Interstage Shunsaku Data Manager 導入・運用ガイド - Microsoft(R) Windows(R) 2000/ Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003 - - UNIX共通 -
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付録B 動作環境ファイルの実行パラメタ値設定時の考慮> B.2 他の動作環境ファイルを考慮すべき実行パラメタ値の考え方

B.2.2 MaxConnection、MultiMaxの設定

conductor用動作環境ファイルのMaxConnectionパラメタの値、director用動作環境ファイルおよびsorter用動作環境ファイルのMultiMaxパラメタの値は、以下を考慮して決定してください。

パラメタ名

考慮すべき点

MultiMax
(director用動作環境ファイル)

複数の検索およびソート・集計の要求を1回の検索処理に束ねて実行できる数(要求の相乗り数)を設定します。
directorは、本パラメタの値を超えた検索要求を受け付けた場合、超えた検索要求をキューイングして次の処理まで検索待ちの状態になります。

本パラメタの値は、ピーク時のアクセス数を考慮する必要があります。directorがMultiMaxパラメタの値(最大同時実行数)で検索処理を行っている時間内にconductorで要求を受け付ける件数がパラメタ値を超える場合は、アクセスピーク時の要求を処理しきれない状態といえます。
この場合、検索性能を向上するか、MaxConnectionパラメタの値を小さくしてアクセス数を制御する必要があります。

通常の検索要求とソート・集計のための検索要求が同時に行われることを考慮して、「通常の検索要求+ソート・集計のための検索要求」の値を本パラメタの最大値として算出する必要があります。

MultiMax
(sorter用動作環境ファイル)

ソートおよび集計処理を並列で実行するときの最大同時処理数を設定します。

単一sorter構成の場合

単一sorter構成の場合に、Shunsakuシステムで同時に実行できるソートおよび集計処理の最大件数は、sorterのMultiMaxパラメタの値となります。
conductorは、sorterのMultiMaxパラメタの値を超えたソートまたは集計の要求を受け付けた場合、上限超えのエラーを呼出し元へ通知します。
ソートおよび集計時には、対象とするデータの検索処理も行われます。そのため、directorのMultiMaxパラメタの値は、ソートおよび集計時の検索処理の実行数を含めた値を設定しなければなりません。したがって、双方のMultiMaxパラメタの値は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • directorのMultiMaxパラメタの値≧sorterのMultiMaxパラメタの値

sorter処理で同時実行の上限エラーを発生させないようにするためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • MaxConnectionパラメタの値≦sorterのMultiMaxパラメタの値

複数sorter構成の場合

複数sorter構成の場合に、Shunsakuシステムで同時に実行できるソートおよび集計処理の最大件数は、sorterのMultiMaxパラメタの総和となります。
conductorは、全sorterがMultiMaxパラメタの値に達した状態で処理を行っている場合(各sorterのMultiMaxパラメタ値の総和と等しいソートおよび集計処理を実行中)、新たに受け付けた処理を実行せずに、上限超えのエラーを呼出し元へ通知します。
directorのMultiMaxパラメタの値には、ソートおよび集計処理対象とするデータを特定するための検索処理も含める必要があるため、各sorterのMultiMaxパラメタの値の総和以上の値を設定しなければなりません。したがって、双方のMultiMaxパラメタの値は、以下の条件を満たしている必要があります。

  • directorのMultiMaxパラメタの値≧sorterのMultiMaxパラメタの値の総和

sorter処理で同時実行の上限エラーを発生させないようにするためには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • MaxConnectionパラメタの値≦sorterのMultiMaxパラメタの値の総和

MaxConnection

directorのMultiMaxパラメタの値とsorterのMultiMaxパラメタの総和以上の値を設定する必要があります。
本パラメタは、Shunsakuが要求を受け付けることができる最大値であり、directorが同時に処理できる値ではありません。つまり「MaxConnectionパラメタの値>MultiMaxパラメタの値」の間、conductorはdirector側が検索処理中か否かに関係なく検索要求を受け付け、directorに検索を依頼します。directorは、検索処理を実行していない状態であれば、conductorから受け取った検索要求のうち、directorのMultiMaxパラメタに指定された値を最大として、1回の検索処理に束ねて実行します。それ以外の条件の場合には、検索要求を待ち状態にします。

Shunsaku Fileを使用する場合も、同じような考え方で設定します。
MaxConnectionパラメタの値は、Shunsakuシステム内での同時接続数の最大値を指定するものです。複数のShunsaku FilesでShunsakuシステムが構成され、かつ各Shunsaku FileごとにdirectorのMultiMaxパラメタの値が異なる設計になっている場合、Shunsakuシステムという範囲で考える必要があるため、必然的にShunsaku Fileを使用しない場合の考え方と同じになります。
MaxConnectionパラメタは、Shunsakuシステム内の最大同時接続数の限界値を指定するもので、Shunsakuシステムへのアクセス量と考える必要があり、Shunsaku Fileの有無とは無関係です。
たとえば、以下のような構成があるとします。

  • Shunsaku FileA:director(MultiMax:5)
  • Shunsaku FileB:director(MultiMax:10)
  • Shunsaku FileC:director(MultiMax:20)

この場合、Shunsaku File A〜Cを利用するアプリケーションが同時に実行されると、各directorで同時に実行される可能性がある最大数(相乗り数)は、5+10+20=35 要求となります。
directorの相乗り数の合計より大きくしなければならないため、MaxConnectionパラメタの値は35以上にする必要があります。

conductor用動作環境ファイルのMaxConnectionパラメタの値、director用動作環境ファイルのMultiMaxパラメタの値およびsorter用動作環境ファイルのMultiMaxパラメタの値の関係は、以下のようになります。

conductorのMaxConnectionパラメタの値=directorのMultiMaxパラメタの値×2 > sorterのMultiMaxパラメタの値
(directorのMultiMaxパラメタの値は、ソート要求時の検索処理数を含みます。)

conductor用動作環境ファイルの記述例

#---検索用データの文字コード---#
MaxConnection     60

director用動作環境ファイルの記述例

#---検索依頼の同時受付最大件数---#
MultiMax          30

sorter用動作環境ファイルの記述例

#---ソートまたは集計依頼の同時受付最大件数---#
MultiMax          10

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