Symfoware Parallel Server RDBユーザーズガイド 応用プログラム開発編
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第5章 応用プログラムの実行

5.3 最適化情報の更新による処理効率の向上

最適化情報の更新とは、システム資源の使用状況の情報をRDBディクショナリ上に設定することです。その情報を利用することで、状況に応じた効率的なデータ処理を行うことができます。

本節では、最適化情報の概要とその更新について説明します。

■最適化情とは

最適化情報とは、データの状況に応じてできるだけ効率のよいデータ処理を行うための情報です。最適化情報は、実表のDSIおよびインデックスのDSIに対して設定され、応用プログラムを実行する際に利用されます。最適化情報の内容は、実表のデータ件数、インデックスの使用量やDSIの使用量などのデータベース内のデータ状況により変化する値の情報です。

■最適化情報の更新のタイミン

表に対して、大量のデータを挿入または削除した場合には、rdbupsコマンドで最適化情報の更新を行ってください。目安としては、最後に最適化情報の更新を行った時点の50%程度のレコードが追加または削除された場合に、最適化情報の更新を行ってください。

■rdbupsコマンドによる最適化情報の更

最適化情報の更新は、実表やインデックスの個々のデータの更新のたびに自動的に行われるのではなく、rdbupsコマンドによって一括して更新されます。

rdbupsコマンドの指定方法の詳細については、manコマンドを利用して参照してください。

rdbupsコマンドによる最適化情報の更新には、以下の指定があります。

以下に、それぞれの指定について説明します。

◆実表の指定

実表に対するすべてのDSIに最適化情報を設定するには、rdbupsコマンドのtオプションで該当の実表名を指定します。

図:実表の指定例に指定例を示します。

[図:実表の指定例]

$ rdbups  -t  在庫管理DB.STOCKS.在庫表   -u  PRINT             
                  (1)          (2)                             

(1) データベース名

(2) 実表名

◆DSOの指定

DSOに関するすべてのDSIに最適化情報を設定するには、rdbupsコマンドのgオプションで該当のDSO名を指定します。

図:DSOの指定例に指定例を示します。

[図:DSOの指定例]

$ rdbups  -g  在庫管理DB発注表DSO   -u  PRINT           
                 (1)             (2)                            

(1) データベース名

(2) DSO名

◆DSIの指定

特定のDSIに対する最適化情報を設定するには、rdbupsコマンのiオプションで該当のDSI名を指定します。

図:DSIの指定例に指定例を示します。

[図:DSIの指定例]

$ rdbups  -i  在庫管理DB関西発注表DSI   -u PRINT    
                 (1)              (2)   

(1) データベース名

(2) DSI名

設定される最適化情報の内

rdbupsコマンドで実表を指定した場合には、表に含まれるすべてのDSIに対して、最適化情報が設定されます。DSOを指定した場合には、DSOに含まれるすべてのDSIに対して、最適化情報が設定されます。DSIを指定した場合には、該当するDSIに対して、最適化情報が設定されます。設定される最適化情報の内容を、以下に示します。なお、設定される最適化情報は、格納構造によって異なります。各格納構造の詳細については、“RDBユーザーズガイド データベース定義編”を参照してください。

■最適化情報の出

rdbupsコマンドで-u PRINTを指定すると、設定した最適化情報を出力することができます。以下に指定例と出力例を示します。

例1

実表の指定をした場合の出力例(-tオプション)

$ rdbups -t 在庫管理DB.STOCKS.関西発注表 -u PRINT

Update statistics information                                                         
                                                                                      
  Target name information                                                             
                                                                                      
    Database name ......         (1)                                                  
    Schema name   ......         (2)                                                  
    Table name    ......         (3)                                                  
                                                                                      
No. 1        DSO name :         (4)                                                   
                                                                                      
  DSO statistics information                                                          
                                                                                      
    Usage type          :   (5)                                                       
    Data structure type :     (6)                                                     
                                                                                      
  Related DSI information                                                             
                                                                                      
    No. 1        DSI name :         (7)                                               
                                                                                      
      DSI statistics information                                                      
                                                                                      
        Updated date ......         (8)                                               
        Usage type          :   (9)                                                   
        Records                ......     (10)    (Record)                              (注1)
        Pages(   (11)   )        ......     (12)    (Page)                            
        Pages(   (11)   )        ......     (12)    (Page)                            
        Avg-pointers(OVERFLOW) ......     (13)    (Page)                              *
        Max-pointers(OVERFLOW) ......     (14)    (Page)                              *(注2)
        Ix_height              ......     (15)                                        *
        Different number of key value                                                 |
          Column name (from) :         (16)                                           |
          Column name (to)                                 Different key              *(注3)
            No. 1             (17)               ......     (18)      ,     (19)     |
            No. 2             (17)               ......     (18)      ,     (19)     |
                                                                                      *
                                                                                      
                                                                                      
    No. 2        DSI name :         (7)                                               
〜                                                                                    〜
                                                                                      
No. 2        DSO name :         (4)                                                   
                                                                                      
〜                                                                                      

注1) 表のDSIの場合にだけ表示されます。

注2) 表のデータ構造がRANDOM構造のDSIの場合にだけ表示されます。

注3) インデックスのDSIの場合にだけ表示されます。(19)およびその左側のコンマ(,)は、インデックスのデータ構造がHASH構造のDSIの場合にだけ表示されます。

(1) 表が所属するデータベース名

(2) 表が所属するスキーマ名

(3) 表名

(4) 表に定義されたDSO名

(5) 表に定義されたDSOの種別

BASE : 表のDSO

INDEX: インデックスのDSO

(6) 表またはインデックスのデータ構造

(7) DSOに定義されたDSI名

(8) 最適化情報の設定日時(“曜日 月 日 時:分:秒 西暦”)

例: “Mon Oct 1 17:06:25 2001”

備考.最適化情報が未設定の場合は、“Not updated" と出力します。

(9) DSOに定義されたDSIの種別

BASE : 表のDSI

INDEX: インデックスのDSI

(10) DSIの格納レコード(行)数

(11) ぺージ数の表示((12))が対象とする割付け部

(12) DSIが使用するぺージ数(割付け部ごとに表示)

(13) DSIのオーバフロー部の平均ポインタ長(単位はページ数)

(14) DSIのオーバフロー部の最大ポインタ長(単位はページ数) (15) インデックス部の高さ

(16) 異なるキー値数の表示((18)、(19))が対象とする構成列の先頭の列名

(17) 異なるキー値数の表示((18)、(19))が対象とする構成列の終端の列名

(18) DSIの異なるキー値数

(19) DSIの最大異なるキー値数

例2

DSOの指定をした場合の出力例(-gオプション)

$ rdbups -g 在庫管理DB.関西発注表DSO -u PRINT

Update statistics information                                                         
                                                                                      
  Target name information                                                             
                                                                                      
    Database name ......         (1)                                                  
    DSO name      ......         (2)                                                  
                                                                                      
No. 1        DSO name :         (2)                                                   
                                                                                      
  DSO statistics information                                                          
                                                                                      
    Usage type          :   (3)                                                       
    Data structure type :     (4)                                                     
                                                                                      
  Related DSI information                                                             
                                                                                      
    No. 1        DSI name :         (5)                                               
                                                                                      
      DSI statistics information                                                      
                                                                                      
        Updated date ......         (6)                                               
        Usage type          :   (7)                                                   
        Records                 ......     (8)    (Record)                             (注1)
        Pages(   (9)   )        ......     (10)    (Page)                             
        Pages(   (9)   )        ......     (10)    (Page)                             
        Avg-pointers(OVERFLOW)  ......     (11)    (Page)                              *
        Max-pointers(OVERFLOW)  ......     (12)    (Page)                              *(注2)
        Ix_height               ......     (13)                                        *
        Different number of key value                                                 |
          Column name (from) :         (14)                                           |
          Column name (to)                                 Different key              *(注3)
            No. 1             (15)               ......     (16)      ,     (17)     |
            No. 2             (15)               ......     (16)      ,     (17)     |
                                                                                      *
                                                                                      
    No. 2        DSI name :         (5)                                               
〜                                                                                     〜

注1) 表のDSIの場合にだけ表示されます。

注2) 表のデータ構造がRANDOM構造のDSIの場合にだけ表示されます。

注3) インデックスのDSIの場合にだけ表示されます。(17)およびその左側のコンマ(,)は、インデックスのデータ構造がHASH構造のDSIの場合にだけ表示されます。

(1) DSOが所属するデータベース名

(2) DSO名

(3) DSOの種別

BASE : 表のDSO

INDEX: インデックスのDSO

(4) 表またはインデックスのデータ構造

(5) DSOに定義されたDSI名

(6) 最適化情報の設定日時(“曜日 月 日 時:分:秒 西暦”)

例: “Mon Oct 1 17:06:25 2001”

備考.最適化情報が未設定の場合は、“Not updated" と出力します。

(7) DSOに定義されたDSIの種別

BASE : 表のDSI

INDEX: インデックスのDSI

(8) DSIの格納レコード(行)数

(9) ぺージ数の表示((10))が対象とする割付け部

(10) DSIが使用するぺージ数(割付け部ごとに表示)

(11) DSIのオーバフロー部の平均ポインタ長(単位はページ数)

(12) DSIのオーバフロー部の最大ポインタ長(単位はページ数)

(13) インデックス部の高さ

(14) 異なるキー値数の表示((16)、(17))が対象とする構成列の先頭の列名

(15) 異なるキー値数の表示((16)、(17))が対象とする構成列の終端の列名

(16) DSIの異なるキー値数

(17) DSIの最大異なるキー値数

例3

DSIの指定をした場合の出力例(-iオプション)

$ rdbups -i 在庫管理DB.関西発注表DSI -u PRINT

Update statistics information                                                     
                                                                                  
  Target name information                                                         
                                                                                  
    Database name ......         (1)                                              
    DSI name      ......         (2)                                              
                                                                                  
No. 1        DSI name :         (2)                                               
                                                                                  
  DSI statistics information                                                      
                                                                                  
    Updated date ......         (3)                                               
    Usage type          :   (4)                                                   
    Records                ......     (5)    (Record)                               (注1)
    Pages(   (6)   )        ......     (7)    (Page)                              
    Pages(   (6)   )        ......     (7)    (Page)                              
    Avg-pointers(OVERFLOW) ......     (8)    (Page)                               *
    Max-pointers(OVERFLOW) ......     (9)    (Page)                               *(注2)
    Ix_height              ......     (10)                                        *
    Different number of key value                                                 |
      Column name (from) :         (11)                                           |
      Column name (to)                                 Different key              *(注3)
        No. 1              (12)              ......     (13)      ,     (14)     |
        No. 2              (12)              ......     (13)      ,     (14)     |
                                                                                  *
                                                                                  
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    No. 1         DSO name :        (15)                                          
                                                                                  
      DSO statistics information                                                  
                                                                                  
        Usage type          :   (16)                                              
        Data structure type :     (17)                                            
                                                                                  
〜                                                                                〜

注1) 表のDSIの場合にだけ表示されます。

注2) 表のデータ構造がRANDOM構造のDSIの場合にだけ表示されます。

注3) インデックスのDSIの場合にだけ表示されます。(14)およびその左側のコンマ(,)は、インデックスのデータ構造がHASH構造のDSIの場合にだけ表示されます。

(1) DSIが所属するデータベース名

(2) DSI名

(3) 最適化情報の設定日時(“曜日 月 日 時:分:秒 西暦”)

例: “Mon Oct 1 17:06:25 2001”

備考.最適化情報が未設定の場合は、“Not updated" と出力します。

(4) DSIの種別

BASE : 表のDSI

INDEX: インデックスのDSI

(5) DSIの格納レコード(行)数

(6) ぺージ数の表示((7))が対象とする割付け部

(7) DSIが使用するぺージ数(割付け部ごとに表示)

(8) DSIのオーバフロー部の平均ポインタ長(単位はページ数)

(9) DSIのオーバフロー部の最大ポインタ長(単位はページ数)

(10) インデックス部の高さ

(11) 異なるキー値数の表示((13)、(14))が対象とする構成列の先頭の列名

(12) 異なるキー値数の表示((13)、(14))が対象とする構成列の終端の列名

(13) DSIの異なるキー値数

(14) DSIの最大異なるキー値数

(15) DSIが属するDSO名

(16) DSIが属するDSOの種別

BASE : 表のDSO

INDEX: インデックスのDSO

(17) 表またはインデックスのデータ構造


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