Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル - UNIX共通 -
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目次
索引

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第1章 コマンドリファレンス
1.2 コマンド
1.2.10 drmsadd(登録コマンド)
1.2.10.2 ユーザ資源データの登録
■機能説明
ユーザ資源を登録します。資源配付はユーザ資源を世代単位で管理するため、本コマンドで登録する資源の世代を表す世代識別名を指定します。
登録されたユーザ資源は、登録時の変更種別の指定により、適用先のファイルを置き換えたり、削除したりすることができます。
ユーザ資源がパッケージ形式の製品の場合は、本コマンドを投入すると、提供媒体中のどのパッケージを選択するかを問い合わせるメッセージが出力されます。したがって、提供媒体中に複数のパッケージが存在する場合は、この問い合わせメッセージに応答することにより、複数パッケージの中から登録するパッケージを選択することができます。また、すべてのパッケージを指定することもできます。この場合、資源配付は提供媒体に格納されている順番で各パッケージを登録し、この順番は適用時も保障されます。
本コマンドでファイルを指定する場合、そのファイルが1つの世代識別名と対応します。また、本コマンドでディレクトリを指定する場合、そのディレクトリ配下のディレクトリおよびファイルがすべて同じ世代識別名になります。新しい世代識別名を登録すると、その前に登録されていた世代識別名が前世代になります。また、すでに登録したユーザ資源については、最新の世代だけ再登録することができます。
なお、本コマンドのオプションの指定によりユーザ資源を圧縮して登録することもできます。圧縮された資源は適用する前に圧縮前の形式に戻します。また、同様にオプション指定により登録するファイルの詳細情報(最終更新日時、ファイル属性、サイズ、ファイル名)についてユーザ資源の登録後にリスト出力することもできます。
■記述形式
drmsadd |
-a rsc -d 資源種別 -g 資源グループ名 [-v バージョン・レベル] -e 世代識別名 [-f パス名|-M 登録ファイル情報格納ファイル名] [-l 適用先ID] [-t rep|del] [-n] [-r 資源名] [-w 作業用ディレクトリ] [-b" [前処理バッチ] [,後処理バッチ]"] [-M 登録ファイル情報格納ファイル名] [-c コメント] [-S 適用スクリプトファイル名] [-I] [-K quick|man|ipl|date] [-T YYYYMMDDhhmm|unfix] [-Z 資源属性情報格納ファイル] [-G quick|apply] |
■オプション
- -a rsc:
- 本コマンドの機能を定義します。本オプションでは“rsc”と指定します。
- -d 資源種別:
- 資源名の種別を指定します。
- 資源名の種別は、以下のとおりです。
- テキスト・ファイルの場合:
- text
- バイナリ・ファイルの場合:
- bnry
- シェル・スクリプトの場合:
- sh
- パッケージの場合:
- pkg
- ソフトウェア辞書の場合
- pc#dic
- 文字パターンの場合:
- appcg
ただし、-tオプションに“del”を指定した場合は、本オプションに“pkg”、“sh”、“appcg”を指定することはできません。
- -g 資源グループ名:
- 登録するユーザ資源の所属する資源グループ名を指定します。
- 資源グループ名は、ASCII(12文字以内)の英数字または“#”で指定します。
- ユーザ資源がパッケージ形式の製品の場合は、本オプションにパッケージ形式の製品の略称名を指定することをおすすめします。
- -v バージョン・レベル:
- 登録する資源グループのバージョン・レベルを指定します。バージョン・レベルは、ASCII(8文字以内)の英数字で指定します。
- ユーザ資源がパッケージ形式の製品の場合は、各パッケージ形式の製品のバージョン・レベルを指定することをおすすめします。なお、本オプションを省略した場合は、空白のバージョン・レベルを指定したものになります。
- -e 世代識別名:
- 登録するユーザ資源の所属する資源グループの世代識別名を指定します。世代識別名は、ASCII(8文字以内)の英数字で指定します。
- -f パス名:
- 登録する資源が格納されているパス名または媒体名を指定します。
- 媒体装置名は、キャラクタ特殊デバイスのパス名を指定します。文字パターンを登録する場合は、“APフォント・ファイル”のパス名(/usr/lib/lp)を指定します。本コマンドで複数のシェル・スクリプトを登録した場合、それぞれのシェル・スクリプトの実行順序は保証されないため、登録する資源の種類がシェル・スクリプトの場合は、本オプションでディレクトリおよびワイルド・カードは指定しないようにしてください。
- 本オプションを指定する場合は、-Mオプションは指定できません。また、パス名の形式が“7バイト.拡張子”または“7バイト”の場合は、必ず-rオプションで資源を登録してください。
- -tオプションに“rep”を指定し、ディレクトリ名またはファイル名を指定した場合のそれぞれの登録状態を以下に示します。
指 定 |
登録状態 |
ディレクトリ |
指定されたディレクトリを含まない配下のディレクトリ、またはファイルを資源として登録します。 |
ファイル |
指定されたファイルを資源として登録します。 |
ワイルド・カード |
ディレクトリをワイルド・カードで指定した場合、該当ディレクトリとその配下のディレクトリおよびファイルが資源として登録されます。
ファイルをワイルド・カードで指定した場合、該当ファイルが資源として登録されます。 |
-tオプションに“del”を指定した場合は、上記の条件に一致したファイルまたはサブディレクトリを削除します。
削除したいファイルが存在しない場合は、本オプションで指定するファイルのダミーのファイルを作成して指定するか、-Mオプションで指定してください。
- -l 適用先ID:
- 適用先IDを指定します。適用先IDは、ASCII(8文字以内)の英数字で指定します。
- なお、適用先IDは最初に登録した値が有効になり、以降の登録時に指定した値は無視されます。
- -t rep|del:
- 登録するユーザ資源のあて先システムでの変更種別を指定します。本オプションで指定できる変更種別は、以下のとおりです。
- rep:
- ファイルを置き換える場合
- del:
- ファイルを削除する場合
- 本オプションを省略した場合は、“rep”が指定されたものとみなします。
- -n:
- 登録するユーザ資源を圧縮しない場合に本オプションを指定します。本オプションが省略された場合は、ユーザ資源を圧縮して登録します。
- -r 資源名:
- 資源名を指定します。資源名は、ASCII(8文字以内)の英数字で指定します。資源名を省略した場合、ファイル名の先頭8文字が資源名になります。
- -dオプションでpkg(パッケージ)を指定した場合、本オプションは無効になります。
- 文字パターンを登録する場合は、必ず資源名を指定してください。ただし、文字パターンを登録する場合は、資源名に“AP#MNG”を指定しないでください。
- なお、本オプションは、-fオプションでファイル名を指定する場合以外は使用できません。
- -w 作業用ディレクトリ:
- 登録する場合に必要となる作業用ファイルのディレクトリを指定します。本オプションを省略した場合、作業用ファイルのディレクトリはカレント・ディレクトリになります。
- 作業用ファイルは指定されたディレクトリに“drms_”で始まる名前でディレクトリを作成し、作業用領域として使用します。
- -b" [前処理バッチ] [,後処理バッチ]":
- 適用前シェル・スクリプトおよび適用後シェル・スクリプトを指定します。適用前シェル・スクリプトまたは適用後シェル・スクリプトそれぞれ省略可能ですが、両方を省略することはできません。本オプションを指定した場合、登録資源と同じ世代の資源としてシェル・スクリプトが登録され、適用前シェル・スクリプトの場合は、適用時に資源配付の適用処理に先立って実行されます。また、適用後シェル・スクリプトの場合は、資源配付の適用処理の後に実行されます。シェル・スクリプトは、システムで認識できる絶対パスまたは相対パスで指定してください。
- -M 登録ファイル情報格納ファイル名:
- 登録ファイル情報を格納したファイル名を、絶対パスまたは相対パスで指定します。
- 本オプションを指定する場合は、-fおよび-rオプションは指定できません。また、-dオプションにpkg(パッケージ)を指定した場合、本オプションを指定することはできません。
- 登録ファイル情報を基に資源配付は資源を登録します。-tオプションに“del”を指定した場合は、指定したファイルが存在する必要はありません。なお、サーバおよびクライアントで適用される場合もこの情報を基に適用されます。
- 登録ファイル情報の指定形式を以下に示します。
基準ディレクトリ
登録ファイル名1
登録ファイル名2
登録ファイル名n
備考. 各行は必ず改行します。
- 基準ディレクトリ
- 登録ファイルの基準ディレクトリを指定します。
- 登録ファイル名
- 基準ディレクトリからの相対パスを指定します。
例1
下図に示す登録ファイルの構成で、data1、data3およびdata4を登録する場合は、以下のように指定します。
[登録ファイルの構成]
/drms/bin/data1
/drms/bin/data2
/drms/etc/data3
/drms/data4
[登録ファイル情報の指定形式]
/drms
bin/data1
etc/data3
data4

ファイル適用時は、基準ディレクトリはパスには含まれません。適用先ディレクトリ配下に登録ファイル名が適用されます。
たとえば、適用先ディレクトリを“/gyoum”と指定している場合、上記の登録ファイル情報に指定したファイルは、以下のように適用されます。
/gyoum/bin/data1
/gyoum/etc/data3
/gyoum/data4
例2
下図に示す適用先のファイル構成で、適用先のdata1、data3およびdata4を削除する場合は、以下のように指定します。
[適用先ファイルの構成]
/drms/bin/data1
/drms/bin/data2
/drms/etc/data3
/drms/data4
[削除用の登録ファイル情報の指定形式]
/drms
bin/data1
etc/data3
data4
etcディレクトリも削除する場合は、以下のように指定します。
[削除用の登録ファイル情報の指定形式]
/drms
bin/data1
etc/data3
etc/
data4

サブディレクトリを削除する場合は、以下の点に留意してください。
- サブディレクトリ名の最後に“\/”を指定してサブディレクトリであることを明記してください。
- サブディレクトリ配下にファイルが存在すると、そのサブディレクトリは削除されません。配下のファイルを先に削除するように指定してください。
- -c コメント:
- 利用者の任意なコメントを指定します。
- コメントは、ASCII(30文字以内)、EUC(15文字以内)またはシフトJIS(15文字以内)のブランクを含む多国語文字列で指定します。ブランクを含む文字列で指定する場合は、“”(ダブルコーテーション)”で囲んで指定します。この時、“”(ダブルコーテーション)”は文字数には含まれません。
- -I:
- 資源登録時にファイル詳細情報を出力する場合に指定します。本オプションを省略した場合は、ファイル詳細情報を出力しません。
- 詳細情報の出力形式を、以下に示します。
例1:変更種別にrepを指定してファイル詳細情報を出力すると指定した場合の出力形式について示します。

- 備考.
- ファイルのサイズの単位はバイトで出力します。このサイズは圧縮される前のデータ量で、ディレクトリの場合は0になります。
例2:変更種別にdelを指定してファイル詳細情報を出力すると指定した場合の出力形式について示します。

- 備考1.
- 変更種別に“del”を指定した場合は“*”を出力します。
- 備考2.
- 登録完了メッセージで出力されるデータ量は、資源データのデータ量とこれを管理するDRMS管理情報の和になります。そのため、変更種別に“del”を指定した場合にも、データ量は0にはなりません。
- -K quick|man|ipl|date:
- 適用種別を指定します。適用種別を以下に示します。
- quick
- 即時適用:
- man
- 手動適用:
- ipl
- ipl適用:
- date
- 後刻適用:
なお、本オプションを省略した場合は、“quick”が指定されたものとして登録します。本オプションに“man”、“quick”または“ipl”を指定した場合は、-Tオプションの指定は無視されます。
- -T YYYYMMDDhhmm|unfix:
- 適用種別に“date”を指定した場合に、その適用予定日時を必ず指定します。本オプションでは以下のように指定します。
- YYYY:
- 西暦年を指定します。
- MM:
- 01〜12で月を指定します。
- DD:
- 01〜31で日付を指定します。
- hh:
- 00〜23で時間を指定します。
- mm:
- 00〜59で分を指定します。
なお、適用予定日時を未定にしたい場合は、以下のように指定します。
- unfix:
- 適用予定日時を未定にします。
- -Z 資源属性情報格納ファイル:
- 資源属性情報格納ファイルへのパス名を指定します。属性情報は、DRMS編集ファイルのown_gennumオプション、other_gennumオプション、apply_gennumオプション、newgenオプションの指定値になります。各オプションは、必要なものだけ指定してください。前回の設定値は、すべて本オプションで指定された値に置き換わります。
- ファイルの形式については、“資源属性情報格納ファイル”お参照してください。
- -G quick|apply:
- クライアント資源のダウンロード種別を指定します。ダウンロード種別を以下に示します。
- quick:
- 指定された世代の資源グループを事前配付する場合に、指定します。
- apply:
- 指定された世代の資源グループを通常配付する場合に、指定します。
- なお、本オプションを省略した場合は、“apply”が指定されたものとして登録します。
■復帰値
- 0:成功
- 登録処理が正常に終了しました。
- 3:処理継続不可能な使用者エラー
- 同じ資源が二重に登録されました。登録処理を中止します。
- オプションの指定に誤りがあります。登録処理ができません。
- 4:プログラム・エラー
- システムにエラーが発生しました。登録処理ができません。
■参照
DRMS編集ファイル
資源属性情報格納ファイル
表:資源配付/インベントリ管理用コマンド(サーバ用)
■コマンド格納場所
Solaris OE
HP-UX
AIX
Linux |
/opt/systemwalker/bin |
■実行に必要な権限/実行環境
- システム管理者(スーパ・ユーザ)だけが実行できます。
- サーバ用コマンドです。
■注意事項
- すでに登録済の資源グループのうち、最新世代については再度登録可能です。
- 一つの世代に複数のファイルを登録する場合、-fオプションにディレクトリ、ワイルド・カード指定または-Mオプションに登録ファイル情報指定で登録してください。
- 登録する資源の種類がシェル・スクリプトの場合は、一つの世代に複数のファイルを登録することはできません。-fオプションでディレクトリまたはワイルド・カードを指定した場合は、エラーメッセージを出力し、処理を終了します。
- ユーザ資源の登録時に資源配付でシステム・エラーが発生した場合、-wオプションで指定した作業領域または-wオプション省略時のカレントの作業領域は削除されません。したがって、登録時に資源配付でシステム・エラーとなった場合は、必ず-wオプションで指定したdrms_XX(XXは任意の数字です)というディレクトリおよびディレクトリ配下の作業領域をすべて削除してください。
- 変更種別に“del”を指定して登録した場合、適用先に該当ファイルが存在しない場合は適用正常として扱いますが、使用中などで削除できない場合は、適用エラーとして扱います。
- 変更種別に“del”を指定して登録した場合、資源名の種別に“pkg”、“sh”、“appcg”を指定することはできません。
- 世代識別名、資源グループ名、適用先ID、資源名、バージョン・レベルには、“/”、“\”、“.”、“*”、“?”を使用しないでください。
- -fオプションで指定するパス名および-wオプションで指定する作業用ディレクトリには“.”の1文字または“..”の2文字だけを使用しないでください。
- -fオプションにファイル名を指定する場合は、-rオプションで資源名を指定してください。-rオプションを指定しなかった場合、登録したUNIX資源がWindows NT運用管理サーバで使用できません。
- 文字セット、フォーム・オーバレイ・パターンおよび拡張FCBモジュールについては、本コマンドで登録することはできません。
- 文字パターンを登録する場合は、資源名に“AP#MNG”を指定しないでください。
- 文字パターンのコードを複数範囲で指定した場合は必ず、“”(ダブルコーテーション)”で囲んで指定してください。
- 資源種別に文字パターン(appcg)を指定し資源登録した場合は、-nオプションを省略しても無効となり、文字パターンを圧縮しないで登録します。
- 適用前シェル・スクリプト、適用後シェル・スクリプトにはワイルドカード(*、?)を使用しないでください。
- 適用前シェル・スクリプトおよび適用後シェル・スクリプトは、資源の適用先と同じディレクトリに復元されて実行されます。また、これらのシェルスクリプトは実行後、削除されます。
- 資源種別に“sh”を指定し登録するシェルスクリプトおよび前、後シェルスクリプト内部の記述は、以下に示す規約に従ってください。
- born shellで記述してください。
- 複数のシェルスクリプトを登録しないでください。
- シェルスクリプトの復帰値が“0”の場合を適用正常とします。
- シェルスクリプト内のコマンドは、実行場所を意識しないシェルスクリプトとしてください。
- 資源配付の起動、停止コマンド、適用コマンドおよび自システムの定義コマンドは記述しないでください。
- システムの再起動コマンドは記述しないでください。
- 本コマンドで登録できるファイルおよびディレクトリの数は410個までです。
■使用例1
資源グループ名を“TEXTDATA”、バージョン・レベルを“V11L10”、世代識別名を“E010”、ファイルを“dir/abcd”、資源種別を“text”、変更種別を“rep”、適用先IDを“TEXTDIR”と指定します。
drmsadd -a rsc -g TEXTDATA -v V11L10 -e E010 -f dir/abcd -d text
-t rep -l TEXTDIR
■使用例2
資源グループ名を“APPCGDATA”、バージョン・レベルを“V11L10”、世代識別名を“E010”、パス名を“/usr/lib/lp”、資源種別を“appcg”、資源名を“CODE”、変更種別を“rep”、適用先IDを“LIB”、書体名を“MINCHOU”、コード系名を“JEF”、コードを“80A1 80A5”と指定し、登録します。
drmsadd -a rsc -g BINDATA -v V11L10 -e E010 -f/usr/lib/lp -d appcg
-r CODE -t rep -l LIB -s MINCHOU -k JEF -C"80A1 80A5"
■使用例3
資源グループ名を“BINDATA”、バージョン・レベルを“V11L10”、世代識別名を“E010”、ファイルを“DIR/970510.DB”、資源種別を“bnry”、変更種別を“del”、適用先IDを“DBLIB”と指定します。
drmsadd -a rsc -g BINDATA -v V11L10 -e E010 -f DIR/970510.db -d bnry
-t del -l DBLIB
■実行結果/出力形式
例:drmsadd -a rsc -g TEST -v V10 -e GEN00000 -n -t rep -d text -f textdata.txtの場合
[01010] 'TEST.V10.GEN00000'を登録しました.データ量 (377)
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