットパスワード、SO-PIN、およびユーザPINの個数と用途を以下に示します。

種類

個数

主な用途

スロットパスワード

スロットに1個

トークンの生成

SO-PIN

トークンに1個

ユーザPIN

トークンに1個

秘密鍵アクセスおよびユーザPINの変更

なお、ユーザPINはトークン単位で設定するため、1つのトークンに複数の秘密鍵が登録されている場合、1つのユーザPINで複数の秘密鍵情報にアクセスできます。

注1)これらの情報はLinkexpressサーバがSSL通信を行う時に必要です。Linkexpressサーバに対する情報設定の詳細については「導入ガイド」を参照してください。

注2) 証明書管理パッケージの場合、SO-PINはトークンの生成時に設定する以外使用しません。


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