Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド
目次 索引 前ページ次ページ

付録B 旧バージョンでのクラスタ環境構築手順> B.3 クラスタサービス機能/SafeCLUSTER(Solaris OE)> B.3.2 ホットスタンバイ機能(相互待機)

B.3.2.6 アプリケーション環境作成

クライアントアプリケーション環境について

 クライアントより運用サーバに対して接続処理を行っている時に、運用サーバシステムのダウンなどにより切り替えが発生した場合、クライアントからの依頼処理はエラーまたは無応答状態となります。無応答となった時の対処として、クライアントのタイマ監視を行ってください。
 切り替えが発生した場合、クライアントは運用サーバに対して再接続するような対処を行ってください。
 また、クライアントからオブジェクトリファレンスを獲得する場合は、「引き継ぎネットワーク設定」で「IPアドレス引き継ぎ」を設定したときに指定するIPアドレスを使用してください。この時、ネーミングサービスはサービス1に設定しているため、サービス1用のIPアドレスを使用してください。

サーバアプリケーション環境

 サーバアプリケーションの環境は、それぞれのサービスに対する運用ノードと待機ノードで全く同じ構成で作成しなければなりません。

CORBAサーバアプリケーションの停止について
 切り替え時のため、サーバアプリケーションを停止する方法が必要です。通常、サーバアプリケーションはodcntlqueコマンドを使用して停止することができます。odcntlqueコマンドで停止できないアプリケーション(CORBAサービスのサーバアプリケーション以外の機能を持ったアプリケーションなど)の場合は、ユーザはアプリケーションを止めるコマンドを作る必要があります。
サーバアプリケーションプログラム
 サーバアプリケーションのプログラミングについては、クラスタシステムを使用しない場合と同じです。
スケルトンファイル
 スケルトンファイルについてはそれぞれのサービスの運用ノードで出力したものを、待機ノードに複写してください。
サーバアプリケーション実行ファイル
 サーバアプリケーション(ワークユニットで使用する資源など)で使用する資源などについては、ノード1とノード2で同じ構成(ファイル名、ディレクトリ構成など)で作成する必要があります。
ワークユニット定義
 ワークユニット定義については、運用ノードと待機ノードで同じものを使用してください。また、この場合、運用ノードと待機ノードでそれぞれisaddwudefコマンドを使用し、ワークユニット定義を登録する必要があります。また、ワークユニットを使用する場合、「ネーミングサービスの登録形態」については"MANUAL"を設定し、ネーミングサービスへの登録は手動で設定してください。ネーミングサービスへの設定はそれぞれのワークユニットが登録されているサービスの運用系ノードより行ってください。
EJBアプリケーション
 ejbinstallebコマンドを使用し、EJBアプリケーションのインストールを行います。
 EJBアプリケーションのインストールは、ノード1およびノード2でそれぞれ行ってください。
 インストール作業は、待機ノード、運用ノードの順番で行ってください。運用ノードでは、ejbinstallebコマンドに強制インストールオプションを指定してください。
 カストマイズツールを使用しEJBアプリケーションの動作環境定義を行う場合は、ノード1およびノード2でそれぞれ行ってください。

ワークユニットの変更

 クラスタの環境を設定後、トランザクションアプリケーションのワークユニットを追加または削除する場合、以下の手順で変更を行ってください。

[ワークユニットを追加する場合]

  1. ノード1、ノード2でtdcコマンドを使用し、IDLコンパイルを行います。
  2. ノード1、ノード2で出力されたスケルトンを元にアプリケーションを作成します。
  3. クラスタサービスを停止します。
  4. ノード1、ノード2で新規に追加するワークユニット定義を登録します。
  5. 各ノードよりワークユニット用の状態遷移プロシジャに追加するワークユニット名を設定します。
  6. クラスタサービスを起動します。

[ワークユニットを削除する場合]

  1. ノード1、ノード2でtdcコマンドを使用し、インタフェース情報を削除します。
  2. クラスタサービスを停止します。
  3. ノード1、ノード2で削除するワークユニット定義を削除します。
  4. 各ノードよりワークユニット用の状態遷移プロシジャよりワークユニット名を削除します。
  5. クラスタサービスを起動します。

目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2004