Symfoware Parallel Server 概説書
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第3章 データベースの構成

3.4 格納構造

Symfoware Parallel Serverでは、処理効率、格納効率および運用を考慮した格納構造が定義できます。論理的に1つの実表を、規則に基づいて複数のグループ(DSI)に分割したり、1つのグループを複数のデータベーススペースに分散配置することができます。それにより、データベースの障害発生時の影響範囲を分割単位に局所化したり、ディスクの負荷を分散することができます。

Symfoware Parallel Serverでは、大規模データベース運用の実現のために、以下の2つの機能を利用することができます。

◆パラレルデータベーススペー

表やインデックスのDSIを並列に処理するために分散格納した複数のデータベーススペースの集まりを、パラレルデータベーススペースと呼びます。1つの表やインデックスを複数のデータベーススペースに割り付けることにより、大規模データベースが構築できます。

インデックスのデータベーススペースと表のデータベーススペースは、同じまたは異なるデータベーススペースに配置します。

DSIの並列

DSIの並列数は、同時にアクセスするデータベーススペースの数のことです。

◆表の分

1つの表を規則に基づいて、複数に分割することにより、分割単位ごとの独立運用が可能となります。これにより、大規模データベースの創成、更新、バックアップおよびリカバリ処理を、分割単位で独立して並行に行うことができます。

 

格納構造は、DSO(Data Structure Organization)とDSI(Data Structure Instance)の2つから構成されます。

■DSO

DSOは、実表に対してそのデータの格納構造を定義します。DSOには、以下のものがあります。

◆表のDSO

表のDSOは、データを格納するための格納構造の種類や、データを分割して格納する場合の分割方法を定義します。

◆インデックスのDSO

インデックスのDSOは、表に対してどのようなインデックスを作成するのかを定義します。

■DSI

DSIは、実表のデータを格納する領域を、データベーススペースに割り付けるために定義します。DSIには、以下のものがあります。

◆表のDSI

表のDSIは、データを格納するための領域を、データベーススペースに割り付けるために定義します。

◆インデックスのDSI

インデックスのDSIは、表に付加するインデックスのデータを格納する領域を、データベーススペースに割り付けるために定義します。

DSIは、表およびインデックスをデータベーススペースに対応づけします。

DSOとDSIの関係は、1:1対応の場合と、1:nの対応の場合があります。1:nの場合は、表のデータを分割して格納する場合であり、DSOにはデータの分割に対する規則を定義します。

表のデータを分割して格納する場合の例について、“図:DSOとDSIの対応づけの例”に示します。インデックスのDSIは、表のDSIに対して定義します。表のデータを分割して格納する場合には、それぞれの表のDSIに対して、インデックスのDSIを定義する必要があります。

[図:DSOとDSIの対応づけの例]

■格納構造の種類

◆表に対する格納構造

表に対する格納構造には、STRIPE構、SEQUENTIAL構およびRANDOM構があります。

◆インデックスに対する格納構造

インデックスに対する格納構造には、BTREE構およびHASH構があります。

■並列処理専用の格納構造

◆STRIPE構造

分散配置した複数のデータベーススペースに対して、大量データを格納するためにデータ量が均等になるように格納する構造です。

◆HASH構造

STRIPE構造の表に付加するインデックスの構造です。インデックスのキー値は、ハッシュ方式で分散格納します。

 

STRIPE構造とHASH構造の考え方について、“図:STRIPE構造とHASH構造の考え方”に示します。

[図:STRIPE構造とHASH構造の考え方]

 

SEQUENTIAL構造、RANDOM構造、BTREE構造の詳細については、“RDBユーザーズガイド データベース定義編”を参照してください。


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