NMCサーバ 2.2
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4.3 保守機能

 NMCサーバの保守機能として、オンライントレースと内部トレースがあります。NMCサーバの内部状態やデータの内容を採取する機能であり、NMCサーバが誤動作した場合等に、原因を調査するために資料として用いるものです。このため、調査が必要になった場合のみ使用し、通常の運用時には使用しないでください。

4.3.1 オンライントレース

 オンライントレースは、トレースの開始、停止、編集・出力それぞれのコマンドを入力することにより実行します。

4.3.1.1 オンライントレースの開始

 以下にオンライントレースの開始(strotr)方法を示します。


   # /opt/FSUNnet/bin/strotr -k cudplib -m 64
   # /opt/FSUNnet/bin/strotr -k rel -m 64
   # /opt/FSUNnet/bin/strotr -k lu2 -m 64


    -k cudplib: CU-DEV一次局ライブラリのトレース種別

    -k rel : 中継機能のトレース種別

    -k lu2 : LU2制御のトレース種別

    -m 64  :トレース領域の大きさ

4.3.1.2 オンライントレースの停止

 以下にオンライントレースの停止(stpotr)方法を示します。


   # /opt/FSUNnet/bin/stpotr -k cudplib
   # /opt/FSUNnet/bin/stpotr -k rel
   # /opt/FSUNnet/bin/stpotr -k lu2


    -k cudplib: CU-DEV一次局ライブラリのトレース種別

    -k rel : 中継機能のトレース種別

    -k lu2 : LU2制御のトレース種別

注意)
  stpotrのみを実行すると、現在起動されているオンライントレースがすべて停止するため、NMCサーバ以外のオンライントレースを起動している場合は注意が必要です。

4.3.1.3 オンライントレースの編集・出力

 以下にオンライントレースの編集・出力(prtotr)方法を示します。


   # /opt/FSUNnet/bin/prtotr -k cudplib [ > ファイル名 ]
   # /opt/FSUNnet/bin/prtotr -k rel [ > ファイル名 ]
   # /opt/FSUNnet/bin/prtotr -k lu2 [ > ファイル名 ]


    -k cudplib: CU-DEV一次局ライブラリのトレース種別

    -k rel : 中継機能のトレース種別

    -k lu2 : LU2制御のトレース種別

    > ファイル名 : 指定したファイル名に結果を格納します。省略すると、コマンドを実行した画面に表示されます。

4.3.2 内部トレース

 内部トレースは、NMCサーバが起動すると自動的に情報採取します。またLU単位に情報が採取されるため、トラブル発生時に的確な情報が得られます。コマンドを入力するとトレース編集・出力を行います。

 以下に内部トレースの出力(trcnmcgw)方法を示します。


   # /opt/FSUNnet/bin/trcnmcgw 出力するディレクトリ (例:/tmp

出力するディレクトリを省略した場合と誤った場合は、/var/tmp配下に出力されます。

内部トレースが正常に出力された場合は、以下のメッセージが表示されます。

  • Trace out to [出力ディレクトリ名] directory.
  • [lu2] trace OK.
  • [cudplib]trace OK.
  • [lrc]trace OK.

また、内部トレースが正常に出力されなかった場合は、以下のメッセージが表示されます。その場合は、正常に出力されたトレースのみを採取して下さい。

  • [トレース名] trace NG.

なお、内部トレース出力コマンド(trcnmcgw)が出力するその他のメッセージに関しては、“表4.2”を参照して下さい。


表4.2 内部トレースコマンド(trcnmcgw)出力メッセージ

メッセージ

意味

対処

trcnmcgw parameter error.

trcnmcgwコマンドのパラメタが不当です。

パラメタを確認の上、再度コマンドを実行してください。

[XX] no such directory.

指定されたディレクトリが不当です。

 XX : ディレクトリ名

ディレクトリ名を正しく指定して、再度コマンドを実行してください。

can't access environment file necessary for NMC Server.
[XX] . errno=YY

NMCサーバに必要な環境ファイルが存在しません。

NMCサーバのパッケージを一旦削除して、再度インストールしてください。本対処を行っても発生する場合は、本メッセージを控え富士通技術員(SE)に連絡してください。

NMC Server [XX] is not active.

NMCサーバを構成するコンポーネントが未起動です。

 XX : コンポーネント名

NMCサーバが動作しているかどうか、およびコンソールメッセージを確認してください。

system error.(XX-YY) errno=ZZ

システムエラーが発生しました。

 XX : システム関数名
 YY : コンポーネント名
 ZZ : エラー番号

正常に出力されたトレースのみを採取してください。

trcnmcgw time out.

trcnmcgwコマンドがタイムアウトしました。

正常に出力されたトレースのみを採取してください。


出力される内部トレースのファイル名を以下に示します。

  • lu2.trc(最大4096バイト×LU数分)
  • cudplib.trc(最大1624バイト×LU数分)
  • cudplib.種別.ws名.dev番号(800キロバイト)

    種別  : 接続種別(1:LNDFC、2:TCP/IP)
    ws名  : 接続時のワークステーション名
    dev番号: デバイス番号

  • cudplib.trc1〜5(1つのファイルが64キロバイト)
  • lrc.trc(最大16キロバイト×実機プリンタ数分)

なお、cudplib.trc1〜5は、5種類すべてが出力されない場合があります。
また、その他のトレースも出力されない場合があります。その場合は、出力されているもののみ退避してください。

 

備考)
  NMCサーバが起動されていない状態で、内部トレースコマンド(trcnmcgw)を実行すると、実行した端末に以下のメッセージを表示し、内部トレースは採取されません。

  − NMC Server [LU2] is not active.
  − NMC Server [REL] is not active.
  − NMC Server [LOCAL] is not active.
  − Trace out failed

  内部トレースを採取する場合は、NMCサーバが起動された状態で内部トレースコマンド(trcnmcgw)を実行してください。なお、NMCサーバが異常終了した場合または、内部トレースコマンド(trcnmcgw)が異常終了した場合は、内部トレースは採取できませんので、オンライントレースを採取の上、富士通技術員(SE)に連絡してください。



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