Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド
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付録B 旧バージョンでのクラスタ環境構築手順> B.2 クラスタサービス機能/MSCS(Windows(R))> B.2.5 Interstageの環境設定

B.2.5.2 Interstage環境の設定

 Interstageでクラスタサービス機能を使用した場合の環境設定方法を、以下の流れで説明します。

  1. 環境変数の設定
  2. システム規模に関する環境設定
  3. CORBAサービスの環境設定
  4. コンポーネントトランザクションサービスの環境設定
  5. EJBサービスの環境設定
  6. インタフェースリポジトリの動作環境定義変更
  7. データベース連携サービスの環境設定
  8. データベース連携サービスおよびワークユニット起動用バッチファイルの作成
  9. サービスのスタートアップの変更
  10. MSCSへのリソース登録
  11. InfoProvider Proの環境設定
  12. HTMLページ編集サービスの環境設定
  13. Servletサービスの環境設定
  14. サービスのスタートアップの変更

環境変数の設定

 データベース連携サービスを使用する場合は、システム環境変数として以下を設定してから、システムを再立ち上げしてください。運用ノード、待機ノードのそれぞれで設定します。システム環境変数として指定する論理ホスト名は、通常、%WINDIR%\system32\drivers\etc\hostsファイルに、引き継ぎするIPアドレスと対に設定したホスト名を指定します。%WINDIR%は、Windows NT(R)またはWindows(R) 2000のインストール先フォルダを示します。

 OTS_LOGICAL_HOST=論理ホスト名

システム規模に関する環境設定

システム規模の設定

 コンポーネントトランザクションサービスの環境定義に対して、運用ノードおよび待機ノードで同一のシステム規模を設定する必要があります。システム規模の設定方法については、以下の手順で設定してください。なお、コンポーネントトランザクションサービスの環境定義については、“チューニングガイド”を参照してください。

1) 下記ファイルをエディタで開きます。

 Interstageインストールフォルダ\td\etc\sysdef

2) [SYSTEM ENVIRONMENT]セクションの"System Scale :"を記述し、ファイルを上書きモードで保存します。

CORBAサービス環境定義の変更

 CORBAサービス環境定義を変更します。

 運用ノードおよび待機ノードにおいて、以下の手順で定義変更を行ってください。

1) 下記ファイルをエディタで開きます。

 Interstageインストールフォルダ\ODWIN\etc\config

2) “チューニングガイド”の“Interstageのチューニング”を参照し、システム規模に合ったCORBAサービス環境定義の変更を行ってください。

データベース連携サービスのiniファイルの変更

 データベース連携サービスを使用する場合、運用ノードおよび待機ノードにおいて、以下の作業が必要になります。

1) 下記ファイルをエディタで開きます。

 Interstageインストールフォルダ\OTS\etc\ots.ini

2)“チューニングガイド”の“データベース連携サービスのチューニング”を参照し、データベース連携サービスのiniファイルの変更を行ってください。

CORBAサービスの環境設定

 データベース連携サービスを使用する場合は、OD_set_envコマンドを使用してオブジェクトリファレンスの生成時に組み込むIPアドレスの情報として論理ホスト名を設定してください。運用ノード、待機ノードのそれぞれで設定します。指定する論理ホスト名は、システム環境変数OTS_LOGICAL_HOSTに設定する論理ホスト名と同じです。

 OD_set_env -n 論理ホスト名

 odadmin_exコマンドを使用し、CORBAサービスの初期環境の設定を行います。
 以下の手順で設定を行ってください。

1)運用ノードおよび待機ノードにおいてodadmin_exコマンドでCORBAサービスの初期環境の設定を行います。この場合、ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリの設定については、運用ノードおよび待機ノードで同一としてください。

 インタフェースリポジトリのデータベースは、運用ノードおよび待機ノードのそれぞれのローカルディスク上に作成してください。
 共用ディスク上には作成しないでください。

コンポーネントトランザクションサービスの環境設定

 運用ノードおよび待機ノードそれぞれでtdsetupコマンドを使用し、コンポーネントトランザクションサービスの環境設定を行う必要があります。この時、セットアップフォルダについては、運用ノードおよび待機ノードのそれぞれのローカルディスクを設定する必要があります。
 また、この時運用ノードおよび待機ノードで同一のフォルダ構成としなければなりません。

 tdsetup セットアップフォルダ

EJBサービスの環境設定

 EJBアプリケーションを使用する場合、運用ノードおよび待機ノードそれぞれで、ejbmakeapfolderコマンドを使用し、アプリケーション格納フォルダを作成する必要があります。また、この時運用ノードおよび待機ノードでアプリケーション格納フォルダのパス名を同一にしなければなりません。
 ejbmakeapfolderコマンドの使用方法については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。

インタフェースリポジトリの動作環境定義変更

 インタフェースリポジトリの動作環境定義を変更します。
 運用ノードおよび待機ノードにおいて、以下の手順で定義変更を行ってください。また、インタフェースリポジトリの動作環境定義については、“チューニングガイド”の“irconfig”を参照してください。

1) 下記ファイルをエディタで開きます。

 Interstageインストールフォルダ\ODWIN\etc\irconfig

2) “sync=no”と記述されている行を、“sync=yes”という記述に変更し、ファイルを上書きモードで保存します。

変更前

 sync=no

変更後

 sync=yes

データベース連携サービスの環境設定

 データベース連携サービスを使用する場合は、以下の設定が必要になります。

データベース連携サービスのセットアップ

 運用ノードおよび待機ノードそれぞれでotssetupコマンドを使用し、データベース連携サービスの環境設定を行います。

 otssetup

トランザクション最大数の設定およびシステムログファイルの操作

 以下の手順で設定を行ってください。また、otsmklogコマンドについては、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。

1) 運用ノードでトランザクション最大数の設定およびシステムログファイルの作成を行います。また、システムログファイルの作成については、未作成の一般ファイルのパス名を指定してください。なお、システムログファイルは、共用ディスク上に作成する必要があるため、パス名は、共用ディスクに向けた名前にしてください。

トランザクション多重度が100のシステムログファイルをE:\temp\ots\logfile に作成したい場合

 otsmklog -l E:\temp\ots\logfile -t 100

2) 運用ノードのInterstageインストールフォルダ\ots\etc配下に作成されたsysconfigファイルを待機ノード上の同一フォルダ配下(Interstageインストールフォルダ\ots\etc)に複写します。

リソース管理プログラムの作成

 リソース管理プログラムの作成については、それぞれのノードで行ってください。リソース管理プログラムは、otsmkxapgmコマンドでXA連携用プログラムを作成してから、otslinkrscコマンドでリソース管理プログラムを作成します。それぞれのコマンドについては、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。

RDBII用のXA連携プログラムを作成する場合

  otsmkxapgm -s RDBII_xa_switch 
             -r "/libpath:'c:\Program Files\SFWSV\ESQL\LIB' F3CWXA.LIB F3CWDRV.LIB"
             -o D:\temp\ots\LIBXA_LINKPGM.DLL

RDBII用のリソース管理プログラムを作成する場合

  otslinkrsc -l D:\temp\ots\LIBXA_LINKPGM.LIB
             -r "/libpath:'C:\Program Files\SFWSV\ESQL\LIB' F3CWXA.LIB F3CWDRV.LIB"
             -o name.exe

リソース管理プログラムの登録

 作成したリソース管理プログラムの登録については、運用ノードおよび待機ノードから行います。作成したすべてのリソース管理プログラムの登録を行ってください。なお、複数のリソース管理プログラムを登録する場合、運用ノード上、待機ノード上でそれそれ同じ順番で登録してください。

 otssetrsc -a -rf D:\temp\ots\resourcedef

データベース連携サービスおよびワークユニット起動用バッチファイルの作成

 クラスタの切り替え時にデータベース連携サービス(OTSシステム、リソース管理プログラム)、およびワークユニットを自動起動したい場合には、MSCSに対してデータベース連携サービスおよびワークユニット起動用バッチファイルを登録します。
 データベース連携サービスおよびワークユニット起動用バッチファイルは、以下のように記述します。

 echo off

 otsstart
 otsstartrsc リソース管理プログラム1 リソース定義ファイル名1
 otsstartrsc リソース管理プログラム2 リソース管理プログラム2
 tdstartwu ワークユニット名1
 tdstartwu ワークユニット名2

 pause

[補足事項]

 本バッチファイルを用いる方法以外にも、Systemwalker/OperationMGRを使用することによりワークユニットの自動起動が実現できます。

InfoProvider Proの環境設定

 運用ノードおよび待機ノードでそれぞれ同一のInfoProvider Proの環境定義を行う必要があります。この時、InfoProvider Proの環境定義ファイルについては、運用ノードおよび待機ノードのそれぞれのローカルディスクに設定する必要があります。また、この時運用ノードおよび待機ノードで、InfoProvider Pro環境定義ファイルは同一のフォルダ構成としなければなりません。

 各ノードで作成したInfoProvider Proの環境定義ファイルに以下の定義が必要となります。

 sync : ON

 上記の設定により、InfoProvider Proが異常終了した場合にF3FMwwwサービスが停止します。
 各ノードで作成したInfoProvider Proの環境定義ファイルのホスト名(hostname)には、DNS(Domain Name Server)に登録されている名前(共通のホスト名またはIPアドレス)を設定してください。
 運用ノードおよび待機ノードのそれぞれでippsetstartupコマンドを使用し、InfoProvider Proの自動起動を設定する必要があります。ippsetstartupコマンドについては、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
 WWWサーバの環境設定については、“WWWサーバ運用ガイド(InfoProvider Pro編)”を参照してください。

HTMLページ編集サービスの環境設定

 運用ノードおよび待機ノードでそれぞれ同一のHTMLページ編集サービスの環境定義を行う必要があります。この時、HTMLページ編集サービスの環境定義ファイルについては、運用ノードおよび待機ノードのそれぞれのローカルディスクに設定する必要があります。また、この時運用ノードおよび待機ノードで、HTMLページ編集サービス環境定義ファイル、CORBAオブジェクト定義ファイルは同一のフォルダ構成としなければなりません。
 HTMLページ編集サービスの環境設定については、“WebGateway ユーザーズガイド”の“HTMLページ編集サービスの環境設定と運用手順”を参照してください。

Servletサービスの環境設定

 運用ノードおよび待機ノードでそれぞれ同一のServletサービスの環境定義を行う必要があります。この時、Servletサービスの環境設定ファイルについては、運用ノードおよび待機ノードのそれぞれのローカルディスクに設定する必要があります。また、この時運用ノードおよび待機ノードでServletサービスの環境定義ファイル、Interstage Java実行環境サーバパッケージ、Webアプリケーションは、同一のフォルダ構成としなければなりません。
 各ノードで作成したJServlet環境定義ファイルに以下の定義が必要となります。複数のサーブレット・コンテナを定義した場合には、すべてのサーブレット・コンテナの定義に以下を追加してください。

 [containername].ha.shutdown=true

 上記の設定により、サーブレット・コンテナが異常終了した場合にServletサービスが停止します。
 Servletサービスの環境設定については、“J2EEユーザーズガイド”の“Servlet/JSP編”を参照してください。

サービスのスタートアップの変更

 以下に示すサービスの「スタートアップの種類」を、“手動”にしてください。

MSCSへのリソース登録

 MSCSに対してInterstageのリソースを登録します。
 クラスタアドミニストレータを使用し、下表に示すリソースを登録してください。
 以下は、使用するデータベースがSymfoWARE Serverの場合です。

MSCSへのリソース登録について

リソース資源

サービス名

リソースの種類

依存関係(依存先)

備考

Interstage用
IPアドレス

IPアドレス

 

 

Interstage用
ネットワーク名

ネットワーク名

IPアドレス

 

共用ディスク

物理ディスク

ネットワーク名

 

SymfoWAREサービス

SymfoWARE RDB(注2)

汎用サービス

共用ディスク

 

OD_startサービス

ODloader

汎用サービス

SymfoWAREサービス

(注1)

NamingService

サービス

Naming

汎用サービス

OD_startサービス

(注1)

InterfaceRep_Cache Serviceサービス

InterfaceRep_Cache_s

InterfaceRep_e(注5)

汎用サービス

NamingServiceサービス

(注1)

TransactionDirector
サービス

TransactionDirector

汎用サービス

InterfaceRep_Cache Serviceサービス

(注1)

Interstage API
サービス

Interstage API

汎用サービス

TransactionDirector
サービス

(注1)

ObjectTransactionServiceサービス
(注3)

ObjectTransactionService

汎用サービス

Interstage API
サービス

(注1)

データベース連携サービスおよびワークユニット起動用バッチファイル

汎用アプリケーション

ObjectTransactionServiceサービスまたは
Interstage APIサービス
(注4)

(注1)

InfoProvider Proのサービス

F3FMwww

汎用サービス

HTMLページ編集サービスまたはIPアドレス

(注6)

HTMLページ編集サービス

WebGateway

汎用サービス

InterfaceRep_Cache Serviceサービス

 

Servletサービス

F3FMjs2

汎用サービス

IPアドレス

 

[補足事項]

注1)
 
“ネットワーク名をコンピュータ名として使う”チェックボックスを選択しないでください。

注2)
 
SymfoWARE Server製品のサービス名の詳細については、SymfoWARE Server製品のマニュアルを確認してください。

注3)
 
データベース連携サービスを使用する場合のみ、本リソース資源を設定してください。

注4)
 
データベース連携サービスを使用する場合は、ObjectTransactionServiceサービスを依存関係に設定し、使用しない場合はInterstage APIサービスを依存関係に設定してください。

注5)
 
EJBアプリケーションを使用する場合のみ必要です。

注6)
 
HTMLページ編集サービスを使用する場合は、HTMLページ編集サービスを依存関係に設定し、使用しない場合はIPアドレスを依存関係に設定してください。


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