SSF/Backup Facility 運用手引書
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目次
索引

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7.1 システムディスクの保全
システムディスクのバックアップは、以下の要因によりシステムの状態を変更した後に実施する必要があります。
- 初期導入作業完了後
- 構築作業完了後
- SSF/Backup Facilityに接続されたハードウェアの構成変更作業完了後
- ネットワーク構成変更作業完了後
- ネットワークに接続された各種サーバの構成変更作業完了後
- オプションソフトウェアの追加導入作業完了後
- システムトラブルの復旧作業完了後
- 処理継続機能の活性/非活性設定の変更時
SSF/Backup Facilityのシステムディスクが破壊された場合、システムを復旧するために必要となりますので、必ず行ってください。
7.1.1 通常のディスクの場合
通常のディスクの、システムディスクの退避と復旧の方法について説明します。
7.1.1.1 システムディスクのバックアップ
ufsdumpコマンドを使ったテープ装置へのバックアップ手順を以下に示します。また、バックアップは、Solaris OSのインストールCD-ROMを使用し、CD-ROMからSolaris OSを起動して行います。バックアップ完了後、再起動してください。
- 起動中のシステムを停止し、Solaris OSのインストールCD-ROMから起動してください。
# shutdown -y -g0 -i0 <Return>
... ← システムの停止メッセージが表示されます。
ok boot cdrom -as <Return>
... ← システムの起動メッセージが表示されます。 |
- バックアップデータを格納するテープをテープ装置に投入します。
- ufsdumpコマンドを使用し、スライスごとにファイルシステムをバックアップします。
(以下の例は swap領域を除く全てのスライスを1つのテープに続けてバックアップする場合です。)
# ufsdump 0cf /dev/rmt/0n /dev/rdsk/c0t0d0s0 <Return> |
- バックアップが完了したら、テープ装置のイジェクトスイッチを押してテープを取り出します。
- テープ装置から媒体を取り出したら、システムを再起動します。
# shutdown -y -g0 -i6 <Return>
・
・← システム停止と起動のメッセージが表示されます。
・
node1 Console Login: |
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- クラスタ構成の場合、システムディスクのバックアップは、各ノードで実施してください。
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7.1.1.2 システムディスクの復旧
システムディスクに異常が発生している状況では、システムディスクからOSを起動することはできません。OSの起動はCD-ROMを使用して行いますので、Solaris OSのインストールCD-ROMを用意してください。
- システムを停止し、Solaris OSのインストールCD-ROMから、シングルユーザモードで起動してください。
# shutdown -y -g0 -i0 <Return>
... ← システムの停止メッセージが表示されます。
ok boot cdrom -as <Return>
... ← システムの起動メッセージが表示されます。 |
- 復旧対象のスライス上のファイルシステムを事前に再作成しておきます。(対象のスライス分行います。)
# newfs /dev/rdsk/c0t0d0s0 <Return>
newfs: 新しいファイルシステム /dev/rdsk/c0t0d0s0 を作成しますか: (y/n)? y <Return>
:
# |
- バックアップデータを格納したテープをテープ装置に投入します。
- リストア対象のスライスをマウントします。
# mount /dev/dsk/c0t0d0s0 /mnt <Return>
# cd /mnt <Return> |
- テープからファイルシステム(スライス)を復元します。
(以下の例は、ufsdumpコマンドでバックアップしたテープから1つめのバックアップデータをリストアする場合。)
# ufsrestore rfs /dev/rmt/0 1 <Return> |
- リストアされたスライスのマウントを解除します。
# cd / <Return>
# umount /mnt <Return> |
- リストアが完了したら、テープ装置のイジェクトスイッチを押してテープを取り出します。
- ルートパーティションにブートブロックを作成します。
# installboot /usr/platform/sun4us/lib/fs/ufs/bootblk \ <Return>
> /dev/rdsk/c0t0d0s0 <Return> |
- システムを再起動します。
# shutdown -y -g0 -i6 <Return>
・
・ ← システム停止と起動のメッセージが表示されます。
・
node1 Console login: |

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- クラスタ構成の場合、各ノードで以下の手順を行ってください。
- システムディスクが破壊(マスターブートレコードの破壊など)された場合、『Solaris OSのインストール手順書』にしたがって、新規ディスクにSolaris OSをインストールし、Solaris OSが起動できるシステムを復元します。その後、ufsrestoreコマンドによるリストア方法を実施してください。
また、Solaris OSをインストールする時のスライス構成については、クラスタ構成の場合は『SSF/Backup Facility インストールガイド』、シングル構成の場合は『SSF/Backup Facility for Entry インストールガイド』を参照のうえ、以下のスライス構成にてインストールを実施してください。
Slice マウントポイント Size(MB)
------------------------------------
0 / 57002
1 swap 3074
3 /var/crash 5000
空き 5009
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PRIMECLUSTER GDSで二重化されたディスクの、システムディスクの退避と復旧の方法について説明します。
7.1.2.1 システムディスクのバックアップ
PRIMECLUSTER GDSで二重化されたディスクの場合、スライス単位に ufsdumpコマンドを使用してテープ装置へバックアップします。
以下のマウントポイントにマウントされるファイルシステムのバックアップを実施します。

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- ufsdumpコマンドによるバックアップ方法については、『PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書』の「6.1 システムディスクのバックアップとリストア」を参照してください。
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- クラスタ構成の場合、システムディスクのバックアップは、各ノードで実施してください。
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7.1.2.2 システムディスクの復旧
通常、システムディスクに異常が発生している状況では、システムディスクからOSを起動することはできません。OSの起動はCD-ROMを使用して行いますので、Solaris OSのインストールCD-ROMが必要です。
ただし、PRIMECLUSTER GDSにより二重化されている場合、片方のディスクにのみ異常が発生した場合は、正常なディスクよりOSが起動されるため、CD-ROMは必要ありません。そのため、異常が片方のディスクに発生したか、あるいは双方に発生したかにより、復旧方法が異なります。
7.1.2.2.1 双方のディスクに異常が発生した場合
PRIMECLUSTER GDSで二重化されたシステムディスクの双方のディスクで異常が発生した場合は、本章の「システムディスクのバックアップ方法」の「PRIMECLUSTER GDSで二重化されたディスクの場合」においてバックアップしたテープを用意し、ufsrestoreコマンドを使用して、バックアップデータをそれぞれの主側の物理スライスへリストアします。

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- ufsrestoreコマンドによるリストア方法については、『PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書』の「6.1 システムディスクのバックアップとリストア」を参照してください。
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- クラスタ構成の場合、各ノードでリストアを行ってください。
- PRIMECLUSTER GDSで二重化されたシステムディスクの双方のディスクが破壊(マスターブートレコードの破壊など)された場合、『Solaris OSのインストール手順書』にしたがって、主側のディスクにSolaris OSをインストールした後、ddコマンドによって副側のディスクに複写し、Solaris OSが起動できるシステムを復元します。その後、ufsrestoreコマンドによるリストア方法を実施してください。
また、Solaris OSをインストールする時のスライス構成については、クラスタ構成の場合は『SSF/Backup Facility インストールガイド』、シングル構成の場合は『SSF/Backup Facility for Entry インストールガイド』を参照のうえ、以下のスライス構成にてインストールを実施してください。
Slice マウントポイント Size(MB)
------------------------------------
0 / 57002
1 swap 3074
3 /var/crash 5000
残り 5009
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クラスタ構成の場合、システムの再起動後、クラスタを構成している他ノードのコンソールまたは、クラスタ運用管理ビューを起動している場合はWebブラウザのダイアログボックスで、以下のようなPRIMECLUSTERのメッセージが表示される場合があります。メッセージの内容を確認して対応してください。
FJSVcluster: 応答: claddmsg: 1421: 1421 userApplication "userApp_sp5000" は、userApplication を構成する全てのSysNodeが所定時間内に起動しなかったため、自動起動しませんでした。
userApplication をSysNode "node1RMS" で強制起動しますか? (no/yes)
メッセージ番号: 1001
警告:userApplication の強制起動は安全性チェックが無効になります。使い方を誤ると、データが破損したり整合性が失われる場合があります。強制起動するuserApplicationが、クラスタ内でオンラインでないことを確認した上で実行してください。 |

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- 詳細については、『PRIMECLUSTER 導入運用手引書』の「D.5 オペレータ介入メッセージ」または「D.7.2 故障リソースとオペレータ介入のメッセージ(GUI)」を参照してください。
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7.1.2.2.2 片方のディスクに異常が発生した場合
異常が発生したディスクを交換し、正常なディスクより復旧します。以下の手順で実施してください。
- 物理ディスク交換
- SPアシスタントのランチャ機能から「クラスタ管理」を選択し、クラスタ管理画面を呼び出します。
- 「Global Disk Services」を選択します。
対象の物理ディスクの状態表示
メイン画面中に交換対象の物理ディスクを表示し、そのアイコンをクリックして対象の物理ディスクを選択します。
- [物理ディスク交換]メニューの選択
メイン画面の[操作]:[物理ディスク交換]を選択します。

以下の確認画面が表示されます。
処理を続ける場合は、<はい>をクリックします。<いいえ>をクリックすると、物理ディスク交換処理を取り消します。

- 物理ディスクを交換します。
<はい>をクリックすると、以下の切離し完了通知画面が表示されます。
<確認>をクリックし、当社技術員(CE)にディスク装置の交換を依頼してください。

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- 新しいディスクに交換した場合
「物理ディスク復旧」の処理を行う前に、format(1M)コマンドを使用してディスクにラベル付けを行う必要があります。 |
- 物理ディスク復旧
- SPアシスタントのランチャ機能から「クラスタ管理」を選択し、クラスタ管理画面を呼び出します。
- 「Global Disk Services」を選択します。
- 復旧する物理ディスクの選択
復旧する物理ディスクを選択します。
- [物理ディスク復旧]メニューの選択
メイン画面の[操作]:[物理ディスク復旧]を選択します。

以下の確認画面が表示されます。
処理を続ける場合は、<はい>をクリックします。<いいえ>をクリックすると、物理ディスク復旧処理を取り消します。
- 組込み完了通知
<はい>をクリックすると、以下の組込み完了通知画面が表示されます。

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- 復旧方法の詳細は、『PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書』の「5.3.4 ディスク交換」を参照してください。
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