Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)
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第7部 シングル・サインオン運用編> 第22章 シングル・サインオン運用コマンド

22.2 ssoencsid

名前

 ssoencsid − サービスIDファイルの作成

形式

 ssoencsid serviceidpath [-f FQDN | -n domain-name]

機能説明

 サービスIDを管理するためのサービスIDファイルを作成します。
 本コマンドはSSO管理者が使用します。
 本コマンドによって作成したファイルは、リポジトリサーバ、認証サーバ、各業務サーバに配置して使用します。なお、本コマンドは絶対パスで実行する必要はありません。
 サービスIDファイルに設定するサービスIDは対話形式で入力します。

サービスIDファイルの作成手順

 1. サービスIDファイル作成コマンドを起動します。
 2. サービスIDを問い合わせてきますので、サービスIDを入力します。(非表示)
 3. 再度サービスIDを問い合わせてきますので、2.と同じサービスIDを入力します。(非表示)
 4. サービスIDファイルが作成されます。

業務サーバのサービスIDファイルを作成するには、以下の2つの方法あります。

  1. 業務サーバのFQDN(Fully Qualified Domain Name)でサービスIDファイルを作成する方法
     認証情報を業務サーバごとに保持する場合は、-fオプションに業務サーバのFQDNを指定し、サービスIDファイルを作成してください。通常はこの方法で作成してください。

  2. ドメインの単位で共通のサービスIDファイルを作成する方法
     認証情報を業務サーバのドメインの単位で保持する場合は、-nオプションにドメインを指定し、サービスIDファイルを作成してください。この場合、認証情報をドメインで共有するため、より高速な運用が行えます。
     ただし、シングル・サインオン専用のドメインを用意するなどして、ドメイン内に不正なサーバが構築されることがないように、厳重に管理する必要があります。

 以下に、ssoencsidコマンドのオプションと引数を説明します。

serviceidpath

 serviceidpathには、サービスIDファイルの出力先ファイル名を絶対パスで指定します。
 出力先ファイルが既に存在する場合、あるいは出力先ファイルを書き込む権限がない場合は、その旨をエラーメッセージで標準エラー出力に表示してエラーで終了します。
 出力先ファイル名が絶対パスで指定されていない場合は、その旨をエラーメッセージで標準エラー出力に表示してエラーで終了します。

-f FQDN

 FQDNには、サービスIDを使用する業務サーバのホスト名をFQDN(Fully Qualified Domain Name)で指定します。業務サーバのサービスIDファイルを作成する場合のみ指定します。リポジトリサーバ、認証サーバのサービスIDファイルを作成する場合は省略してください。なお、FQDNとdomain-nameは同時に指定することは出来ません。

-n domain-name

 domain-nameには、サービスIDを共有する範囲をドメイン名で指定します。業務サーバのサービスIDファイルを作成する場合のみ指定します。リポジトリサーバ、認証サーバのサービスIDファイルを作成する場合は省略してください。なお、FQDNとdomain-nameは同時に指定することは出来ません。

 サービスIDを共有するドメイン、“.co.jp”と“.com”など全く異なるドメインの単位で設定してください。例えば“.abc.sample.co.jp”と“.sample.co.jp”といったような、包含関係となるドメインを指定しないでください。
 また、同一のドメイン内で、-fオプションで作成したサービスIDファイルと、-nオプションで作成したサービスIDファイルを混在させて運用することはできません。例えば、業務サーバ("hostA.sample.co.jp")用のサービスIDファイルを-fオプションで"hostA.sample.co.jp"と指定して作成し、業務サーバ("hostB.sample.co.jp")用のサービスIDファイルを-nオプションで".sample.co.jp"と指定して作成した場合も、"hostA.sample.co.jp"と".sample.co.jp"が包含関係となるため指定しないでください。

例)
 以下のように、x.abc.co.jpとy.abc.comという業務サーバ用にサービスIDファイルを用意する場合、ドメインが異なっているため業務サーバごとに、“.abc.co.jp”と“.abc.com”でサービスIDファイルを作成します。
 ssoencsid C:\temp\sid-for-x -n .abc.co.jp
 ServiceID:
 Retype:

 ssoencsid C:\temp\sid-for-y -n .abc.com
 ServiceID:
 Retype:

 以下のようにサービスIDを共有するドメインを“.abc.co.jp”と指定すると“x.abc.co.jp”と“y.domain.abc.co.jp”のどちらの業務サーバも同じサービスIDファイルを使用することができます。
 ssoencsid C:\temp\sid -n .abc.co.jp
 ServiceID:
 Retype:

例)
 以下のように、x.abc.co.jpとy.abc.comという業務サーバ用にサービスIDファイルを用意する場合、ドメインが異なっているため業務サーバごとに、“.abc.co.jp”と“.abc.com”でサービスIDファイルを作成します。
 ssoencsid /tmp/sid-for-x -n .abc.co.jp
 ServiceID:
 Retype:

 ssoencsid /tmp/sid-for-y -n .abc.com
 ServiceID:
 Retype:

 以下のようにサービスIDを共有するドメインを“.abc.co.jp”と指定すると“x.abc.co.jp”と“y.domain.abc.co.jp”のどちらの業務サーバも同じサービスIDファイルを使用することができます。
 ssoencsid /tmp/sid -n .abc.co.jp
 ServiceID:
 Retype:

注意事項

使用例

 サービスIDが“myserviceid”で、“C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf”ディレクトリに、“serviceid”というリポジトリサーバ、認証サーバ用のサービスIDファイルを作成する場合。
 サービスIDの入力を求められるので“myserviceid”を入力します。

 ssoencsid C:\Interstage\F3FMsso\ssoatcsv\conf\serviceid
 ServiceID:
 Retype:

 上記のサービスIDで、業務サーバ(FQDN=www.fujitsu.example.com)用のサービスIDファイルをFQDNで作成する場合。
 サービスIDファイルの出力先は、“C:\temp”ディレクトリの“atz.sid”とします。
 サービスIDの入力を求められるので“myserviceid”を入力します。

 ssoencsid C:\temp\atz.sid -f www.fujitsu.example.com
 ServiceID:
 Retype:

 上記のサービスIDで、業務サーバ(FQDN=www.fujitsu.example.com)用のサービスIDファイルを共有するドメイン名“.example.com”で作成する場合。
 サービスIDファイルの出力先は、“C:\temp”ディレクトリの“atz.sid”とします。
 サービスIDの入力を求められるので“myserviceid”を入力します。

 ssoencsid C:\temp\atz.sid -n .example.com
 ServiceID:
 Retype:

 サービスIDが“myserviceid”で、“/etc/opt/FJSVssosv/conf”ディレクトリに、“serviceid”というリポジトリサーバ、認証サーバ用のサービスIDファイルを作成する場合。
 サービスIDの入力を求められるので“myserviceid”を入力します。

 ssoencsid /etc/opt/FJSVssosv/conf/serviceid
 ServiceID:
 Retype:

 上記のサービスIDで、業務サーバ(FQDN=www.fujitsu.example.com)用のサービスIDファイルをFQDNで作成する場合。
 サービスIDファイルの出力先は、“/tmp”ディレクトリの“atz.sid”とします。
 サービスIDの入力を求められるので“myserviceid”を入力します。

 ssoencsid /tmp/atz.sid -f www.fujitsu.example.com
 ServiceID:
 Retype:

 上記のサービスIDで、業務サーバ(FQDN=www.fujitsu.example.com)用のサービスIDファイルを共有するドメイン名“.example.com”で作成する場合。
 サービスIDファイルの出力先は、“/tmp”ディレクトリの“atz.sid”とします。
 サービスIDの入力を求められるので“myserviceid”を入力します。

 ssoencsid /tmp/atz.sid -n .example.com
 ServiceID:
 Retype:


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