Symfoware Parallel Server 概説書 |
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第1章 Symfoware Parallel Serverとは |
顧客ニーズの多様化や商品・サービスの独自化の厳しさなどにより、企業間競合がより激しくなっています。また、扱うデータは日々蓄積され、大量化しています。このような状況の中で、企業では競合力の優位性を保ち、21世紀のリーダー企業として成功するために、あらゆる情報に基づいた多面的かつきめ細かな分析による、迅速で的確な意思決定が求められています。そこで、戦略的情報活用であるデータウェアハウスが重要となってきています。また、多面的かつきめ細かな分析を行うには、大量でタイムリな情報を活用することが重要となります。
これらの課題を独自の並列技術によって解決し、データウェアハウスの中核となるのが、Symfoware Parallel Serverです。
戦略的情報活用とは、顧客や市場の動向など企業を取り巻く環境の変化を、これまでに蓄積したデータに基づいてさまざまな観点から分析し、企業の経営戦略に役立てることです。例えば、基幹系業務で日々発生するデータを収集し、時系列データとして蓄積し、時間の経過とともにデータがどのように変化して行くかをさまざまな観点で分析することで、企業経営の戦略的な意思決定に役立てることができます。このように、戦略的な意思決定に役立てることを目的に、基幹系業務で発生した大量のデータを蓄積し、活用するためのシステムのことをデータウェアハウスと呼びます。
データウェアハウスを構築するための構成要素とデータの流れを以下に示します。
データウェアハウスの構成要素
基幹系サーバおよびデータベース
データウェアハウスサーバおよびデータベース
部門サーバおよびデータベース
クライアント
データウェアハウスの構成要素間のデータの流れ
基幹系サーバには、基幹系業務で必要とされるデータが蓄積されます。基幹系業務で行われる処理形態をOLTP(OnLine Transaction Processing)と呼びます。
基幹系サーバに蓄積されたデータをデータウェアハウスサーバに随時収集・蓄積します。
データウェアハウスサーバから部門サーバで使用する目的に合ったデータを抽出し、データマートを作成し、部門サーバに配布します。この処理形態をOLQP(OnLine Query Processing)と呼びます。
クライアントでは、パソコン上の各種ツールを使って、部門サーバのデータマートのデータを分析します。この処理形態をOLAP(OnLine Analytical Processing)と呼びます。
データウェアハウスの構成要素について、“図:データウェアハウスの構成要素”に示します。
全社に共通な大量データを扱うデータウェアハウスでは、データを一箇所に集めることにより、全社的な意思決定の迅速化、情報活用の促進、業務の効率化を促します。このような、大規模データウェアハウスの中核を成すデータベースを、セントラルデータウェアハウスと呼びます。セントラルデータウェアハウスは、企業内外のデータを全社的に活用するために集約しておくデータベースです。
Symfoware Parallel Serverは、大量データを高速に処理するための専用の並列処理アーキテクチャを備えたセントラルデータウェアハウスに最適なデータベースシステムです。
大規模データウェアハウスに求められる機能には、以下の4つがあります。
データの蓄積
データの加工
データマートの生成
データの分析
大規模データウェアハウスを実現するために、Symfowareでは一貫した製品群を提供しています。大規模データウェアハウスにおけるSymfoware Parallel Serverの位置づけと関連製品との関係を、以下に説明します。
まず、データウェアハウスサーバにSymfoware Parallel Serverを使ってセントラルデータウェアハウスを構築します。そのセントラルデータウェアハウスに、Linkexpressを利用して基幹系サーバのデータを蓄積します。
データの蓄積の際、応用プログラムを使って目的に合わせて、情報の浄化(クレンジング)や情報の付加などのデータの加工を行います。
データの蓄積と加工の流れについて、“図:データの蓄積と加工の流れ”に示します。
情報のクレンジング
情報のクレンジングには、以下があります。
未完成または誤りのあるデータの除去
データの意味を統一するための変更
単位の統一
セントラルデータウェアハウスに蓄積したデータから、部門サーバに配布するデータマートを高速に作成します。
データマートの生成には、以下の2つがあります。
データウェアハウスサーバの管理者が、クライアント向けにデータマートを生成する方法です。
手順を以下に示します。
目的に応じたデータの抽出
セントラルデータウェアハウスに蓄積したデータから、Interstage Navigator Serverを利用して、目的に応じたデータを抽出します。応用プログラムまたはLinkexpressによる抽出も可能です。
データマートへの配布
抽出したデータは部門サーバへ配布し、Interstage Navigator Serverで生成したデータマートに格納します。
データ送付型のデータマート生成の流れについて、“図:データ送付型のデータマート生成の流れ”に示します。
目的に応じたデータの抽出やOLAP(OnLine Analytical Processing)ツールに合わせてデータマートを生成する方法です。
手順を以下に示します。
目的に応じたデータの抽出
Interstage Navigator ServerのNavigatorクライアントを利用してデータウェアハウスサーバのセントラルデータウェアハウスから、目的に応じたデータを抽出します。
データマートへの格納
抽出したデータは、部門サーバのInterstage Navigator Serverを利用してデータマートに格納します。
データ抽出型のデータマート生成の流れについて、“図:データ抽出型のデータマート生成の流れ”に示します。
配布されたデータマートのデータを元に、部門ごとに帳票作成やOLAPの技術を利用したデータ分析を行います。また、セントラルデータウェアハウス上のデータを直接利用して、全社的な意思決定のためのデータ分析もできます。
データの分析の流れについて、“図:データの分析の流れ”に示します。
Symfoware Parallel Serverは、上記で示した大規模データウェアハウスの中核となるデータベースシステムとして、以下のことができます。
セントラルデータウェアハウスに必要な機能をすべて備えている。
大量データを高速に処理できる。
信頼性の高いシステム運用ができる。
システムのスケーラビリティに柔軟に対応できる。
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