Netcompo FNA-LAN 説明書
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上へ第4章 SNA-LANの設定

4.1 環境構築 エディタによる環境設定

本章では、SNA-LAN(LLC TYPE2プロトコルドライバ)を使用する場合の環境定義について説明します。
設定が必要となるファイルは以下の2つのファイルです。

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4.1.1 /etc/opt/FSUNnet/fjllc/config

SNA-LANで使用するインタフェースと物理ネットワークを示すデバイスの対応に関するパラメタを、
/etc/opt/FSUNnet/fjllc/config
ファイルに定義します。

本ファイルは、LLC TYPE2ドライバの活性化時にllcconfigコマンドから参照されます。

エントリの形式を以下に示します。

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1行に1つのインタフェース情報をすべて記述します。複数行にまたがって記述をした場合、2行目以降は別のインタフェースに対する定義と扱われます。

以下に各パラメタ情報について説明します。各パラメタはすべて省略できません。

4.1.1.1 interface_name

使用するインタフェース名を“llc”+“ユニット番号”の書式で指定します。
ユニット番号は10進数で、0〜255の範囲で任意の数値を指定してください。
例として、ユニット番号が0の場合“llc0”と設定してください。

4.1.1.2 device_name

使用するLANのインタフェース名を指定します。
LANのインタフェース名は、“デバイスドライバ名(hme,qfeなど)”+“インスタンス番号”で構成されています。例として、FastEthernetのインスタンス番号0の場合“hme0”と設定してください。

4.1.1.3 address_family

LLCプロトコルが実際に使用するLANのインタフェースのMAC層の種類を英小文字で指定します。
必ず、“ethernet”を設定してください。
無効な文字列を指定した場合は動作しません。

4.1.1.4 option

SNA-LANが使用するオプションパラメタを指定します。必ず"、“-”を設定してください。

以下に設定例を示します。

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4.1.2 /etc/opt/FSUNnet/fjllc/llc2hosts

LLC TYPE2プロトコルを使用するホストに関するパラメタを、
/etc/opt/FSUNnet/fjllc/llc2hosts
ファイルに定義します。

エントリの形式を以下に示します。

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1行に1つのホストの情報をすべて記述します。複数行にまたがって記述をした場合、2行目以降は別のホストに対する定義として扱われます。
設定は、“パラメタ名=設定値”の形式で記述してください。
各パラメタの間には“:”を付加します。
一部のパラメタについては省略することができます。
指定しなかったパラメタについては、標準値で動作します。
なお、行中に“#”がある場合、その桁以降はコメント扱いとなります。

以下に各パラメタ情報について説明します。

4.1.2.1 hostname

ホスト名として、自局または通信相手局の名前を8文字以内の英数字(0〜9,a〜z,A〜Z)で指定します。本パラメタは省略できません。

4.1.2.2 address

自局または通信相手局のMACアドレス値を設定します。必ず6バイトの16進数(0〜9,a〜f)を、12文字表記で指定します。“0x”や“h”などは付加せず、数値だけを指定します。
ブロードキャストアドレスや6バイト以外の長さの値を設定したり、16進数と認識されない値を指定した場合は動作しません。本パラメタは省略できません。

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4.1.2.3 T1

LLC TYPE2コネクション確立後、LLCフレーム送信によるACK応答待ち合わせタイムアウト時間の値を10進数で指定します。単位は秒、標準値は1、指定可能範囲は1〜60です。
無効な値を指定した場合は標準値で動作します。本パラメタは省略可能です。

4.1.2.4 T2

LLC TYPE2コネクション確立後、LLCフレーム受信によるACK応答を遅らせる場合の最大時間を10進数で指定します。単位は100m秒、標準値は1、指定可能範囲は0〜60です。
無効な値を指定した場合は標準値で動作します。本パラメタは省略可能です。

4.1.2.5 Ti

LLC TYPE2コネクション確立中のLLCフレーム送信による応答待ち合わせタイムアウト時間を10進数で指定します。単位は秒、標準値は30、指定可能範囲は1〜60です。無効な値を指定した場合は標準値で動作します。本パラメタは省略可能です。

4.1.2.6 N1

情報フィールドを持つLLCフレーム(I,TEST,XID)の情報フィールド最大長(DSAP以降のバイト
長)を10進数で指定します。単位はバイト、標準値は516、指定可能範囲は1〜1500です。無効な値を指定した場合は標準値を使用します。なお、現在このパラメタは未使用のため設定しても意味を持ちません。
本パラメタは省略可能です。

4.1.2.7 N2

T1タイマがタイムアウトする動作を最大何回まで繰り返すかを指定します。単位は回数、標準値は30、指定可能範囲は1〜60です。無効な値を指定した場合は標準値で動作します。本パラメタは省略可能です。

4.1.2.8 N3

遅延ACK応答までの受信Iフレーム数を指定します。例えば、N3≦1の場合、Iフレームを1つ受信するごとにACK応答を行いますが、N3>1の場合、IフレームをN3個受信するまでACK応答を行いません。もし送信側の合計送信Iフレーム数が受信側のN3よりも少ない場合は、送信側がRRコマンドを送信し、それに対応して受信側もRRレスポンスでACK応答します。単位はフレーム数、標準値は64、指定可能範囲は1〜受信ウィンドウサイズ(RW)で指定した値です。
無効な値を指定した場合は標準値で動作します。

4.1.2.9 Nw

通信相手局から応答がないためにウィンドウサイズを1にして動作した場合、元のウィンドウサイズ(TWの設定値)に復帰させる条件(通信相手局からのACK受信数)を10進数で設定します。標準値は1、指定可能範囲は1〜127です。無効な値を指定した場合は標準値で動作します。
本パラメタは省略可能です。

4.1.2.10 TW

送信ウィンドウサイズを設定します。ウィンドウサイズとは、フレームの再送またはLLCアプリケーションが一度に送信できるフレーム数の最大値を意味します。単位はフレーム数、標準値は
127、指定可能範囲は1〜127です。無効な値を指定した場合は標準値で動作します。本パラメタ
は省略可能です。

4.1.2.11 RW

受信ウィンドウサイズを設定します。通信相手局から受信したACK応答前のフレームをいくつまで管理できるかを指定します。通常は送信ウィンドウサイズと同一の値を指定してください。単位はフレーム数、標準値は127、指定可能範囲は1〜127です。
無効な値を指定した場合は標準値で動作します。本パラメタは省略可能です。

4.1.2.12 unit

/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configに設定したインタフェース名(interface_name)のユニット番号を設定します。
例として、/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configinterface_nameに“llc0”を設定した場合、本パラメタ(unit)には0を設定してください。本パラメタは省略できません。

4.1.2.13 address_family

LLCプロトコルを実際に使用する自ホストのMAC層(物理インタフェース)の種類を英小文字で指定します。必ず“ethernet”を設定してください。無効な文字列を指定した場合は動作しません。このパラメタは自局の場合だけ意味を持ち、通信相手局として指定された内容は意味を持ちません。通信相手局としての設定は、自局の指定値と同じ内容を指定してください。また、
/etc/opt/FSUNnet/fjllc/configに設定したアドレスファミリ(address_family)と同じ値を設定してください。
本パラメタは省略できません。

4.1.2.14 max_conind

自局をLLC TYPE2コネクション要求を受付けるサーバ側として動作させる場合に指定するもので、コネクション要求受付の最大数を10進数で指定します。LLC TYPE2コネクションのサーバとして使用する場合は1以上を指定してください。また、LLC TYPE2コネクションのクライアントとして使用する場合には0を指定してください。単位はコネクション要求数、標準値は0、指定可能範囲は0〜65535です。無効な値を指定した場合は標準値で動作します。本パラメタは省略可能です。

以下に設定例を示します。

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